JP3091853B2 - 全光フェムト秒光変調方法およびその装置 - Google Patents
全光フェムト秒光変調方法およびその装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、J−会合体を用い
た光変調素子による全光フェムト秒光変調方法およびそ
の装置に関するものである。
た光変調素子による全光フェムト秒光変調方法およびそ
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自己会合により集合体を形成する有機分
子のうち、特に1次元的に集合し分子自身の示す吸収の
長波長端に鋭い励起子吸収を示すものは、J−会合体と
呼ばれる。その励起状態では、会合中の多くの分子(1
02 〜103 )に励起子が広がり、光とのコヒーレント
な相互作用が顕在化し、特異な光非線形を示し、光の変
調に用いられている。これを図により説明する。
子のうち、特に1次元的に集合し分子自身の示す吸収の
長波長端に鋭い励起子吸収を示すものは、J−会合体と
呼ばれる。その励起状態では、会合中の多くの分子(1
02 〜103 )に励起子が広がり、光とのコヒーレント
な相互作用が顕在化し、特異な光非線形を示し、光の変
調に用いられている。これを図により説明する。
【0003】図12は、従来のJ−会合体を用いた被変
調信号と変調信号が共に光である全光光変調方法の説明
図である。この図において、1は光変調素子であり、応
答物質とマトリックスからなり、応答物質としてPIC
(pseudoisocyanine)J−会合体を用い、マトリックス
として水・エチレングリコール,ポリビニルアルコー
ル,ポリカーボネートのいずれかを用いたものである。
2は光検出器を示す。
調信号と変調信号が共に光である全光光変調方法の説明
図である。この図において、1は光変調素子であり、応
答物質とマトリックスからなり、応答物質としてPIC
(pseudoisocyanine)J−会合体を用い、マトリックス
として水・エチレングリコール,ポリビニルアルコー
ル,ポリカーボネートのいずれかを用いたものである。
2は光検出器を示す。
【0004】次に、動作について説明する。まず、コヒ
ーレントでパルス状の動作光(ポンプ光)Lpuを入射さ
せる。
ーレントでパルス状の動作光(ポンプ光)Lpuを入射さ
せる。
【0005】この入射時よりΔt時間遅れてコヒーレン
トでパルス状の信号光(プローブ光)Lprを入射させ
る。これにより動作光Lpuの強度に応じて信号光L
prは、強度変調され、光検出器2で出力が検出される。
すなわち、J−会合体の吸収が減少し、信号光Lprの出
力が増加する。つまり強度変調が生じている。
トでパルス状の信号光(プローブ光)Lprを入射させ
る。これにより動作光Lpuの強度に応じて信号光L
prは、強度変調され、光検出器2で出力が検出される。
すなわち、J−会合体の吸収が減少し、信号光Lprの出
力が増加する。つまり強度変調が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したPICJ−会
合体を用いた光変調素子による光変調方法は、励起状態
では、励起子は多くの分子に広がり、非線形性の増大と
超高速応答性を示すが、 (a) 一般に超高速応答性をもとめるには非共鳴領域
の非線形性を用いるため、動作光Lpuに大きな光強度を
必要とする。
合体を用いた光変調素子による光変調方法は、励起状態
では、励起子は多くの分子に広がり、非線形性の増大と
超高速応答性を示すが、 (a) 一般に超高速応答性をもとめるには非共鳴領域
の非線形性を用いるため、動作光Lpuに大きな光強度を
必要とする。
【0007】(b) そこで、共鳴領域を使用しても、
共鳴領域の非線形性を用いた全光光変調材料の光変調素
子1では、動作速度は吸収が減少している時間、つまり
材料の持つ励起状態の寿命(T1 )により動作速度が決
められ、材料そのもの、つまりマトリックスとJ−会合
体だけで動作速度が10ピコ秒をきるものはない。とい
う問題があった。
共鳴領域の非線形性を用いた全光光変調材料の光変調素
子1では、動作速度は吸収が減少している時間、つまり
材料の持つ励起状態の寿命(T1 )により動作速度が決
められ、材料そのもの、つまりマトリックスとJ−会合
体だけで動作速度が10ピコ秒をきるものはない。とい
う問題があった。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は動作光が低光強度でよく、
かつ動作速度がフェムト秒の全光フェムト秒光変調方法
およびその装置を提供することにある。
なされたもので、その目的は動作光が低光強度でよく、
かつ動作速度がフェムト秒の全光フェムト秒光変調方法
およびその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる全光フェ
ムト秒光変調方法は、J−会合体を用いた光変調素子
に、コヒーレントでパルス状の信号光とコヒーレントで
パルス状の動作光とを入射して前記信号光の強度または
位相の変調を行う光変調方法において、前記信号光と動
作光のパルス幅(tP )を前記J−会合体の分極の位相
緩和時間(T2 )より短くし、かつ、前記変調される信
号光の入射時よりΔt時間遅れて前記動作光を前記光変
調素子に入射させるものである。
ムト秒光変調方法は、J−会合体を用いた光変調素子
に、コヒーレントでパルス状の信号光とコヒーレントで
パルス状の動作光とを入射して前記信号光の強度または
位相の変調を行う光変調方法において、前記信号光と動
作光のパルス幅(tP )を前記J−会合体の分極の位相
緩和時間(T2 )より短くし、かつ、前記変調される信
号光の入射時よりΔt時間遅れて前記動作光を前記光変
調素子に入射させるものである。
【0010】また、本発明にかかる全光フェムト秒光変
調装置は、J−会合体を用いた光変調素子と、この光変
調素子にコヒーレントでパルス状の信号光を入射させる
信号光発生手段と、前記光変調素子にコヒーレントでパ
ルス状の動作光を入射させる動作光発生手段と、前記光
変調素子の出力光のうち所定の帯域を通過させるバンド
パスフィルタと、このバンドパスフィルタの出力光を検
出する光検出器と、前記信号光と動作光のパルス幅(t
P )を前記J−会合体の分極の位相緩和時間(T2 )よ
り短くし、かつ、前記変調される信号光の入射時よりΔ
t時間遅れて前記動作光を前記光変調素子に入射させる
制御手段とを備えたものである。
調装置は、J−会合体を用いた光変調素子と、この光変
調素子にコヒーレントでパルス状の信号光を入射させる
信号光発生手段と、前記光変調素子にコヒーレントでパ
ルス状の動作光を入射させる動作光発生手段と、前記光
変調素子の出力光のうち所定の帯域を通過させるバンド
パスフィルタと、このバンドパスフィルタの出力光を検
出する光検出器と、前記信号光と動作光のパルス幅(t
P )を前記J−会合体の分極の位相緩和時間(T2 )よ
り短くし、かつ、前記変調される信号光の入射時よりΔ
t時間遅れて前記動作光を前記光変調素子に入射させる
制御手段とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にかかる全光フェムト秒光
変調方法およびその装置は、J−会合体のJバンドと同
じ波長の低光強度(動作光の1/10以下:通常0.1
μJ/cm2)の信号光を用いる。信号光と、信号光に
よりJ−会合体中に生じた分極とのコヒーレントな相互
作用により、出射した信号光の特定の波長領域の強度が
増加または減少する。つまり位相変調により強度変調が
生じている。この変化は、応答物質(J−会合体など)
中に生じた分極の位相緩和時間(T2 )すなわち信号光
により作られたJ−会合体の分極が、時間とともに乱
れ、信号光との位相ずれが生じる時間の間持続し、PI
CJ−会合体(水/エチレングリコール中、77K)の
場合、この持続時間の半減期は300フェムト秒であ
る。
変調方法およびその装置は、J−会合体のJバンドと同
じ波長の低光強度(動作光の1/10以下:通常0.1
μJ/cm2)の信号光を用いる。信号光と、信号光に
よりJ−会合体中に生じた分極とのコヒーレントな相互
作用により、出射した信号光の特定の波長領域の強度が
増加または減少する。つまり位相変調により強度変調が
生じている。この変化は、応答物質(J−会合体など)
中に生じた分極の位相緩和時間(T2 )すなわち信号光
により作られたJ−会合体の分極が、時間とともに乱
れ、信号光との位相ずれが生じる時間の間持続し、PI
CJ−会合体(水/エチレングリコール中、77K)の
場合、この持続時間の半減期は300フェムト秒であ
る。
【0012】信号光の入射時から所定時間Δt遅れて入
射させる動作光が信号光(例えば、0.1μJ/cm2
とする)より強い動作光(例えば、1〜10μJ/cm
2 ;570および495nmの場合,10〜20μJ/
cm2 ;530nmの場合)の場合は、信号光によりJ
−会合体中に生じた分極を変形させる動作を行い、した
がって動作光が入ることにより出力光が変調される。こ
の動作光の波長は、信号光と同じでもよく、また、J−
会合体の励起子の高エネルギー側の波長(530nmお
よび495nm)を用いてもよい。
射させる動作光が信号光(例えば、0.1μJ/cm2
とする)より強い動作光(例えば、1〜10μJ/cm
2 ;570および495nmの場合,10〜20μJ/
cm2 ;530nmの場合)の場合は、信号光によりJ
−会合体中に生じた分極を変形させる動作を行い、した
がって動作光が入ることにより出力光が変調される。こ
の動作光の波長は、信号光と同じでもよく、また、J−
会合体の励起子の高エネルギー側の波長(530nmお
よび495nm)を用いてもよい。
【0013】また、動作光の強度が低い場合(1〜10
μJ/cm2 ;570および495nmおよび10〜2
0μJ/cm2 ;530nmの場合)は信号先の中心波
長の強度が増加するが、さらに動作光の強度を上げる
と、(10〜40μJ/cm2;570および495n
mの場合,40μJ/cm2 ;530nmの場合)中心
波長の強度は減少する。動作光強度を増すことによる出
力光の減少は、2つの光の論理和(排他的OR)を行う
全光論理演算回路に用いることが可能である。
μJ/cm2 ;570および495nmおよび10〜2
0μJ/cm2 ;530nmの場合)は信号先の中心波
長の強度が増加するが、さらに動作光の強度を上げる
と、(10〜40μJ/cm2;570および495n
mの場合,40μJ/cm2 ;530nmの場合)中心
波長の強度は減少する。動作光強度を増すことによる出
力光の減少は、2つの光の論理和(排他的OR)を行う
全光論理演算回路に用いることが可能である。
【0014】〔実施例1〕図1は、本発明にかかる全光
フェムト秒光変調方法を示す原理説明図である。この図
で、11は光変調素子で、PICJ−会合体を用いた図
12の光変調素子1と同様のものである。12は光検出
器、13は所要の帯域の波長の出力光をとり出すための
バンドパスフィルタである。
フェムト秒光変調方法を示す原理説明図である。この図
で、11は光変調素子で、PICJ−会合体を用いた図
12の光変調素子1と同様のものである。12は光検出
器、13は所要の帯域の波長の出力光をとり出すための
バンドパスフィルタである。
【0015】PICとしては図3に示す構造式を有して
おり、波長に対する吸収率が図示の特性のものであり、
Nに代えて、Se,Sを用いることもできる。
おり、波長に対する吸収率が図示の特性のものであり、
Nに代えて、Se,Sを用いることもできる。
【0016】図4は、PICJ−会合体の構造と77K
における吸収率の特性を示すものである。
における吸収率の特性を示すものである。
【0017】次に、図1の動作について説明する。
【0018】まず、図1の(a)のように、光変調素子
11に対してコヒーレントでパルス状の信号光(プロー
ブ光)Lprを入射する。信号光LprとしてはPICJ−
会合体のJバンド(図4の570nmの吸収帯)と同じ
波長の低光強度の信号光を用いる。信号光Lprの入射に
よりPICJ−会合体中に分極が生じ、この分極と入射
した信号光Lprとのコヒーレントな相互作用により光変
調素子11から出射した信号光Lprの特定の波長領域の
強度が増加(もしくは減少)する。この変化は応答物質
(J−会合体など)中に生じた分極の緩和時間(T2 )
持続し、PICJ−会合体(水/エチレングリコール
中、77K)の場合、300フェムト秒である。
11に対してコヒーレントでパルス状の信号光(プロー
ブ光)Lprを入射する。信号光LprとしてはPICJ−
会合体のJバンド(図4の570nmの吸収帯)と同じ
波長の低光強度の信号光を用いる。信号光Lprの入射に
よりPICJ−会合体中に分極が生じ、この分極と入射
した信号光Lprとのコヒーレントな相互作用により光変
調素子11から出射した信号光Lprの特定の波長領域の
強度が増加(もしくは減少)する。この変化は応答物質
(J−会合体など)中に生じた分極の緩和時間(T2 )
持続し、PICJ−会合体(水/エチレングリコール
中、77K)の場合、300フェムト秒である。
【0019】次いで、図1の(b)のように、強い動作
光Lpuが入射すると、信号光LprによりPICJ−会合
体に生じていた分極が変形させられる。したがって、動
作光Lpuが入射することにより変調された出力光が光変
調素子11から出る。これらの実験結果を後述する図
5,図6に示す。
光Lpuが入射すると、信号光LprによりPICJ−会合
体に生じていた分極が変形させられる。したがって、動
作光Lpuが入射することにより変調された出力光が光変
調素子11から出る。これらの実験結果を後述する図
5,図6に示す。
【0020】図2に動作説明のための波形図を示す。分
極の緩和時間(T2 )以上に信号光Lprのパルス間隔を
離せば、パルス列として入ってくる信号光Lprの変調が
可能になる。
極の緩和時間(T2 )以上に信号光Lprのパルス間隔を
離せば、パルス列として入ってくる信号光Lprの変調が
可能になる。
【0021】図5は、動作光Lpuとして495nm,7
μJ/cm2 のレーザ光パルスを用い、PICJ−会合
体としてX- =Br- を77Kに冷却して用いた。曲線
a5,b5,c5,d5は、信号光Lprの入射と動作光
Lpuの入射との時間差をΔt(負の遅延時間)としたと
き、Δt=−100,−300,−500,−900フ
ェムト秒(fs)としたときの透過差ΔT/Tと出力信
号の周波数との関係を示したもので、特定の波長領域の
出力が変化していることがわかる。ここで、Tは透過率
で、T=(透過光)/(入射光)であり、ΔTは透過率
の変化分であり、ΔT=T(動作光あり)−T(動作光
なし)と定義される。
μJ/cm2 のレーザ光パルスを用い、PICJ−会合
体としてX- =Br- を77Kに冷却して用いた。曲線
a5,b5,c5,d5は、信号光Lprの入射と動作光
Lpuの入射との時間差をΔt(負の遅延時間)としたと
き、Δt=−100,−300,−500,−900フ
ェムト秒(fs)としたときの透過差ΔT/Tと出力信
号の周波数との関係を示したもので、特定の波長領域の
出力が変化していることがわかる。ここで、Tは透過率
で、T=(透過光)/(入射光)であり、ΔTは透過率
の変化分であり、ΔT=T(動作光あり)−T(動作光
なし)と定義される。
【0022】図6は、動作光Lpuの強度を36μJ/c
m2 に上げ、その他の条件は同じにした場合の特性を曲
線a6,b6,c6,d6に示しており、動作光Lpuを
強くすると中心波長の光強度は減少(図中の穴の部分)
しており、論理和(排他的OR)をとっている。
m2 に上げ、その他の条件は同じにした場合の特性を曲
線a6,b6,c6,d6に示しており、動作光Lpuを
強くすると中心波長の光強度は減少(図中の穴の部分)
しており、論理和(排他的OR)をとっている。
【0023】図7,図8は、動作光Lpuの波長をいずれ
も530nmとし、強さをそれぞれ21μJ/cm2 ,
39μJ/cm2 とした場合の特性を曲線a7,b7,
c7,d7および曲線a8,b8,c8,d8に示す。
も530nmとし、強さをそれぞれ21μJ/cm2 ,
39μJ/cm2 とした場合の特性を曲線a7,b7,
c7,d7および曲線a8,b8,c8,d8に示す。
【0024】図9,図10は、動作光Lpuの波長をいず
れも570nmとし、強さをそれぞれ2.6μJ/cm
2 ,13μJ/cm2 とした場合の特性を曲線a9,b
9,c9,d9、および曲線a10,b10,c10,
d10に示す。
れも570nmとし、強さをそれぞれ2.6μJ/cm
2 ,13μJ/cm2 とした場合の特性を曲線a9,b
9,c9,d9、および曲線a10,b10,c10,
d10に示す。
【0025】なお、図5〜図10の各図における各曲線
は左端が原点0であるが、見易くするためにずらしてあ
る。
は左端が原点0であるが、見易くするためにずらしてあ
る。
【0026】〔実施例2〕図11は、本発明にかかる全
光フェムト秒光変調装置の構成を示すブロック図であ
る。この図で、11〜13は図1と同じであり、14は
信号光発生手段、15は動作光発生手段、16は制御手
段を示す。
光フェムト秒光変調装置の構成を示すブロック図であ
る。この図で、11〜13は図1と同じであり、14は
信号光発生手段、15は動作光発生手段、16は制御手
段を示す。
【0027】その動作について説明する。制御手段16
は信号光Lprと動作光Lpuのそれぞれのパルス幅(t
P )を光変調素子11のPICJ−会合体の分極の位相
緩和時間(T2 )よりも短くし、かつ変調される信号光
Lprの入射時よりΔt時間遅らせて動作光Lpuを光変調
素子11に入射させる制御を行う。どのような変調を行
うかによって制御手段16は、信号光Lpr,動作光Lpu
の周波数と強さ、ならびに遅らせる時間Δtを調整し、
光検出器12に所要の変調出力を得る。
は信号光Lprと動作光Lpuのそれぞれのパルス幅(t
P )を光変調素子11のPICJ−会合体の分極の位相
緩和時間(T2 )よりも短くし、かつ変調される信号光
Lprの入射時よりΔt時間遅らせて動作光Lpuを光変調
素子11に入射させる制御を行う。どのような変調を行
うかによって制御手段16は、信号光Lpr,動作光Lpu
の周波数と強さ、ならびに遅らせる時間Δtを調整し、
光検出器12に所要の変調出力を得る。
【0028】なお、上記実施例ではJ−会合体としてP
ICのみの単独型を用いたが、これはPIC+(PIC
benzoselenazol誘導体)からなる融合
型PICであってもよい。
ICのみの単独型を用いたが、これはPIC+(PIC
benzoselenazol誘導体)からなる融合
型PICであってもよい。
【0029】また、PICJ−会合体は一例であり、本
発明はJ−会合体であれば適用できる。信号光Lprに用
いることのできる波長は、J−バンドの位置(J−会合
体の種類によって決まる)によって決められてしまう。
これを解決するためには、J−会合体を形成する色素を
変え、J−バンドの位置を変えればよい。また、連続的
に変化させるには、融合型を用いる。PICとPICの
benzoselenazol誘導体の混合物を用いる
と、J−バンドの位置は、PICJ−会合体の570n
mからbenzoselenazol誘導体の590n
mまで混合比を変えることにより連続的に変えることが
できる。
発明はJ−会合体であれば適用できる。信号光Lprに用
いることのできる波長は、J−バンドの位置(J−会合
体の種類によって決まる)によって決められてしまう。
これを解決するためには、J−会合体を形成する色素を
変え、J−バンドの位置を変えればよい。また、連続的
に変化させるには、融合型を用いる。PICとPICの
benzoselenazol誘導体の混合物を用いる
と、J−バンドの位置は、PICJ−会合体の570n
mからbenzoselenazol誘導体の590n
mまで混合比を変えることにより連続的に変えることが
できる。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかる全光フェムト秒光変調方
法および装置は、上述したように信号光と動作光のパル
ス幅(tP )を前記J−会合体の分極の位相緩和時間
(T2 )より短くし、かつ、前記変調される信号光の入
射時よりΔt時間遅れて前記動作光を前記光変調素子に
入射させるようにしたので、J−会合体の共鳴領域を用
いるため、低光強度動作でよい。また、J−会合体の分
極の位相緩和時間(T2 )により動作速度が決められる
ため、フェムト秒でスイッチオフ動作、すなわち試料
(光変調素子)のコヒーレンス分極を消すことができ
る。さらに、信号光と異なった波長の動作光を用いても
スイッチオフ時間は変わらない。また、動作光の強度に
応じて出力光の強度が変化することを利用すれば、論理
演算回路へ適用できる。
法および装置は、上述したように信号光と動作光のパル
ス幅(tP )を前記J−会合体の分極の位相緩和時間
(T2 )より短くし、かつ、前記変調される信号光の入
射時よりΔt時間遅れて前記動作光を前記光変調素子に
入射させるようにしたので、J−会合体の共鳴領域を用
いるため、低光強度動作でよい。また、J−会合体の分
極の位相緩和時間(T2 )により動作速度が決められる
ため、フェムト秒でスイッチオフ動作、すなわち試料
(光変調素子)のコヒーレンス分極を消すことができ
る。さらに、信号光と異なった波長の動作光を用いても
スイッチオフ時間は変わらない。また、動作光の強度に
応じて出力光の強度が変化することを利用すれば、論理
演算回路へ適用できる。
【図1】本発明にかかる全光フェムト秒光変調方法を示
す原理説明図である。
す原理説明図である。
【図2】図1の実施例の動作説明のための要部の波形部
である。
である。
【図3】本発明に用いるPICの構造式と特性図であ
る。
る。
【図4】本発明に用いるPICJ−会合体の構造と特性
図である。
図である。
【図5】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図6】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図7】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図8】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図9】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図10】本発明による実験結果を示す透過差(ΔT/
T)と波長の関係を示す図である。
T)と波長の関係を示す図である。
【図11】本発明にかかる全光フェムト秒光変調装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図12】従来のPICJ−会合体を用いた全光フェム
ト秒光変調方法の原理説明図である。
ト秒光変調方法の原理説明図である。
11 光変調素子 12 光検出器 13 バンドパスフィルタ 14 信号光発生手段 15 動作光発生手段 16 制御手段 Lpr 信号光 Lpu 動作光
Claims (2)
- 【請求項1】 J−会合体を用いた光変調素子に、コヒ
ーレントでパルス状の信号光とコヒーレントでパルス状
の動作光とを入射して前記信号光の強度または位相の変
調を行う光変調方法において、 前記信号光と動作光のパルス幅(tP )を前記J−会合
体の分極の位相緩和時間(T2 )より短くし、かつ、前
記変調される信号光の入射時よりΔt時間遅れて前記動
作光を前記光変調素子に入射させることを特徴とする全
光フェムト秒光変調方法。ただし、tP <Δt<T2 と
する。 - 【請求項2】 J−会合体を用いた光変調素子と、この
光変調素子にコヒーレントでパルス状の信号光を入射さ
せる信号光発生手段と、前記光変調素子にコヒーレント
でパルス状の動作光を入射させる動作光発生手段と、前
記光変調素子の出力光のうち所定の帯域を通過させるバ
ンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタの出力光
を検出する光検出器と、前記信号光と動作光のパルス幅
(tP)を前記J−会合体の分極の位相緩和時間(T
2 )より短くし、かつ、前記変調される信号光の入射時
よりΔt時間遅れて前記動作光を前記光変調素子に入射
させる制御手段とを備えたことを特徴とする全光フェム
ト秒光変調装置。ただし、tP <Δt<T2 とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08236687A JP3091853B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 全光フェムト秒光変調方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08236687A JP3091853B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 全光フェムト秒光変調方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1083003A JPH1083003A (ja) | 1998-03-31 |
JP3091853B2 true JP3091853B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=17004293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08236687A Expired - Lifetime JP3091853B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 全光フェムト秒光変調方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3091853B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP08236687A patent/JP3091853B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1083003A (ja) | 1998-03-31 |
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