JP3093628U - パターン具備の靴のアッパー及びその成形用型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン具備の靴のアッパー及びその成形用
型の提供。 【解決手段】 熱可塑性層及び延伸性と浸透性を具えた
パターン層を共に型内に入れ、且つ型のキャビティー周
囲に複数の固定手段を設けて該パターン層を固定するの
に供し、加熱加圧プロセス進行時に、該パターン層をそ
の延伸性により該キャビティー表面に圧着させ、該熱可
塑性層を加熱溶融させて該パターン層の外側面に浸透さ
せる。この加熱加圧プロセスで完成する靴のアッパー
は、熱可塑性層と該熱可塑性層内部に位置するパターン
層を具え、且つ該パターン層は熱可塑性層の外側に接近
する。該アッパーの各平面及び各立面はこれにより均一
にパターンを有する。該パターン層は熱可塑性層内部に
位置しその保護を受け、これにより、現出されるパター
ンは磨損、退色或いは脱落の情況を発生しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種のパターン具備の靴のアッパー及びその成形用型に係り、特に、 パターンが各立体面に位置し、且つパターンが磨損、退色或いは脱落の情況を発 生しない靴のアッパー及びその成形用型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に靴の構造は、皮革製の靴の本体及び靴の本体底部に固定されたゴムソー ルで組成され、皮革の防水機能は理想的でない。このためこのような靴は雪道、 沼地、水たまり等の水気の多い環境には適合しない。

【０００３】 靴を水気の多い環境に適用されるようにするためには、靴の防水設計を強化す る必要がある。過去に防水靴として防水機能を強化した靴が提供され、それは図 ８に示されるようであり、その靴本体４は、アッパー４１と延伸部４２で組成さ れ、アッパー４１はゴム等の防水材料でモールド成形され、それは足のトウ、サ イド及びヒールを被覆し、且つその上部に延伸部が縫い付けられ、底部にソール ５が固定されている。このような靴本体４はアッパー４１が極めて良好な防水性 能を有し相当に耐用性があるため、防水が確実で強固で耐用の長所を有する。こ れにより、靴本体１は防水靴の最外層とされ、防水靴が長期に雪道、泥沼、水た まり等の劣悪な環境にあって足部を保護し足部が濡れて病気を引き起こすのを防 止する。

【０００４】 このような靴のアッパー４１は極めて良好な防水機能を有し市場で広く受け入 れられているが、本考案者はこれに満足せず、研究を重ねた結果、この靴のアッ パー４１は長期に使用すると色が変化し、またパターンの現出がないことがわか った。その原因は、靴のアッパー４１がモールド成形後に立体カバー状とされて 多くの立面を具え、パターンはただ平面上に印刷できるだけであり、このため靴 のアッパー４１にパターンを形成するのは難しいためである。特に、靴のアッパ ー４１の各平面及び各立面に全体的に連続パターン（例えば迷彩柄）を印刷しよ うとする時には更に難しい。簡単に言うと、靴のアッパー４１の一部平面に僅か なパターンしか印刷できず、このため全体的な美観に欠乏し、且つ印刷されたパ ターンは靴のアッパー４１の表面より浮き上がるため磨損、脱落、色あせしやす く、全体の靴の美観と質感を劣化させる。

【０００５】 これにより、いかにパターンを各立体面に設け、且つパターンが磨損、色あせ 及び脱落しないようにするかが問題とされている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な目的は、パターン具備の靴のアッパーを提供することにある。 具体的には、該靴のアッパーは熱可塑性層と該熱可塑性層内部の外側に接近する 位置に設けられたパターン層で組成され、該靴のアッパーを利用して製造した靴 が更に人目をひく外観を有して市場での競争力が高められるものとする。該パタ ーン層は該熱可塑性層内部に位置しその保護を受け、これにより現出するパター ンが完全に磨損、色あせ、或いは脱落の情況を発生しない。

【０００７】 本考案の次の目的は、成形用型を提供してパターン層と熱可塑性層を置き入れ 、加熱加圧モールディングによりパターン具備の靴のアッパーを形成するのに供 することにある。具体的には、該成形用型は雄型と雌型を具え、該雌型のキャビ ティー周囲に複数の固定手段が設けられて該パターン層を固定するのに供され、 、これによりパターン層が雄型と雌型を結合させる時に型内に縮入しないものと されている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、パターン具備の靴のアッパーにおいて、該アッパーは第１ 開口と、第１開口に対向する第２開口とを具え、且つ第１開口が延伸部の結合に 供され、該第２開口はソールに結合され、該アッパーは、 パターン層とされ、浸透性と延伸性を有すると共に外側面と内側面を具え、該 外側面にパターンが印刷された、上記パターン層と、 熱可塑性層とされ、外層と内層を具え、該外層が加熱環境中で溶融し並びに該 パターン層に浸透し該パターン層の外側面を被覆し、該内層が該パターン層の内 側面を被覆し並びに該外層に結合された、上記熱可塑性層と、 を具えたことを特徴とする、パターン具備の靴のアッパーとしている。 請求項２の考案は、請求項１に記載のパターン具備の靴のアッパーにおいて、 パターン層が布片で組成され、且つ該布片が浸透性と延伸性を具備したことを特 徴とする、パターン具備の靴のアッパーとしている。 請求項３の考案は、請求項１に記載のパターン具備の靴のアッパーにおいて、 熱可塑性層がゴム片で組成されたことを特徴とする、パターン具備の靴のアッパ ーとしている。 請求項４の考案は、パターン層と熱可塑性層を置き入れて靴のアッパーをモー ルディングするための成形用型とされ、該成形用型は、 コアが凸設された雄型と、 該雄型に枢設され、且つ該コアに対応する部分にキャビティーが凹設された雌 型と、 を具え、該雌型のキャビティーの周囲に該パターン層を固定するための複数の 固定手段が設けられたことを特徴とする、成形用型としている。 請求項５の考案は、請求項４に記載の成形用型において、固定手段の一端が雌 型に固定され、別端が該雌型より突出し並びに尖鋭状を呈することを特徴とする 、成形用型としている。 請求項６の考案は、請求項５に記載の成形用型において、雄型に固定手段の対 応挿入に供される複数の凹溝が凹設されたことを特徴とする、成形用型としてい る。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案はパターン具備の靴のアッパー及びその成形用型を提供し、本考案によ ると、熱可塑性層及び延伸性と浸透性を具えたパターン層を共に型内に入れ、且 つ型のキャビティー周囲に複数の固定手段を設けて該パターン層を固定するのに 供し、加熱加圧プロセス進行時に、該パターン層をその延伸性により該キャビテ ィー表面に圧着させ、該熱可塑性層を加熱溶融させて該パターン層の外側面に浸 透させる。この加熱加圧プロセスで完成する靴のアッパーは、熱可塑性層と該熱 可塑性層内部に位置するパターン層を具え、且つ該パターン層は熱可塑性層の外 側に接近する。該アッパーの各平面及び各立面はこれにより均一にパターンを有 する。該パターン層は熱可塑性層内部に位置しその保護を受け、これにより、現 出されるパターンは磨損、退色或いは脱落の情況を発生しない。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案を利用した靴のアッパー１を示す。該靴のアッパー１は、第１開 口１０、及び第１開口１０に対向する第２開口１１を具え、且つ第１開口１０は 延伸部４２の結合に供される（図８参照）。該第２開口１１はソール５に結合さ れる（図８参照）。特に、アッパー１はパターン層１２及び熱可塑性層１３で組 成され、且つパターン層１２は熱可塑性層１３の内部に設けられる。

【００１１】 図２には、上から下に、雌型Ａ、パターン層１２、熱可塑性層１３、及び雄型 Ｂが示されている。そのうち、該パターン層１２は浸透性と延伸性を有し、且つ それは外側面１２１と内側面１２２を具え、該外側面１２１にパターン（図示せ ず）が印刷されている。本実施例では、該パターン層１２はジャージ布、ライカ 布、潜水布を裁断してなる布片とされ、それは図３に示されるように、多くの貫 通する微細な網目１２３を具えている。このほか、該熱可塑性層１３は外層１３ １と内層１３２を具えている。本実施例では、熱可塑性層１３はゴム片で組成さ れている。

【００１２】 図２から図４に示されるように、雄型Ｂが雌型Ａに閉じ合わされ、並びにそれ が加熱加圧され、１４０℃程度まで加熱される時、該熱可塑性層１３は溶融状を 呈し、且つその外層１３１が加圧されることで快速にパターン層１２の微細な網 目１２３に流れ込み並びに該パターン層１２の外側面１２１を被覆し、該内層１ ３２が該パターン層１２の内側面１２２を被覆し並びに該外層１３１に結合され る。簡単に言うと、該熱可塑性層１３の比較的外側部分の外層１３１が加熱溶融 後に圧力を受けてパターン層１２の外側面１２１に浸透し、これにより外側面１ ２１に印刷されたパターンを被覆し、これによりパターンを保護して磨損、脱落 及び色あせを防止する。

【００１３】 説明を加えなければならないことは、パターン層１２に使用される布は延伸性 を有し、これにより、ただパターン層１２の周辺を固定すればよく、雄型Ｂを雌 型Ａに閉じ合わせる時、該パターン層１２が該雌型ＡのキャビティーＡ１表面に 圧着され、該パターン層１２に浸透し、構成される外層１３１はあまり厚くない 。これにより、該熱可塑性層１３に米色或いは更に深い色のゴム片を使用しても 、外観上、該パターン層１２のパターンを見ることができる。

【００１４】 このほか、図５、６には、靴のアッパー１をモールド成形するのに使用される 成形用型の好ましい実施例が示される。この成形用型３は、 コア３１１が凸設された雄型３１と、 該雄型３１に枢設され、且つそのコア３１１に対応する部分にキャビティー３ ２１が凹設された雌型３２とを具えている。 該雌型３２のキャビティー３２１の周囲に複数の固定手段３３が設けられ、該 固定手段３３の一端が雌型３２に固定され、別端が雌型３２より突出し並びに尖 鋭状を呈し、且つ該雄型３１に該固定手段３３が対応挿入される複数の凹溝３４ が形成されている。

【００１５】 該成形用型３の利用により、その内側に置かれるパターン層１２及び熱可塑性 層１３が、加熱加圧プロセスを経た後にパターンを具えた靴のアッパー１が得ら れる。そのうち、パターン層１２の周囲は固定手段３３が刺し破り、該固定手段 ３３に套設され、該パターン層１２が固定され、これは図６に示されるようであ る。こうして、該パターン層１２が雄型と雌型を結合させる時に型内に縮入しな い。

【００１６】 このほか、型の製造に便利であるように、上述のパターンを具えた靴のアッパ ーは前段、後段（ヒール部）がそれぞれ形成され、その後、組み合わされて靴の アッパーを完成するものとされうる。

【００１７】 以上の設計により、靴のアッパーの表面がパターンを具備し、該パターンの変 化はパターン層のパターン印刷により変化する。更に重要なことは、パターン層 が延伸性を有して雌型のキャビティー表面に圧着されるため、靴のアッパーが立 体カバー状とされるにも関わらず、各立面にパターン（例えば迷彩パターン）を 具備させることができ、さらにその上のリブＣの表面にもパターンを設けること ができる。且つこれらのパターンは靴の表面に発生したように見えるが、実際に は熱可塑性層１３の保護を受けるため、磨損、色あせ、或いは脱落の現象を発生 しない。

【００１８】

【考案の効果】

総合すると、本考案は産業上の利用性と進歩性を有し、且つ同類の製品中に未 だ類似の製品は見られずまた公開されていないため、新規性を有し、実用新案登 録の要件を具備している。なお、本考案に基づきなしうる細部の修飾或いは改変 は、いずれも本考案の請求範囲に属するものとする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好ましい実施例の立体断面図である。

【図２】本考案の好ましい実施例のモールディング表示
図である。

【図３】本考案の好ましい実施例のパターン層の部分拡
大図である。

【図４】本考案の好ましい実施例の部分断面拡大図であ
る。

【図５】本考案の成形用型の好ましい実施例図である。

【図６】図５の断面図である。

【図７】本考案の利用して形成された防水靴製品表示図
である。

【図８】周知の靴のアッパーを利用した防水靴の側面図
である。

【符号の説明】

１ アッパー １０ 第１開口 １１ 第２開口 １２ パターン層 １２１ 外側面 １２２ 内側面 １２３ 微細な網目 １３ 熱可塑性層 １３１ 外層 １３２ 内層 ３ 成形用型 ３１ 雄型 ３２ 雌型 ３１１ コア ３３ 固定手段 ３２１ キャビティー ３４ 凹溝 ４ 靴本体 ４１ 靴のアッパー ４２ 延伸部 ５ ソール Ａ 雌型 Ａ１ キャビティー Ｂ 雄型 Ｃ リブ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パターン具備の靴のアッパーにおいて、
   該アッパーは第１開口と、第１開口に対向する第２開口
   とを具え、且つ第１開口が延伸部の結合に供され、該第
   ２開口はソールに結合され、該アッパーは、 パターン層とされ、浸透性と延伸性を有すると共に外側
   面と内側面を具え、該外側面にパターンが印刷された、
   上記パターン層と、 熱可塑性層とされ、外層と内層を具え、該外層が加熱環
   境中で溶融し並びに該パターン層に浸透し該パターン層
   の外側面を被覆し、該内層が該パターン層の内側面を被
   覆し並びに該外層に結合された、上記熱可塑性層と、 を具えたことを特徴とする、パターン具備の靴のアッパ
   ー。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のパターン具備の靴のア
   ッパーにおいて、パターン層が布片で組成され、且つ該
   布片が浸透性と延伸性を具備したことを特徴とする、パ
   ターン具備の靴のアッパー。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のパターン具備の靴のア
   ッパーにおいて、熱可塑性層がゴム片で組成されたこと
   を特徴とする、パターン具備の靴のアッパー。
4. 【請求項４】 パターン層と熱可塑性層を置き入れて靴
   のアッパーをモールディングするための成形用型とさ
   れ、該成形用型は、 コアが凸設された雄型と、 該雄型に枢設され、且つ該コアに対応する部分にキャビ
   ティーが凹設された雌型と、 を具え、該雌型のキャビティーの周囲に該パターン層を
   固定するための複数の固定手段が設けられたことを特徴
   とする、成形用型。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の成形用型において、固
   定手段の一端が雌型に固定され、別端が該雌型より突出
   し並びに尖鋭状を呈することを特徴とする、成形用型。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の成形用型において、雄
   型に固定手段の対応挿入に供される複数の凹溝が凹設さ
   れたことを特徴とする、成形用型。