JP3094823B2 - シート剥離機構 - Google Patents

シート剥離機構

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JP3094823B2
JP3094823B2 JP07010856A JP1085695A JP3094823B2 JP 3094823 B2 JP3094823 B2 JP 3094823B2 JP 07010856 A JP07010856 A JP 07010856A JP 1085695 A JP1085695 A JP 1085695A JP 3094823 B2 JP3094823 B2 JP 3094823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、印刷機のシリ
ンダに装着されたインキシートからその支持シートを剥
離してインキ層を現すようにするシート剥離機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】印刷機を動作して大量の印刷物、例えば
本、広告、写真を印刷する場合には、その実際の印刷動
作に先だって印刷物の校正刷りを行い、色等のチェック
が行われる。
【0003】この印刷物の校正刷りは、次のような行程
で手操作により行われる。この校正刷りには、図11に
示すようにブランケットの取り付けてあるインキシート
用シリンダ(以下、Bシリンダと称する)1及び用紙シ
リンダ(以下、Pシリンダと称する)2を備えた校正用
印刷機(インキプルーフ)を用いる。 (a) 先ず、Pシリンダ2に対して必要な印刷用紙が巻き
付けられる。 (b) 次に、プリンターを用いて図12に示すように例え
ばブラック(BL)版のポジフィルム3とインキシート
4とを重ね合わせて露光処理を行う。なお、ポジフィル
ム3において3aは網点を示している。
【0004】又、インキシート4は、支持シート4aに
インキ層4bを設け、これを保護シート4cにより覆っ
たものである。しかるに、ポジフィルム3をマスクとし
てインキシート4に対して露光が行われ、このとき紫外
線の照射されたインキ層4bの部分が硬化し、照射され
なかったインキ層4bの部分が半液状の状態となる。 (c) 次に、この露光処理されたインキシート4をBシリ
ンダ1に巻き付ける。この場合、インキシート4は、保
護シート4cをBシリンダ1の外周面に接し、支持シー
ト4aを外周側に向けて巻き付ける。
【0005】そして、実際には、Bシリンダ1に両面粘
着テープを貼り付けてインキシート4を巻き付けるが、
両面粘着テープの粘着力が弱くなれば、見当精度も低下
する状態となっている。 (d) 次に、Bシリンダ1に巻き付けられたインキシート
4から支持シート4aを剥離する。この支持シート4a
の剥離は、この支持シート4aの端をシートはぎ取り用
の粘着テープを粘着し、指により剥がしている。 (e) 次に、Bシリンダ1とPシリンダ2とを圧接し互い
に回転することにより、インキシート4における半液状
のインキ層4bが印刷用紙に転写される。 (f) 次に、インキシート4がBシリンダ1から取り外さ
れる。
【0006】これ以降、シアン(C)版、マゼンタ
(M)版、イエロ(Y)版の各ポジフィルム3に対して
各インキシート4が露光処理され、その各インキシート
4のインキ層4bがそれぞれ印刷用紙5に転写される。
この結果、図13に示すように印刷用紙5に対してイエ
ロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各インキが重ねら
れ、1枚の校正用の印刷物が排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1枚の
校正用印刷物ではなく、複数台の校正用印刷機、複数枚
の校正用印刷物を必要な場合には、上記(a) 〜(f) の手
作業を連続して行うことになり、繁雑な作業となり、か
つ多くの時間が必要となる。
【0008】特に、Bシリンダ1に巻き付けられたイン
キシート4から支持シート4aを剥離する場合、この支
持シート4aの端をシートはぎ取り用の粘着テープを粘
着し、指により剥がさなければならないので、慎重に作
業しなければならず、その作業に失敗すると、再度イン
キシート4をBシリンダに装着しなければならず、その
うえ手がインキで汚れることがある。そこで本発明は、
シート本体から所定のシートを自動的に剥離できるシー
ト剥離機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、円筒
体の外周に装着された少なくとも2つの層から成るシー
ト本体から所望のシートを剥離するシート剥離機構にお
いて、シートを吸引して剥がす剥離用吸着機構と、この
剥離用吸着機構により剥がれたシートを把持し、かつ円
筒体の外周面に沿って回転しながら前記シートを巻き取
る巻取機構とを備えて上記目的を達成しようとするシー
ト剥離機構である。
【0010】請求項2によれば、剥離用吸着機構は、一
辺側に吸着口を有する板状に形成され、円筒体の長手方
向に沿って配置され、移動及び回動自在に設けられたシ
ート剥離機構である。
【0011】請求項3によれば、巻取機構は、円筒体の
両回転軸と同軸上に回転自在に設けられた各回転アーム
と、これら回転アームの先端部に回転自在に設けられた
回転把持機構とを有するシート剥離機構である。
【0012】請求項4によれば、回転把持機構は、各回
転アーム間を連結しかつこれら回転アームの先端部を軸
として回転自在に設けられた回転板と、各回転アームの
先端部においてそれぞれ回転板に対して把持動作自在に
設けられた各把持板とから構成されたシート剥離機構で
ある。
【0013】請求項5によれば、回転アームの先端部が
円筒体の回転軸を中心してこの円筒体の外周上を1回転
し、この回転アームの回転に応動して回転把持機構が回
転アームの先端部で回転してシートを巻き取るシート剥
離機構である。
【0014】請求項6によれば、剥離用吸着機構及び円
筒体の各真空圧を測定し、これら真空圧が一定であれば
シートの剥離と判定し、かつ円筒体の真空圧が低下すれ
ばシートが剥離せずに円筒体から離れたことを認識し、
逆に剥離用吸着機構の真空圧が低下すればシートが剥離
しなかったと認識する剥離判定部を備えたシート剥離機
構である。
【0015】
【作用】請求項1によれば、円筒体の外周に装着された
少なくとも2つの層から成るシート本体から所望のシー
トを剥離する場合、剥離用吸着機構によりシートを吸引
して剥がし、、この剥がれたシートを巻取機構により把
持し、この状態で円筒体の外周面に沿って回転しながら
シートを巻き取る。これにより、シート本体から所定の
シートが自動的に剥離される。
【0016】請求項2によれば、板状の剥離用吸着機構
は、例えばxyz軸方向に自在に移動するとともに回動
して円筒体に装着されているシート本体を円筒体の長手
方向全体で吸着し、この状態で移動することによりシー
ト本体から所望のシートを剥離する。
【0017】請求項3によれば、回転把持機構によりシ
ートを把持し、この把持状態を保持して回転アームが回
転し、かつ回転把持機構が回転する。これにより、回転
アームの先端部が円筒体の外周面に沿って移動するの
で、回転把持機構は回転しながらシートを巻き取る。
【0018】請求項4によれば、回転把持機構により回
転しながらシートを巻き取る場合、この回転把持機構
は、各回転アーム間に連結された回転板と各把持板との
間でシートを把持し、この把持状態で回転することによ
りシートが回転板に巻き取られる。
【0019】請求項5によれば、回転アームの回転によ
り、この回転アームの先端部に設けられた回転把持機構
は、円筒体の外周上を1回転することにより、シートを
巻き取る。
【0020】請求項6によれば、シート本体からシート
を剥離する場合、剥離用吸着機構及び円筒体の各真空圧
を測定し、これら真空圧が一定であればシートの剥離と
判定する。又、これら測定値のうち円筒体の真空圧が低
下すればシートが剥離せずに円筒体から離れたことを認
識し、逆に剥離用吸着機構の真空圧が低下すればシート
が剥離しなかったと認識する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1はシート剥離機構を適用した画像形
成装置の構成図である。装置本体10には、4色つまり
Y、M、C、BK用の各インキシートカセット11〜1
4が上下方向に収納されている。これらインキシートカ
セット11〜14は、それぞれ矢印(イ)方向に示す如
く装置本体1の内部に向かって挿入し、かつ矢印(ロ)
方向に示す如く装置本体1の外部に取り出し自在に収納
されている。
【0022】これらインキシートカセット11〜14に
は、それぞれ各カセット11〜14別にY、M、C、B
Kの各インキ層のインキシート4が収納されている。こ
れらインキシートカセット11〜14の下方には、ポジ
カセット15が収納されている。このポジカセット15
は、各インキシートカセット11〜14と同様に、矢印
(イ)方向に示す如く装置本体1の内部に向かって挿入
し、かつ矢印(ロ)方向に示す如く装置本体1の外部に
取り出し自在に収納されている。
【0023】このポジカセット15には、マスクとして
のポジフィルムが収納されている。なお、ポジフィルム
は、Y、M、C、BKの各版が校正刷りの順序に従って
重ねて収納されており、例えば下方から上方に向かって
BK、C、M、Yの版の順に重ねられている。
【0024】これらインキシートカセット11〜14及
びポジカセット15が装置本体1の内部に挿入され位置
決めされたところの上方には、シート搬送機構としての
ロボットハンド16が待機状態にある。
【0025】このロボットハンド16は、下面に複数の
吸着孔が形成されるとともに、両端側にそれぞれ排出用
吸着機構17、取外用吸着機構18を備え、かつ矢印
(ハ)方向に昇降自在に設けられている。
【0026】又、排出用吸着機構17及び取外用吸着機
構18は、それぞれ図示矢印方向に回動自在に設けられ
ている。このロボットハンド16は、位置決めされたイ
ンキシートカセット11〜14又はポジカセット15か
らインキシート4又はポジフィルムを吸着して取り出
し、これらインキシート4又はポジフィルムを露光手段
を形成するガラス板19上に載置する機能を有してい
る。
【0027】このガラス板19の下方には露光部20が
設けられており、この露光部20には紫外光(UV光)
を放射する光源やその電源等が設けられている。なお、
ガラス板19の一端側には、ポジ一時保存トレイ21及
びポジ排出トレイ22が設けられている。
【0028】一方、露光手段に近接してBシリンダ30
が設けられ、その斜め下方にはPシリンダ31が設けら
れている。これらBシリンダ30及びPシリンダ31に
は、複数の吸着孔が形成され、これら吸着孔を通して真
空吸引する構造となっている。このうちBシリンダ30
は、図2(b) に示すようにシリンダの長手方向に沿って
2列で複数の吸着孔32が形成されている。
【0029】又、このBシリンダ30には、シート剥離
機構40が設けられている。このシート剥離機構40
は、Bシリンダ30に装着されたインキシート4から支
持シート4aを剥がす機能を有するもので、剥離用吸着
機構41及び巻取機構42から構成されている。
【0030】このうち剥離用吸着機構41は、Bシリン
ダ30の長手方向の長さとほぼ等しい長さの板状に形成
され、その先端41に吸着口が形成されている。そし
て、この剥離用吸着機構41は、xy軸方向に移動自在
でかつ軸41bを中心に回動自在(矢印ヘ方向)に設け
られている。
【0031】巻取機構42は、剥離用吸着機構41によ
り剥がれた支持シート4aを把持し、かつBシリンダ3
0の外周面に沿って回転(矢印ホ方向)しながら支持シ
ート4aを巻き取る機能を有している。
【0032】すなわち、図3は巻取機構42の構成図で
ある。回転アーム42aは、Bシリンダ30の回転軸と
同軸上に回転するもので、Bシリンダ30の両端側にそ
れぞれ設けられている。
【0033】これら回転アーム42aの先端部には、回
転把持機構42bが設けられている。この回転把持機構
42bは、各回転アーム42a間を連結しかつ各回転ア
ーム42aの先端部を軸として回転自在(矢印ホ方向)
に設けられた回転板42cと、各回転アーム42aの先
端部においてそれぞれ回転板42cに対して把持動作自
在に設けられた各把持板42d、42eとから構成され
ている。
【0034】これら回転アーム42aの回転(矢印ニ方
向)と回転把持機構42bの回転(矢印ホ方向)とは、
連動するようにベルト等により連結されている。一方、
剥離判定部50は、剥離用吸着機構41による支持シー
ト4aの剥離を判定する機能を有している。
【0035】具体的に剥離判定部50は、剥離用吸着機
構41及びBシリンダ30の各真空圧を測定し、これら
真空圧が一定であれば支持シート4aの剥離と判定し、
かつBシリンダ30の真空圧が低下すれば支持シート4
aが剥離せずにBシリンダから離れたことを認識し、逆
に剥離用吸着機構41の真空圧が低下すれば支持シート
4aが剥離しなかったことを認識する機能を有してい
る。
【0036】なお、Bシリンダ30の下方には、インキ
シート排出トレイ51が設けられている。印刷機構52
は、Bシリンダ30とPシリンダ31とを所定の圧力で
圧接し、この状態でこれらBシリンダ30及びPシリン
ダ31をそれぞれ回転駆動し、インキシート4のインキ
層4aを印刷用紙5に転写する機能を有している。
【0037】用紙カセット53a〜53gは、それぞれ
校正刷りを行うための印刷用紙5をそれぞれ収納してい
る。この印刷用紙5は、校正刷りに必要な各種用紙、例
えば専用紙、本紙、上質紙、アート紙、再生紙、コート
紙、ミラーコート紙、マット紙、再生コート紙がそれぞ
れカセット別に収納されている。
【0038】これら用紙カセット53a〜53gの用紙
送出口側には、用紙取出し爪54が昇降自在に設けられ
ている。この用紙取出し爪54は、各用紙カセット53
a〜53gの用紙送出口に位置決めして停止し、カセッ
トから印刷用紙5を1枚づつ取り出すものとなってい
る。この用紙取出し爪54には、印刷用紙5をPシリン
ダ31に導く当板55が設けられている。
【0039】Pシリンダ31の下方には用紙排出トレイ
56が設けられ、その上方に後露光部57が配置されて
いる。この後露光部57は、紫外光(UV光)を放射す
る光源やその電源等を備えている。
【0040】一方、吸引機構58は、排出用吸着機構1
7や取外用吸着機構18、Bシリンダ30、Pシリンダ
31、剥離用吸着機構41に連通し、それぞれに対して
真空引きする機能を有している。
【0041】制御部59は、図4及び図5に示す校正刷
りプログラムのフローチャートに従って各カセット11
〜15、ロボットハンド16、露光部20及び印刷機構
52などに指令を発して校正刷りの一連の動作を制御す
る機能を有している。
【0042】特にこの制御部59は、印刷機構52を動
作制御してBシリンダ30とPシリンダ31とを圧接し
てインキシート4のインキ層4bを印刷用紙5に転写
し、これと同時にロボットハンド16及び露光部20を
動作制御してマスクカセット15からポジフィルムを取
り出してガラス板19上に載置し、各インキシートカセ
ット11〜14から所定色のインキシート4を取り出し
てガラス板19上のポジフィルム上に重ね、これらイン
キシート4及びポジフィルムに対して露光処理を行う機
能を有している。
【0043】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各インキシートカセット11〜14は、
装置本体10の外部の矢印(ロ)方向に引き出され、そ
れぞれのカセット11〜14別にY、M、C、BKの各
インキシート4が収納される。
【0044】又、ポジカセット15は、同様に装置本体
10の外部に引き出され、下方からBK版、C版、M
版、Y版の順に各ポジフィルムが重ねられてい収納され
る。一方、各用紙カセット53a〜53gには、それぞ
れ校正刷りを行うための印刷用紙5、例えば専用紙、本
紙、上質紙、アート紙、再生紙、コート紙、ミラーコー
ト紙、マット紙、再生コート紙がそれぞれカセット別に
収納される。
【0045】これらインキシート4、ポジフィルム及び
印刷用紙5の収納準備が終了し、校正刷りの指令が制御
部59に入力すると、制御部59は図4及び図5に示す
フローチャートに従って各指令を発して校正すりの制御
を実行する。
【0046】制御部59は、ステップ#1においてポジ
フィルム3をガラス板19上に載置動作制御する。すな
わち、ポジカセット15は、矢印(イ)方向に移動し、
ロボットハンド16の下方の所定位置に位置決めされ
る。
【0047】次にロボットハンド16は、下面の複数の
吸引孔から真空引きを行いながら矢印(ハ)方向の下降
し、ポジカセット15の収納されている最も上に重ねら
れたY版のポジフィルム3を吸着し、上昇する。このと
き、ポジカセット15は、元の位置に戻る。
【0048】次にロボットハンド16は、再び下降し、
ガラス板19の位置に達したところで停止し、ポジフィ
ルムの吸着を停止する。これにより、ポジフィルム3
は、図6に示すようにガラス板19上に載置される。こ
の後、ロボットハンド16は、上昇して待機状態とな
る。
【0049】次に制御部59は、ステップ#2に移りY
色のインキシート4をポジフィルム上に載置動作制御す
る。すなわち、インキシートカセット11は、矢印
(イ)方向に移動し、ロボットハンド16の下方の所定
位置に位置決め、続いてロボットハンド16は、複数の
吸引孔から真空引きを行いながら下降し、インキシート
カセット11の収納されているY色のインキシート4を
吸着し、上昇する。このとき、インキシートカセット1
1は、元の位置に戻る。
【0050】次にロボットハンド16は、再び下降し、
ガラス板19の位置に達したところで停止し、Y色のイ
ンキシート4の吸着を停止する。これにより、Y色のイ
ンキシート4は、図6に示すように先に載置されたポジ
フィルム3上に重ねて載置される。この後、ロボットハ
ンド16は、上昇して待機状態となる。
【0051】これらポジフィルム3及びインキシート4
の重ねられた状態は、ポジフィルム3の形状よりもイン
キシート4の形状の方が大きいことから図7に示すよう
にポジフィルム3上にインキシート4が覆い被さるよう
に重ねられ、かつインキシート4はガラス板19上に設
けられた各ピン19aに嵌められて固定される。
【0052】次に制御部59は、ステップ#3において
ポジフィルム3及びインキシート4の載置が終了したか
を判断して次のステップ#4の露光処理に移る。露光部
20からUV光が放射されると、このUV光は、ガラス
板19を透過してポジフィルム3及びインキシート4に
照射される。このとき、インキシート4は、ポジフィル
ム3をマスクとして露光される。
【0053】すなわち、インキシート4のインキ層4b
は、ポジフィルム3を通過したUV光の照射により硬化
し、網点3a部分でUV光の影となった部分が半液状と
なる。
【0054】次に制御部59は、ステップ#5に移りイ
ンキシート4の取り出しが行われる。すなわち、ロボッ
トハンド16は、取外用吸着機構18の吸着孔を下方に
向けた状態で下降し、この取外用吸着機構18が図8に
示すようにインキシート4に接触するところで下降停止
する。
【0055】この取外用吸着機構18は、その真空引き
によりインキシート4の端部を吸着し、この吸着を保っ
た状態で矢印(ヘ)方向、つまりBシリンダ30の方向
に回動する。なお、排出用吸着機構17は、真空引きに
よりポジフィルム3の端部を吸着し、この吸着を保った
状態で回動し、ポジフィルム3をポジ排出トレイ22か
ら排出する。
【0056】次に制御部59は、ステップ#6に移って
Bシリンダ30にインキシート4を装着する。すなわ
ち、Pシリンダ30は、図9に示すように複数の吸着孔
32を通して真空引き状態にあり、これら吸着孔32が
取外用吸着機構18の回動軌道上に位置決めされてい
る。
【0057】上記取外用吸着機構18の回動によりイン
キシート4がPシリンダ30の吸着孔32に達すると、
インキシート4は、Bシリンダ30の各吸着口30に吸
着され、Bシリンダ30に渡される。
【0058】この後、Bシリンダ30は、印刷機構52
の駆動により回転するので、この回転に伴ってBシリン
ダ30の外周面にインキシート4が装着される。このと
き、Bシリンダ30に対するインキシート4の装着は、
図10に示すようにBシリンダ30の外周面に保護シー
ト4cが接触し、支持シート4aが外側となる。
【0059】一方、このインキシート4の装着と同時
に、ステップ#7において印刷用紙5がPシリンダ31
に装着される。すなわち、用紙取出し爪54は、校正刷
りに必要とする印刷用紙5、例えば専用紙の収納されて
いる用紙カセット53aの用紙送出口に移動し、このカ
セット53aから専用紙を1枚取り出す。
【0060】この専用紙の印刷用紙5は、導く当板55
を通ってPシリンダ31に送られる。このときPシリン
ダ31は、複数の吸着孔を通して真空引き状態にあり、
印刷用紙5を受けてこれを吸着する。そして、Pシリン
ダ31は、印刷機構52の駆動により回転し、印刷用紙
5をその外周面に装着する。
【0061】次に制御部59は、ステップ#8に移って
インキシート4の支持シート4aを剥離する。すなわ
ち、図5に示すステップ#81において剥離吸着機構4
1は、図2(a)に示すようにxy軸方向に移動するとと
もに軸41bを中心として回動し、Bシリンダ30に装
着されたインキシート4の端部に位置決めされる。
【0062】この剥離吸着機構41は、ステップ#82
に移って真空引き状態となり、インキシート4の端部に
接触して支持シート4aを吸着し、続いてy軸方向に下
降して支持シート4aを剥離する。なお、図2(a) は支
持シート4aを剥離した状態を示す。
【0063】次に剥離判定部50は、ステップ#83に
おいて、剥離用吸着機構41及びBシリンダ30の各真
空圧を測定し、次のステップ#84に移ってこれら真空
圧が一定であれば支持シート4aの剥離と判定する。
【0064】又、剥離判定部50は、Bシリンダ30の
真空圧が低下すれば支持シート4aが剥離せずにBシリ
ンダから離れたことを認識し、逆に剥離用吸着機構41
の真空圧が低下すれば支持シート4aが剥離しなかった
ことを認識する。
【0065】なお、支持シート4aが剥離しなければ、
再びステップ#81に戻って剥離吸着機構41が位置決
めされ、支持シート4aの剥離動作が行われる。次に回
転把持機構42bは、次のステップ#85において支持
シート4aを把持し、次のステップ#86において支持
シート4aを巻き取る。
【0066】すなわち、回転把持機構42bの各回転ア
ーム42aは、回転し、図2(a) に示すように支持シー
ト4aとインキ層4bとの剥離部分の近傍に配置され
る。このとき、図3に示すように回転板42cと各把持
板42d、42eと間に支持シート4aが配置されるの
で、これら把持板42d、42eが回転板42cに向か
って回動することにより、支持シート4aは回転板42
cと各把持板42d、42eとの間に把持される。
【0067】続いて、回転アーム42aは矢印(ニ)方
向に回転するとともに、この回転アーム42aの回転に
応動して回転把持機構42bは矢印(ホ)方向に回転す
る。すなわち、回転把持機構42bの回転により支持シ
ート4bは、剥離されながら巻き取られ、これがBシリ
ンダ30の外周を1周することによりインキシート4か
ら支持シート4bが完全に剥離される。
【0068】これにより、Bシリンダ30には、支持シ
ート4bが剥離され、インキ層4bが現れたインキシー
ト4が装着された状態となる。次に制御部59は、図4
に示すステップ#9に移り印刷動作を行い、これと同時
にステップ#10において次の色版、例えばM版のポジ
フィルム3を用いた露光処理を行う。
【0069】すなわち、ステップ#9において、印刷機
構52は、Bシリンダ30とPシリンダ31とを所定の
圧力で圧接し、この状態でBシリンダ30及びPシリン
ダ31をそれぞれ回転駆動し、インキシート4における
半液状のY色の半液状のインキ層4aを印刷用紙5に転
写する。
【0070】このY色のインキ層4aの転写が終了する
と、Bシリンダ30とPシリンダ31とは離れる。次に
制御部59は、ステップ#11に移り各色の印刷、つま
りY、M、C、BKの全ての版の印刷が終了したかを判
断し、この場合Y版の印刷が終了しただけなので再びス
テップ#1に戻る。
【0071】一方、この印刷動作と同時に、制御部59
は、ステップ#10において各色の版のポジフィルム3
を用いた露光処理が終了したかを判断し、この時点では
Y版のポジフィルム3のみが終了しただけなので、再び
ステップ#1に戻る。
【0072】すなわち、印刷動作と同時に、ポジカセッ
ト15は、ロボットハンド16の下方の所定位置に位置
決めさ、続いてロボットハンド16は、複数の吸引孔か
ら真空引きを行いながら下降し、ポジカセット15の収
納されている最も上に重ねられたM版のポジフィルム3
を吸着し、上昇する。
【0073】次にロボットハンド16は、再び下降し、
ガラス板19の位置に達したところで停止し、M版のポ
ジフィルムの吸着を停止し、M版のポジフィルム3をガ
ラス板19上に載置する。
【0074】次に、インキシートカセット11は、ロボ
ットハンド16の下方の所定位置に位置決めされ、続い
てロボットハンド16は、複数の吸引孔から真空引きを
行いながら下降し、インキシートカセット11の収納さ
れているM色のインキシート4を吸着し、上昇する。こ
のとき、インキシートカセット11は、元の位置に戻
る。
【0075】次にロボットハンド16は、再び下降し、
ガラス板19の位置に達したところで停止し、M色のイ
ンキシート4の吸着を停止する。これにより、Y色のイ
ンキシート4は、先に載置されたM版のポジフィルム3
上に重ねて載置される。
【0076】次に、露光部20からUV光が放射され、
これにより、インキシート4のインキ層4bは、M版の
ポジフィルム3を通過したUV光の照射により硬化し、
網点3a部分でUV光の影となった部分が半液状とな
る。
【0077】この後、制御部59は、M色のインキシー
ト4を取り出してBシリンダ30に渡し、このM色のイ
ンキシート4をBシリンダ30に装着する。なお、この
ときPシリンダ31には、校正刷りの終了してない印刷
用紙5、つまりY色のインキ層4bしか転写していない
印刷用紙5が既に装着されているので、Pシリンダ31
に対する印刷用紙5の装着は行わない。
【0078】そうして、Bシリンダ31に対するM色の
インキシート4の装着が終了すると、上記同様に支持シ
ート4aの剥離が行われ、この後に、Bシリンダ30と
Pシリンダ31とが所定の圧力で圧接され、この状態で
Bシリンダ30及びPシリンダ31がそれぞれ回転駆動
されて、半液状のM色のインキ層4aが印刷用紙5に転
写される。
【0079】これ以降、C版、BK版の各ポジフィルム
3及びC色、BK色の各インキシート4が順次各カセッ
ト13、14及びカセット15から取り出されてガラス
板19上に重ねられ、それぞれに対して露光処理が行わ
れる。
【0080】そして、C色、BK色の各インキシート4
が順次Bシリンダ30に装着され、その支持シート4a
が剥離され、印刷用紙5に対するインキ層4bの転写が
行われる。
【0081】なお、C色のインキ層4bの印刷用紙5に
対する転写と同時に、BK版のポジフィルムのインキシ
ート4に対する露光処理が行われるのは上記の通りであ
る。このようにして全ての色の印刷、つまりY、M、
C、BKの全ての版の印刷が終了すると制御部59は、
ステップ#12に移りPシリンダ31の真空引きを停止
する。
【0082】この状態に、Pシリンダ31が回転する
と、印刷用紙5はPシリンダ31から離れ、用紙排出ト
レイ56により装置本体1の外部に排出される。このと
き、制御部59は、ステップ#13において後露光部5
7からUV光を放射させる。
【0083】すなわち、印刷用紙5が、用紙排出トレイ
56上に流れるとき、UV光の照射を受けるので、印刷
用紙5に転写されたY、M、C、BKのインキは硬化す
る。この結果、1枚の校正刷りが得られる。
【0084】このように上記一実施例においては、イン
キシート4の支持シート4aを剥離する場合、シート剥
離機構40によりインキシート4から支持シート4aを
吸引して剥がし、この剥がれた支持シート4aを巻取機
構42bにより把持し、かつこの巻取機構42bにより
Bシリンダ30の外周面に沿って回転しながら支持シー
ト4aを巻き取ることにより剥離するので、支持シート
4aの端から指により剥がすことなく自動的に剥離でき
る。
【0085】従って、支持シート4aを剥離するのに、
慎重な作業を行わなくて作業員に対する負担を大幅に軽
減でき、かつその作業に失敗することなく、再度インキ
シート4をBシリンダに装着したり、手がインキで汚れ
ることもない。
【0086】又、各回転把持機構42bにより支持シー
ト4aの両端側において把持するので、支持シート4a
を確実に把持でき、途中で支持シート4aに対する把持
が外れることはない。
【0087】さらに、剥離判定部50により剥離用吸着
機構41及びBシリンダ30の各真空圧を測定し、これ
ら真空圧が一定であれば支持シート4aの剥離と判定
し、かつBシリンダ30の真空圧が低下すれば支持シー
ト4aが剥離せずにBシリンダ30から離れたことを認
識し、逆に剥離用吸着機構41の真空圧が低下すれば支
持シート4aが剥離しなかったと認識するので、確実に
支持シート4aの剥離の開始を判定し、続けて支持シー
ト4aの巻き取りが行え、かつたとえ剥離ができなくて
も再度剥離用吸着機構41により吸引して剥離できる。
【0088】又、シート剥離機構40を校正刷り等の画
像形成装置に適用することにより、露光処理後、インキ
シート4を取外用吸着機構18により取り外し、このイ
ンキシート4を吸着によりBシリンダ30の外周に装着
し、このインキシート4から支持シート4aをシート剥
離機構40により剥がし、この後、Bシリンダ30とP
シリンダ31とを圧接してインキシート4のインキ層4
bを印刷用紙5に転写するので、支持シート4aの剥離
を自動的に行え、そのうえB及びPシリンダ30、31
に対するインキシート4や印刷用紙5の巻き付けを自動
化できて校正刷り短時間で出力できる。
【0089】なお、本発明は、上記一実施例に限定され
るものでなく次の通り変形してもよい。例えば、校正刷
りの画像形成装置に限らず、複数枚積層されたシート本
体からその最外に位置するシートを自動的に剥離する全
てに適用可能である。
【0090】又、Pシリンダ31に対する印刷用紙5に
装着は、Bシリンダ30に対するインキシート4の装着
と同時に行う必要はなく、印刷動作の前であれば、いか
なるタイミングでPシリンダ31に印刷用紙5を装着し
てもよい。
【0091】インキシート4及びポジフィルム3を取り
出して重ね合わせ、これらに対して露光処理を行うタイ
ミングは、印刷動作時に限らず、支持シート4aの剥離
動作時から開始してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、シ
ート本体から所定のシートを自動的に剥離できるシート
剥離機構を提供できる。又、本発明によれば、校正刷り
の画像形成装置のシリンダに装着しているインキシート
から支持シートを自動的に剥離して校正刷りにかかる時
間を短縮できるシート剥離機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるシート剥離機構を画像形成装置
に適用した場合の一実施例を示す構成図。
【図2】Bシリンダの構成図。
【図3】シート剥離機構の構成図。
【図4】校正刷りのフローチャート。
【図5】支持シート剥離のフローチャート。
【図6】ポジフィルムに対するインキシートの重ね合わ
せを示す図。
【図7】ポジフィルムに対するインキシートの重ね合わ
せを上方から見た示す図。
【図8】インキシートの取出し作用を示す図。
【図9】Bシリンダへのインキシートの受け渡しを示す
図。
【図10】Bシリンダに装着されたインキシートを示す
図。
【図11】従来の校正用印刷機により校正刷り作用を示
す図。
【図12】ポジフィルムに対するインキシートの重ね合
わせを示す図。
【図13】インキ層の重ね刷りを示す図。
【符号の説明】
3…ポジフィルム、4…インキシート、4a…支持シー
ト、4b…インキ層、4c…保護シート、5…印刷用
紙、10…装置本体、11〜14…インキシートカセッ
ト、15…ポジカセット、16…ロボットハンド、17
…排出用吸着機構、18…取外用吸着機構、19…ガラ
ス板、20…露光部、30…Bシリンダ、31…Pシリ
ンダ、32…吸着孔、40…シート剥離機構、41…剥
離用吸着機構、42…巻取機構、42a…回転アーム、
42b…回転把持機構、42c…回転板、50…剥離判
定部、52…印刷機構、53a〜53g…用紙カセッ
ト、54…用紙取出し爪、57…後露光部、58…吸引
機構、59…制御部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体の外周に装着された少なくとも2
    つの層から成るシート本体から所望のシートを剥離する
    シート剥離機構において、 前記シートを吸引して剥がす剥離用吸着機構と、 この剥離用吸着機構により剥がれた前記シートを把持
    し、かつ前記円筒体の外周面に沿って回転しながら前記
    シートを巻き取る巻取機構と、を具備したことを特徴と
    するシート剥離機構。
  2. 【請求項2】 剥離用吸着機構は、一辺側に吸着口を有
    する板状に形成され、円筒体の長手方向に沿って配置さ
    れ、移動及び回動自在に設けられたことを特徴とする請
    求項1記載のシート剥離機構。
  3. 【請求項3】 巻取機構は、円筒体の両回転軸と同軸上
    に回転自在に設けられた各回転アームと、 これら回転アームの先端部に回転自在に設けられた回転
    把持機構と、を有することを特徴とする請求項1記載の
    シート剥離機構。
  4. 【請求項4】 回転把持機構は、各回転アーム間を連結
    しかつこれら回転アームの先端部を軸として回転自在に
    設けられた回転板と、 前記各回転アームの先端部においてそれぞれ前記回転板
    に対して把持動作自在に設けられた各把持板と、から構
    成されたことを特徴とする請求項3記載のシート剥離機
    構。
  5. 【請求項5】 回転アームの先端部が円筒体の回転軸を
    中心してこの円筒体の外周上を1回転し、この回転アー
    ムの回転に応動して回転把持機構が前記回転アームの先
    端部で回転してシートを巻き取ることを特徴とする請求
    項3記載のシート剥離機構。
  6. 【請求項6】 剥離用吸着機構及び円筒体の各真空圧を
    測定し、これら真空圧が一定であればシートの剥離と判
    定し、かつ前記円筒体の真空圧が低下すれば前記シート
    が剥離せずに前記円筒体から離れたことを認識し、逆に
    前記剥離用吸着機構の真空圧が低下すれば前記シートが
    剥離しなかったと認識する機能を有する剥離判定部を備
    えたことを特徴とする請求項1記載のシート剥離機構。
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