JP3092767B2 - 下塗材組成物 - Google Patents
下塗材組成物Info
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Description
コンクリート、モルタル、PC板、ALC等の無機質基
材の防水性、非透水性、アルカリシール性、耐溶剤性を
格段に向上させる下塗材組成物に関するものである。
板、ALC等の無機質基材に仕上塗材を塗付する際に
は、下塗材が用いられてきた。これは、多孔質で吸収性
の大きい基材面に直接仕上塗材を塗付すると、塗材中の
ビヒクルのみが基材に吸収されて塗膜の耐久力を阻害す
るのに対して、下塗材を塗付してビヒクルの吸収を減少
させるためである。また新しいコンクリートの場合に
は、仕上塗膜が直接コンクリートのアルカリに触れて変
質するのを防ぐこともできる。このような下塗材には、
ウレタン系、エポキシ系、アクリル系等各種のものがあ
るが、その目的は前述のシール効果以外に、その上に塗
る塗材との密着性が必要である。ここで一般に塗膜の付
着機構については投錨説、界面化学理論、SP理
論、拡散理論、静電気理論等がある。の投錨説
は、固体表面に深い細隙があるとき、塗料ビヒクルがそ
の内部に浸透し、錨のように固体表面に根をおろすこと
により付着するものである。の界面化学理論は、付着
するA、B両相の表面張力γが等しいときに、界面張力
が極小のゼロになり付着が最大になるというものであ
る。のSP理論はA、B両相の溶解性パラメーターが
等しいときに付着が最大になるというものである。の
拡散理論はポリマー同士の付着の場合、界面を越えた分
子の拡散が起こると、付着は平面現象ではなく、ある深
さを有する体積現象となるという考え方である。の静
電気理論は付着力の本質は正負の電気力によるものとす
る考え方である。下塗材とその上にくる仕上塗膜との付
着性を向上させる場合においてもこれらの理論があては
まることになる。しかしながらの投錨説は下塗材乾燥
硬化後に、その上に塗付する仕上塗膜との間では問題と
ならない。また、界面化学理論、SP理論、拡散
理論については、上にくる塗膜が各種ある場合にはその
つど下塗材を変更しなければならないことになる。特に
上にくる塗膜が、例えば JIS A 6909 可とう形、JIS A
6910防水形及びこれに類する材料のような弾性を有する
場合には、硬質の塗膜におけるほどこれらの付着機構が
当てはまらないことが多く、の機構では密着性を
高めることができなかった。これに対して、塩素基を側
鎖に導入したポリプロピレンを用い、この塩素基の電気
陰性度の高さからくる塗膜全体の静電気的な効果を利用
して、弾性塗膜であっても密着性を向上させられるよう
になった。
ポリプロピレンはその製造過程において、四塩化炭素を
使用する。この四塩化炭素は毒性が高く、最近の環境保
護の政策から塩素系有機溶剤の各種法規制により使用が
制限されており、また将来的には全廃の方向となってい
る。さらに、この塩素化ポリプロピレンを下塗材として
使用した場合に、その上に塗付する仕上塗材として溶剤
系のものを使用した場合には、塩素化ポリプロピレンの
耐溶剤性の低さから、下塗材塗膜が膨潤して密着不良や
塗膜の膨れ剥がれ等の問題を生じていた。したがって、
依然として上に塗装する仕上塗材の種類により下塗材を
適宜変更し使用しているのが実情である。このように、
上に塗付する仕上材の種類を選ばず優れた密着性を示
し、特に弾性系仕上塗材とも密着するとともに、下地基
材のコンクリート、モルタルなど無機質基材の防水性、
非透水性、アルカリシール性、耐溶剤性を格段に向上さ
せる汎用の下塗材組成物は今までなく産業界から切望さ
れていた。本発明が解決しようとする問題点はこのよう
な下塗材組成物を製造することにある。
決するために本発明者らは、塩素化ポリプロピレンの代
わりに、塩化ビニル、塩化ビニリデンを共重合した樹脂
(以下、単に「塩ビ系樹脂」という。)を利用すること
で、密着性および耐溶剤性の問題が解決できるのではな
いかと考え、鋭意研究の結果、特定の高分子量アクリル
樹脂と該塩ビ系樹脂との複合により、目的とする下塗材
組成物を発明するに至った。すなわち、(A)重量平均
分子量が150000〜300000の高分子量アクリ
ル樹脂、(B)塩化ビニル、塩化ビニリデンを含有し、
その固形分比率が、1:0.1〜1で共重合した塩ビ系
樹脂とし、(A)の固形分100重量部に対して(B)
を固形分換算で50〜400重量部配合するのである。
ここで(A)の高分子量アクリルで重量平均分子量が1
50000より小さいときは、シール性、耐溶剤性が劣
り、300000より大きいときは粘度が非常に高くな
り塗料化が困難となってしまう。また、(A)の高分子
量アクリル樹脂のモノマー組成は、(B)成分と混合で
きる程度の粘性となるものであれば特に限定されない
が、望ましくは化3、化4で表される単量体を固形分比
率1:0.3〜0.6で共重合したものが良い。
分比率が上記の範囲を超える場合は、塩化ビニリデンが
0.1より小さくなると、密着性が劣り、1より大きく
なると、重合度が低くなる結果、分子量が低くなるため
基材への吸い込みが大きくなりシール性が低下する。ま
た、(B)成分の分子量は、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン固形分比率が上記範囲に入っていれば特に限定されな
いが、シール性の問題を考慮すると2万以上は必要であ
る。(A)成分、(B)成分共にその製造には溶液重合
等の一般的な方法を用いればよく特に限定されるもので
はない。また、その重合の際に使用される有機溶剤も
(A)成分、(B)成分を混合した際に、ソルベントシ
ョックにより樹脂がゲル化したり、両成分に使用されて
いる溶剤そのものの相溶性が悪い場合を除けば特に限定
されるものではない。さらに、(A)成分はスチレン
等、(B)成分は、マレイン酸、酢酸ビニル等が共重合
モノマーとしてあげられる。
組成の高分子アクリル樹脂のキシレン溶液および、塩ビ
系樹脂の酢酸エチル−トルエン溶液を記載の比率にて配
合した下塗材組成物に対して、弾性塗材との密着性試
験、透水性試験、アルカリシール性試験、フクレ性試験
を下記のような方法で行った。結果を表3に示した。 (試験方法) (1)弾性塗材との密着性試験 モルタル板に各種下塗材を膜厚0.125μmになるよ
うに塗付し、24時間標準状態で乾燥させた上に、弾性
塗材を膜厚0.125μmになるように塗付し、72時
間標準状態で乾燥させたものを、50℃温水に16時間
浸漬した後24時間標準状態で乾燥させたものを用い
て、JIS K 5400 8.5.2碁盤目テープ法に
準じて試験を行う。評価方法は、碁盤目テープ試験にお
ける0点〜10点で行った。 (2)透水性試験 JIS K 5400 8.16 透水度の試験方法に準じ
て、樹脂固形分で20g/m2 の塗付量となるように
試験体を作製し試験を行った。評価方法は、24時間後
における透水量をml単位で表現した。 (3)アルカリシール性試験 透水性試験に用いる脱イオン水に、フェノールフタレイ
ン溶液を0.01wt%になるように混合してアルカリ
溶出の有無を確認する。評価方法は、フェノールフタレ
インの変色があるものは、アルカリ溶出有とし、変色の
ないものはアルカリ溶出無しとした。 (4)フクレ性試験 「弾性塗材との密着性試験」にて使用する試験体と同様
のものを50℃温水に72時間浸漬し、目視により下塗
材と弾性塗材との界面にフクレの有無を確認する。 (実施例2〜4)表1に示した分子量、モノマー組成の
高分子アクリル樹脂キシレン溶液および塩ビ系樹脂酢酸
エチル−トルエン溶液を記載の比率にて配合した下塗材
組成物に対して、実施例1と同様にして試験を行った。
結果を表3に示した。 (比較例1〜2)高分子量アクリルと塩ビ系樹脂の比率
を表2のように変えた以外は実施例1と同様にして試験
を行った。結果を表3に示した。塩ビ系樹脂の比率が本
発明の規定範囲より高い比較例1では、シール性が劣る
結果となった。反対に高分子量アクリルの比率が本発明
の規定範囲より高い比較例2では、密着性が劣る結果と
なった。 (比較例3〜4)高分子量アクリルの重量平均分子量を
表2のように変えた以外は実施例4と同様にして試験を
行った。結果を表3に示した。高分子量アクリルの平均
分子量が本発明の規定範囲より低い比較例3では、シー
ル性が劣る結果となった。反対に平均分子量が本発明の
規定範囲より高い比較例4では、高分子量アクリル樹脂
溶液の粘度が非常に高くなり、希釈用の溶剤を多量に必
要とするため塗料化が困難となった。 (比較例5〜6)塩ビ系樹脂のモノマー組成を表2のよ
うに変えた以外は実施例1と同様にして試験を行った。
結果を表3に示した。塩ビ系樹脂において塩化ビニルの
比率が本発明の規定範囲より高い比較例5では、密着性
が劣る結果となった。塩ビ系樹脂において塩化ビニリデ
ンの比率が本発明の規定範囲より高い比較例6では重合
度が低下し、シール性が劣る結果となった。 (比較例7〜8)塩ビ系樹脂または高分子量アクリル樹
脂単独で試験を行った。結果を表3に示した。塩ビ系樹
脂単独の比較例7はシール性が、高分子量アクリル樹脂
単独の比較例8は密着性がそれぞれ劣る結果となった。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)重量平均分子量が150000〜
300000の高分子量アクリル樹脂、(B)塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンを含有し、その固形分比率が、1:
0.1〜1で共重合した塩ビ系樹脂とし、(A)の固形
分100重量部に対して(B)を固形分換算で50〜4
00重量部配合することを特徴とする下塗材組成物。 - 【請求項2】 (A)高分子量アクリル樹脂が、化1、
化2であらわされる単量体を、固形分比率1:0.3〜
0.6で共重合したものであることを特徴とする請求項
第1項に記載の下塗材組成物。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05199207A JP3092767B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 下塗材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05199207A JP3092767B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 下塗材組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0734006A JPH0734006A (ja) | 1995-02-03 |
JP3092767B2 true JP3092767B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=16403923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05199207A Expired - Lifetime JP3092767B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 下塗材組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3092767B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
PL2630209T3 (pl) * | 2010-10-20 | 2017-07-31 | Valspar Sourcing, Inc. | Układ do powlekania na bazie wody o polepszonej odporności na wilgoć i ciepło |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP05199207A patent/JP3092767B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0734006A (ja) | 1995-02-03 |
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