JP3252994B2 - 光学応答測定器 - Google Patents

光学応答測定器

Info

Publication number
JP3252994B2
JP3252994B2 JP21161294A JP21161294A JP3252994B2 JP 3252994 B2 JP3252994 B2 JP 3252994B2 JP 21161294 A JP21161294 A JP 21161294A JP 21161294 A JP21161294 A JP 21161294A JP 3252994 B2 JP3252994 B2 JP 3252994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
measuring device
optical parametric
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21161294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0875603A (ja
Inventor
勉 柳川
浩久 神原
和則 長沼
俊邦 戒能
祐三 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP21161294A priority Critical patent/JP3252994B2/ja
Publication of JPH0875603A publication Critical patent/JPH0875603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252994B2 publication Critical patent/JP3252994B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学材料および素子の
応答時間の測定器に関するものであり、広い波長範囲に
わたって動作を可能とし、光源のパルス幅より格段に短
い時間分解能を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】非線形光学材料をはじめとして、光学材
料および素子の応答時間は、その応答時間より高速な短
パルスレーザを用いて測定される。これまで安定で波長
可変なピコ秒、サブピコ秒光源といえば、Arイオンレ
ーザやNd3+:YAGレーザのモード同期レーザに同期
励起された複合モード同期色素レーザに限られていた。
最近では、波長可変サブピコ秒、フェムト秒光源として
Ti:Al23 レーザが用いられるようになってき
た。しかしながら、使用可能な発振波長の範囲Δλは、
色素レーザでΔλ〜10nm程度、Ti:Al23
ーザでΔλ〜100nm程度である。また、発振波長の
変更は、色素レーザではゲイン媒質、可飽和吸収体を取
り替えるだけでなく、ミラーをはじめ光学部品を変えな
ければならず、手間のいる作業となる。また、Ti:A
23 レーザといえども、光パルスの時間幅を一定に
保つためには、レーザ共振器内の分散が変化しないよう
にせねばならず、700nm≦λ≦1000nmの発振
波長の範囲に限ったとしても、Δλ〜100nmの程度
で、光学部品は変更せざるを得ない。
【0003】一方、コヒーレンスが保てない光はインコ
ヒーレント光と呼ばれる。このインコヒーレント光は、
例えばパルス幅がナノ秒以上であっても、光のスペクト
ル幅がパルス幅に相当する値より広く、コヒーレンス時
間がピコ秒、サブピコ秒オーダーと極端に短くなってい
る光を指す。したがって、このコヒーレンス時間に相当
する時間分解能が、パルス幅が広い光源でも得られるこ
とが解る。このため、パルス幅が互いにかなり異なるイ
ンコヒーレント光パルスと極短光パルスにおいて、パル
スの相関を利用する測定の場合には、コヒーレンス時間
の観点から、等価に扱うことができる(T.Yajim
a,N.Morita,“Methodof Lase
r Spectroscopy.”Y.Prior,
A.Ben−Reuven,and M.Rosenb
luh,eds.(Plenum,New York,
1986),pp75−85)。このインコヒーレント
光を用いた緩和時間の測定は、インコヒーレント分光と
もよばれ、特に超高速光パルスが必要な、位相緩和時間
の測定に用いられた(Y.Ishida andT.Y
ajima,Rev.Phys.Appl.22,16
29(1987))。実際には、ナノ秒レーザよりむし
ろピコ秒レーザ光を用いた報告例の方が多い。例えば、
光ファイバ等にピコ秒、サブピコ秒パルスを入射する
と、自己位相変調効果によってスペクトル幅が増加す
る。このチャープパルスを光源として利用した例として
中野らの報告がある(H.Nakano,Y.Ishi
da,and T.Yanagawa,Appl.Ph
ys.Lett.59,3090(1991))。この
インコヒーレント分光の手法は、これまで困難を極めた
極短光パルスの発生に要する労力をかなり緩和するもの
となったが、それでも得られるスペクトル幅は、ピコ
秒、サブピコ秒レーザの出力光を励起光として採用した
としても、高々数10nm程度であり、このスペクトル
幅に対応する時間分解能は最短でも数10fs程度まで
である。
【0004】以上から、従来から用いられている光学応
答測定器は、光源と利用する光学部品で制限される波長
範囲および時間分解能の範囲でしか用いることができ
ず、それぞれピコ秒、サブピコ秒光源を用いたとして
も、高々100nmのスペクトル幅、数10fsから1
00fs程度の時間分解能である。これに対し、光パラ
メトリック変換器からの出力光を、インコヒーレント光
源として利用する光学応答測定器(特願平4−2402
70,特開平6−94571)は、ナノ秒光パルスを励
起光源として用いたとしても、ピコ秒からサブピコ秒領
域の光学応答が、簡便に測定できる。しかし、非共鳴型
(吸収を伴わない)の非線形光学応答を示す電子効果や
分子の配向効果等に関する応答をそれぞれ測定したり、
全光型の高速スイッチの特性を把握するためには、非線
形屈折率による偏光回転効果を利用する光カー(Ker
r)シャッタ配置が望ましい。
【0005】一方、共鳴型非線形光学応答を決定する光
励起キャリヤの寿命測定については、ポンプ・プローブ
法がよく用いられる。しかし、キャリヤ寿命の測定に
は、プローブ光の透過率変化を観測しているため、縮退
型のポンプ・プローブ法では、往々にしてポンプ光の漏
れ光がS/Nを劣化させる。この点で非縮退型のポンプ
・プローブ法が有利であるが、波長が異なる短パルス光
源を準備したり、コヒーレンスが一致するインコヒーレ
ント光源を得ることが簡単ではない。この点で光パラメ
トリック変換器を用いる場合には、コヒーレンスの一致
した光子対(シグナル光とアイドラ光)を異なる波長領
域で簡単に得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた如く、従来
の光学応答測定器は、ピコ秒、サブピコ秒光源を用いた
としても、高々100nmのスペクトル幅、数10fs
程度の時間分解能である。パルス幅が2−3ns程度の
ナノ秒光源を用いるに至っては、インコヒーレント分光
法を用いても、スペクトル幅は0.02−0.2nmで
あり、時間分解能は数psであることが森田らによって
報告された(N.Morita,T.Tokizak
i,and T.Yajima.J.Opt.Soc.
Am.B 4,1296(1987))。しかも光源と
して使用できる発振波長の範囲は100nm以下であ
る。
【0007】本発明の目的は、使用可能波長を可視域か
ら近赤外域まで拡張し、時間分解能をpsから10fs
程度以下とする光学応答速度測定器を提供することにあ
り、特に非共鳴型の非線形光学応答を分離した形に利用
できる、偏光回転型(光カーシャッタ系)の応答測定器
を提供することにある。
【0008】また、S/Nの向上や、キャリヤダイナミ
クスにおける波長依存性の測定には、光源の確保が困難
であるにも関わらず、非縮退型のポンプ・プローブ法が
期待されている。本発明のもう1つの目的は、この非縮
退型のポンプ・プローブ法に、光パラメトリック変換光
をインコヒーレント光として用い、簡便に波長の異なる
コヒーレンスの揃った複数のインコヒーレント光を提供
することである。これによって、キャリヤ寿命等の共鳴
型非線形光学応答が測定できる。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的および
新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって
明らかにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の(1)の解決手段の光学応答測定器は、非
線形屈折率効果を有する光学媒質を互いに偏光軸が直交
するように配置された2枚の偏光子ではさんだ非線形光
学装置において、光パラメトリック発振器、光パラメト
リック増幅器あるいは光パラメトリック蛍光発生器のう
ち、少なくともいずれか1つを含む、光パラメトリック
変換器からの出力光を光源として用いることを特徴とす
る。
【0011】本発明の(2)の解決手段の光学応答測定
器は、(1)に記載の光学応答測定器において、前記光
パラメトリック変換器の出力光を分離する手段を備え、
出力光をシグナル光、アイドラ光に分離し、いずれか一
方の光だけを使用するようにしたことを特徴とする。
【0012】本発明の(3)の解決手段の光学応答測定
器は、(1)に記載の光学応答測定器において、前記光
パラメトリック変換器の出力光を分離する手段を備え、
シグナル光、アイドラ光に分離し、双方の光を共軸配置
にして使用することを特徴とする。
【0013】本発明の(4)の解決手段の光学応答測定
器は、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の光学応答
測定器において、前記光パラメトリック変換器の出力光
を、分離または合波する手段として、ダイクロイックミ
ラーを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明の(5)の解決手段の光学応答測定
器は、(2)に記載の光学応答測定器において、前記光
パラメトリック変換器の出力光を分離する手段は、波長
フィルタであることを特徴とする。
【0015】
【0016】本発明の(6)の解決手段の光学応答測定
器は、光パラメトリック発振器、光パラメトリック増幅
器あるいは光パラメトリック蛍光発生器のうち、少なく
ともいずれか1つを含む、光パラメトリック変換器から
の出力光を光源として用い、非線形吸収効果を有する光
学媒質に、複数の光ビームを入射し、少なくとも1つの
光ビームの遅延時間を調節することにより該光学媒質の
非線形吸収効果を測定する光学応答測定器において、前
記光パラメトリック変換器の出力光を分離する手段を備
え、出力光をシグナル光、アイドラ光に分離し、一方を
光強度の強いポンプ光(励起光)として用い、他方を該
ポンプ光に対する遅延時間を調節するプローブ光として
用いることを特徴とする。
【0017】本発明の(7)の解決手段の光学応答測定
器は、光パラメトリック発振器、光パラメトリック増幅
器あるいは光パラメトリック蛍光発生器のうち、少なく
ともいずれか1つを含む、光パラメトリック変換器から
の出力光を光源として用い、非線形吸収効果を有する光
学媒質に、複数の光ビームを入射し、少なくとも1つの
光ビームの遅延時間を調節することにより該光学媒質の
非線形吸収効果を測定する光学応答測定器において、前
記光パラメトリック変換器の出力光を分離する手段を備
え、出力光をシグナル光、アイドラ光に分離し、双方の
光を共軸配置にして使用することを特徴とする。
【0018】
【作用】前述の手段によれば、355nmの励起光に対
してBBO結晶を用いた光パラメトリック変換を利用す
る場合においては、短波長限界は450nm以下、長波
長限界も1700nm以上となり、Δλ〜1250nm
以上の広範囲な波長可変光源が実現できる。ナノ秒光パ
ルスを励起光として用いても、本発明の時間分解能は数
ps以下となる。ピコ秒光源を用いれば、10fs以下
の時間分解能も可能となる光学応答速度測定法およびそ
の測定器が実現できる。光パラメトリック変換器の出力
光を、広帯域な光増幅器に入射して光増幅する場合に
は、さらに高速で可変波長の広い光学応答測定器が得ら
れる。このようにして、400nm〜3000nmの範
囲で数ps〜数10fsの時間分解能が得られる。
【0019】前記の広範な波長可変領域と細い時間分解
能は、光パラメトリック変換器(光パラメトリック発振
器(OPO)、光パラメトリック増幅器(OPA)、光
パラメトリック蛍光発生器(OPF))とインコヒーレ
ント分光の手法を同時に用いることによって実現でき
る。例えば、光パラメトリック発振器を考えると、励起
光の角周波数をω3 、光パラメトリック効果によって発
生するシグナル光の角周波数をω1 、アイドラ光の角周
波数をω2 とすると、ω3 =ω1 +ω2 が成立してい
る。このとき、例えばBBO(β−BaB24 )のよ
うな負の一軸性結晶では、
【0020】
【数1】
【0021】が満たされる。ただし、e,oはそれぞれ
異常光線、常光線を表し、n3 は励起光の屈折率、n2
はアイドラ光の屈折率、n1 はシグナル光の屈折率を表
す。また、このときの利得幅δωは、
【0022】
【数2】
【0023】で表される。ここで、Lは結晶長、cは光
速である。結晶内での光の位相変化φは、光の伝搬定数
をkとして、φ=knLと表せる。このとき群遅延時間
τg は、
【0024】
【数3】
【0025】となる。従って(2),(3)より
【0026】
【数4】 δω=2π/|τ1g−τ2g| (4) が得られる。
【0027】
【外1】
【0028】
【数5】
【0029】が得られる。
【0030】
【外2】
【0031】および位相整合角θにおける屈折率n
(θ)とno 、ne の関係式のλ微分と、(3)式から
求められる。セルマイヤ方程式とそのλ微分をそれぞれ
次の(6),(7)式に、屈折率の関係式とそのλ微分
を、同じく(8),(9)式にそれぞれ示す。
【0032】
【数6】
【0033】例えば、BBO(β−BaB24 )を用
いて、Nd3+:YAGレーザの第3高調波(355n
m)励起を行うと、488nm付近の波長でシグナル光
を得るには、位相整合角θがおよそ30°となる。この
ときシグナル光、アイドラ光間の群遅延時間差は(3)
および(6)〜(9)式を用いて算出でき、215fs
/mmが得られる。BBO結晶の長さを12mmとする
とδν=4THzという大きな値になる。この値は、イ
ンコヒーレント分光の手法を用いた場合、200fs程
度の時間分解能が得られることを意味する。
【0034】光学応答時間を測定するには、フォトルミ
ネッセンスの発光強度を時間分解分光して、その減衰時
間を観測したり、試料に入射するレーザ光を2ビーム、
あるいは3ビームとして、トランジェントグレーティン
グを構成し、その回折光強度の減衰時間や、ポンプ・プ
ローブ法では非線形吸収の回復時間を観測する。インコ
ヒーレント分光において、これらの減衰時間や回復時間
と、試料のエネルギー緩和時間T1 、位相緩和時間T2
との間の関係は、光パルスのパルス幅tp とコヒーレン
ス時間tc 、それに、T1 ,T2 の大小関係と試料の励
起光波長における光学遷移のスペクトル幅が、均一か不
均一かによって決定されている。各々の実験配置による
結果と理論検討は、以下に示すような報告の中で詳しく
議論されている(N.Morita,T.Yajim
a,Phys.Rev.A 30,2525(198
4);N.Morita,T.Tokizaki,an
d T.Yajima,J,Opt.Soc.Am.B
4, 1269(1987):A.W.Weine
r,S.De Silvestri,and E.P.
Ippen,J.Opt.Soc.Am.B 2,65
4(1985))。
【0035】本発明によって、光パラメトリック変換器
の出力光をインコヒーレント光として用い、光カーシャ
ッタ系および2波長非縮退ポンプ・プローブ系を構成
し、前述のように極めて広い波長可変域において、高速
の応答時間測定器が実現できた。また、光パラメトリッ
ク変換器出力光のスペクトル幅と同程度の利得幅を有す
る光増幅器に、この光パラメトリック変換器出力光を入
射すると、インコヒーレント分光の時間分解能を損なう
ことなく、応答時間測定器の測定感度が改善できる。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0037】[実施例1]図1に本発明の光学応答時間
測定器の実施例として、空間配置の光カーシャッタ系の
概略構成をブロック図で示す。用いるレーザには、Qス
イッチNd3+:YAGレーザ(Q−YAG)をはじめ、
高出力モード同期Nd3+:YAGレーザ(ML−YA
G)やArレーザの他、パルス光出力を増幅すれば、チ
タンサファイヤレーザ(Ti:Al23 )、衝突パル
スモード同期色素レーザ(CPM)等も考えられる。こ
こでは、数MW以上のピークパワーが確保されているも
のと考え、最も保守作業が簡便なQ−YAGを使用する
例を示すこととする。勿論ここにあげたレーザをはじ
め、波長変換が可能な出力を有するレーザであれば、以
下に示すことは同様に実現可能である。使用したQ−Y
AGレーザはパルスエネルギーが600mJ、パルス幅
が15ns、繰り返し周波数は10Hzである。レーザ
1の出力光(基本波)をまずCD* A等の非線形光学結
晶を用いた第2高調波発生器(SHG)2に入射する。
Q−YAGのSH波のパルスエネルギーは140mJ、
パルス幅は12ns程度である。出力される第2高調波
(SH波)と該基本波の透過光をKD* P等の非線形光
学結晶を用いた第3高調波発生器(THG)3に入射
し、和周波発生により第3高調波(TH波)を得る。Q
−YAGのTH波のパルスエネルギーは90mJ、パル
ス幅は10ns程度である。得られたTH波のみを、B
BO等の非線形光学結晶を用いた光パラメトリック発振
器(OPO)4に入射し、シグナル光、アイドラ光をO
PO出力の光子対として得る。シグナル光、アイドラ光
の出力の和は15mJ、パルス幅は8ns程度である。
ここではOPOの発振波長可変域を可視域から近赤外域
と広くとり、角度位相整合を用いた波長設定がよりしや
すいTH波の使用について記述するが、SH波や4倍
波、5倍波を用いても支障はない。該OPO出力の光子
対は波長フィルタ5で一方を選択し、プリズム(p)あ
るいは45°入射全反射ミラー(M)6,7で全反射さ
れ、光カーシャッタの系8に入射する。ここでは、2ビ
ーム空間配置型の系を示しており、2ビームA,Bの偏
光方向の違いは45°である。この場合、シグナル光、
アイドラ光のどちらかを用いるかで最適なものを選択
し、1波長のみが縮退4光波混合系8に入射するように
する。波長フィルタの代わりに分散プリズム等の波長選
択機能を有する光学部品を用いてもよい。OPO出力は
ビームスプリッタ(BS)9、によって2ビームA,B
に分割され、それぞれ45°入射全反射ミラー10〜1
2あるいはコーナーリフレクタ(CR)13,14で反
射され、半波長板15,16、偏光子17,18をとお
り、レンズ(L)19で試料20に集光される。コーナ
ーリフレクタは用いる時間分解能により、プリズムでも
よい。半波長板、偏光子は、光路の違いによる分散変化
の影響を極力避けるためにA,B双方の光路に挿入する
のが望ましい。波長可変域を広くとるには、半波長板に
フレネルロムを採用する。ここでビームAとビームBの
偏光は、図1の○中に示したように、互いに45°傾い
ている。ビームAをプローブ光、Bをゲート光とする
と、試料20を通過後のプローブ光は、通過前の偏光方
向と直交する偏光成分のみが検光子21によって切り出
され、光電子増倍管(PMT)に代表される受光器22
で検出される。分光器23は迷光を除去し、信号のS/
Nを向上させるが、雑音成分がほとんど無視できるよう
な場合には、無くてもよい。コーナーリフレクタ14は
パルスステージ(PS)24による位置制御が行われ、
ゲート光に対するプローブ光の遅延時間τd を調整して
いる。該分光器23に試料通過後のプローブ光、つまり
シグナル光Sを入射するためには、レンズ25を用い
る。光電子増倍管22の出力は、ボックスカー積分器
(BCI)26やブロッタに入力され、Sの強度変化を
記録する。該ボックスカー積分器26やパルスステージ
24は、計算機27で制御される。ここで、OPO出力
は上述したようにインコヒーレント光として利用してい
るので、ピコ、サブピコ秒の応答時間測定が簡単に実行
できる。
【0038】図2に本発明の手法を用いた場合のCS2
の光カーシャッタ出力の波形を示す。横軸にプローブ光
の遅延時間をとると、被測定物質の応答速度が得られ
る。図3に応答時間の測定結果を示す。横軸にプローブ
光(光路A)の遅延時間、縦軸にシグナル光強度をプロ
ットした。図2では励起光波形が反映されたナノ秒の出
力パルス波形が観測されているが、パルスステージ24
を動かしながらシグナル光Sの強度変化を測定すると、
図3に示したようにOPOインコヒーレントパルスの相
関波形が得られる。パルスの相関波形の裾には、試料の
電子効果や分子の配向緩和に由来する応答が重なり、τ
d に依存しないバックグラウンドの上に重畳される。図
3ではピコ秒オーダーの応答が見られるが、これはパル
スの相関波形が支配的なためであり、試料の応答波形は
明確でない。この理由は490nmと短波長側での測定
であるため、OPOの利得幅が狭く、時間分解能がピコ
秒オーダーとなるためである。図4に本実施例に用いた
BBO−OPOの利得幅の波長依存性を示す。アイドラ
光については対応するシグナル光と同じであるので省略
した。この図からも明らかであるが、600nm近傍で
同様の実験を行うと、試料のサブピコ秒対応は簡単に得
られる。
【0039】図4に示したスペクトル幅δλは、488
nmで0.3nm程度であり、δν=0.4THzとな
る。この値は上述の応答速度測定の時間分解能の値と一
致しているが、「作用」の項で述べたδνの計算値より
1桁小さい。この原因は、OPOの共振器ミラーの反射
率で決まる光子寿命によって、時間分解能が決定される
ためである。このように光が光共振器中を数往復する
と、バンド幅が狭くなるので、共振器構造を廃し、進行
波型にする場合は、当然のことながら上述の結果より、
時間分解能は短かくなる。時間分解能と光パラメトリッ
ク変換光の出力パワーとの間では、トレードオフの関係
が成立するため、共振器を組むか、進行波型にするか
は、試料や測定器に課せられた条件を満たすように、選
択すればよい。
【0040】インコヒーレント光源の増幅には、前述の
ように広い利得帯域が必要なため、光パラメトリック増
幅器か、チタンサファイヤ(Ti:Al23 )を代表
とする広波長帯域固体増幅器が利用できる。これら光増
幅器の挿入箇所は、OPO出力光が光カーシャッタ系8
に入射する直前である。
【0041】[実施例2]図5には、ゲート光とプロー
ブ光が共軸配置された光カーシャッタ系を示す。用いた
光学部品は、図1に示した実施例1の場合と同一であ
る。実施例1では、非線形光学媒質と光との相互作用長
は、入射光強度や入射光のなす角度によっても異なる
が、高々数mmである。実施例2では、この相互作用長
が実施例1よりも長くとれるので、S/Nが高くなる
他、非線形性の小さいものでも、キャピラリーや導波
路、ファイバの形態を採用することによって、応答速度
が測定できる。光源部分は、基本的に実施例1と同様で
あるが、この系では、OPOの縮退点近傍の2波長の光
(シグナル光、アイドラ光)を使用する。波長分離が可
能でありさえすれば、同じコヒーレンスを示しながら
も、波長の異なる2つのインコヒーレント光が得られる
ので、前述の時間分解能を有する光カーシャッタが得ら
れる。当然のことながら、実施例1においても、ゲート
光、プローブ光にシグナル光、アイドラ光のどちらかを
割り当てて実験系を組み立てれば、同様な結果を得るこ
とができる。
【0042】図5の糸では、図1と同様にレーザ1、第
2高調波発生器2、第3高調波発生器3、光パラメトリ
ッタ発振器4を用いているが、OPO出力のシグナル
光、アイドラ光を、ゲート光、プローブ光のどちらかに
割り当てて、波長分離用のダイクロイックミラー28で
分離して光カーシャッタの糸30に入射する。実施例1
と同様、分離された光はミラー9〜12,33あるいは
コーナーリフレクタ13,14で反射させ、双方ともに
偏光操作を行う。さらに波長分散の差を極力抑制するた
め、半波長板15,16、偏光子17,18を透過させ
る。ゲート光に対するプローブ光の遅延時間τd は、コ
ーナーリフレクタ(CR)14の位置をパルスステージ
(PS)24と計算機27によって制御することによっ
て調節する。図5では、ゲート光に対しても同様な配置
とした。ゲート光をp偏波もしくはs偏波とする。プロ
ーブ光の偏光をゲート光の偏光から45°回転させ、波
長合波用のダイクロイックミラー32にゲート光ととも
に入射する。出射光(プローブ光は透過、ゲート光は反
射)はレンズ19で試料20に集光させる。試料を通過
した光は、波長分離用のフィルタあるいはダイクロイッ
クミラー31に入射し、検光子21を透過する。ここで
は必ずゲート光の除去が不可欠であるので、試料の直後
に波長フィルタやダイクロイックミラー31が配置され
ている。31は検光子21の後に置いてもよい。検光子
21の偏光方向は、試料入射前のプローブ光の偏光に対
し直交するものとする。ダイクロイックミラー31によ
って試料透過後のゲート光は反射される。ゲート光の強
度によって偏光回転が施された試料透過後のプローブ光
は、検光子21の偏光成分のみが切り出されてレンズ2
5を通って分光器23に入射され、光電子増倍管22で
検出される。S/Nが充分とれる場合には、分光器は必
要ない。光電子増倍管22の出力は、ボックスカー積分
器(BCI)26やブロッタに入力され、Sの強度変化
を記録する。該ボックスカー積分器26やパルスステー
ジ24は、計算機27で制御されるこれによって例え
ば、Q−YAGのTH波に対してはシグナル光が674
nm、アイドラ光が750nm、SH波に対してはシグ
ナル光1.0μm、アイドラ光1.14μm近傍の任意
の波長で位相整合させると、サブピコ秒以下の時間分解
能が得られ、実施例1で示した応答より高速の時間分解
分光が可能になる。
【0043】OPOインコヒーレント光源の増幅には、
前述のように広い利得帯域が必要かつ2波長増幅が必要
なため、光パラメトリック増幅器を利用する。この光増
幅器の挿入箇所は、OPO出力光が光カーシャッタ系に
入射する直前であり、通常入力光はポンプ光(ここでは
Q−YAGのTH波かあるいはSH波)とシグナル光か
あるいはアイドラ光のどちらかである。
【0044】[実施例3]実施例1,2では光カーシャ
ッタを用いた応答測定器の構成例について述べた。ここ
ではポンプ・プローブ法を用いた共鳴型非線形光学材料
のキャリヤ寿命の測定法に関する、光学応答測定器の構
成について述べる。基本的には実施例1,2とほとんど
変わらない構成である。光学部品に付された符号は図1
および図5に共通している。特願平4−240270
(特願平6−94571)でも述べたように、一方の光
路に時間遅延を設けた2ビームのOPOインコヒーレン
ト法でキャリヤ寿命が測定できる。図6に示すキャリヤ
寿命測定器は、図1と同様にレーザ1、第2高調波発生
器2、第3高調波発生器3、光パラメトリック発振器4
を用いているが、波長フィルタ5は省かれている。ここ
で光パラメトリック変換器4の出力光、つまり、波長が
異なるシグナル光とアイドラ光のどちらかを上述した2
ビームの各々、即ちポンプ光かプローブ光に割り当て
る。シグナル光、アイドラ光の分離には、ダイクロイッ
クミラー28が用いられる。ダイクロイックミラーの替
わりにプリズム、回折格子を用いてもよい。このように
して分離された2ビームは、ダイクロイックミラー2
8、折り返しのミラー29(プリズムでもよい)によっ
て、ポンプ・プローブ実験系30に導入される。導入さ
れた2ビームはミラー9〜12、あるいはコーナーリフ
レクタ13,14で反射させレンズ19で試料20に集
光させる。キャリヤ寿命、即ちエネルギー緩和時間T1
は、透過率変化ΔTの回復時間から得られる。透過光強
度を測定するので、ポンプ光非入射時の背景透過率T0
の上に、ポンプ光入射時のプローブ光透過率変化ΔT
が、インコヒーレント分光のバックグラウンド信号とと
もに重畳される。S/Nに作用するこのポンプ光の除去
にはポンプ光の除去には、ダイクロイックミラー31が
用いられているが、この他にも、波長フィルタ、反射ミ
ラー、ピンホール、スリット等が使用できる。2ビーム
を試料20に集光させるには、凹面鏡による反射を利用
してもよい。試料20へ2ビームを集光させるには、図
6に示したようなレンズ19を用いるが、レンズを用い
る代わりに、凹面鏡による反射光を利用することも可能
である。試料20を通過後のプローブ光、つまりシグナ
ル光は分光器23に入射され、光電子増倍管22で検出
される。光電子増倍管22の出力は、ボックスカー積分
器(BCI)26やブロッタに入力され、Sの強度変化
を記録する。該ボックスカー積分器26やパルスステー
ジ24は、計算機27で制御される。
【0045】前述のように、光パラメトリック変換を利
用することによって得られるインコヒーレント光を2分
して、ポンプ・プローブ法の光源に利用すると、T1
測定できる。Qスイッチ・モードロックYAGレーザ
(Q−ML−YAG)を用いて富田らがはじめて示した
手法がこれである(M.Tomita,M.Matsu
oka,J.Opt.Soc.Am.B 3,560
(1986))。また、ポンプ光にコヒーレントなレー
ザパルスを用い、時間遅延を設けるプローブ光にスペク
トル幅の広い光パラメトリック変換光出力を用いる場
合、プローブ光の試料通過後の強度を測定することによ
って、時間分解スペクトルが測定できる。この場合、広
いスペクトル幅をもつプローブ光の試料透過光を測定で
きるので、広い波長領域にわたるキャリヤ緩和過程のプ
ローブ光遅延時間依存性が一望できる。例えば、Ti:
Al23 レーザのピコ秒、フェムト秒パルス光をT
i:Al23 増幅器で増幅し、この増幅後の出力光を
2分する。一方をポンプ光とし、他方は第2高調波発生
器に入射し、得られるSH波で、光パラメトリック変換
を行う。この光パラメトリック変換光をプローブ光とす
ると、時間分解スペクトルが観測可能になり、広い波長
範囲におよぶキャリヤ緩和過程が一望できることにな
る。
【0046】[実施例4]図7には、ポンプ光とプロー
ブ光が共軸配置されたキャリア寿命測定系を示す。用い
た光学部品は図1,図5および図6と共通である。光源
部分は、基本的に図6に示す構成と同様である。すなわ
ち、分離された光はミラー9〜12,33あるいはコー
ナーリフレクタ13,14で反射させ、この系では、O
POの縮退点近傍の2波長の光(シグナル光、アイドラ
光)を使用する。波長分離が可能でありさえすれば、同
じコヒーレンスを示しながらも、波長の異なる2つのイ
ンコヒーレント光が得られるので、前述の時間分解能を
有するポンプ・プローブ系が得られる。
【0047】OPO出力のシグナル光、アイドラ光を、
ポンプ光、プローブ光のどちらかに割り当てて、波長分
離用のダイクロイックミラー28で分離する。分離され
た2ビームはダイクロイックミラー28と折り返しのミ
ラー29でポンプ・プローブ実験系30に導入される。
分離された光はミラー9〜12,33あるいはコーナー
リフレクタ13,14で反射させ、プローブ光の偏光を
偏光子16によりポンプ光の偏光から45°回転させ、
波長合波用のダイクロイックミラー32にポンプ光とと
もに入射する。ポンプ光に対するプローブ光の遅延時間
τd は、コーナーリフレクタ(CR)14の位置をパル
スステージ(PS)24と計算機27によって制御する
ことによって調節する。出射光(プローブ光は透過、ポ
ンプ光は反射)はレンズ19で試料20に集光させる。
実施例3でも述べたように、2ビームの集光には、レン
ズの代わりに凹面鏡を用いることができる。試料20を
透過した光は、再び波長分離用のフィルタあるいはダイ
クロイックミラー31に入射する。必要に応じて31は
複数にしてもよい。ダイクロイックミラー31によって
試料透過後のポンプ光は反射される。ポンプ光の除去は
ダイクロイックミラー31が用いられているが、この他
にも波長フィルタ、反射ミラー、ピンホール、スリット
等が使用できる。ポンプ光の強度によって透過率変化が
起こる試料透過後のプローブ光はレンズ25で分光器2
3に入射され、光電子増倍管22で検出される。ちなみ
にS/Nが充分とれる場合には、分光器は必要ない。光
電子増倍管22の出力は、ボックスカー積分器(BC
I)26やブロッタに入力され、Sの強度変化を記録す
る。該ボックスカー積分器26やパルスステージ24
は、計算機27で制御される。
【0048】使用波長に関しては、実施例3とまったく
同様にすればよい。OPOインコヒーレント光の増幅に
関しても実施例3と同じである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、光パ
ラメトリック発振器、光パラメトリック増幅器あるいは
光パラメトリック蛍光発生器のうち、少なくともいずれ
か1つを含む、光パラメトリック変換器からの出力光を
光源として用いることによって450nmから1700
nmにもわたる広い波長範囲で、光カーシャッタやポン
プ・プローブ法を用いて、光学応答時間の測定ができる
ようになった。しかも、ナノ秒レーザを励起光源として
用いても、12mm程度のBBO結晶を用いるだけで、
時間分解能が、ピコ秒からサブピコ秒以下と非常に短い
ものが実現できる。さらに結晶長を短くしたり、共振器
構造をやめて、進行波タイプにすれば、さらに高速な現
象の応答時間が測定できる。このように簡便で、広い波
長領域の光が連続的に使用でき、時間分解能が充分短い
光学応答時間測定器は、これまでに例がない。また、最
近では高出力でパルス幅の短いパルスレーザが精力的に
開発されており、チタンサファイヤレーザ(Ti:Al
23 )のようなフェムト秒レーザまでが実用化される
に至っている。特にTi:Al23 はSH波でOPO
が可能であるばかりでなく、パルス幅が短いため、わず
かな増幅で高いピークパワーが得られ、時間分解能の飛
躍的な向上が可能である。今後、本発明は高速光現象の
解明や高速光現象を利用した様々な応用分野において、
大きな貢献を果たすものと期待される。
【0050】特に、H.M.Gibbsらによって提案
された光双安定デバイス(H.M.Gibbs,G.
R.Olbright.N.Peyghanbaria
n.H.E.Schmidt,S.W.Koch,an
d H.Haug,Phys.Rev.A 32,69
2(1985))、光カー(Kerr)効果を利用した
高速光スイッチ、位相共役波を利用した光学像の歪補正
(R.K.Jain and R.C.Lind,J.
Opt.Soc.Am.73,647(1983))、
可飽和吸収特性を利用した超短光パルスの生成、光のス
クイージングによる量子雑音の抑圧(R.E.Slus
her,L.W.Hollberg,B.Yurke,
J.C.Mertz,and J.F.Valley,
Phys.Rev.Lett.55,2409(198
5))等をはじめとする、非線形光学、量子光学の応用
上不可欠な、高速で、かつ大きな非線形光学効果をもた
らす材料や、E−Oサンプリング材料等の探索には、試
料の光学応答速度を測定することが重要であるため、サ
ブピコ秒程度の高速な応答時間が、可視域から近赤外域
までの広い波長範囲にわたって1つの測定系だけを用い
て連続的に測定できることが切望されている。これに
は、極短光パルスレーザ光が簡便に利用できればよいわ
けであるが、実際には、極短光パルスの発生、応用に
は、かなり熟練した技術者の多大なる時間と労力が要求
されることになる。本発明によればほとんどメンテナン
スフリーであるQスイッチ(ナノ秒)レーザ光であって
も、ピコ秒程度からサブピコ秒程度、さらにはフェムト
秒領域にまで及ぶ高速の応答時間が、可視域から近赤外
域までの広い波長範囲にわたって1つの測定系だけを用
いて連続的に測定できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のOPOインコヒーレント光
を用いた光学応答時間測定器の概略構成を示すブロック
図である。
【図2】OPOインコヒーレント分光による、CS2
カーシャッタの出力波形の測定例を示す図であり、
(a)はゲート光がオン(ON)、(b)はゲート光が
オフ(OFF)の場合に対応する。
【図3】図2に示したOPOインコヒーレント分光によ
る、CS2 光カーシャッタ出力のプローブ光遅延時間依
存性を示す図である。
【図4】BBO−OPOのシグナル光のスペクトル幅測
定例を示す図である。
【図5】本発明の実施例2のOPOインコヒーレント光
源を用いた共軸配置型光カーシャッタの概略構成を示す
ブロック図である。
【図6】本発明の実施例3のOPOインコヒーレント光
源から得られる2波長の光(シグナル光とアイドラ光)
を利用したポンプ・プローブ実験系の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図7】本発明の実施例4のOPOインコヒーレント光
源から得られるシグナル光、アイドラ光を用いた共軸配
置型のポンプ・プローブ系の概略構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 レーザ(Q−YAG) 2 第2高調波発生器(SHG) 3 第3高調波発生器(THG) 4 光パラメトリック発振器(OPO) 5 波長フィルタ(光強度可変減衰器を含む) 6,7,10〜12 45°入射全反射ミラー 8 光カーシャッタ系 9 ビームスプリッタ(BS) 13,14 コーナーリフレクタ(CR) 15,16 半波長板 17,18 偏光子 19,25 レンズ 20 試料 21 検光子(18と直交偏光系となる偏光子) 22 光電子増倍管(PMT) 23 分光器 24 パルスステージ(PS) 26 ボックスカー積分器(あるいはプロッタ) 27 計算機 A,B 光ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戒能 俊邦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 石田 祐三 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−94571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形屈折率効果を有する光学媒質を互
    いに偏光軸が直交するように配置された2枚の偏向子で
    はさみ、該光学媒質の非線形屈折率効果を測定する光学
    応答測定器において、光パラメトリック発振器、光パラ
    メトリック増幅器あるいは光パラメトリック蛍光発生器
    のうち、少なくともいずれか1つを含む、光パラメトリ
    ック変換器からの出力光を光源として用いることを特徴
    とする光学応答測定器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学応答測定器におい
    て、前記光パラメトリック変換器の出力光を分離する手
    段を備え、出力光をシグナル光、アイドラ光に分離し、
    いずれか一方の光だけを使用するようにしたことを特徴
    とする光学応答測定器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光学応答測定器におい
    て、前記光パラメトリック変換器の出力光を分離する手
    段を備え、シグナル光、アイドラ光に分離し、双方の光
    を共軸配置にして使用することを特徴とする光学応答測
    定器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の光
    学応答測定器において、前記光パラメトリック変換器の
    出力光を、分離または合波する手段として、ダイクロイ
    ックミラーを備えたことを特徴とする光学応答測定器。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の光学応答測定器におい
    て、前記光パラメトリック変換器の出力光を分離する手
    段は、波長フィルタであることを特徴とする光学応答測
    定器。
  6. 【請求項6】 光パラメトリック発振器、光パラメトリ
    ック増幅器あるいは光パラメトリック蛍光発生器のう
    ち、少なくともいずれか1つを含む、光パラメトリック
    変換器からの出力光を光源として用い、非線形吸収効果
    を有する光学媒質に、複数の光ビームを入射し、少なく
    とも1つの光ビームの遅延時間を調節することにより該
    光学媒質の非線形吸収効果を測定する光学応答測定器に
    おいて、前記光パラメトリック変換器の出力光を分離す
    る手段を備え、出力光をシグナル光、アイドラ光に分離
    し、一方を光強度の強いポンプ光(励起光)として用
    い、他方を該ポンプ光に対する遅延時間を調節するプロ
    ーブ光として用いることを特徴とする光学応答測定器。
  7. 【請求項7】 光パラメトリック発振器、光パラメトリ
    ック増幅器あるいは光パラメトリック蛍光発生器のう
    ち、少なくともいずれか1つを含む、光パラメトリック
    変換器からの出力光を光源として用い、非線形吸収効果
    を有する光学媒質に、複数の光ビームを入射し、少なく
    とも1つの光ビームの遅延時間を調節することにより該
    光学媒質の非線形吸収効果を測定する光学応答測定器に
    おいて、前記光パラメトリック変換器の出力光を分離す
    る手段を備え、出力光をシグナル光、アイドラ光に分離
    し、双方の光を共軸配置にして使用することを特徴とす
    る光学応答測定器。
JP21161294A 1994-09-05 1994-09-05 光学応答測定器 Expired - Fee Related JP3252994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21161294A JP3252994B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 光学応答測定器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21161294A JP3252994B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 光学応答測定器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0875603A JPH0875603A (ja) 1996-03-22
JP3252994B2 true JP3252994B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=16608650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21161294A Expired - Fee Related JP3252994B2 (ja) 1994-09-05 1994-09-05 光学応答測定器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252994B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2526592B1 (en) * 2010-01-22 2021-06-23 Newport Corporation Broadly tunable optical parametric oscillator
JP6966872B2 (ja) * 2017-05-22 2021-11-17 株式会社リコー テラヘルツ波発生装置、検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0875603A (ja) 1996-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4972423A (en) Method and apparatus for generating ultrashort light pulses
EP2304412B1 (en) System for generating raman vibrational analysis signals
US8064065B2 (en) Ultrafast chirped optical waveform recorder using referenced heterodyning and a time microscope
JP2000214506A (ja) 放射光線源及び撮像システム
US11289870B2 (en) Method and system for generating tunable ultrafast optical pulses
Chen et al. Measurement of transient nonlinear refractive index in gases using xenon supercontinuum single-shot spectral interferometry
Hirasawa et al. Sensitivity improvement of spectral phase interferometry for direct electric-field reconstruction for the characterization of low-intensity femtosecond pulses
US9013705B2 (en) Ultrafast chirped optical waveform recorder using a time microscope
JP5648969B2 (ja) パルス光の伝送方法及びこの伝送方法を用いたレーザ装置
EP0529763B1 (en) Method and system for compressing and amplifying ultrashort laser pulses
US6775053B2 (en) High gain preamplifier based on optical parametric amplification
US11860335B2 (en) Laser source apparatus with multiple plate continuum and measurement system therewith
JP3252994B2 (ja) 光学応答測定器
US20200064708A1 (en) Methods and Apparatus for Generating Mid-Infrared Frequency Combs
WO2020245999A1 (ja) 光源
JP2723201B2 (ja) 光学応答速度測定器
JP3171265B2 (ja) 固体パルスレーザ装置
Ueda et al. Observation of stimulated Raman emission and stimulated Rayleigh-wing scattering from self-trapped filaments of a laser beam
Hofer Detection efficiency and bandwidth optimized electro-optic sampling of mid-infrared waves
JP2696121B2 (ja) 赤外フェムト秒光パルス発生装置
JP6789658B2 (ja) 光源装置及びそれを用いた情報取得装置
CN114069368A (zh) 含有固态薄片组的激光光源装置及测量系统
Radzewicz et al. Ultrashort light wave packets
Malcuit et al. Polarization Properties of Nonlinear Optical Materials
JPH07218936A (ja) 超短レーザパルスの圧縮および増幅の方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees