JP3093122U - ワンタッチ美装掛下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ワンタッチで簡易的に着用することができ、打
掛着用時には、その装飾的部分の重厚なボリューム感を
高めるとともに、礼服としての格調性並びに装飾性を高
め得るワンタッチ美装掛下を提供することにある。 【解決手段】一方の衽２Ａを備えた右前身頃形成部材２
と、他方の衽３Ａを備えた左前身頃形成部材３とを各上
端部分２ａ、３ａにおいて部分的に重ね合わせ状にして
止め合わせ、この止め合わせた部分４の左右両側から外
方に向けてのびる締結手段５を設けてなり、各前身頃形
成部材が、打掛下用生地で仕立てられ、各前身頃形成部
材が、それぞれ二重に構成されていて、それぞれ衽側縁
に沿って非縫着状態に形成されており、前記各前身頃形
成部材の裾下縁２ｂ、３ｂに沿って所望幅の綿入れ部
６、７を設けたワンタッチ美装掛下。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、結婚式において花嫁がうちかけて着る婚礼用の着物としての打掛に 関連する衣服構成体に係るものであって、特に、婚礼用打掛の着用時に、該打掛 の下に着用する打掛下（単に、掛下ともいう）であり、ワンタッチで美しく装う ことができるように構成したワンタッチタイプの美装掛下の構造に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、婚礼用の打掛は、身丈より丈方向に長く仕立てられた和風の最高 式用衣服であって、着用者は、長襦袢、白無垢の振袖、打掛下を着用し、その上 に打ちかけて着用するものである。この婚礼用打掛の着用時に、その下に着用す る打掛下は、和服着用のボリューム感を高め、且つ、礼服としての格調性並びに 装飾性を整えるべく着用されている。従来の打掛下は、一着の長着として構成さ れており、その着用並びに脱ぎ取りが厄介であり、着用時には、無用に嵩張るも のであって、さらには、その礼服としての格調性並びに装飾性の点において充分 なものではなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案は、上記する従来の打掛下の構成において指摘されている問題 点並びに欠点を解消するべく改良したものであって、特に、ワンタッチで簡易的 に、且つ、美しく装って着用することができ、打掛着用時には、その装飾的部分 における重厚なボリューム感を高めるとともに、礼服としての格調性並びに装飾 性を高め得るワンタッチ美装掛下を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、一方の衽を備え た右前身頃形成部材と、他方の衽を備えた左前身頃形成部材とを各上端部分にお いて部分的に重ね合わせ状にして止め合わせ、この止め合わせた部分の左右両側 から外方に向けてのびる締結手段を設けたことを特徴とするワンタッチ美装掛下 を構成するものである。

【０００５】 さらにまた、この考案は、前記各前身頃形成部材が、打掛下用生地でなるワンタ ッチ美装掛下を構成するものである。

【０００６】 さらにまた、この考案は、前記各前身頃形成部材が、それぞれ二重に構成されて いて、それぞれ衽側縁に沿って非縫着状態に形成されているワンタッチ美装掛下 を構成するものでもある。

【０００７】 さらにまた、この考案は、前記各前身頃形成部材の裾下縁に沿ってそれぞれ所望 幅の綿入れ部を設けたワンタッチ美装掛下を構成するものでもある。

【０００８】 さらにまた、この考案は、前記締結手段が、前記各前身頃形成部材の上端側止め 合わせ部から左右方向に向けてのびる一対の結び紐でなるワンタッチ美装掛下を 構成するものでもある。

【０００９】 さらにまた、この考案は、前記締結手段が、前記各前身頃形成部材における上端 側の止め合わせ部に取り付けたベルト部材からなり、前記ベルト部材の両端部分 に互いに係着し合うベルベット式ファスナー対を設けたワンタッチ美装掛下を構 成するものでもある。

【００１０】

【考案の実施の態様】

以下、この考案になるワンタッチ美装掛下について図面に示す具体的な実施例に もとづいて詳細に説明する。図１は、この考案にかかるワンタッチ美装掛下につ いての具体的な実施例を示すものであって、特に、締結手段としてベルト部材を 適用した具体例を示す概略斜視的にみた正面図、図２は、図１におけるＡ−Ａ’ 線状体に沿って断面にして示す概略的な拡大断面図である。

【００１１】 一方、図３〜図５は、婚礼用打掛の着用に際して、この考案になるワンタッチ美 装掛下の着用を含む着用手順を示す図であって、図３は、着用者が長襦袢並びに その上に白無垢の振袖を着用した状態を示す概略的な斜視図、図４は、図３の状 態から、その上にこの考案になるワンタッチ美装掛下を着用した状態を示す概略 的な斜視図、図５は、図４の状態から、当該ワンタッチ美装掛下の上に打掛を着 用して、打掛並びにワンタッチ美装掛下の裾部分を整えた状態を示す概略的な斜 視図である。

【００１２】 まず、この考案の基本構成によれば、前記ワンタッチ美装掛下１は、図１並びに 図２に示すように、一方の衽２Ａを備えた右前身頃形成部材２と、他方の衽３Ａ を備えた左前身頃形成部材３とを各上端部分２ａ、３ａにおいて部分的に重ね合 わせ状にして止め合わせ、この止め合わせた部分４の左右両側から外方に向けて のびる締結手段５を設けたものからなっている。

【００１３】 この考案になるワンタッチ美装掛下１は、前記各前身頃形成部材２および３が、 打掛下用生地、すなわち、白または緋の本絞りんず、羽二重の無地や緋の鹿子絞 りにしたこれらの生地によって仕立てられたものである。

【００１４】 一方、この考案になるワンタッチ美装掛下１において前記各前身頃形成部材２お よび３は、それぞれ二重に構成されていて、それぞれ衽側縁に沿って非縫着状態 に形成されていて、当該ワンタッチ美装掛下自体をして、あたかも二層の着用物 を着用しているがごとくの着用外観を呈するように構成されている。

【００１５】 さらに、この考案になるワンタッチ美装掛下１は、その各前身頃形成部材２およ び３の各裾下縁２ｂ、３ｂに沿って所望幅の綿入れ部６、７が設けてあり、各裾 下縁部分の装飾性を高め、裾を拡げた状態における形状を整え確保するという形 状性の点において寄与するように構成されている。

【００１６】 さらに、この考案になるワンタッチ美装掛下１において、前記締結手段５は、前 記各前身頃形成部材２および３の上端側止め合わせ部４から左右方向に向けての びる一対の結び紐（図示せず）で構成されているものであってもよいし、あるい は、図１に示すように、前記各前身頃形成部材２および３の上端側止め合わせ部 ４に取り付けたベルト部材８によって構成したものであってもよい。この場合、 前記ベルト部材８の両端部分８ａ、８ｂには、互いに係着し合うベルベット式フ ァスナー対９、１０を設けておくことができる。

【００１７】 次いで、この考案になるワンタッチ美装掛下１の着用形態について、図３〜図５ に基づいて詳細に説明する。婚礼用の打掛を着用する場合、着用者は、まず、長 襦袢１１を着用し、その上に、白無垢の振袖１２を着用する（図３参照）。この 考案になるワンタッチ美装掛下１は、この白無垢振袖１２の上に着用するもので あり、その着用形態は、図４に示す通り、当該ワンタッチ美装掛下１の前身頃形 成部材を着用者の前部にあてがい、結び紐あるいはベルト部材からなる締結手段 によって胴部に固定して着用するものである。このワンタッチ美装掛下１は、そ の構造からも明らかなように、ワンタッチで極めて簡易的に美しく装うことがで きるようになっている。このワンタッチ美装掛下１を着用した後、その上に打掛 １３を着用するものである（図５参照）。

【００１８】

【考案の効果】

以上の構成になるこの考案のワンタッチ美装掛下は、構造が極めて簡単であり、 製造が容易であって、多量生産に適合し得る点において、経済的にも極めて有利 に作用するものであり、さらに、構成部材が少ないものであるという点において も極めて実効性の高いものであるといえる。

【００１９】 さらに、この考案になるワンタッチ美装掛下は、ワンタッチで極めて簡易的に美 しく装うことができ、且つ、極めて容易に脱ぎ取ることができるものであって、 着用時における着用部の嵩張りを解消するとともに、打掛着用時には、その装飾 的部分の重厚なボリューム感を高め、且つ、礼服としての格調性並びに装飾性を 高め得る諸点において極めて有効に作用するものといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この考案にかかるワンタッチ美装掛下
についての具体的な実施例を示すものであって、特に、
締結手段としてベルト部材を適用した具体例を示す概略
斜視的にみた正面図である。

【図２】図２は、図１におけるＡ−Ａ’線状体に沿って
断面にして示す概略的な拡大断面図である。

【図３】図３〜図５は、婚礼用打掛の着用に際して、こ
の考案になるワンタッチ美装掛下の着用を含む着用手順
を示す図であって、図３は、着用者が長襦袢並びにその
上に白無垢の振袖を着用した状態を示す概略的な斜視図
である。

【図４】図４は、図３の状態から、その上にこの考案に
なるワンタッチ美装掛下を着用した状態を示す概略的な
斜視図である。

【図５】図５は、図４の状態から、当該ワンタッチ美装
掛下の上に所望の打掛を着用して、打掛並びにワンタッ
チ美装掛下の各裾部分を整えた状態を示す概略的な斜視
図である。

【符号の説明】

１ ワンタッチ美装掛下 ２ 右前身頃形成部材 ３ 左前身頃形成部材 ２Ａ 一方の衽 ３Ａ 他方の衽 ２ａ 右前身頃形成部材の上端部分 ３ａ 左前身頃形成部材の上端部分 ２ｂ 右前身頃形成部材の裾下縁部分 ３ｂ 左前身頃形成部材の裾下縁部分 ４ 止め合わせた部分 ５ 締結手段 ６、７ 綿入れ部 ８ ベルト部材 ９、１０ 互いに係着し合うベルベット式ファスナー対 １１ 長襦袢 １２ 白無垢の振袖 １３ 打掛

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の衽を備えた右前身頃形成部材と、
   他方の衽を備えた左前身頃形成部材とを各上端部分にお
   いて部分的に重ね合わせ状にして止め合わせ、この止め
   合わせた部分の左右両側から外方に向けてのびる締結手
   段を設けたことを特徴とするワンタッチ美装掛下。
2. 【請求項２】 前記各前身頃形成部材が、打掛下用生地
   でなることを特徴とする請求項１に記載のワンタッチ美
   装掛下。
3. 【請求項３】 前記各前身頃形成部材が、それぞれ二重
   に構成されていて、それぞれ衽側縁に沿って非縫着状態
   に形成されていることを特徴とする請求項１あるいは請
   求項２に記載のワンタッチ美装掛下。
4. 【請求項４】 前記各前身頃形成部材の裾下縁に沿って
   それぞれ所望幅の綿入れ部を設けたことを特徴とする請
   求項１〜請求項３のいずれかに記載のワンタッチ美装掛
   下。
5. 【請求項５】 前記締結手段が、前記各前身頃形成部材
   の上端側止め合わせ部から左右方向に向けてのびる一対
   の結び紐でなることを特徴とする請求項１〜請求項４の
   いずれかに記載のワンタッチ美装掛下。
6. 【請求項６】 前記締結手段が、前記各前身頃形成部材
   における上端側の止め合わせ部に取り付けたベルト部材
   からなり、前記ベルト部材の両端部分に互いに係着し合
   うベルベット式ファスナー対を設けたことを特徴とする
   請求項１〜請求項４のいずれかに記載のワンタッチ美装
   掛下。