JP3096385B2 - 高電圧発生装置 - Google Patents
高電圧発生装置Info
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Description
の電源装置として使用される高電圧発生装置に係り、特
に高電圧発生装置の検出部に関するものである。
電圧発生装置においては、発生電圧を安定化させるため
に帰還制御を行うようにしているが、そのために検出部
を設けることが行われている。従来の高電圧発生装置の
回路構成の概念図を図4に示す。
圧整流回路(CWC)、46はフィルタ回路、45はバ
イアス抵抗、41は検出部、52は基準抵抗、53は基
準電圧発生器、54は帰還用の比較器である。
の出力を昇圧して倍電圧整流回路(CWC)51に入力
し、当該倍電圧整流回路51の出力をフィルタ回路46
に通す。当該フィルタ回路46は、フィルタ抵抗(Rf
)47とフィルタ・コンデンサ(Cf1)48、(Cf
2)49とからなる。なお、前記倍電圧整流回路51の
出力は直流であるが、多少のリップル分を含むため、こ
のリップル分を除去する目的でフィルタ回路46が設け
られている。このフィルタ回路46の出力を、バイアス
抵抗(Rb )45を介して、検出部41の一端子(A)
に入力する。ここで、当該検出部41は、検出抵抗4
2、43と、シールド電極44とを有しており、当該シ
ールド電極44は前記フィルタ・コンデンサ48と49
との接続点に接続されて、中間的な電位が与えられるよ
うになっている。さらに、前記検出部41の他端子
(B)は、基準抵抗52及び基準電圧発生器53に接続
されるとともに、比較器54に接続され、増幅器55を
介して電源入力側に帰還制御が行われるようになってい
る。なお、前記検出抵抗42、43としては、一般に、
酸化金属被膜抵抗が用いられている。
検出抵抗42と43とを合わせた直列抵抗値を1000M
Ω、前記基準抵抗52の抵抗値を1MΩとし、前記基準
電圧発生器53の発生する基準電圧Esを100 Vとすれ
ば、定常状態において前記検出部41のA点の電圧Vou
t は、 Vout =[(R1+R2)/Rs]×Es =(1000MΩ/1MΩ)×100 V =100 KV となって、100 KVの出力が得られることとなる。すな
わち、前記検出抵抗42、43の抵抗値と前記基準抵抗
52の抵抗値とを適当に設定しておき、前記基準電圧E
sの値を変化させれば、それに応じて出力電圧Vout の
値も変化させることができるのである。前記の例におい
て、Esを20Vに設定すれば、出力として20KVが得ら
れることになる。
出部41の具体的構成の概念図を図5及び図6に示す。
なお、図6は、図5のVI−VI断面図である。図5及
び図6において、図4と同じものについては同じ番号で
示している。
2、43は、全体を絶縁性油56で満たされた3重構造
の絶縁性円筒状部材57の中心部に、その軸線に沿うよ
うな形で配置されている。この絶縁性円筒状部材57の
素材には、アクリル樹脂などが使用される。また、前記
シールド電極44は、前記検出抵抗42、43を取り巻
くように円筒状に形成され、前記絶縁性円筒状部材57
の最外部の環状部分に配置されている。なお、当該シー
ルド電極44は、図4で説明したように、フィルタ・コ
ンデンサ48、49の中間接続点に接続され、A端子及
びB端子のほぼ中間的な電位が与えられている。さら
に、前記絶縁性円筒状部材57の中間の環状部分には、
前記絶縁性油56が対流するのを防止するために、絶縁
性の対流防止部材58が配置されている。
防止部材58との作用を説明する。いま、出力電圧とし
て100 KVを得る場合について考えてみると、前記検出
抵抗42、43の両端子間、即ちA端子とB端子の間に
は、およそ100 KVの電位差が生じていることになり、
前記シールド電極44が設置されていない場合を考える
と、特にA端子側において電場集中が起きる。このよう
に電場集中があると、周囲の絶縁性油56が帯電し、対
流を起こす。そして、帯電した絶縁性油56が対流する
と、前記検出抵抗42、43の表面で微小な放電を起こ
すことがあり、それが出力に対してノイズとして重畳さ
れてしまう。このような問題を解決するために、まず、
前記シールド電極44を周囲に配置して中間的な電位、
例えば約50KVを与え、電場の集中を緩和する。そし
て、さらに、前記検出抵抗42、43と前記シールド電
極44との間に前記対流防止部材58を配置して、前記
絶縁性油56の対流を防止するようにしている。
上記した例でみれば、シールド電極44には約50KVが
印加されているため、前記検出抵抗42と43との接続
中間点付近では電場の集中を緩和できるとしても、両側
端子付近(A端子側及びB端子側)ではシールド電極4
4との間にそれぞれ約50KVの電位差(符号は互いに
逆)がかかることになるから、電場集中を完全に防止す
ることができない。そして、前記対流防止部材58をも
ってしても完全に当該絶縁性油56の対流を阻止するこ
とはできないから、出力におけるノイズを完全に除去す
ることができなかった。
うな高電圧を印加するため、ある程度の絶縁距離が必要
となるとともに、対流防止部材58を配置する必要性か
ら、前記検出部41の全体構造が大型化してしまうとい
う問題もある。さらには、上記大型化の問題と相まっ
て、絶縁性油56の熱伝導性が悪いため、長時間にわた
って熱ドリフトが続くという問題もあった。
みてなされたものであり、その目的は、出力におけるノ
イズや絶縁性油の熱ドリフトがなく、出力の安定度が高
く、構造が簡単で小型化が可能な高電圧発生装置を提供
することである。
めの本発明の高電圧発生装置は、その検出部において、
検出抵抗を包囲する絶縁性部材の内側長手方向に沿って
複数の絶縁性板状部材を配置し、当該複数の絶縁性板状
部材の上に前記検出抵抗を複数に分割して配置するとと
もに、前記絶縁性部材の内面に間隔をおいて複数のシー
ルド電極を配置したことを特徴とするものである。
分割して複数の絶縁性板状部材の上に配置し、かつ、シ
ールド電極も間隔をあけて複数個配置するようにしたの
で、検出抵抗の周囲における電場の集中が大いに緩和さ
れ、絶縁性油の帯電を可及的に防止することができる。
そのため、出力におけるノイズを極めて少なくすること
ができる。さらに、各シールド電極と検出抵抗の対応箇
所との間の電位差も小さくなるため、絶縁距離を小さく
することができ、かつ、上記したように絶縁性油の帯電
を防止することができるので、対流防止部材も不要とす
ることができ、総じて、検出部の全体構造を簡単にでき
るとともに、装置の小型化が可能となる。また、熱ドリ
フトも小さくすることが可能となる。
生装置の検出部の実施例について説明する。図1は、本
発明に基づく高電圧発生装置の主要部、即ち検出部及び
フィルタ回路のまわりの回路構成の一実施例を示してい
る。図中、1は検出部、2〜9は検出抵抗、10〜14
はシールド電極、15〜18は分圧抵抗、19はバイア
ス抵抗、20はフィルタ回路、21はフィルタ抵抗、2
2及び23はフィルタ・コンデンサである。
出抵抗2〜9に分割されて、直列接続されている。さら
に、これら検出抵抗2〜9の周囲に、複数個のシールド
電極10〜14を配置している。また、フィルタ回路2
0の出力側には、バイアス抵抗19の前段に分圧抵抗1
5〜18が接続されている。そして、これら各分圧抵抗
15〜18の接続点に前記複数のシールド電極10〜1
4を電気的に接続し、前記分圧抵抗15〜18によって
分圧された電位を各シールド電極10〜14に印加する
ようにしている。
成の一実施例を示す。なお、図3は図2のIII−II
Iにおける断面図である。当該検出部1は全体をアクリ
ル樹脂や塩ビのような絶縁性の円筒状部材24で包囲さ
れており、その内側には長手方向に沿って複数の絶縁性
板状部材25〜32が配置されている。なお、この絶縁
性円筒状部材24は、絶縁性油33で満たされている。
前記絶縁性板状部材25〜32の個数は前記検出抵抗2
〜9の個数と同じであり、当該絶縁性板状部材25〜3
2の上に前記検出抵抗2〜9が取り付けられている。な
お、図2では、図面の繁雑化を防ぐため、前記検出抵抗
2〜9のうち、検出抵抗2のみの番号を示している。
抗2〜9を、それぞれさらに3個の抵抗体201〜20
3を直列接続することによって構成している。すなわ
ち、検出部1の両端子間(A端子−B端子間)には、全
部で24個の抵抗体を直列接続し、8枚の絶縁性板状部
材25〜32の上にそれぞれ3個ずつ並べて取り付けて
いるものである。これらの抵抗体201〜203として
は、酸化金属被膜抵抗を用いることができる。
に露出するように、前記複数のシールド電極10〜14
が配置されている。そして、このシールド電極10〜1
4を、それぞれ前記分圧抵抗15〜18の両端及び各分
圧点に順次接続して、分圧された電圧を印加するように
している。
ち、フィルタ・コンデンサ22、23の接続点と、ほぼ
中央のシールド電極12に電圧を印加する分圧抵抗16
と17の接続点とを接続する接続線34は、シールド電
位を得るという観点からは必ずしも必要ではないが、こ
れを設けるのは次のような理由による。すなわち、この
高電圧発生装置の出力を例えば電子顕微鏡などの電子銃
の電源として用いた場合、電子銃側において放電が発生
すると、減衰振動現象が起こり異常電圧が発生する。こ
のときフィルタ・コンデンサ22,23の直列接続のま
まだと容量分圧が保てなくなり、片方のコンデンサのみ
に高電圧が分担されてしまう場合がある。そこで、接続
線34によってフィルタ・コンデンサ22と23の接続
点に分圧抵抗16と17の接続点を接続し、フィルタ・
コンデンサの中点に電位を与えてCR分圧方式にすれ
ば、この問題を解決できる。
を多数に分割するのも同様の要因による。すなわち、検
出抵抗を構成する個々の抵抗体201〜203等には、
実用の製品では、それぞれ浮遊容量よりも大きい補償用
のコンデンサを並列に接続しており、また、その他にも
不可避的な分布容量が存在する。このような容量の存在
により、電子銃の放電時などに電圧の減衰振動が発生す
ると、最悪の場合には出力の2倍の高電圧が発生して検
出抵抗部分に印加されることになる。このような高電圧
から検出部の各素子を保護するためには、検出抵抗を多
数に分割しておくことが好ましいのである。なお、その
場合、検出抵抗を構成する個々の抵抗体の個数や、各絶
縁性板状部材上での配列の仕方などは、適宜設定しうる
ものである。
基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定され
ず種々の変形が可能である。例えば、シールド電極10
〜14の個数は、実施例では5個の場合について説明し
たが、適宜設定しうるものである。また、その形状及び
配置の仕方についても、絶縁性円筒状部材と同径の円筒
状とする必要はなく、要するに少なくとも一部が前記絶
縁性円筒状部材の内面より内側に露出して検出抵抗と対
抗しているものであれば良い。さらに、分圧抵抗15〜
18の段数も、シールド電極の数に応じて適宜選択する
ことができる。また、検出部の各検出抵抗2〜9は、絶
縁性板状部材25〜32とともにシリコンゴムなどの絶
縁材で一体にモールドするようにしてもよい。
の高電圧発生装置によると、絶縁性油の帯電を防止でき
るため、出力のノイズを極めて少なくすることができ
る。また、絶縁油の熱ドリフトも小さくすることがで
き、ノイズの減少と相まって、高電圧出力の安定度を向
上させることができる。また、検出部の構造が簡単にな
り、小型化できるとともに、高出力化を図る際にも同じ
構造を使用することが可能となる。さらに、分圧抵抗の
中点とフィルタ・コンデンサの中点とを接続線34で接
続することにより、電子銃の放電時などに、構成素子の
損傷を防止することが可能となる。
構成を示す図である。
図である。
である。
る。
である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 高電圧発生装置の検出部において、検出
抵抗を包囲する絶縁性部材の内側長手方向に沿って複数
の絶縁性板状部材を配置し、当該複数の絶縁性板状部材
の上に前記検出抵抗を複数に分割して配置するととも
に、前記絶縁性部材の内面に間隔をおいて複数のシール
ド電極を配置したことを特徴とする高電圧発生装置。 - 【請求項2】 フィルタコンデンサの両端子間に、複数
の分圧点を有する分圧抵抗を並列接続し、当該分圧抵抗
の各分圧点をそれぞれ前記複数のシールド電極に接続し
てシールド電位を与えることを特徴とする請求項1記載
の高電圧発生装置。
Priority Applications (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH07192680A JPH07192680A (ja) | 1995-07-28 |
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JP05333707A Expired - Fee Related JP3096385B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 高電圧発生装置 |
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---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP05333707A patent/JP3096385B2/ja not_active Expired - Fee Related
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