JP3094641B2 - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関

Info

Publication number
JP3094641B2
JP3094641B2 JP04087010A JP8701092A JP3094641B2 JP 3094641 B2 JP3094641 B2 JP 3094641B2 JP 04087010 A JP04087010 A JP 04087010A JP 8701092 A JP8701092 A JP 8701092A JP 3094641 B2 JP3094641 B2 JP 3094641B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
engine
fuel injection
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04087010A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05288097A (ja
Inventor
泰志 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP04087010A priority Critical patent/JP3094641B2/ja
Publication of JPH05288097A publication Critical patent/JPH05288097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3094641B2 publication Critical patent/JP3094641B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は筒内噴射式内燃機関に関
する。
【0002】
【従来の技術】各気筒内に燃料を直接噴射せしめる燃料
噴射弁と、この燃料噴射弁に高圧燃料を供給するための
蓄圧室とを備え、蓄圧室内の燃料圧を、機関負荷の増大
に応じて増大する目標燃料圧に制御せしめるようにした
ディーゼル機関が公知である(特開平3−18645号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この機関においては、
過渡運転時において、蓄圧室内の燃料圧は目標燃料圧の
変化に追従して変化することができない。従って、機関
負荷が増大する加速運転時においては、蓄圧室内の燃料
圧は目標燃料圧より低下してしまう。圧縮行程において
機関燃焼室内に燃料を直接噴射せしめる機関において、
蓄圧室内の燃料圧が目標燃料圧より低下すると、燃料の
分散霧化が悪化し、この結果、燃焼が悪化してスモーク
の発生量が増大するという問題を生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば機関運転
状態に応じて定められる目標燃料噴射時期に機関燃焼室
内へ燃料を直接噴射するための燃料噴射弁と、機関運転
状態に応じて定められる目標燃料圧で燃料を貯留し且つ
該燃料を前記燃料噴射弁に供給するための蓄圧室とを備
えた筒内噴射式内燃機関において、前記蓄圧室内の燃料
圧を検出するための燃料圧検出手段を備え、該蓄圧室内
の燃料圧が前記目標燃料圧より低いときには前記目標燃
料噴射時期より進角せしめられた時期に機関燃焼室内へ
燃料を噴射するようにする。
【0005】
【作用】すなわち本発明によれば蓄圧室内の燃料圧が目
標燃料圧より低いときには目標燃料噴射時期より進角せ
しめられた時期に機関燃焼室内へ燃料が噴射される。
【0006】
【実施例】図2は本発明の一実施例を採用した4気筒ガ
ソリン機関の全体図を示す。同図において、1は機関本
体、2はサージタンク、3はエアクリーナ、4はサージ
タンク2とエアクリーナ3とを連結する吸気管、5は各
気筒内に燃料噴射する電歪式の燃料噴射弁、6は点火
栓、7は蓄圧室である高圧用リザーバタンク、8は吐出
圧制御可能な高圧燃料ポンプ、9は高圧燃料ポンプ8か
らの高圧燃料をリザーバタンク7に導くための高圧導
管、10は燃料タンク、11は導管12を介して燃料タ
ンク10から高圧燃料ポンプ8に燃料を供給する低圧燃
料ポンプを夫々示す。低圧燃料ポンプ11の吐出側は、
各燃料噴射弁5のピエゾ圧電素子を冷却するための圧電
素子冷却用導入管13に接続される。圧電素子冷却用返
戻管14は燃料タンク10に連結され、この返戻管14
を介して圧電素子冷却用導入管13を流れる燃料を燃料
タンク10に回収する。各枝管15は、各高圧燃料噴射
弁5を高圧用リザーバタンク7に接続する。
【0007】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセ
ッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具
備する。高圧用リザーバタンク7に取り付けられた燃料
圧センサ27は高圧用リザーバタンク7内の圧力を検出
し、その検出信号はA/Dコンバータ28を介して入力
ポート25に入力される。機関回転数Ne に比例した出
力パルスを発生するクランク角センサ29の出力パルス
は入力ポート25に入力される。アクセルペダル(図示
せず)の踏込み量(アクセル開度θA)に応じた出力電
圧を発生するアクセル開度センサ30の出力電圧はA/
Dコンバータ31を介して入力ポート25に入力され
る。一方、各燃料噴射弁5は各駆動回路34を介して出
力ポート26に接続される。また高圧燃料ポンプ8は駆
動回路36を介して出力ポート26に接続される。
【0008】図3は燃料噴射弁5の側面断面図を示す。
図3を参照すると、40はノズル50内に挿入されたニ
ードル、41は加圧ロッド、42は可動プランジャ、4
3はばね収容室44内に配置されかつニードル40を下
方に向けて押圧する圧縮ばね、45は加圧ピストン、4
6はピエゾ圧電素子、47は可動プランジャ42の頂部
とピストン45間に形成されかつ燃料で満たされた加圧
室、48はニードル加圧室を夫々示す。ニードル加圧室
48は燃料通路49および枝管15を介して高圧用リザ
ーバタンク7(図2)に連結され、従って高圧用リザー
バタンク7内の高圧燃料が枝管15および燃料通路49
を介してニードル加圧室48内に供給される。ピエゾ圧
電素子46に電荷がチャージされるとピエゾ圧電素子4
6が伸長し、それによって加圧室47内の燃料圧が高め
られる。その結果、可動プランジャ42が下方に押圧さ
れ、ノズル口53は、ニードル40によって閉弁状態に
保持される。一方、ピエゾ圧電素子46にチャージされ
た電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子46が
収縮し、加圧室47内の燃料圧が低下する。その結果、
可動プランジャ42が上昇するためにニードル40が上
昇し、ノズル口53から燃料が噴射される。
【0009】図4は高圧燃料ポンプ8全体の側面断面図
を示す。この高圧燃料ポンプ8は大きく分けるとポンプ
部Aと、ポンプ部Aの吐出量を制御する吐出量制御部B
とにより構成される。図5はポンプ部Aの断面図を示し
ており、図6は吐出量制御部Bの拡大側面断面図を示し
ている。図4および図5を参照すると、70は一対のプ
ランジャ、71は各プランジャ70によって形成される
加圧室、72は各プランジャ70の下端部に取り付けら
れたプレート、73はタペット、74はプレート72を
タペット73に向けて押圧する圧縮ばね、75はタペッ
ト73により回転可能に支承されたローラ、76は機関
によって駆動されるカムシャフト、77はカムシャフト
76上に一体形成されたカムを夫々示し、ローラ75は
カム77のカム面上を転動する。従ってカムシャフト7
6が回転せしめられるとそれに伴って各プランジャ70
が上下動する。
【0010】図4を参照すると、ポンプ部Aの頂部には
燃料供給口78が形成され、この燃料供給口78は低圧
燃料ポンプ11(図2)の吐出口に接続される。この燃
料供給口78は燃料供給通路79および逆止弁80を介
して加圧室71に接続される。従ってプランジャ70が
下降したときに燃料供給通路79から加圧室71内に燃
料が供給される。81はプランジャ70周りからの漏洩
燃料を燃料供給通路79へ返戻するための燃料返戻通路
を示す。一方、図4および図5に示されるように各加圧
室71は対応する逆止弁82を介して各加圧室71に対
し共通の加圧燃料通路83に接続される。この加圧燃料
通路83は逆止弁84を介して加圧燃料吐出口85に接
続され、この加圧燃料吐出口85はリザーバタンク7
(図2)に接続される。従ってプランジャ70が上昇し
て加圧室71内の燃料圧が上昇すると加圧室71内の高
圧の燃料は逆止弁82を介して加圧燃料通路83内に吐
出され、次いでこの燃料は逆止弁84および燃料吐出口
85を介してリザーバタンク7(図2)内に送り込まれ
る。一対のカム77の位相は180度だけずれており、
従って一方のプランジャ70が上昇行程にあって加圧燃
料を吐出しているときには他方のプランジャ70は下降
行程にあって燃料を加圧室71内に吸入している。従っ
て加圧燃料通路83内には一方の加圧室71から必ず高
圧の燃料が供給されており、従って加圧燃料通路83内
には各プランジャ70によって常時高圧の燃料が供給さ
れ続けている。加圧燃料通路83からは図4に示すよう
に燃料溢流通路90が分岐され、この燃料溢流通路90
は吐出量制御部Bに接続される。
【0011】図6を参照すると吐出量制御部Bはそのハ
ウジング内に形成された燃料溢流室91と、燃料溢流通
路90から燃料溢流室91に向かう燃料流を制御する溢
流制御弁92とを具備する。溢流制御弁92は燃料溢流
室91内に配置された弁部93を有し、この弁部93に
よって弁ポート94の開閉制御が行われる。また、吐出
量制御部Bのハウジング内には溢流制御弁92を駆動す
るためのアクチュエータ95が配置される。このアクチ
ュエータ95は吐出量制御部Bのハウジング内に摺動可
能に挿入された加圧ピストン96と、加圧ピストン96
を駆動するためのピエゾ圧電素子97と、加圧ピストン
96によって画定された加圧室98と、加圧ピストン9
6をピエゾ圧電素子97に向けて押圧する皿ばね99
と、吐出量制御部Bのハウジング内に摺動可能に挿入さ
れた加圧ピン100とにより構成される。加圧ピン10
0の上端面は溢流制御弁92の弁部93に当接してお
り、加圧ピン100の下端面は加圧室98内に露呈して
いる。なお、燃料溢流室91内には加圧ピン100を常
時上方に向けて付勢する皿ばね101が配置される。
【0012】溢流制御弁92の上方にはばね室102が
形成され、このばね室102内には圧縮ばね103が挿
入される。溢流制御弁92はこの圧縮ばね103によっ
て常時下方に向けて押圧される。燃料溢流室91は燃料
流出孔104を介してばね室102内に連通しており、
このばね室102は燃料流出孔105、逆止弁106お
よび燃料流出口107を介して燃料タンク10(図2)
に接続される。この逆止弁106は通常燃料流出孔10
5を開閉するチェックボール108と、このチェックボ
ール108を燃料流出孔105に向けて押圧する圧縮ば
ね109とにより構成される。更に燃料溢流室91は燃
料流出孔110、逆止弁111、ピエゾ圧電素子97の
周囲に形成された燃料流出通路112および燃料流出口
113を介して燃料タンク10(図2)に接続される。
この逆止弁111は通常燃料流出孔110を閉鎖するチ
ェックボール114と、このチェックボール114を燃
料流出孔110に向けて押圧する圧縮ばね115とによ
り構成される。また燃料溢流室91は絞り通路116お
よび逆止弁117を介して加圧室98内に接続される。
この逆止弁117は通常絞り通路116を閉鎖するチェ
ックボール118と、このチェックボール118を絞り
通路116に向けて押圧する圧縮ばね119とにより構
成される。
【0013】ピエゾ圧電素子97はリード線120を介
して電子制御ユニット20(図2)に接続されており、
従ってピエゾ圧電素子97は電子制御ユニット20の出
力信号によって制御される。ピエゾ圧電素子97は多数
の薄板状圧電素子を積層した積層構造をなしており、ピ
エゾ圧電素子97に電荷をチャージするとピエゾ圧電素
子97は軸方向に伸長し、ピエゾ圧電素子97にチャー
ジされた電荷をディスチャージするとピエゾ圧電素子9
7は軸方向に収縮する。燃料溢流室91および加圧室9
8は燃料で満たされており、従ってピエゾ圧電素子97
に電圧が印加されてピエゾ圧電素子97が軸方向に伸長
すると加圧室98内の燃料圧が上昇する。加圧室98内
の燃料圧が上昇すると加圧ピン100が上昇せしめら
れ、それに伴って溢流制御弁92も上昇せしめられる。
その結果、溢流制御弁92の弁部93が弁ポート94を
閉鎖し、その結果燃料溢流通路90から燃料溢流室91
内への燃料の溢流が停止せしめられる。従ってこのとき
プランジャ70の加圧室71からの加圧燃料通路83
(図5)内に吐出された全ての加圧燃料はリザーバタン
ク7(図2)内に送り込まれる。
【0014】一方、ピエゾ圧電素子97への電圧の印加
が停止せしめられてピエゾ圧電素子97が収縮すると加
圧ピストン96が下降するために加圧室98の容積が増
大する。その結果、加圧室98内の燃料圧が低下するた
めに溢流制御弁92および加圧ピン100は圧縮ばね1
03のばね力により下降し、斯くして溢流制御弁92の
弁体93が弁ポート94を開弁する。このときプランジ
ャ70の加圧室71から加圧燃料通路83(図5)内に
吐出された全ての加圧燃料は燃料溢流通路90および弁
ポート94を介して燃料溢流室91内に送り込まれる。
従ってこのときにはリザーバタンク7(図2)内に加圧
燃料は供給されない。
【0015】燃料溢流通路90から燃料溢流室91内に
溢流した燃料は各燃料流出孔104,105,110お
よび逆止弁106,111を介して燃料タンク10(図
2)に返戻される。リザーバタンク7内の燃料圧を目標
燃料圧に維持するために、一定クランク角毎に溢流制御
弁92が閉弁せしめられてプランジャ70の加圧室71
から吐出された加圧燃料がリザーバタンク7内に補給さ
れ、次いで再び溢流制御弁92が閉弁せしめられるまで
溢流制御弁92は開弁状態に保持される。この場合、一
定クランク角の間で溢流制御弁92が閉弁しているクラ
ンク角の割合が大きくなればリザーバタンク7内に補給
される加圧燃料の量が増大する。ここで図7に示される
ように一定のクランク角θ0 の間で溢流制御弁92が閉
弁しているクランク角θの割合、即ち一定のクランク角
θ0 の間でピエゾ圧電素子97が伸長せしめられている
クランク角θの割合をデューティ比DT(=θ/θ0
と称すると、デューティ比DTが大きくなるほどリザー
バタンク7内に補給される加熱燃料の量が増大すること
になる。
【0016】図8および図9は各気筒の燃焼室構造を示
している。図8および図9を参照すると、130はシリ
ンダブロック、131はシリンダブロック130内で往
復動するピストン、132はシリンダブロック130上
に固締されたシリンダヘッド、133はピストン131
とシリンダヘッド132間に形成された燃焼室を夫々示
す。図面には示されていないがシリンダヘッド132の
内壁面上には吸気弁と排気弁が配置されており、吸気ポ
ートは燃焼室133内に流入した空気がシリンダ軸線回
りの旋回流を発生するように構成されている。図8に示
されるようにシリンダヘッド132の内壁面の中央部に
点火栓6が配置され、シリンダヘッド132の内壁面の
周辺部に燃料噴射弁5が配置される。図8および図9に
示されるようにピストン131の頂面上には燃料噴射弁
5の下方から点火栓6の下方まで延びるほぼ円形の輪郭
形状を有する浅皿部135が形成され、浅皿部135の
中央部にはほぼ半球形状をなす深皿部136が形成され
る。また、点火栓6下方の浅皿部135と深皿部136
との接続部にはほぼ球形状をなす凹部137が形成され
る。
【0017】図10には燃料噴射の制御パターンの一例
を示す。図10を参照すると、横軸は機関負荷を示して
おり、縦軸は燃料噴射量Qを示している。機関負荷は燃
料噴射量Qによって示されるので、図10では、機関負
荷は燃料噴射量Qで表わしている。全燃料噴射量Qt
アイドル時の噴射量QIDLE以上でかつQa より少ないと
きには、全燃料噴射量Qt が圧縮行程末期に噴射せしめ
られる。これを圧縮行程1回噴射という。この場合に
は、図11(A)および(B)に示されるように圧縮行
程末期に深皿部136の周壁面に向けて燃料噴射F、図
11に示す実施例ではガソリン噴射が行われる。このと
きの燃料噴射量Q2 は図10からわかるように全燃料噴
射量Qt と等しく、従って燃料噴射量Q2 は全燃料噴射
量Qt が増大するにつれて増大する。深皿部136の周
壁面に向けて噴射された燃料は旋回流Sによって気化せ
しめられつつ拡散され、それによって図11(C)に示
されるように凹部137および深皿部136内に混合気
Gが形成される。このとき凹部137および深皿部13
6以外の燃焼室133内は空気で満たされている。次い
で混合気Gが点火栓6によって着火せしめられる。
【0018】一方、図10において全燃料噴射量Qt
a とQb の間である機関中負荷運転時には吸気行程初
期と圧縮行程末期の2回に分けて燃料噴射(2回噴射)
が行われる。即ち、まず初めに図12(A)および
(B)に示されるように吸気行程初期に浅皿部135に
向けて噴射量Q1 の燃料噴射Fが行われ、この噴射燃料
によって燃焼室133内全体に希薄混合気が形成され
る。次いで図12(C)に示されるように圧縮行程末期
に深皿部136の周壁面に向けて噴射量Q2 の燃料噴射
Fが行われ、図12(D)に示されるようにこの噴射燃
料によって凹部137および深皿部136内には火種と
なる着火可能な混合気Gが形成される。この混合気Gは
点火栓5によって着火せしめられ、この着火火炎によっ
て燃焼室133内全体の希薄混合気が燃焼せしめられ
る。このときの圧縮行程噴射量QD は点火栓6により着
火可能な混合気を形成し得る最小限の燃料噴射量であ
る。
【0019】図10において全燃料噴射量Qt がQb
りも多い機関高負荷運転時には図12(A)および
(B)に示されるように吸気行程初期に一回だけ浅皿部
135に向けて燃料が噴射され、それによって燃焼室1
33内に均一混合気が形成される。このとき吸気行程初
期の燃料噴射量Q1 は図10からわかるように全燃料噴
射量Qt と等しく、従って燃料噴射量Q1 は全燃料噴射
量Qt が増大するにつれて増大する。
【0020】図13にはリザーバタンク7内の燃料圧を
目標燃料圧に制御するためのルーチンを示す。このルー
チンは一定クランク角毎の割込みによって実行される。
まずステップ150では、アクセル開度θAと機関回転
数Ne とに基づくマップから全燃料噴射量Qt が計算さ
れる。全燃料噴射量Qt はアクセル開度θAの増大に応
じて増大せしめられる。次いで、ステップ151で、目
標燃料圧Pr0が、全燃料噴射量Qt と機関回転数Ne
に基づくマップ(図14参照)から計算される。図14
を参照すると、目標燃料圧Pr0は全燃料噴射量Qt およ
び機関回転数Ne の増大に応じて高められる。目標燃料
圧Pr0は、全燃料噴射量Qt および機関回転数Ne に応
じて、例えば燃料の分散霧化が良好となるように定めら
れている。
【0021】再び図13を参照すると、ステップ152
では、燃料圧センサ27によって検出された燃料圧Pr
が読込まれる。ステップ153では、検出燃料圧Pr
目標燃料圧Pr0との差圧ΔPが次式より計算される。 ΔP=Pr −Pr0 ステップ154では、機関回転数Ne および目標燃料圧
r0に基づくマップ(図15参照)から基本デューティ
比DBASEが計算される。図15を参照すると、DBASE
目標燃料圧Pr0が高い程増大せしめられる。
【0022】再び図13を参照すると、ステップ155
で、デューティ比のフィードフォワード項DF が次式よ
り計算される。 DF =KF ・Qt ここでKF は正の係数である。フィードフォワード項
は、燃料噴射弁5からの燃料噴射によってリザーバタン
ク7内の燃料圧が低下しないようにするための補正量で
ある。ステップ156では、デューティ比の比例フィー
ドバック項DP が次式より計算される。
【0023】DP =KP ・ΔP ここでKP は正の係数である。次いでステップ157で
は、デューティ比の積分フィードバック項DI が次式よ
り更新される。 DI +KI ・ΔP ここでKI は正の係数である。次いでステップ158
で、高圧燃料ポンプ8の吐出量を制御するためのデュー
ティ比DTが次式より計算される。
【0024】DT=DBASE+DF −DP −DI 高圧燃料ポンプ8は図示しないルーチンにおいてデュー
ティ比DTに基づいて制御せしめられ、デューティ比D
Tが大きい程高圧燃料ポンプ8の吐出量が増大してリザ
ーバタンク7内の燃料圧Pr が増大する。例えば検出さ
れた燃料圧Pr が目標燃料圧より高い場合には差圧ΔP
が正となるため、DP は差圧ΔPに比例した正の値とな
り、DI は差圧ΔPに比例した正の値だけ増大する。こ
のため、デューティ比DTは減少するために燃料圧Pr
が減少せしめられて目標燃料圧Pr0に制御せしめること
ができる。
【0025】ところで、このような燃料圧制御において
は、機関運転状態が変化する過渡運転時において、燃料
圧Pr は目標燃料圧Pr0の変化に追従して変化すること
ができない。従って、機関負荷が増大するような加速運
転時においては、燃料圧Prが目標燃料圧Pr0より低下
してしまう。燃料噴射量がQb (図10参照)より小さ
い機関運転領域、すなわち、圧縮行程において燃料噴射
が実行される(圧縮行程1回噴射、および2回噴射)機
関運転領域において、燃料圧Pr が目標燃料圧Pr0より
低下すると、圧縮行程時に噴射された燃料の分散霧化が
悪化し、この結果、燃焼が悪化してスモークの発生量が
増大するという問題を生ずる。
【0026】そこで本実施例では、目標燃料圧Pr0に対
して燃料圧Pr が低くなる程圧縮行程時における燃料噴
射時期を進角せしめるようにしている。このため、圧縮
行程において噴射された燃料の霧化分散時間を十分にと
ることができ、燃料の霧化分散を促進することができ
る。この結果、良好な燃焼を得ることができると共にス
モークの発生量を低減せしめることができる。
【0027】図16は燃料噴射を制御するためのメイン
ルーチンを示しており、このルーチンは繰返し実行され
る。図16を参照すると、まずステップ161におい
て、アクセル開度θAと機関回転数Ne とに基づくマッ
プから全燃料噴射量Qt が計算される。次いでステップ
162で全燃料噴射量Qt がQa よりも大きいか否かが
判別される。Qt ≦Q a 、即ち機関低負荷運転時にはス
テップ163に進んで全燃料噴射量Qt が圧縮行程噴射
量Q2 とされる。次いでステップ164では圧縮行程1
回噴射が実行される。すなわち、圧縮行程末期の燃料噴
射時期Tinjに噴射量Q2 の燃料が噴射される。
【0028】一方、ステップ162においてQt >Qa
であると判別されたときはステップ165に進んで全噴
射量Qt がQb よりも多いか否かが判別される。Qt
b、即ち機関中負荷運転時にはステップ166に進ん
でQD (図10参照)が圧縮行程噴射量Q2 とされる。
次いでステップ167では全燃料噴射量Qt から圧縮行
程噴射量Q2 を減算することによって吸気行程噴射量Q
1 が算出される。次いでステップ168では燃料が2回
噴射される。即ち、吸気行程初期に噴射量Q1の燃料が
噴射され、圧縮行程末期の燃料噴射時期Tinjに噴射
量Q2 の燃料が噴射される。
【0029】一方、ステップ165においてQt >Qb
であると判断されると、即ち機関高負荷運転時にはステ
ップ169に進んで全燃料噴射量Qt が吸気行程噴射量
1とされる。次いでステップ170では吸気行程1回
噴射が実行される。すなわち、噴射量Q1 の燃料が吸気
行程初期に噴射される。図17には、圧縮行程1回噴
射、および2回噴射における圧縮行程噴射時期Tinj
を計算するためのルーチンを示す。このルーチンは一定
クランク角毎の割込みによって実行される。
【0030】図17を参照すると、まずステップ175
において、全燃料噴射量Qt と機関回転数Ne とに基づ
くマップ(図18参照)から、基本噴射時期TB が計算
される。図19に示されるように、基本噴射時期TB
よび圧縮行程噴射時期Tinjは、圧縮上死点TDCか
らの進角で示される。
【0031】図18に示されるように、基本噴射時期T
B は、全燃料噴射量Qt および機関回転数の増大に応じ
て増大せしめられて進角せしめられる。再び図17を参
照すると、ステップ176で、差圧ΔP、全燃料噴射量
t 、および機関回転数に基づくマップ(図20参照)
から、補正噴射時期TC が計算される。
【0032】図20を参照すると、ΔPが0に等しいと
き、すなわち、燃料圧Pr が目標燃料圧Pr0に等しいと
き補正噴射時期TC は0であり、ΔPが0から小さくな
るに従ってTC は0から直線的に増大する(すなわち、
Tinjは進角せしめられる)。一方、ΔPが0から大
きくなるに従ってTC は直線的に減少し、ΔPが所定値
以上になるとTC は一定値となる。補正噴射時期T
C は、差圧ΔPが0より小さい範囲においては、全燃料
噴射量Qt および機関回転数Ne の増大に応じて増大せ
しめられ、差圧ΔPが0より大きい範囲においては、Q
t およびNe の増大に応じて減少せしめられる。
【0033】再び図17を参照すると、ステップ177
において圧縮行程噴射時期Tinjが次式より算出され
る。 Tinj=TB +TC すなわち、圧縮行程噴射時期Tinjは、基本噴射時期
B が補正噴射時期T C だけ進角せしめられたものであ
る(なお、TC が負の値の場合には遅角せしめられ
る)。従って、目標燃料圧Pr0に対して燃料圧Pr が低
くなる程、圧縮行程噴射時期TC は進角せしめられるこ
とになる。このため、燃料圧Pr が目標燃料圧Pr0より
低下しても、圧縮行程において噴射された燃料の霧化分
散時間を十分にとることができ、燃料の霧化分散を促進
することができる。この結果、良好な燃焼を得ることが
できると共にスモークの発生量を低減せしめることがで
きる。
【0034】なお本実施例では、各気筒内に設けられた
単一の燃料噴射弁によって吸気行程噴射および圧縮行程
噴射を実行せしめるようにしているが、吸気ポートにポ
ート燃料噴射弁を追加し、ポート燃料噴射弁によって吸
気行程前に燃料が噴射され、この噴射された燃料が吸気
行程において燃焼室内に吸入されるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば蓄圧室内の燃料圧が目標
燃料圧より低いときには目標燃料噴射時期より進角せし
められた時期に機関燃焼室内へ燃料が噴射される。従っ
て蓄圧室内の燃料圧が目標燃料圧より低くても機関燃焼
室内への燃料の噴射時期を目標燃料噴射時期より進角す
るため、噴射燃料の霧化分散時間を十分にとることがで
きる。このため良好な燃焼が得られるとともにスモーク
の発生量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】4気筒ガソリン機関の全体図である。
【図3】燃料噴射弁の縦断面図である。
【図4】高圧燃料ポンプの縦断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿ってみた高圧燃料ポンプの
断面図である。
【図6】図4の吐出量制御部の拡大側面断面図である。
【図7】ピエゾ圧電素子および溢流制御弁の作動を示す
タイムチャートである。
【図8】燃焼室の側面断面図である。
【図9】ピストン頂面の平面図である。
【図10】燃料噴射量を示す線図である。
【図11】低負荷運転時における燃焼方法を説明するた
めの図である。
【図12】中負荷運転時における燃焼方法を説明するた
めの図である。
【図13】デューティ比DTを計算するためのフローチ
ャートである。
【図14】目標燃料圧Pr0を示す線図である。
【図15】基本デューティ比DBASEを示す線図である。
【図16】メインルーチンを実行するためのフローチャ
ートである。
【図17】圧縮行程噴射時期Tinjを計算するための
フローチャートである。
【図18】基本噴射時期TB を示す線図である。
【図19】圧縮行程噴射時期Tinjを示す線図であ
る。
【図20】補正噴射時期TC を示す線図である。
【符号の説明】
5…燃料噴射弁 7…リザーバタンク 8…高圧燃料ポンプ 27…燃料圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 395 F02D 1/00 - 1/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転状態に応じて定められる目標燃
    料噴射時期に機関燃焼室内へ燃料を直接噴射するための
    燃料噴射弁と、機関運転状態に応じて定められる目標燃
    料圧で燃料を貯留し且つ該燃料を前記燃料噴射弁に供給
    するための蓄圧室とを備えた筒内噴射式内燃機関におい
    て、前記蓄圧室内の燃料圧を検出するための燃料圧検出
    手段を備え、該蓄圧室内の燃料圧が前記目標燃料圧より
    低いときには前記目標燃料噴射時期より進角せしめられ
    た時期に機関燃焼室内へ燃料を噴射するようにした筒内
    噴射式内燃機関。
JP04087010A 1992-04-08 1992-04-08 筒内噴射式内燃機関 Expired - Lifetime JP3094641B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04087010A JP3094641B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 筒内噴射式内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04087010A JP3094641B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 筒内噴射式内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05288097A JPH05288097A (ja) 1993-11-02
JP3094641B2 true JP3094641B2 (ja) 2000-10-03

Family

ID=13902997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04087010A Expired - Lifetime JP3094641B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 筒内噴射式内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3094641B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4126958B2 (ja) * 2002-05-17 2008-07-30 トヨタ自動車株式会社 筒内噴射式内燃機関の始動時制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05288097A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4508011B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US7178506B2 (en) Fuel supply apparatus for internal combustion engine
JP3465641B2 (ja) 燃料ポンプの制御装置
CN101258313B (zh) 用于内燃机的燃料系统
US6336445B1 (en) Fuel supplying apparatus and method for internal combustion engine
JP4428293B2 (ja) 内燃機関の制御装置
EP0639710B1 (en) Compression-ignition type engine and combustion method of same
EP1443197B1 (en) Direct fuel injection combustion control system
JPH03294640A (ja) 筒内直接噴射式火花点火機関の機関制御装置
JPH02169834A (ja) 筒内直接噴射式火花点火機関
JP2010196506A (ja) 筒内噴射式内燃機関
US4091771A (en) Injection device for injecting an additional, small fuel quantity into an external auto-ignition internal combustion engine operating according to the stratified-charge principle
EP0499741A1 (en) Fuel injection systems for internal combustion engines
JPH08193536A (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3094641B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関
JP2867785B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関
JP2699545B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2833209B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP2817397B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP2513004B2 (ja) 筒内直接噴射式火花点火機関
JP2754938B2 (ja) 圧縮着火式内燃機関の燃料噴射装置
JP3196674B2 (ja) 筒内噴射式火花点火機関
JP2000110646A (ja) ディーゼルエンジン
JP2833211B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP2833210B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070804

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080804

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 12