JP3092098U - 鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設の鉄骨製階段に改造を加えて昇降時に生
じる金属特有の高サイクル振動を減衰させて騒音の発生
を効果的に防止でき、鉄骨製階段の段板を消音段板に替
えるリフォーム用消音段板セット。 【解決手段】ささら桁３に支持される段板４の踏面部４
aの複数箇所にスタッドボルト６が溶接され、段板４の
踏面部４aにスタッドボルト用通し孔が穿たれている消
音用ゴムプレート７が載置されさらにその上にスタッド
ボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側の上面端
縁にレベル調整材８を備えた段板カバープレート９が載
置され、各スタッドボルト６にナット１０が締結されて
段板カバープレート９と消音用ゴムプレート７が段板４
の踏面部４aに固定され、ナット１０の周りの隙間と段
板カバープレート９の周辺の隙間に防水コーキングが施
され、段板カバープレート９の上にレベル調整材８の高
さに合わせて仕上げ材１１が設けられ、レベル調整材８
にアングル状滑り止め１２が被され止着されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本願考案は、階段昇降時に生じる金属特有の高サイクル振動を減衰させて騒音 の発生を効果的に防止でき、耐食性に優れ、長期間経過後にリフォームが可能で ある、鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セットに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

特開平６−１４６５１８の明細書の従来の技術の記載欄に鋼製階段に関する問 題点が記載されている。 要約すると、鋼製階段は、耐火性を有すると共に、比較的軽量にて高い構造強 度が得られ、かつ施工性に優れることから広く用いられている。特にマンション 、ビル等の非常階段を兼ね耐食性を求められる屋外階段等では、鋼製ささら桁に 縞鋼板からなる踏板（段板）を溶接接合して一体の階段構造体に組立後、どぶ漬 け亜鉛めっきを施して耐食性を高める鋼製階段が採用されている。どぶ漬け亜鉛 めっき”による一体型の鋼製階段は、単層の縞鋼板を踏板に用いている。 従って、鋼製階段の欠点は騒音である。昇降に際して発生する高いレベルの騒 音を防止するために、鋼製ささら桁に粘弾性樹脂層を中間に介在させた制振鋼板 を溶接接合して一体の階段構造体に組立て、これを“どぶ漬け亜鉛めっき”する ものは目的を達成できないので、特開平６−１４６５１８では、鋼製のささら桁 に単層鋼板からなる踏板を溶接接合して一体に組立てると共に、全面に溶融亜鉛 めっきが施された階段本体の各踏板の踏面部の裏面に制振鋼板を接着してなる鋼 製階段を提案している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、既設の鋼製階段について各踏板の踏面部の裏面に制振鋼板を接 着しても十分な消音効果は得られない。

【０００４】 本願考案は、上記従来技術の問題点を解消すべくなされたもので、階段昇降時 に生じる金属特有の高サイクル振動を減衰させて騒音の発生を効果的に防止でき 、耐食性に優れ、長期間経過後にリフォームが可能である、鉄骨製階段の段板を 消音段板に替えるリフォーム用消音段板セットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

[請求項１]は、段板の踏面部の複数箇所に立てられ溶着されるスタッドボルト 及びこれに螺合するナットと、ささら桁に支持される段板の踏面部と略同じ大き さであり踏面部に溶接されるスタッドボルトを通すスタッドボルト用通し孔が穿 たれている消音用ゴムプレートと、段板を隠蔽できる折曲げ形状であり前記スタ ッドボルトを通すスタッドボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側の上面 端縁にレベル調整材を備えた段板カバープレートと、段板カバープレートの上に レベル調整材の高さに合わせて設けられる仕上げ材と、レベル調整材に被され止 着される滑り止めと、防水コーキングとからなることを特徴とする、鉄骨製階段 の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セットを提供するものである。 [請求項２]は、段板の踏面部の複数箇所に立てられ溶着されるスタッドボルト 及びこれに螺合するナットと、ささら桁に支持される段板の踏面部と略同じ大き さであり踏面部に溶接されるスタッドボルトを通すスタッドボルト用通し孔が穿 たれている消音用ゴムプレートと、段板を隠蔽できる折曲げ形状であり前記スタ ッドボルトを通すスタッドボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側の上面 端縁にレベル調整材を備えた段板カバープレートと、段板カバープレートの上に レベル調整材の高さに合わせて塗り込まれ乾燥するとクッション性を備える樹脂 からなる仕上げ材と、レベル調整材に被され止着される滑り止めと、防水コーキ ングとからなることを特徴とする、鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォ ーム用消音段板セットを提供するものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本願考案の第一の実施の形態にかかる鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリ フォーム用消音段板セットを図面を参照して説明する。図１は、本願考案の第一 の実施の形態にかかる鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段 板セットを取付けた鉄骨製階段の平面図を示す。図２は、本願考案の第一の実施 の形態にかかる鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セッ トを取付けた鉄骨製階段の縦断面図を示す。 この鉄骨製階段は、例えば図１に示すように、下側の踊り場１及び上側の踊り 場２に対して、上下端を溶接又はボルト締めにより接続固定される両側のささら 桁３，３を有し、両側のささら桁３，３間に下段から順番に段板４，４，・・が 溶接固定され、さらにささら桁３に手摺り５，５が溶接固定されて成る。この構 成は、新設と既設のどちらであっても良い。踊り場１と２、ささら桁３，３、段 板４，４，・・、連結用のボルト・ナットは、防錆のためにどぶ漬け亜鉛メッキ されている。段板４は、踏面部４aと、踏面部４aの昇り側端縁に立ち上がる蹴り 上げ面部４bと、踏面部４aの降り側端縁より垂下する段鼻面部４ｃを有している 。手摺り５，５にはステンレスパイプを用いるのが好ましい。これらの構成は、 新設と既設のどちらであっても良い。 そして、この鉄骨製階段は、建物の外壁面に固定設置される非常用階段か、又 は室内の階段であるかを問わない。下側の踊り場１及び上側の踊り場２は、柱及 び建物の壁面に固定される。ささら桁３と段板４とは、いずれか一方に設けたブ ラケットに開けた孔にボルト・ナット或いはリベット等を通して他方と固定する ように構成されていても良い。

【０００７】 そして、図２に示すように、鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム 用消音段板セットは、鉄骨製階段を構成する段板の枚数に対応した、スタッドボ ルト６と、消音用ゴムプレート７と、レベル調整材８と、段板カバープレート９ と、ナット１０と、仕上げ材１１と、滑り止め１２と、止着具１３と、コーキン グ材とからなる。 この鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セットは、 両側のささら桁３,３に両端支持される段板４の踏面部４aにテンプレート（図 示しない）を載置し位置決めして締付け具等で固定し、 該テンプレートの四隅及び中程の複数箇所に穿たれている孔に例えばＭ５×１ ０ｍｍのスタッドボルト６，６，・・を入れてスポット溶接により該スタッドボ ルト６，６，・・の下面を段板４に溶接し、 前記テンプレート（図示しない）を取外してスタッドボルト６，６，・・の基 端及びこれに対応する踏面部４aの下面部位に錆び止めペイントを塗ってから、 例えば厚さが３ｍｍありスタッドボルト用通し孔が穿たれている消音用ゴムプ レート７を載置し、 さらにその上に、厚さ１.２又は１.６ｍｍの鋼板からなり踏面カバー部９aと 蹴り上げ面カバー部９bと段鼻面カバー部９cを有し踏面カバー部９aに例えばス タッドボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側の上面端縁に例えば横寸法 が１９ｍｍで高さ寸法が１０ｍｍの角パイプからなるレベル調整材８を備えてど ぶ付け亜鉛メッキされている段板カバープレート９を載置し、 しかる後に、各スタッドボルト６にナット１０を締結して段板カバープレート ９と消音用ゴムプレート７を段板４の踏面部４aに堅結固定し、 ナット１０の周りの隙間と段板カバープレート９の周縁の隙間に防水コーキン グを施してから、段板カバープレート９の上にレベル調整材の高さに合わせて仕 上げ材１１を設け、レベル調整材８に表面がエンボス状であり角が鋭利になって いないアングル状の滑り止め１２を被せてビスねじ等の止着具１３でレベル調整 材８にねじ孔をタップ切りして連結固定することで、鉄骨製階段の段板４を消音 段板に替えることができる。 このリフォーム用消音段板セットには、施工が正確・容易・円滑に行なわれる ようにするために前記テンプレートが含まれることが望ましい。このリフォーム 用消音段板セットは、段板４の大きさが異なると、消音用ゴムプレート７の大き さ、レベル調整材８の長さ、段板カバープレート９の大きさ、仕上げ材１１の量 又は大きさが異なる。

【０００８】 上記第一の実施の形態は、段板４の蹴り上げ面部４bと段鼻面部４ｃのいずれ も短くて、段板間が開放されていることにともなって、段板４をカバーしている 段板カバープレート９も蹴り上げ面カバー部９bと段鼻面カバー部９cがそれぞれ 蹴り上げ面部４bと段鼻面部４ｃを隠蔽できる限度に短くなっていて段板間の開 放が確保されている。 消音用ゴムプレート７と段板カバープレート９は、幅寸法が段板４の幅寸法よ りも例えば２〜４ｍｍ短い。ナット１０の周りの隙間と段板カバープレート９の 周縁の隙間に防水コーキングを施すと、段板カバープレート９の上面から段板４ の側に水が沁みこまないように防水が確保される。 仕上げ材１１は、例えば、段板カバープレート９の踏面カバー部９aの上にレ ベル調整材８と高さと同じになるようにウレタン樹脂等の塗り込み材をパテのよ うに厚く塗って乾燥させてクッション性を持たせた樹脂シートが好ましい。この ような樹脂シートは、カラー選択が豊富であり、クッション性の度合いにも選択 度が大きい。又、前記クッション性を有する樹脂シートの上にピータイル等を貼 っても良く、又は、下面のナット１０に対応する箇所に凹部を形成したコルク板 や滑り難いフローリング材を貼りつけても良い。 本願考案の鉄骨製階段によれば、階段昇降時に発生する騒音は、仕上げ材１１ にクッション性を有する樹脂シートやコルクを用いるときは、仕上げ材１１と消 音用ゴムプレート７とにより消音され、又、仕上げ材１１にクッション性・消音 性は有しない滑り難いフローリング材を用いるときは、消音用ゴムプレート７に より消音される。

【０００９】 図３は、本願考案の第二の実施の形態にかかる鉄骨製階段の段板を消音段板に 替えるリフォーム用消音段板セットを取付けた鉄骨製階段を示す縦断面図である 。 段板４の蹴り上げ面部４bが長く段鼻面部４ｃが短くて、踏面部４aの奥に長く 立ち上がる蹴り上げ面部４bに一段上の段板４の段鼻面部４ｃが短く垂下して前 側に被さり段板間が閉じている構成であることにともなって、段板４をカバーし ている段板カバープレート９も、蹴り上げ面カバー部９bが段板４の段鼻面部４ ｃに突き合わさるように長く延び、段鼻面カバー部９cが段板４の段鼻面部４ｃ を隠蔽できる限度に短くなっていて段板４を隠蔽している。その他の構成は、第 一の実施の形態と相違がない。

【００１０】 図４は、本願考案の第三の実施の形態にかかる鉄骨製階段の段板を消音段板に 替えるリフォーム用消音段板セットを取付けた鉄骨製階段を示す縦断面図である 。 段板４の蹴り上げ面部４bが短く段鼻面部４ｃが長くて、蹴り上げ面部４bに一 段上の段板４の段鼻面部４ｃが長く垂れ下がり前側に被さり段板間が閉じている 構成であることにともなって、段板４をカバーしている段板カバープレート９も 、蹴り上げ面カバー部９bが極めて短く立ち上がっているか、又は、踏面カバー 部９aが段板４の蹴り上げ面部４bに近接していて、段鼻面カバー部９cが長く垂 下して段板４の段鼻面部４ｃを隠蔽している。その他の構成は、第一の実施の形 態と相違がない。

【００１１】 なお、施工手順として、仕上げ材１１を設ける前に、レベル調整材８に滑り止 め１２を取付けても良いし、仕上げ材１１を設けてから段板カバープレート９に 被せてレベル調整材８と滑り止め１２を取付けても良い。

【００１２】

【考案の効果】

本願考案の鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セット によれば、 階段昇降時に発生する騒音は、仕上げ材にクッション性を有する樹脂シートや コルクを用いるときは、段板カバープレートに金属特有の高サイクル振動が生じ 難く、金属特有の高サイクル振動が生じたとしても段板カバープレートに生じる 仕上げ材と消音用ゴムプレートとにより減衰・消音され特に施工がやり易い、又 、仕上げ材にクッション性・消音性は有しない滑り難いフローリング材を用いる ときは、消音用ゴムプレートにより消音される。 本願考案の鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セット によれば、 段板カバープレートの上面から下側へ水が浸み込まないようになっており、段板 に対する雨水の接触防止・錆の発生防止が図られているので屋外用であっても長 期の耐久性を有する。 本願考案の鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セット によれば、 段板の上の、消音用ゴムプレートと段板カバープレートと仕上げ材と滑り止め は分解できるから交換可能であり、さらに、段板カバープレートにかかる荷重を 段板が受けてくれるから段板を厚い材料で段板カバープレートを薄い材料で作れ るので、段板を例えば６ｍｍの鋼板で厚く作って長期間の耐久強度を確保すると ともに段板カバープレートを例えば１.２〜１.６ｍｍで薄く作り、長期間経過後 に消音用ゴムプレートと段板カバープレートと仕上げ材と滑り止めを安価にリー フォーム交換可能であり、加えて、仕上げ材の材質・カラーの選択ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の第一の実施の形態にかかる鉄骨製階
段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セッ
トを取付けた鉄骨製階段の平面図。

【図２】本願考案の第一の実施の形態にかかる鉄骨製階
段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セッ
トを取付けた鉄骨製階段を示す縦断面図である。

【図３】本願考案の第二の実施の形態にかかる鉄骨製階
段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セッ
トを取付けた鉄骨製階段を示す縦断面図である。

【図４】本願考案の第三の実施の形態にかかる鉄骨製階
段の段板を消音段板に替えるリフォーム用消音段板セッ
トを取付けた鉄骨製階段を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１・・・下側の踊り場、２・・・上側の踊り場、３・・・ささら
桁、４・・・段板、４a・・・踏面部、４b・・・蹴り上げ面
部、４c・・・段鼻面部、５・・・手摺り、６・・・スタッドボル
ト、７・・・消音用ゴムプレート、８・・・レベル調整材、９
・・・段板カバープレート、９a・・・踏面カバー部、９b・・・
蹴り上げ面カバー部、９c・・・段鼻面カバー部、１０・・・
ナット、１１・・・仕上げ材、１２・・・滑り止め、１３・・・
止着具、

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】段板の踏面部の複数箇所に立てられ溶着さ
   れるスタッドボルト及びこれに螺合するナットと、ささ
   ら桁に支持される段板の踏面部と略同じ大きさであり踏
   面部に溶接されるスタッドボルトを通すスタッドボルト
   用通し孔が穿たれている消音用ゴムプレートと、段板を
   隠蔽できる折曲げ形状であり前記スタッドボルトを通す
   スタッドボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側
   の上面端縁にレベル調整材を備えた段板カバープレート
   と、段板カバープレートの上にレベル調整材の高さに合
   わせて設けられる仕上げ材と、レベル調整材に被され止
   着される滑り止めと、防水コーキングとからなることを
   特徴とする、鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフ
   ォーム用消音段板セット。
2. 【請求項２】段板の踏面部の複数箇所に立てられ溶着さ
   れるスタッドボルト及びこれに螺合するナットと、ささ
   ら桁に支持される段板の踏面部と略同じ大きさであり踏
   面部に溶接されるスタッドボルトを通すスタッドボルト
   用通し孔が穿たれている消音用ゴムプレートと、段板を
   隠蔽できる折曲げ形状であり前記スタッドボルトを通す
   スタッドボルト用通し孔が穿たれているとともに段鼻側
   の上面端縁にレベル調整材を備えた段板カバープレート
   と、段板カバープレートの上にレベル調整材の高さに合
   わせて塗り込まれ乾燥するとクッション性を備える樹脂
   からなる仕上げ材と、レベル調整材に被され止着される
   滑り止めと、防水コーキングとからなることを特徴とす
   る、鉄骨製階段の段板を消音段板に替えるリフォーム用
   消音段板セット。