JP3097103U - 燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】土木・建築等の作業現場での重機等への給油作業を省力化して短時間で行えるとともに、燃料と一緒に他の工具、道具類等を簡易に搬送できる燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車を提供する。
【解決手段】自動車(T)の荷台U上に設置される燃料の搬送・給油装置であって、自動車の荷台U上に着脱可能に設置され、密閉状の中空内部に液体燃料を貯留する横長のケース体12と、巻取り操出し自在にリール体14に巻きかけられた燃料供給ホース16と、ケース体12内の液体燃料を燃料供給ホース16の繰出し先端側に圧送する圧送装置18と、を備え、少なくとも燃料供給ホース16を巻きかけたリール体14が、ケース体12上の左右いずれかの端部側に設けられることを特徴とする燃料の搬送・給油装置10から構成される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、例えば、土木・建築作業現場に液体燃料を運搬し、そして、燃料をブルドーザ、バックホー、クレーン、杭打ち機等の重機等に給油するのに用いられる燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、土木・建築作業現場において、ブルドーザ、バックホー、杭打ち機、クレーン等の重機を使用する場合、重機の燃料が減少してくると、土木・建築作業現場で給油することが多い。重機に軽油等の燃料を給油する際には、燃料を例えば、300lの円筒ドラム缶に入れ、トラックの荷台に積載して現場まで運搬し、そして、ドラム缶から15〜20lのポリタンク等の小型容器に移し替えてトラックから重機の位置まで作業者が人力で運び、該ポリタンクで重機の燃料タンクに給油していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の給油作業では、燃料が入った重いポリタンク等の容器を持って、重機とトラックとの間を十数回以上も往復しなければならなかったので大きな労力がかかかるとともに、給油に長時間かかっていた。特に、作業現場は足場が悪いことも多く、重いポリタンクを持っての移動は重労働であった。さらに、トラックでドラム缶を搬送する際には、ドラム缶とポリタンクによってトラックの荷台が占有されしまうので、例えば、杭、矢板等、セメント等の土木・建築材料、シャベル、つるはし等の作業用工具、コンプレッサ等の作業機械、その他の道具類等を一緒に荷台に積載することが困難であった。よって、一台のトラックで何回も往復したり、或は搬送用トラックの台数を多く用意したりしなければならなかったので、搬送効率が悪いものであった。また、燃料を貯留したドラム缶をトラックで輸送する際に荷台上のドラム缶が倒れないようにロープ等で固定する必要があったので面倒なものだった。したがって、燃料や作業道具等を作業現場に簡易に搬送できるとともに労力をかけることなく簡単に重機への給油作業を行なえる簡便な装置の出現が望まれていた。
【0004】
また、例えば、特許文献1に示すような燃料油配送車は、燃料のみを大量輸送するのに特化した特殊な車両なので、作業現場へ簡易に搬送する手段としては実用的なものではなかった。
【特許文献1】特開平6−199397号公報(段落番号[0006]、図2)
【0005】
本考案は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、簡単な構造で、例えば、土木・建築等の作業現場での重機等への給油作業を省力化して短時間で行えるとともに、普及しているトラック等に設置させて燃料と一緒に他の工具、道具類等を簡易に搬送できる実用的な燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本考案は、自動車(T)の荷台U上に設置される燃料の搬送・給油装置であって、自動車の荷台U上に着脱可能に設置され、密閉状の中空内部に液体燃料を貯留する横長のケース体12と、巻取り操出し自在にリール体14に巻きかけられた燃料供給ホース16と、ケース体12内の液体燃料を燃料供給ホース16の繰出し先端側に圧送する圧送装置18と、を備え、少なくとも燃料供給ホース16を巻きかけたリール体14が、ケース体12上の左右いずれかの端部側に設けられることを特徴とする燃料の搬送・給油装置10から構成される。ケース体12の形状、大きさは横長であれば任意でよく、自動車の荷台Uの大きさ等に応じて形成される。ケース体12の配置方向は任意でよく、荷台の縦方向に沿って長く配置させてもよいが、荷台Uの横幅方向に沿って長く配置させると、他の積載空間Wが有効に確保できる。ケース体12の材質は、例えば鉄、ステンレス等の硬質の金属、その他任意で良い。ケース体12は、例えば、荷台の側部枠板、前部枠体、後部枠板、床板等に、例えば、ボルト止め、フック係合、クランプ状の固定具、ロック装置等、その他任意の固定手段により脱着可能に固定することとしてもよい。
【0007】
また、燃料供給ホース16の繰出し先端部には、液体燃料の圧送、停止を操作させる開閉弁装置40が設けられたこととしてもよい。開閉弁装置40の構成は任意でよいが、例えば、ガンタイプのように片手で開閉弁を操作できるものが好適である。
【0008】
また、ケース体の内部には、内部空間Sを分割するように1箇所又は複数箇所に仕切り28が設けられており、該仕切り28には連通開口30が穿孔されたこととしてもよい。仕切り28の連通開口30は例えば、円形、楕円形、矩形状等、その他任意の貫通孔でもよく、仕切り28が分割した空間を連通させる開口であれば任意で良い。
【0009】
また、圧送装置18及び燃料供給ホース16は、ケース体12の一端部側の上部に設置され、自動車の荷台U上にその幅方向に沿って長く配置させた状態で、その自動車の側部荷台枠板Qに正対する開閉扉48を備えたカバーケース46に収容されたこととしてもよい。ケース体12は、荷台の前部側、中間位置、後部側の任意の位置に配置させても良いが、好適には、ケース体12を荷台の前部側に寄せて配置させると、他の積載空間Wが有効に利用できる。ケース体12とカバーケース46とは、溶接等により固定されていても良いが、例えば、ネジ止め、フック、バックル等により脱着可能に固定すると、圧送装置等や燃料供給ホース等のメンテナンスが簡単に行える。開閉扉48は、例えば、蝶番等を用いた回動式の扉、又は、巻き上げ式のシャッター等、その他任意の構成でよい。
【0010】
また、ケース体12とカバーケース46とが略L字状の箱体状に一体的に形成されたこととしてもよい。
【0011】
さらに、本考案は、請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料の搬送・給油装置10を備えた自動車から構成される。搬送・給油装置10が設置される自動車は、例えば、軽4輪トラック、小型4輪トラック、大型トラック等を含む貨物自動車、その他種々の自動車でよい。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下添付図面を参照しつつ本考案の燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車の実施の形態について説明する。本考案の燃料の搬送・給油装置は、例えば、軽4輪トラック等の貨物自動車の荷台上に設置され、液体燃料を貯留して土木・建築作業現場等に搬送し、そして、例えば、ブルドーザ、バックホー、クレーン、杭打ち機等の重機に燃料を給油できる搬送・給油装置である。図1ないし図6には、本考案の燃料の搬送・給油装置の一実施形態を示しており、この実施形態において、燃料の搬送・給油装置10は、ケース体12と、リール体14に巻きかけられた燃料供給ホース16と、圧送装置18と、を備えている。
【0013】
ケース体12は、図1ないし図6に示すように、例えば、広く普及している軽4輪トラック等のトラックTの荷台U上に着脱可能に設置されて液体燃料を簡易に搬送し得るケースであって、横長に設けられ、内部に液体燃料を貯留する密閉状の内部空間Sを有した中空のケース体からなる。この実施形態において、ケース体12は、図1、図2に示すように、例えば、鉄板を横長の直方体状のケース状に溶接して形成されており、上下、前後、左右各面を鉄板で塞がれて密閉された横長直方体状の内部空間Sを有している。図6に示すように、ケース体12は、その横幅がトラックTの荷台Uの横幅と略同じ程度に設けられており、トラックTの荷台Uの前部側で乗用部M側に近接させて横長のケース体12の長手方向を荷台Uの横幅方向に長く沿わせて配置されている。これにより、荷台上の限られた空間で、燃料の貯留するケース体の他に、他の積載空間Wを確保しつつケース体自体の容積を大きく形成でき、燃料を多量に搬送できる。さらに、ケース体内に燃料を貯留した際に、トラック全体の重心を左右に大きく偏らせることがなくトラック運転時でも全体バランスが維持される。この実施形態において、ケース体12は、図3、4に示すように、例えば、その腹部下側に固定されたL字板20を介して荷台床板上に固定される。L字板20は、例えば、鉄板等をL字に曲折して形成されたものからなり、水平側にボルト孔22が穿孔され、垂直側の上端側がケース体12の下腹部に溶接固定されて、ケース体12を略水平状に支持している。ケース体12は、L字板20のボルト孔22を、トラックTの荷台の床板Pに穿孔されたボルト孔と位置合わせした状態でボルト連結されて荷台上に固定される。ケース体12は、必要に応じて、ボルトVを外して荷台Uから取り外すことができる。ケース体12を荷台U上に設置しても、ケース体12の後方側には、広い積載部Wが形成され、例えば、杭、矢板等、セメント等の土木・建築材料、シャベル、つるはし等の作業用工具、コンプレッサ等の作業機械、その他の道具類等を積載することができる。よって、燃料と作業工具や、作業機械等の他の荷物とを同時に作業現場に搬送できる簡便な搬送手段を実現できる。
【0014】
図1において、ケース体12の上面の左上と右下の隅部付近には、給油口24が設けられている。給油口24は、常時はそれぞれ蓋によって閉鎖されており、ケース体12に燃料を貯留する際には、燃料供給元の給油装置等に近い左右いずれかの給油口が選択して給油される。基本的には、給油口24は、1個でも良い。図2に示すように、ケース体12の下面側には、内部空間Sの底にたまった水を抜くための水抜き用バルブ26が設けられている。図3に示すように、ケース体12の左側面には、ゲージ27が設けられており、外部からケース体12内の液体燃料の残量を確認できる。さらに、図1、図2に示すように、ケース体12の内部には、仕切り28が設けられている。
【0015】
仕切り28は、ケース体12内の1箇所又は複数箇所に設けられてケース体内部空間Sを分割している。仕切り28は、ケース体が大きく揺れた際に、ケース体内の液体燃料の大きな波立ちを抑え、液体燃料がケース体12へ与える衝撃を分散させるとともにケース体の重心を比較的安定した状態に維持させる。仕切り28には、例えば、円形孔状に貫通した連通開口30が穿孔されており、連通開口30を介して液体燃料は仕切られた内部空間内を自在に流動し得る。この実施形態において、仕切り28は、例えば、金属板等を格子状に組付けたものからなり、ケース体内の上下にそれぞれ離隔して配置されて、内部空間の上下中間位置に中間開口32を形成するように設けられている。なお、仕切り28は、例えば、上述のような中間開口32を形成しないように一枚板を立てて配置し、一枚板に連通開口30を穿孔したものでもよい。
【0016】
圧送装置18は、図2に示すように、燃料供給ホース16と接続され、ケース体12内の液体燃料を燃料供給ホースの操出し先端側に圧送する。圧送装置18は、例えば、ポンプからなり、ポンプ本体34からケース体12内に挿し込まれた吸込管36から液体燃料を吸込んで燃料供給ホース16の先端側に圧送する。この実施形態において、圧送装置18は、ケース体12上部の、図2上、左端寄り位置に載置状に固定されており、燃料供給ホース16とともに後述するカバーケース46内に収容されている。圧送装置18は、例えば、電源コード38をトラックTのバッテリー等に接続して駆動電力が供給される。
【0017】
燃料供給ホース16は、図2に示すように、リール体14に巻取り操出し自在に巻きかけられており、圧送装置18と協働して給油手段を構成する。燃料供給ホース16は、リール体から繰出して延長させることにより、その繰り出し先端側を燃料吐出口とし、ケース体から離隔した位置でも給油できる。この実施形態において、リール体14は、ケース体12上面の、図2上、左端部側に圧送装置18と近接して配置されてケース体12上部に固定されている。これにより、装置全体を一体的にコンパクトに製造できるとともに、ケース体12を上述のようにトラックTの荷台U上に設置した際に、該リール体14が荷台Uの左側に寄った位置に配置されることとなり、ケース体12を荷台U上に設置したままでも簡単に燃料供給ホース16の巻取り繰出し操作が行える。リール体14には、例えば、図示しないハンドルが設けられており、ハンドルを介してリール体を回転させて繰出された燃料供給ホースを巻取る。なお、リール体14は、例えば、モータ等を介して回転させて、燃料供給ホースを自動巻取りする構成でもよい。燃料供給ホース16の操出し先端側には、液体燃料を圧送、停止を操作させる開閉弁装置40が設けられている。
【0018】
この実施形態において、開閉弁装置40は、内部に開閉弁を有するノズル42と、ノズル内の開閉弁を開閉操作するレバー44と、を備えている。開閉弁装置40は、常時は、ノズル内の開閉弁を閉鎖するようにレバー44がばね付勢されており、液体燃料の吐出を停止させている。給油する際には、レバー44をノズル基部側43に向けて握り込むことにより、弁が開いて圧送装置18から圧送されてくる液体燃料をノズル先端口から吐出させる。レバー44を戻すと再び弁が閉鎖して液体燃料が停止する。これにより、燃料供給ホース16の先端部側で液体燃料の圧送、停止が操作できるので、燃料供給ホース16を繰出して延長した際でも手元で燃料の圧送、停止操作ができ、簡単に給油することができる。
【0019】
この実施形態において、図2に示すように、燃料供給ホースの圧送装置と接続される端部側には、燃料の給油量を自動的に測定、表示するメーター50が取付けられている。メーター50は、例えば、流速センサと、演算部と、表示用のデジタルカウンタと、を有している。メーター50は、燃料供給ホースの断面積を予め設定しておき、流速センサでホース内を流れる流速とその時間を測定し、演算部で、単位面積当りの流速値と、ホース断面積と、時間と、の積で燃料の流量すなわち給油量を計算し、デジタルカウンタに表示する。なお、メーター50は、例えば、羽根車回転式メーターや、その他任意の構成でもよく、また、必ずしも取付けなくても良い。
【0020】
カバーケース46は、図1、図2に示すように、圧送装置18及び燃料供給ホース16を収容するカバーケースであり、燃料供給ホース16の収容及び外部への繰出しをさせるための開閉扉48を備えている。カバーケース46は、圧送装置や燃料供給ホースを風雨や埃等及び他の積載した荷物等から保護する。この実施形態において、カバーケース46は、例えば、鉄板を下面開口の立体矩形中空箱体状に溶接して形成され、ケース体12上部の、図1上、左端部側にリール体14及び圧送装置18を上から覆い被すように配置され、任意の固定手段で固定されている。すなわち、カバーケース46とケース体12とが、略L字状の箱体状に一体的に形成されている。これにより、装置全体を必要最小限のスペースでコンパクトに製造できる。カバーケース46とケース体12との固定手段は、例えば、溶接等任意の固定手段でよいが、好適には、ネジ止め等により脱着可能に固定し、圧送装置18や燃料供給ホース等のメンテナンスを簡単に行えるようにするとよい。カバーケース46の内部は、仕切り壁52によって、左右二部屋に分割されており、それぞれリール体14と圧送装置18を別々に収容している。例えば、搬送時のケース体の揺れ等で、ホース先端の開閉弁装置40等が圧送装置18に不意にぶつかってポンプ等が損傷するのを防止できる。
【0021】
この実施形態において、開閉扉48は、図3、図5にも示すように、カバーケース46の左側面側に設けられおり、すなわち、ケース体12を上述のようにトラックTの荷台U上にその幅方向に沿って長く配置させた状態で、トラックTの左側部荷台枠板Qに正対するように設けられている。これにより、ケース体12をトラックTの荷台U上に設置した状態でも燃料供給ホース16の繰出し又は巻取り操作を簡単に行える。この実施形態において、開閉扉48は、例えば、カバーケース46に蝶番54を介して回動自在に取付けられている。
【0022】
次に、本実施形態の燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車の作用について説明する。図5、図6に示すように、搬送・給油装置10は、ケース体12の一端部側の上部に設けられたカバーケース46(リール体側)がトラックTの荷台上で左側になるように、ケース体12を荷台Uの横幅方向に沿って長く配置させた状態で、例えば、ボルトを介して荷台U上に固定される。トラック側は、例えば、荷台床板にボルト孔を穿孔する程度でよく、トラックを大幅に改造することなく安価に設置することができる。なお、カバーケース46側が荷台上の右側に配置されるように設置しても良い。ケース体12は横長に形成されているので、荷台上のケース体12の後方には、比較的広い他の積載空間Wが確保され、この積載空間Wに例えば、土木・建築材料、作業工具、作業機械等の他の荷物等を積載することができる。これにより、重機用の燃料とともに他の工具、道具類等を作業現場に効率良く搬送できる。
【0023】
作業現場で重機等に給油する際には、トラックTのバッテリ等を利用して圧送装置18を作動させ、カバーケース46の開閉扉48を開き、燃料供給ホースをリール体14から繰出して延長し、燃料供給ホースの先端側を重機(図示せず)に近付ける。この際、リール体14がケース体12上部の端部側に配置され、また、カバーケースの開閉扉48が、側部荷台枠板に正対するように設けられているので、ケース体12が荷台上に設置された状態でも、燃料供給ホースの繰出し巻取り操作が簡単に行える。そして、燃料供給ホースの先端側に設けられた開閉弁装置40のノズル42を重機の燃料タンクの給油口に差し込んだ状態で、レバー44を握り込んで開閉弁を開き、圧送装置18を介してケース体内から圧送されてくる液体燃料を開閉弁装置から吐出させて重機に給油する。これにより、労力をほとんどかけずに短時間で簡単に重機等に給油することができる。給油が終わったら、開閉弁装置40のレバー44を放して開閉弁を閉じ、燃料供給ホースをリール体14に巻取ってカバーケース46内に収納し、開閉扉48を閉鎖する。なお、必要に応じて、搬送・給油装置10を荷台U上から取り外して、装置を地上等に配置して使用したり、あるいは、装置を有しない通常のトラックとしても使用することができる。
【0024】
本考案の燃料の搬送・給油装置及びそれを含む自動車は、上記した実施の形態に限定されるものではなく実用新案登録請求の範囲に記載した考案の本質を逸脱しない範囲において任意の改変を行ってよい。
【0025】
【考案の効果】
上記したように本考案の燃料の搬送・給油装置によれば、自動車の荷台上に設置される燃料の搬送・給油装置であって、自動車の荷台上に着脱可能に設置され、密閉状の中空内部に液体燃料を貯留する横長のケース体と、巻取り操出し自在にリール体に巻きかけられた燃料供給ホースと、ケース体内の液体燃料を燃料供給ホースの繰出し先端側に圧送する圧送装置と、を備え、少なくとも燃料供給ホースを巻きかけたリール体が、ケース体上の左右いずれかの端部側に設けられる構成であるから、簡単な構造で安価に製造でき、作業現場等での重機等への給油作業の労力を軽減し、簡単かつ短時間に給油できるとともに、普及しているトラック等に設置させて、燃料と一緒に他の工具、道具類等を積載して簡易に搬送でき、実用性に優れた搬送・給油装置を実現し得る。さらに、ケース体を荷台上に設置したままでも燃料供給ホースの巻取り繰出し操作が簡単に行える。また、必要に応じて、搬送・給油装置を荷台から取り外して、該装置を地上等に配置しても使用でき、幅広い使用形態がとれる。
【0026】
また、燃料供給ホースの繰出し先端部には、液体燃料の圧送、停止を操作させる開閉弁装置が設けられた構成とすることにより、燃料供給ホースを繰出した際でも、作業者が手元で燃料の圧送、停止操作できるので、簡単に給油作業が行える。
【0027】
また、ケース体の内部には、内部空間を分割するように1箇所又は複数箇所に仕切りが設けられており、該仕切りには連通開口が穿孔された構成とすることにより、搬送時等にケース体が大きく揺れた際に、液体燃料の大きな波立ちを抑え、液体燃料がケース体へ与える衝撃を分散させるとともにケース体の重心を比較的安定した状態に維持させ、安全に搬送できる。
【0028】
また、圧送装置及び燃料供給ホースは、ケース体の一端部側の上部に設置され、自動車の荷台上にその幅方向に沿って長く配置させた状態で、その自動車の側部荷台枠板に正対する開閉扉を備えたカバーケースに収容された構成とすることにより、燃料供給ホースの巻取り繰出しの操作性を損なうことなく装置全体を一体的に製造でき、圧送装置や燃料供給ホースを風雨等から保護できるとともに、荷台上の限られた空間で、他の積載空間を確保しつつケース体自体の容積を大きく形成でき、多量の燃料を搬送することができる。さらに、ケース体内に燃料を貯留した際に、自動車全体の重心を左右に大きく偏らせることがなく自動車運転時でも全体バランスが維持でき、安全に搬送できる
【0029】
また、ケース体とカバーケースとが略L字状の箱体状に一体的に形成された構成とすることにより、装置全体が必要最小限のスペースで一体的にまとまった構成で製造できる。
【0030】
さらに、本考案の自動車は、請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料の搬送・給油装置を備えた構成であるから、作業現場等での重機等への給油作業の労力を軽減し、簡単かつ短時間に給油できるとともに、燃料と一緒に他の工具、道具類等を積載して簡易に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の燃料の搬送・給油装置の一部切欠斜視説明図である。
【図2】図1の搬送・給油装置の燃料供給ホースの先端側を少し繰出した状態の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】図1の搬送・給油装置の左側面図である。
【図4】図1の搬送・給油装置の平面説明図である。
【図5】図1の搬送・給油装置をトラックに設置した際のトラック全体の左側面図である。
【図6】図1の搬送・給油装置をトラックに設置した際のトラック全体の平面図である。
【符号の説明】
10 燃料の搬送・給油装置
12 ケース体
14 リール体
16 燃料供給ホース
18 圧送装置
28 仕切り
40 開閉弁装置
46 カバーケース
48 開閉扉

Claims (6)

  1. 自動車の荷台上に設置される燃料の搬送・給油装置であって、
    自動車の荷台上に着脱可能に設置され、密閉状の中空内部に液体燃料を貯留する横長のケース体と、
    巻取り操出し自在にリール体に巻きかけられた燃料供給ホースと、
    ケース体内の液体燃料を燃料供給ホースの繰出し先端側に圧送する圧送装置と、を備え、
    少なくとも燃料供給ホースを巻きかけたリール体が、ケース体上の左右いずれかの端部側に設けられることを特徴とする燃料の搬送・給油装置。
  2. 燃料供給ホースの繰出し先端部には、液体燃料の圧送、停止を操作させる開閉弁装置が設けられた請求項1記載の燃料の搬送・給油装置。
  3. ケース体の内部には、内部空間を分割するように1箇所又は複数箇所に仕切りが設けられており、該仕切りには連通開口が穿孔された請求項1または2記載の燃料の搬送・給油装置。
  4. 圧送装置及び燃料供給ホースは、ケース体の一端部側の上部に設置され、自動車の荷台上にその幅方向に沿って長く配置させた状態で、その自動車の側部荷台枠板に正対する開閉扉を備えたカバーケースに収容された請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料の搬送・給油装置。
  5. ケース体とカバーケースとが略L字状の箱体状に一体的に形成された請求項4記載の燃料の搬送・給油装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料の搬送・給油装置を備えた自動車。
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JP2023038333A (ja) * 2022-06-27 2023-03-16 株式会社リタプラス 注油方法

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