JP3091355B2 - 重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体製造方法 - Google Patents

重合体スケール付着防止剤及びそれを使用する重合体製造方法

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    • C08F2/002Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts
    • C08F2/004Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts by a prior coating on the reactor walls

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性不飽和二重
結合を有する単量体の重合用の重合体スケール付着防止
剤及びそれを利用する重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン性不飽和二重結合を有す
る単量体の重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合
法、溶液重合法、気相重合法、塊状重合法等が知られて
いる。これらの重合法においては、いずれの場合にも重
合器内壁、攪拌装置等の単量体が接触する部位に重合体
スケールの付着が起こり易い。
【0003】重合体スケールが付着すると、重合体の収
率、重合器冷却能力等が低下するほか、この重合体スケ
ールが剥離して重合体中に混入する結果、かかる重合体
を成形することにより得られる成形物の品位が低下する
という不利がもたらされる。また、付着した重合体スケ
ールを除去するためには、過大な労力と時間を要するの
みならず、この重合体スケール中には未反応の単量体が
含まれているので、近年きわめて重大な問題となってい
る単量体による人体障害の危険性がある。
【0004】従来からこのような重合器内壁等への重合
体スケールの付着防止に関して、例えば塩化ビニルの懸
濁重合において一部実施されているように、アミン化合
物、キノン化合物、アルデヒド化合物等の極性有機化合
物からなる重合体スケール付着防止剤を重合器内壁に塗
布し、塗膜を形成する方法、及びそれらの化合物を懸濁
重合を行う水性媒体中に添加する方法が公知である(特
公昭45−30343 号公報)。しかし、これらの方法は5〜
6バッチ程度までの重合の繰り返しには重合体スケール
付着防止効果を示すが、重合バッチ数がそれよりも多く
なると防止効果がなくなってくる(持続性に劣る)とい
う不利がある。この点は、特に重合において水溶性触媒
を使用した場合に影響が著しく、工業的には満足できる
ものではない。
【0005】この不利を克服すべく、例えば、特開昭53
−13689 号公報において、芳香族アミン化合物の縮合生
成物を有効成分とする重合体スケール付着防止剤を重合
器内に塗布する方法が提案されている。かかる重合体ス
ケール付着防止剤を重合器内壁等の単量体が接触する部
分に塗布し、塗膜を形成すると、重合を 100〜200 バッ
チ程度繰り返し行っても、重合器内液相部への重合体ス
ケールの付着は生じない。また、前記水溶性触媒を使用
した場合においても同様に液相部での重合体スケール付
着は防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の芳香族
アミン化合物の縮合生成物を有効成分とする重合体スケ
ール付着防止剤の塗膜を形成しても、重合器内の上層部
に位置する気相と液相との界面付近においては重合体ス
ケールが付着するという欠点がある。気相と液相との界
面付近に一旦重合体スケールが付着すると、重合を繰り
返していくにしたがって付着した重合体スケールが徐々
に成長していき、ついには剥離して、重合体中に混入す
ることがある。このように重合体スケールが重合体に混
入すると、その重合体をシート等の成形物に加工した場
合、その成形物に多くのフィッシュアイが発生して成形
物の品質が著しく低下してしまうことになる。
【0007】また、重合により得られる重合体をシート
等に成形した場合、得られる成形物には高い白色度が求
められる。即ち、重合体を着色剤を何ら添加せずにシー
ト等に成形しても、得られる成形物は多少着色される
が、この着色は初期着色と称され、できる限り少ないこ
とが望まれる。ところが、上記の芳香族アミン化合物の
縮合生成物を有効成分とする重合体スケール付着防止剤
の塗膜を形成した場合、該塗膜が剥離ないしは溶解して
重合体に混入することがあるため、成形物の白色度が低
下、即ち初期着色性が悪化する。
【0008】本発明の課題は、エチレン性不飽和二重結
合を有する単量体を重合する際に、重合器内の液相部ば
かりでなく気相と液相との界面付近においても効果的に
重合体スケールの付着を防止することができる上、シー
ト等に成形した場合、フィッシュアイが極めて少なく、
かつ、初期着色性が良好である成形物が得られる重合体
を製造することができる重合体スケール付着防止剤及び
重合体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達
成するものとして、 (A) ナフトキノンダイマー化合物(但し、分子量400
以上の化合物は除く)を含有する、エチレン性不飽和二
重結合を有する単量体の重合用の重合体スケール付着防
止剤を提供する。
【0010】また、本発明は、エチレン性不飽和二重結
合を有する単量体の重合器内における重合による重合体
の製造方法であって、内壁面に、 (A) ナフトキノンダイマー化合物(但し、分子量400
以上の化合物は除く)を含有する塗膜を有する重合器内
で、前記重合を行う工程を有し、これにより重合器内で
の重合体スケールの付着が防止される製造方法を提供す
る。 以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】(A) ナフトキノンダイマー化合物 本明細書でナフトキノンダイマー化合物とは、(A-1) ビ
ナフトキノニル化合物及び(A-2) ビナフトキノニルを構
成する一方のナフタレン環の2個のカルボニル基がヒド
ロキシル基に還元されている化合物をいう。また、かか
るナフトキノンダイマー化合物は、置換基として、−NH
2 、−Cl、−Br、−OH、−NO2 、─COCH3 、−OCH 3
−N(CH3 ) 2 及び炭素原子数1〜3のアルキル基からな
る群から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
【0012】上記化合物(A-1) としては、例えば、[1,
1'-ビナフタレン]-3,3',4,4'-テトラオン、3'- ヒドロ
キシ-[1,2'- ビナフタレン]-1',3,4,4'-テトラオン、[
1,2'-ビナフタレン]-1'3,4,4'- テトラオン、3-ヒドロ
キシ-[2,2'- ビナフタレン]-1,1',4,4'-テトラオン、
[2,2'-ビナフタレン]-1,1',4,4'-テトラオン等が挙げら
れる。
【0013】上記化合物(A-2) としては、例えば、3',
4'-ジヒドロキシ-[1,1'- ビナフタレン]-3,4-ジオン、
3,4-ジヒドロキシ-[1,2'- ビナフタレン]-1',4'-ジオ
ン、1',4'-ジヒドロキシ-[2,2'- ビナフタレン]-1,4-ジ
オン等が挙げられる。
【0014】上記した化合物(A-1) 及び化合物(A-2) の
中で好ましいものは、[2,2'-ビナフタレン]-1,1',4,4'-
テトラオン、1',4'-ジヒドロキシ-[2,2'- ビナフタレ
ン]-1,4-ジオン、[1,1'-ビナフタレン]-3,3',4,4'-テト
ラオン、3'- ヒドロキシ-[1,2'- ビナフタレン]-1',3,
4,4'-テトラオン及び3-ヒドロキシ-[2,2'- ビナフタレ
ン]-1,1',4,4'-テトラオンである。ナフトキノンダイマ
ー化合物(A) は、1種単独でも、2種以上を組み合わせ
ても使用可能である。
【0015】本発明の重合体スケール付着防止剤は、例
えば、重合器内壁面等に塗膜として形成されることによ
って、重合器内壁面等への重合体スケール付着を防止す
るものである。通常、前記塗膜を重合器内壁面等に形成
する場合には、溶液又は分散液の状態で、即ち、塗布液
として使用される。
【0016】塗布液の調製 上記のような塗布液は、例えば、上記したナフトキノン
ダイマー(A) を、下記のような溶媒に添加して混合した
後、必要に応じて得られた混合物のpHをアルカリ性に調
節することにより調製される。
【0017】塗布液を調製するための溶媒としては、
水;例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1- プロパノー
ル、2-メチル-2- プロパノール、3-メチル-1- ブタノー
ル、2-メチル-2- ブタノール、2-ペンタノール等のアル
コール系溶媒;例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;例え
ば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、アセト酢酸メチル等のエステル系溶媒;例えば、4-
メチルジオキソラン、エチレングリコールジエチルエー
テル等のエーテル系溶媒;フラン類;例えば、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル
等の非プロトン系溶媒等が例示される。これらの溶媒
は、適宜、単独で又は2種以上の混合溶媒として使用さ
れる。
【0018】上記の溶媒の中で好ましいものは、水及び
水と混和性を有する有機溶媒と水との混合溶媒である。
水と混和性を有する有機溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶
媒;例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
系溶媒;例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
系溶媒等が例示される。水と混和性を有する有機溶媒と
水との混合溶媒を使用する場合の有機溶媒の含有量は、
引火、爆発等の危険が少なく、毒性等の取扱い上の安全
に問題がない量とするのが好ましく、具体的には、有機
溶媒が50重量%以下であることが好ましく、更に、30重
量%以下であることが好ましい。
【0019】また、塗布液は、pH 7.5〜13.5の範囲であ
ることが好ましく、更に、pH 8.0〜13.0の範囲であるこ
とが好ましい。pHを調節するために使用するアルカリ性
化合物としては、例えば、NaOH、KOH 、LiOH、Na2 C
O3 、Na2 HPO 4 、NH4 OH等のアルカリ金属化合物及び
アンモニウム化合物;例えば、エチレンジアミン、モノ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミ
ン化合物等が例示される。
【0020】その他の成分 また、重合体スケール付着防止効果をより向上させるた
めに、上記塗布液に、(B) 水溶性高分子化合物、(C) 無
機コロイド及び(D) アルカリ金属のケイ酸塩からなる群
から選ばれる少なくとも1種を添加するのが好ましい。
これらの添加剤(B) 〜(D) は、恐らく、縮合生成物と相
互作用して、塗布面の親水性を高めたり((B) 水溶性高
分子化合物)、重合体スケール付着防止剤の重合器内壁
への付着を高めたり((B) 無機コロイド及び(D) アルカ
リ金属のケイ酸塩)する作用があると推定される。
【0021】(B) 水溶性高分子化合物 水溶性高分子化合物(B) としては、例えば、ゼラチン、
カゼイン等の両性高分子化合物;例えば、ポリアクリル
酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸等のアニオン性高分子化合物;例え
ば、ポリビニルピロリドン、キトサン、ポリアクリルア
ミド等のカチオン性含窒素高分子化合物;例えば、ポリ
ビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ペクチン等のヒドロキシル
基含有高分子化合物等が例示される。上記の水溶性高分
子化合物の中で好ましいものは、ゼラチン、カゼイン、
ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン及びペクチンである。
【0022】水溶性高分子化合物(B) は、1種単独でも
2種以上を組み合わせても使用可能である。(B) 成分の
添加量は、(A) 成分 100重量部当たり、通常、1〜1000
重量部であり、好ましくは、5〜200 重量部である。
【0023】(C) 無機コロイド 無機コロイド(C) は、水を分散媒とする分散法や、凝縮
法により製造される粒子コロイドであり、コロイド粒子
の大きさは1〜500 mμである。無機コロイドとして
は、具体的には、アルミニウム、トリウム、チタン、ジ
ルコニウム、アンチモン、スズ、鉄等からなる群から選
択される金属の酸化物及び水酸化物のコロイド;タング
ステン酸、五酸化バナジウム、金及び銀のコロイド;ヨ
ウ化銀ゾル;セレン、イオウ、シリカ等のコロイド等が
例示される。これらの中で好ましいものは、アルミニウ
ム、チタン、ジルコニウム、スズ及び鉄の酸化物及び水
酸化物のコロイド、並びにコロイドシリカである。無機
コロイド(C) は、1種単独でも2種以上を組み合わせて
も使用可能である。(C) 成分の添加量は、(A) 成分 100
重量部当たり、通常、1〜1000重量部であり、好ましく
は、5〜500 重量部である。
【0024】(D) アルカリ金属のケイ酸塩 アルカリ金属のケイ酸塩(D) としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のメタケイ
酸塩( M2 SiO 3 ) 、オルトケイ酸塩 (M 4 SiO 4 ) 、
二ケイ酸塩 ( M2 Si2 O 3 ) 、三ケイ酸塩 ( M3 Si3 O
7 ) 、セスキケイ酸 ( M4 Si3 O 10) 等 (なお、ここで
Mはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
を示す。)、並びに水ガラスが例示される。アルカリ金
属のケイ酸塩(D) は、1種単独でも2種以上を組み合わ
せても使用可能である。(D) 成分の含有量は、(A) 成分
100重量部当たり、通常、1〜1000重量部であり、好ま
しくは、5〜500 重量部である。
【0025】尚、(C) 成分と(D) 成分を併用する場合に
は、(C) 成分と(D) 成分との合計量を、(A) 成分 100重
量部当たり、1〜1000重量部とするのが好ましく、更
に、5〜500 重量部とするのが好ましい。
【0026】重合体スケール付着防止効果を最も向上さ
せるためには、水溶性高分子化合物(B) と無機コロイド
(C) との組合せ、又は水溶性高分子化合物(B) とアルカ
リ金属のケイ酸塩(D) との組合せで使用するのが好まし
い。(B) 成分と(C) 成分との組合せで使用する場合に
は、(B) 成分 100重量部当たり、(C) 成分を5〜3000重
量部使用するのが好ましく、更に、50〜1000重量部使用
するのが好ましい。(B)成分と(D) 成分との組合せで使
用する場合には、(B) 成分 100重量部当たり、(D) 成分
を5〜3000重量部使用するのが好ましく、更に、50〜10
00重量部使用するのが好ましい。
【0027】塗布液中の(A) 成分の濃度は、後記の総塗
布量が得られる限り特に制限されないが、通常、 0.001
〜5重量%程度であり、好ましくは、0.05〜2重量%程
度である。また、(B) 〜(D) 成分を添加した場合の(A)
成分と(B) 〜(D) 成分との合計濃度は、0.01〜10重量%
程度とするのが好ましく、更に、 0.1〜3重量%程度と
するのが好ましい。
【0028】塗膜の形成 上記のようにして調製される塗布液を用いて重合器内壁
面に塗膜を形成するには、まず、該塗布液を重合器内壁
面に塗布し、次いで、例えば室温から 100℃までの温度
範囲で充分に乾燥させた後、さらに必要に応じて水洗す
る。
【0029】また、前記塗布液は、重合器内壁面だけで
なく、重合中に単量体が接触する他の部位にも塗布する
ことが好ましい。例えば、攪拌翼、攪拌軸、バッフル、
コンデンサ、ヘッダ、サーチコイル、ボルト、ナット等
が挙げられる。更に好ましくは、前記塗布液は重合中に
単量体が接触する部位以外であっても、重合体スケール
が付着する恐れのある部位、例えば未反応単量体の回収
系統の機器及び配管の内面等には、前記塗膜を形成した
方がよい。具体的には、モノマー蒸留塔、コンデンサ、
モノマー貯蔵タンク、バルブ等の内面が挙げられる。
【0030】なお、塗布液を重合器内壁面に塗布する方
法は、特に限定されず、例えばハケ塗り、スプレー塗
布、塗布液で重合器を満たした後に抜き出す方法等を始
めとして、そのほか特開昭57−61001 号、同55−36288
号、特公表昭56−501116号、同56−501117号、特開昭59
−11303 号等に記載の自動塗布方法を用いることもでき
る。
【0031】また、塗布液が塗布されたことにより、濡
れた状態の表面を乾燥する方法も限定されることはな
く、例えば次のような方法を使用することができる。す
なわち、塗布液の塗布後、適当に昇温した温風を塗布面
に当てる方法、あるいは塗布液を塗布すべき重合器内壁
面及びその他の表面を予め、例えば30〜80℃に加熱して
おき、その加熱した表面に塗布液を直接塗布する方法等
を使用することができる。そして塗布面の乾燥後は、そ
の塗布面を必要に応じて水洗する。
【0032】このようにして得られた塗膜は、乾燥後の
総塗布量が、通常、 0.001〜5g/m2 の範囲であり、
特に0.05〜2g/m2 の範囲が好ましい。以上の塗布作
業は、形成された塗膜が高い耐久性を有し、重合体スケ
ールの付着防止作用が持続するので、必ずしも1バッチ
の重合ごとに行う必要はない。このため、生産性が向上
する。
【0033】重合 上記のようにして、重合器内壁、及び好ましくはその他
重合中に単量体が接触する部位等に塗布処理を施して塗
膜を形成した後、その重合器内で常法により重合を行
う。すなわち、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体及び重合開始剤(触媒)のほか、必要に応じて、水等
の重合媒体や、懸濁剤、固体分散剤、ノニオン性、アニ
オン性乳化剤等の分散剤などを仕込み、次いで、常法に
より重合を行う。
【0034】本発明の方法を適用して重合を行うエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、
塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル
酸、メタクリル酸、並びにこれらのエステル及び塩;マ
レイン酸、フマル酸、並びにこれらのエステル及び無水
物;例えば、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等
のジエン系単量体;スチレン;アクリロニトリル;ハロ
ゲン化ビニリデン;ビニルエーテル等が例示される。こ
れらは単独で、又は2種以上の組合せで使用される。
【0035】また、本発明の方法が適用される重合の形
式は特に限定されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、
塊状重合及び気相重合のいずれの重合形式においても有
効であり、特に、懸濁重合、乳化重合等のように水性媒
体中での重合に、より適する。
【0036】以下、懸濁重合及び乳化重合の場合を例に
挙げて、一般的な重合方法を具体的に説明する。まず、
水及び分散剤を重合器に仕込む。次に、重合器内を排気
して 0.1〜760mmHgに減圧した後、単量体を仕込む。こ
の時、重合器の内圧は、通常 0.5〜30kgf/cm2 ・ G にな
る。また、重合開始剤は、単量体の仕込み前及び/又は
仕込み後に仕込む。その後、30〜150 ℃の反応温度で重
合する。重合中には、必要に応じて、水、分散剤及び重
合開始剤の1種又は2種以上を添加する。また、重合時
の反応温度は、重合される単量体の種類によって異な
り、例えば、塩化ビニルの重合の場合には30〜80℃で重
合を行い、スチレンの重合の場合には50〜150 ℃で重合
を行う。重合は、重合器の内圧が0〜7kgf/cm2 ・ G に
低下した時に、あるいは重合器外周に装備されたジャケ
ット内に流入、流出させる冷却水の入口温度と出口温度
との差がほぼなくなった時(すなわち重合反応による発
熱がなくなった時)に、完了したと判断される。重合の
際に仕込まれる水、分散剤及び重合開始剤は、通常、単
量体 100重量部に対して、水20〜500 重量部、分散剤0.
01〜30重量部、重合開始剤0.01〜5重量部である。
【0037】溶液重合の場合には、重合媒体として水の
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に、懸濁重合及び乳化重合に
ついての重合条件と同様である。
【0038】塊状重合の場合には、重合器内を約0.01〜
760 mmHgの圧力に排気した後、その重合器内に単量体及
び重合開始剤を仕込み、−10℃〜250 ℃の反応温度で重
合する。例えば、塩化ビニルの重合の場合には30〜80℃
で、スチレンの重合の場合には50〜150 ℃で実施され
る。
【0039】本発明の方法を適用して重合を行なった場
合には、重合器内壁面等の材質にかかわらず重合体スケ
ールの付着を防止することができ、例えば、グラスライ
ニングされた重合器等はもちろん、ステンレス製その他
のスチール製の重合器等で重合を行う場合にも重合体ス
ケールの付着を防止することができる。
【0040】また、重合系に添加されるものは、何ら制
約なく使用することができる。すなわち、例えば、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(2−エチル
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、 3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイド、α−クミルパーオキ
シネオデカノエート、クメンハイドロパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シピバレート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシ
ジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、 2,4−ジクロルベンゾイルパーオキ
サイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−ア
ゾビス− 2,4−ジメチルバレロニトリル、ペルオキソ二
硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、p−メ
ンタンハイドロパーオキサイド等の重合開始剤;例え
ば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、酢酸ビニルと無水マレイン酸の共重合体、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ピ
ロガロール−アセトンレジン等の天然又は合成高分子化
合物等の懸濁剤;例えば、リン酸カルシウム、ヒドロキ
シアパタイト等の固体分散剤;例えば、ソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル等のノニオン性乳化剤;例えば、
ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン
性乳化剤;例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充
填剤;例えば、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ジブチルすずジラウレート、ジオクチルすずメルカ
プチド等の安定剤;例えば、ライスワックス、ステアリ
ン酸、セチルアルコール等の滑剤;例えば、 DOP、 DBP
等の可塑剤;例えば、t−ドデシルメルカプタン等のメ
ルカプタン類、トリクロロエチレン等の連鎖移動剤;pH
調節剤等が存在する重合系においても、本発明の方法は
重合体スケールの付着を効果的に防止することができ
る。
【0041】また、本発明の重合体スケール付着防止剤
は、重合媒体中に添加することもできる。その場合、例
えば、重合体スケール付着防止剤を塗布処理に用いた上
で、該防止剤を重合媒体中に少量添加すれば良い。この
ようにした場合には、塗布処理だけを行なったときより
もスケール防止効果が向上する。なお、このような溶液
状態の重合体スケール付着防止剤を重合媒体中に添加す
る場合、その添加量は、エチレン性不飽和二重結合を有
する単量体仕込み全重量に対して5〜1000 ppmの範囲と
すれば良い。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明する。なお、以下の各表において*印を付けた
実験 No.は比較例であり、それ以外の実験 No.は本発明
の実施例である。
【0043】実施例1(実験No.101〜111) 各実験において、重合器として内容積1000リットルの攪
拌機付ステンレス製重合器を用いて次のようにして重合
を行った。各実験において、表2に示した条件 ((A)+
(B)+(C)+(D) 合計濃度、(A):(B):(C):(D) 重量比、溶媒
組成及びpH) になるように、表1に示したナフトキノン
ダイマー化合物(A) 、水溶性高分子化合物(B) 、無機コ
ロイド(C) 及びアルカリ金属のケイ酸塩(D) 並びに表2
に示した溶媒及びアルカリ性化合物を用いて塗布液を調
製した。尚、本実施例1及び以下に示す実施例2で使用
した無機コロイド (表1及び表5中のa〜g)は、表4
に示すとおりである。これらの塗布液を重合器の内壁及
び攪拌軸、攪拌翼その他重合中に単量体が接触する部分
に塗布し、40℃で15分間加熱、乾燥して塗膜を形成後、
重合器内を水洗した。
【0044】その後、各実験において、次のようにして
重合を行った。上記のように塗布処理して塗膜が形成さ
れた重合器中に水 400kg、塩化ビニル 200kg、部分ケン
化ポリビニルアルコール 250g、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース25g及び3,5,5-トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド70gを仕込み、攪拌しながら66℃で6時
間重合した。重合終了後、生成した重合体及び未反応単
量体を回収し、重合器内を水洗して残存樹脂を除去し
た。
【0045】以後、塗布作業は行わないで、上記の重合
及び重合器内の水洗の操作を1バッチとして、同じ操作
を表3に示したバッチ数繰り返した。各実験について、
最終バッチ終了後に重合器内液相部の重合体スケール付
着量、及び気相と液相との界面付近の重合体スケール付
着量を下記の方法で測定した。その結果を表3に示す。 ・重合体スケール付着量の測定 重合器内壁の所定箇所の10×10cmの区域に付着したスケ
ールをステンレス製のへらで肉眼で確認できる範囲で可
能な限り完全に掻き落として、天秤で計量した。その計
量値を 100倍して、1m2 当たりのスケール付着量を求
めた。
【0046】また、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合のフィッシュアイの個数を、下記の方法で
測定した。その結果を表3に示す。 ・フィッシュアイの測定 得られた重合体 100重量部、ジオクチルフタレート(DO
P) 50重量部、ジブチルすずジラウレート1重量部、セ
チルアルコール1重量部、酸化チタン0.25重量部、カー
ボンブラック0.05重量部の配合割合で調製した混合物を
6インチロールを用いて 150℃で7分間混練した後、厚
さ 0.2mmのシートに成形し、得られたシート 100cm2
たりに含まれるフィッシュアイの個数を光透過法により
調べた。
【0047】更に、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合の初期着色性を評価するために明度指数
(L値) を下記の方法で測定した。その結果を表3に示
す。 ・明度指数(L値)の測定 得られた重合体 100重量部、ラウリン酸スズ系安定剤
(昭島化学社製、TS−101)1重量部、カドミウム系安定
剤(勝田化工社製、C-100J) 0.5重量部及び可塑剤とし
てジオクチルフタレート50重量部を2本ロールミルを用
いて 160℃で5分間混練した後、厚さ1mmのシートを成
形する。次に成形したシートを4×4×1.5cm の型枠に
入れ、 160℃、65〜70kgf/cm2 で 0.2時間加熱、加圧成
形して測定用試料を作成する。この試料について、JIS
Z 8730(1980)に記載のハンターの色差式における明度指
数Lを求め、L値が大きい程白色度が高い、即ち初期着
色性が良好であると評価した。L値は次のようにして求
める。JIS Z 8722の記載に従って、標準光C、光電色彩
計(日本電色工業株式会社製、Z-1001DP型測色色差計)
を用い、刺激値直読方法により、XYZ 表色系の刺激値Y
を求める。照明及び受光の幾何学的条件としては、JIS
Z 8722の4.3.1 項に記載の条件dを採用した。求められ
た刺激値Yから、JIS Z 8730(1980)に記載の式:L=10
1/2 により、L値が算出される。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例2( 実験No.201〜206) 各実験において、重合器として内容積20リットルの攪拌
機付ステンレス製重合器を使用した。各実験において、
表6に示した条件 ((A)+(B)+(C)+(D) 合計濃度、(A):
(B):(C):(D) 重量比、溶媒組成及びpH) になるように、
表5に示したナフトキノンダイマー化合物(A) 、水溶性
高分子化合物(B) 、無機コロイド(C) 及びアルカリ金属
のケイ酸塩(D) 並びに表6に示した溶媒及びアルカリ性
化合物を用いて塗布液を調製した。これらの塗布液を重
合器の内壁及び攪拌軸、攪拌翼その他重合中に単量体が
接触する部分に塗布し、40℃で15分間加熱、乾燥して塗
膜を形成後、重合器内を水洗した。
【0053】次に、各実験において、次のようにして重
合を行った。上記のように塗布処理して塗膜が形成され
た重合器中に、水9kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム 225g、t−ドデシルメルカプタン12g及びペ
ルオキソ二硫酸カリウム13gを仕込み、重合器内を窒素
ガス置換した後、スチレン 1.3kg及びブタジエン 3.8kg
を仕込んで50℃で20時間重合させた。重合終了後、生成
重合体及び未反応単量体を回収し、重合器内を水洗して
残存樹脂を除去した。以後、塗布作業は行わないで、上
記の重合及び重合器内の水洗の操作を1バッチとして、
同じ操作を表7に示したバッチ数繰り返した。各実験に
ついて、最終バッチ終了後に重合器内液相部の重合体ス
ケール付着量、及び気相と液相との界面付近の重合体ス
ケール付着量を実施例1と同様の方法で求めた。その結
果を表7に示す。
【0054】また、各実験で得られた重合体をシートに
成形した場合の初期着色性を評価するために明度指数
(L値)を下記の方法で測定した。その結果を表7に示
す。 ・明度指数(L値)の測定 得られた重合体ラテックス1kgに2%硫酸マグネシウム
溶液を1kgを加え、凝集沈澱を行った後、沈澱物を濾別
する。濾別した沈澱物を80〜90℃の熱水で2〜3回洗浄
した後、減圧乾燥器を用いて40℃で25時間乾燥し、樹脂
を得た。得られた樹脂を9×9cm、深さ 0.1cmの型枠に
入れ、 195℃、50〜60kgf/cm2で 0.2時間加熱し、最終
圧力80kgf/cm2 で加圧成形して測定用試料を作製した。
この試料について、実施例1と同様にして明度指数Lを
求めた。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】実施例3 重合器として、内容積20リットルの攪拌機付ステンレス
製重合器を用いた。実施例2の実験No.203で使用した塗
布液を重合器内壁及び攪拌軸、攪拌翼その他重合中に単
量体が接触する部分に塗布し、50℃で15分間加熱、乾燥
して塗膜を形成後、重合器内を水洗した。
【0059】その後、このように塗布処理して塗膜が形
成された重合器中に水 4.0kg、及びドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム6gを仕込み、攪拌しながら60℃に
昇温した。次に、重合器内気相部を窒素ガスで置換した
後、アクリル酸nブチル94g、メタクリル酸メチル 220
g、アクリル酸5g及びメタクリル酸5gを仕込み、続
いて過硫酸アンモニウム1g及びヒドロ亜硫酸ナトリウ
ム1gを仕込んで60℃で20分間攪拌した。
【0060】更に、前記重合器に混合モノマー (アクリ
ル酸nブチル 2.1kg、メタクリル酸メチル 4.8kg、アク
リル酸 100g及びメタクリル酸 100gを混合したもの)
、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液 500g、1重量
%ヒドロ亜硫酸ナトリウム水溶液 500g及び25重量%ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液 2.0kg
を3時間かけてそれぞれ一定量ずつ添加した。添加終了
後、前記重合器を70℃に昇温して2時間重合した。重合
終了後、生成重合体及び未反応単量体を回収し、重合器
内を水洗して残存レジンを除去した。
【0061】以後、上記のような塗膜の形成から重合を
経て重合器内の水洗に到るまでの操作を1バッチとして
80バッチ繰り返し、80バッチ目の重合器内液相部の重合
体スケール付着量、及び気相と液相との界面付近の重合
体スケール付着量を実施例1と同様の方法で測定した。
その結果、液相部の重合体スケール付着量は0g/m2
であり、気相と液相との界面付近の重合体スケール付着
量は20g/m2 であった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、重合器内の液相部ばか
りでなく気相と液相との界面付近においても効果的に重
合体スケールの付着を防止することができる。従って、
本発明を適用して重合を行った場合には、重合体スケー
ルの除去作業を重合ごとに行う必要がなく、それによっ
て生産性が向上する。また、本発明を適用して重合を行
った場合に得られる重合体をシート等に成形した場合、
フィッシュアイが極めて少ない成形物を得ることができ
る。また、該成形物は、初期着色性が良好であり、具体
的には、JIS Z 8730(1980)に記載のハンター色差式にお
ける明度指数 (L値) が、例えば、塩化ビニル重合体の
場合には70以上、SBRの場合には80以上である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ナフトキノンダイマー化合物(但し、
    分子量400以上の化合物は除く)を含有する、エチレ
    ン性不飽和二重結合を有する単量体の重合用の重合体ス
    ケール付着防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の重合体スケール付着防止剤で
    あって、更に、 (B) 水溶性高分子化合物、 (C) 無機コロイド、及び (D) アルカリ金属のケイ酸塩 からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するも
    の。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和二重結合を有する単量
    体の重合器内における重合による重合体の製造方法であ
    って、内壁面に、 (A) ナフトキノンダイマー化合物(但し、分子量400
    以上の化合物は除く)を含有する塗膜を有する重合器内
    で、前記重合を行う工程を有し、これにより重合器内で
    の重合体スケールの付着が防止される製造方法。
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