JP3092816B2 - ガスレーザ発振装置 - Google Patents

ガスレーザ発振装置

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JP3092816B2 JP7014491A JP7014491A JP3092816B2 JP 3092816 B2 JP3092816 B2 JP 3092816B2 JP 7014491 A JP7014491 A JP 7014491A JP 7014491 A JP7014491 A JP 7014491A JP 3092816 B2 JP3092816 B2 JP 3092816B2
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【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスレーザ発振装置に
係り、特に放電部のレーザガスの流路を改良したガスレ
ーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスレーザ発振装置として、図4
に示すように構成したものがある。ガスレーザ発振装置
はガスレーザとしての本体ケーシング1を有し、この本
体ケーシング1は中央に筒状の枠体2を収容している。
この枠体2の周囲に沿ってレーザガスが封入され、循環
させる風洞3がレーザガス循環流路として形成されてい
る。そして、この風洞3を形成する本体ケーシング1の
内面と枠体2の相対向する位置に一対の基盤4,4が間
隔をおいて設けられ、これら基盤4,4に、半円柱状の
放電電極5,5が空隙を介して対向配置される。これ
ら、放電電極5,5は図示しない高電圧電源が接続され
ている。また、風洞3には、冷却器6およびレーザガス
循環用の送風機7を配設しており、この送風機7は、駆
動モータ8により駆動されるようになっている。
【0003】しかして、駆動モータ8により送風機7が
駆動されると風洞3のレーザガスが図示矢印Aの方向に
循環されて放電電極5,5の間に供給され、これらの間
を通る。レーザガスが放電電極5,5間を通る際に、レ
ーザガスは放電電圧が印加されて励起される。
【0004】励起されたレーザガスのエネルギが低いエ
ネルギ準位に落ちるときレーザ光が出力され、このレー
ザ光はレーザビームとしてレーザガスの循環流路(風
洞)3に直交して、外部に取り出されるようになってい
る。一方レーザ発振されたレーザガスは、放電により得
たエネルギの大部分を熱として保持するが、冷却器6で
の熱交換により冷却され、再び送風機7に戻され、放電
電極5,5側に供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のガスレーザ発振
装置の構成によると、レーザガスが供給される放電電極
5,5は、レーザガスの循環流路3に突出して設けられ
るので、放電電極5,5間の空隙を流れるレーザガスに
対する循環流路抵抗が大きくなる。流路抵抗の増大は、
所定のレーザガスを供給するために送風機7に大きな送
風の能力を有するものが必要となり、駆動モータ8の出
力が大きくなり、ひいては、ガスレーザ発振装置全体の
効率を低下することになる。
【0006】また、放電電極5,5がレーザガスの循環
路に突出していることは、レーザガスの流速分布を乱す
原因ともなり、このため放電電極5,5における放電の
安定が悪くなり、安定したレーザ発振が得られないおそ
れがあった。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、放電電極に供給されるレーザガスの流れをス
ムーズにして運転効率の向上を図り、安定したレーザビ
ームを発振させることができるガスレーザ発振装置を提
供することを目的とする。 〔発明の構成〕
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガスレーザ
発振装置は、上述した課題を解決するために、レーザガ
スが封入されたガスレーザ本体と、このガスレーザ本体
内部に形成される循環流路にレーザガスを循環させる送
風手段と、循環されるレーザガスを冷却する冷却手段
と、上記レーザガスの循環流路の一部を形成し、循環せ
しめられるレーザガスを励起させる放電部とを有するガ
スレーザ発振装置において、上記放電部は間隔をおいて
対向する取付基盤の流路幅方向に延びる凹部に埋設され
た一対の放電電極と、上記放電電極間に形成されるレー
ザガス流路のガス流入口側に設けられた縮流路と、上記
レーザガス流路のガス流出口側に設けられた拡大流路と
を有し、前記放電電極の取付基盤の対向面それぞれを、
放電電極の表面とほぼ面一に形成する一方、前記取付基
盤は、その凹部の流路幅方向両外側部を、レーザガス流
路の長手方向に滑かに連続する面に成形し、前記縮流路
からレーザガス流路を経て拡大流路に至る流路は放電電
極の両端部を越えて拡がる流路幅方向全幅にわたって流
路長手方向に滑かな連続面を形成したものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、放電部の一対の放電電極がレ
ーザガス流路に突出することがなく、しかもガス流入口
側の縮流路、ガス流出口側の拡大流路および放電電極の
取付基盤を放電電極の表面とほぼ面一とすることにより
放電部に供給されるレーザガスの流れをスムーズにでき
るので、レーザガスが放電部を通過するときの圧力損失
を小さくでき、さらに放電部に流れるレーザガスの流速
分布を均一にすることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係るガスレーザ発振装置の一
実施例について添付図面を参照して説明する。
【0011】図1は本発明に係るガスレーザ発振装置の
一例を示す側断面図である。このガスレーザ発振装置を
説明するに当たり、図4に示す従来のガスレーザ発振装
置と同一部分には同じ符号を用いて説明を省略する。
【0012】図1に示すガスレーザ発振装置は、ガスレ
ーザ本体としての本体ケーシング1内に収容される放電
部10を改良したものである。放電部10にはレーザガ
スの循環流路(風洞)3を挟んで対向配置された電極支
持盤11,12が備えられる。一方の電極支持盤11は
本体ケーシング10の頂部開口を覆う蓋体の機能を備え
ており、この電極支持盤11はシール手段としてのOリ
ング13を介してボルト等の固着手段で固定される。ま
た、他方の電極支持盤12は筒状の枠体2の頂部に設け
られ、両電極支持盤11,12は例えば上下に対向して
いる。
【0013】一方、各電極支持盤11,12の対向面側
に取付基台を兼ねる基盤(基台)14,15が例えば上
下に間隔をおいてそれぞれ固定される。対をなす取付基
盤14,15の中央部にレーザガス循環流路3の幅方向
に延びる凹部16,17を図2および図3に示すように
形成され、この凹部16,17に半円筒状のような湾曲
面を有する放電電極18,19が埋設される。対をなす
放電電極18,19の表面(放電面)は取付基盤14,
15の対向面と、ほぼ面一に形成される。対をなす取付
基盤14,15の間に滑らかに縮流してその後拡大する
レーザガスの流路20が形成される。取付基盤14,1
5の表面は、長手方向中央部に向けてレーザガス流路2
0が絞られるように傾斜している。また、取付基盤1
4,15は、その凹部16,17の流路幅方向両外側部
を、図2および図3に示すように、レーザガス流路20
の流路長手方向に滑かに縮流してその後拡大するように
連続する面に一体成形し、縮流路21からレーザガス流
路20を経て拡大流路に至る流路は放電電極18,19
の両端部を越えて拡がる流路幅方向全幅にわたって流路
長手方向に滑かな連続面を形成したものである。
【0014】放電部10のレーザガス流入口側には、放
電電極18,19間のレーザガス流路20にスムーズに
レーザガスを供給するための縮流路21が形成される。
こ縮流路21は表面を滑かに湾曲させた2つのガイドブ
ロック22,23を上記電極支持盤11,12に配設
し、電極支持盤11,12上の取付基盤14,15に隣
接して、ベルマウス形状に構成され、連続する滑かな流
路面を形成している。
【0015】また、放電部10のレーザガス流出口側に
は、放電電極18,19のレーザガス流路20に供給さ
れたレーザガスをスムーズに送出するための拡大流路2
4が形成される。この拡大流路24も表面を湾曲させた
2つのガイドブロック25,26から形成されるもの
で、それぞれのガイドブロック25,26を、上記電極
支持盤11,12上に取付基盤14,15に隣接して配
置し、ディフューザ形状に構成している。この場合、拡
大流路24の傾斜角度αは、例えば8°〜13°程度に
設定されている。
【0016】そして、このような放電部10は、電極支
持盤11をOリングを介して本体ケーシング1に気密に
取り付けられ、縮流路21、放電電極18,19間のレ
ーザガス流路20および拡大流路24が滑かな連続面を
有する流路を形成してレーザガス循環流路3の一部を構
成している。
【0017】このように構成したガスレーザ発振装置
は、駆動用モータ8により送風手段としての送風機7が
駆動されると、ガスレーザ本体である本体ケーシング1
内のレーザガスは、図示矢印Aの方向に循環され、縮流
路21を通って放電電極18,19の間のレーザガス流
路20に供給され、これらの間を通るとき、放電電極1
8,19からの放電により励起される。そして、励起さ
れたエネルギがレーザビームとしてレーザガス循環流路
3から、この流路3に直交する外部に取り出されるよう
になる。
【0018】一方、レーザ発振されたレーザガスは、拡
大流路24を通って冷却手段である冷却器5に送られ、
ここで熱交換器により冷却され、再び送風機7に戻さ
れ、放電電極18,19側に供給されるようになる。
【0019】したがって、このようにすれば放電電極1
8,19がレーザガス流路20に突出することがなく、
しかもレーザガス流入口側の縮流路21、レーザガス流
出口側の拡大流路24により放電部10に供給されるレ
ーザガスの流れをスムーズにできる。また放電電極1
8,19の取付基盤14,15は、図2および図3に示
すように、放電電極18,19の表面と、レーザガス流
路20の流路長手方向および流路幅方向において、ほぼ
面一に形成され、放電電極18,19のレーザガス流路
20の幅方向の空間間隔が放電電極以外、すなわち流路
幅方向両外側部でも同じ間隔となっているので放電電極
間を流れるレーザガスの流速分布が一様となり、放電の
均一性が保たれる。
【0020】これらにより、レーザガスが放電部10を
流れるときの圧力損失を低減することができると共に、
放電部10に流れるレーザガスの流速分布を均一にでき
るようになる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
レーザ発振装置においては、ガスレーザ本体内のレーザ
ガス循環流路に設けられる放電部の一対の放電電極を取
付基盤の流路幅方向に延びる凹部に埋設すると共に、放
電電極間に形成されるレーザガス流路のガス流入口側に
縮流路を、ガス流出口側に拡大流路をそれぞれ設けると
共に、放電電極の取付基盤の対向面それぞれを、放電電
極の表面とほぼ面一に形成する一方、前記取付基盤は、
その凹部の流路幅方向両外側部を、レーザガス流路の長
手方向に滑かに連続する面に成形し、前記縮流路からレ
ーザガス流路を経て拡大流路に至る流路は放電電極の両
端部を越えて拡がる流路幅方向全幅にわたって流路長手
方向に滑かな連続面を形成したので、放電電極がレーザ
ガスの流路に突出することがなく、しかもレーザガス流
入口側の縮流路からレーザガス流出口側の拡大流路にわ
たって放電電極間のレーザガスの流路を滑かに連続させ
ることができ、放電部に供給されるレーザガスの流れを
円滑かつ整流にして、レーザガスの流れを高速かつ均一
に保つことができるようになる。これにより、レーザガ
スが放電部を流れるときの圧力損失を低減することがで
き、送風機の出力を小さくし、送風機駆動モータの出力
を小さくできることから、ガスレーザ発振装置の運転効
率を高めることができる。さらに、放電部に流れるレー
ザガスの流速分布を均一にすることもできるので、放電
を安定させることもでき、安定したレーザガスを発振さ
せることができる。さらに、縮流路からレーザガス流路
を経て拡大流路に至る流路は放電電極の両端部を越えて
拡がる流路幅方向全幅にわたって流路長手方向に滑かな
連続面を形成し、放電電極以外の流路幅方向両外側部で
も安定した流れを確保するので、レーザガスの流速が放
電電極の幅方向両端部で低下するのを防いで、劣化した
レーザガスの滞留を未然にかつ極力防止することがで
き、放電電極全域で澱み部分を生じさせることなくレー
ザガスの流速分布を均一にすることができ、放電を安定
化させて安定したグロー放電が得られ、レーザ発振効率
を向上させ、レーザ出力の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスレーザ発振装置の一実施例を
示す側断面図。
【図2】図1のX−X線に沿う放電部の断面図。
【図3】図2のY−Y線に沿う断面図。
【図4】従来のガスレーザ発振装置を示す側断面図。
【符号の説明】
1 本体ケーシング(ガスレーザ本体) 2 枠体 3 レーザガス循環流路(風洞) 5 冷却器(冷却手段) 7 送風機(送風手段) 10 放電部 11,12 電極支持盤 14,15 取付基盤 16,17 凹部 18,19 放電電極 20 レーザガス流路 21 縮流路 22,23 ガイドブロック 24 拡大流路 25,26 ガイドブロック

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザガスが封入されたガスレーザ本体
    と、このガスレーザ本体内部に形成される循環流路にレ
    ーザガスを循環させる送風手段と、循環されるレーザガ
    スを冷却する冷却手段と、上記レーザガスの循環流路の
    一部を形成し、循環せしめられるレーザガスを励起させ
    る放電部とを有するガスレーザ発振装置において、上記
    放電部は間隔をおいて対向する取付基盤の流路幅方向に
    延びる凹部に埋設された一対の放電電極と、上記放電電
    極間に形成されるレーザガス流路のガス流入口側に設け
    られた縮流路と、上記レーザガス流路のガス流出口側に
    設けられた拡大流路とを有し、前記放電電極の取付基盤
    の対向面それぞれを、放電電極の表面とほぼ面一に形成
    する一方、前記取付基盤は、その凹部の流路幅方向両外
    側部を、レーザガス流路の長手方向に滑かに連続する面
    に成形し、前記縮流路からレーザガス流路を経て拡大流
    路に至る流路は放電電極の両端部を越えて拡がる流路幅
    方向全幅にわたって流路長手方向に滑かな連続面を形成
    したことを特徴とするガスレーザ発振装置。
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