JP3096677U - 切り花や鉢植え花を包装するための包装用シートの巻物 - Google Patents

切り花や鉢植え花を包装するための包装用シートの巻物

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 花屋の店舗スペースを有効利用でき、しかも
使用しやすい、切り花や鉢植え花を包装するための包装
用シートの巻物を提供する。 【解決手段】 この巻物は、巻き芯を用いることなく、
長尺状の包装用シートを巻回してなるものである。包装
用シートは、合成樹脂製フィルム1と不織布2とが接着
剤層3によって貼合されてなるものである。合成樹脂製
フィルム1は、無色透明で、厚さが10〜40μmであ
る。不織布2は、原着繊維を構成繊維とするもので、そ
の目付が15〜40g/m2である。接着剤層3は、重
量が0.5〜15g/m2である。長尺状包装用シート
には、弱め線が設けられている。この弱め線は、長尺状
包装用シートの一方の長手端辺から2〜10cm内側
に、長手端辺と平行に設けられている。弱め線は、2〜
3mmの切断線と0.1〜0.2mmのつなぎ線が交互
に並んで形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【考案の属する技術分野】 本考案は、鑑賞用切り花や鉢植え花などを包装するのに適した包装用シートの 巻物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、花屋において鑑賞用切り花を販売するときには、切り花の根元を染 色された不織布で包装し、さらに、この不織布の上から無色透明な合成樹脂製フ ィルムで包装し、さらにリボンで縛って販売されている。また、鉢植え花の場合 には、鉢の底部を染色された不織布で包装し、さらに、この不織布を上から無色 透明な合成樹脂製フィルムで包装し、さらにこの上からリボンで縛って販売され ている。 【0003】 各種花の包装に、染色された不織布を使用するのは、花の色彩に合う色に染色 された不織布を用い、その美観を高めるためである。また、無色透明な合成樹脂 製フィルムを使用するのは、花及び不織布の色彩を損なわずに、しかも切り花や 鉢から水が滴り落ちないようにするためである。さらに、リボンで縛るのは、こ れらの包装が解けないようにするためである。 【0004】 花屋において、このような包装を行うことは、店舗スペースの有効利用の観点 から合理的なものではなかった。すなわち、このような包装を行うためには、染 色された不織布の巻物と、無色透明の合成樹脂製フィルムの巻物と、リボンの巻 物とを常時備えておかなければならず、店舗スペースが狭小になってしまうとい うことがあった。また、各巻物には、各々巻き芯があり、巻物の使用後廃棄前に おいて、店舗スペースの有効利用を妨げるということがあった。 【0005】 以上のようなことから、特許文献1に記載されているように、不織布と合成樹 脂製フィルムとのラミネートシートを用いることも行われている。しかしながら 、このラミネートシートは、単に、従来の染色された不織布と無色透明な合成樹 脂製フィルムとを積層一体化したものであり、若干の店舗スペースの確保が可能 になるだけであって、根本的な解決には至らなかった。 【0006】 【特許文献1】 登録実用新案第3062461号公報(第5頁、段落番号0008及び000 9) 【0007】 【考案が解決しようとする課題】 そこで、本考案は、各素材に種々の工夫を施すことによって、不織布と合成樹 脂製フィルムとリボンとを一体化し、巻き芯も取り除き、花屋の店舗スペースを 合理的に使用しうるようにしたものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 すなわち、本考案は、長尺状包装用シートの巻物において、前記包装用シート は、厚さ10〜40μmの無色透明な合成樹脂製フィルムと目付15〜40g/ m2の原着繊維を構成繊維とする不織布とが、重量0.5〜15g/m2の接着剤 層によって貼合されてなり、前記長尺状包装用シートの一方の長手端辺から2〜 10cm内側には、該長手端辺と平行に弱め線が設けられており、該弱め線は、 2〜3mmの切断線と0.1〜0.2mmのつなぎ線が交互に並んで形成されて おり、前記巻物には巻き芯が設けられていないことを特徴とする切り花や鉢植え 花を包装するための包装用シートの巻物に関するものである。 【0009】 本考案に係る包装用シートの巻物は、巻き芯が設けられていないものである。 巻き芯を使用せずに巻物を得るには、従来公知の各種の方法が用いられる。たと えば、当初は巻き芯に包装用シートを巻いてゆき、ある程度巻けたところで、巻 き芯を抜いてしまう方法や、巻き芯を使用せずにシートを巻ける公知の装置を用 いて包装用シートを巻く方法などを採用することができる。 【0010】 巻物の形態で提供される包装用シートは、厚さ10〜40μmの無色透明な合 成樹脂製フィルム1と、目付15〜40g/m2の原着繊維を構成繊維とする不 織布2とが、重量0.5〜15g/m2の接着剤層3によって貼合されてなるも のである。合成樹脂製フィルム1が無色透明であるのは、不織布の色彩を阻害し ないようにするためである。また、厚さが10〜40μmであるのは、弱め線4 に沿って切断しやすくするためである。すなわち、厚さが10μm未満になると 、合成樹脂製フィルム1の強度が低下し、弱め線4に沿って切断しようとしても 、弱め線4に沿わずに、帯状片5又は包装用シート本体6を構成する合成樹脂製 フィルム1を破断する恐れがある。また、厚さが40μmを超えると、弱め線4 自体を切断しにくくなる。 【0011】 不織布2は、原着繊維を構成繊維とするものである。原着繊維とは、繊維中に 顔料が練り込まれた状態となっている繊維のことである。すなわち、合成樹脂を 溶融紡糸して繊維を得る際に、予め、合成樹脂中に顔料を混入させておいて溶融 紡糸して得られる繊維である。原着繊維によって着色された不織布2を採用する と、切り花や鉢から水が滴り落ちても、不織布2の色落ちがしないのである。原 着繊維によって着色された不織布2に代えて、染色された不織布を用いると、こ れは、不織布の構成繊維に染料が付着しているだけなので、切り花や鉢からの水 によって、色落ちが起こることがある。また、不織布2の目付が15〜40g/ m2であるのは、弱め線4に沿って切断しやすくするためである。すなわち、目 付が15g/m2未満であると、不織布2の強度が低下し、弱め線4に沿って切 断しようとしても、弱め線4に沿わずに、帯状片5又は包装用シート本体6を構 成する不織布2を破断する恐れがある。また、目付が40g/m2を超えると、 弱め線4自体を切断しにくくなる。 【0012】 接着剤層3の重量が0.5〜15g/m2であるのも、基本的には、弱め線4 に沿って切断しやすくするためである。すなわち、接着剤層3の重量が0.5g /m2未満であると、接着強力が不十分となり、特に弱め線4に沿って切断した 後に、合成樹脂製フィルム1と不織布2とが剥離しやすくなる恐れがある。また 、重量が15g/m2を超えると、弱め線4自体を切断しにくくなる。接着剤層 3としては、押出ラミネート法で形成した樹脂層やドライラミネート法で形成し た樹脂層などが用いられる。 【0013】 包装用シートは巻物の形態となっているので、それ自体は長尺状のものである 。そして、この長尺状の包装用シートの長手方向には、長手方向と平行に弱め線 4が設けられている。弱め線4が設けられている位置は、包装用シートの一方の 長手端辺から2〜10cm内側である。したがって、弱め線4に沿って切断する と、幅2〜10cmの帯状片5が得られる。一方、帯状片5を取り除いた残りは 、包装に用いる包装用シート本体6となる。包装用シートの幅は、50〜70c m程度であるから、包装用シート本体6の幅は、40〜68cm程度となる。こ の帯状片5がリボンの代わりとなり、包装用シート本体6で鑑賞用切り花や鉢植 え花を包装した後、包装が解けないように帯状片5で縛るのである。 【0014】 弱め線5は、切断線とつなぎ線とが交互に並んで形成されている。いわゆるミ シン目であるが、切断線が2〜3mmとなっており、つなぎ線が0.1〜0.2 mmとなっているのが、一般的なミシン目とは異なるものである。すなわち、こ の弱め線5は、取り扱い中には切断せずに、手指で切断するときに良好に切断し うるように、切断線とつなぎ線とが並んでいるのである。切断線が2mm未満と なったり、つなぎ線が0.2mmを超えると、手指で切断しにくくなる。また、 切断線が3mmを超え、つなぎ線が0.1mm未満になると、取り扱い中に切断 してしまう恐れがある。 【0015】 本考案に係る包装用シートの巻物は、花屋において、以下のようにして使用さ れる。まず、巻物を所定長さまで巻き戻す。そして、弱め線5に沿って切断し、 包装用シート本体6と帯状片5とに分離する。包装用シート本体6を用いて、鑑 賞用切り花や鉢植え花を包装する。この包装の際には、不織布2側が内側となる ようにして行うのが一般的である。包装を終えた後、この包装が解けないように 、帯状片5で縛りつけるのである。 【0016】 【作用】 本考案に係る包装用シートの巻物は、以上のような構成を採用しているため、 以下のような作用を奏する。 (1)包装用シートは、弱め線によって包装用シート本体と帯状片に分離され、 この帯状片は従来のリボンの代替となるから、包装用シートの巻物を準備すれば 、別途、リボンの巻物を準備しておく必要がない。 (2)包装用シート本体は、無色透明な合成樹脂製フィルムと、原着繊維を構成 繊維とする不織布とが接着剤層によって貼合されてなるものであるから、包装用 シートの巻物さえ準備すれば、合成樹脂製フィルムの巻物と不織布の巻物の二つ を準備する必要はない。 (3)上記(1)及び(2)から明らかなように、本考案に係る包装用シートの 巻物さえ準備すれば、合成樹脂製フィルムの巻物、不織布の巻物、リボンの巻き 物は不要である。 【0017】 (4)包装用シートを構成している合成樹脂製フィルム,接着剤層及び不織布が 所定の厚み又は目付であるため、弱め線に沿って良好に切断しうる。すなわち、 弱め線に沿って切断する際に、包装用シート本体又は帯状片を構成する合成樹脂 製フィルム又は不織布が切断するのを防止しうる。 (5)包装用シートに設けられた弱め線は、特定長の切断線と特定長のつなぎ線 とが交互に並んで形成されているため、手指で切断する際に、弱め線によって良 好に切断しうる。 【0018】 (6)本考案に係る包装用シートの巻物は、巻き芯を備えていないので、全ての 包装用シートの使用後においても、巻き芯が残らない。 (7)包装用シートに用いる不織布は、原着繊維を構成繊維とするものであるた め、水と接触しても、色落ちすることがない。 【0019】 【考案の効果】 上記(1)、(2)及び(6)の作用によって、花屋の店舗スペースの有効利 用を図ることができ、切り花や鉢植え花を合理的に販売しうるという効果を奏す る。また、上記(4)及び(5)の作用によって、切り花や鉢植え花を包装する 際にトラブルが少なく、包装作業がスムーズに行えるという効果を奏する。さら に、上記(7)の作用によって、消費者が切り花や鉢植え花を持ち帰った後も、 包装時の美観を維持でき、販売促進を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の一例に係る包装用シートの巻物を一部
巻き戻した状態の斜視図である。 【図2】本考案に用いる包装用シートの一例の断面図で
ある。 【符号の説明】 1 合成樹脂製フィルム 2 不織布 3 接着剤層 4 弱め線 5 帯状片 6 包装用シート本体

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 長尺状包装用シートの巻物において、前
    記包装用シートは、厚さ10〜40μmの無色透明な合
    成樹脂製フィルムと目付15〜40g/m2の原着繊維
    を構成繊維とする不織布とが、重量0.5〜15g/m
    2の接着剤層によって貼合されてなり、前記長尺状包装
    用シートの一方の長手端辺から2〜10cm内側には、
    該長手端辺と平行に弱め線が設けられており、該弱め線
    は、2〜3mmの切断線と0.1〜0.2mmのつなぎ
    線が交互に並んで形成されており、前記巻物には巻き芯
    が設けられていないことを特徴とする切り花や鉢植え花
    を包装するための包装用シートの巻物。
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