JP3091158B2 - ガス放電表示パネルの製造方法 - Google Patents

ガス放電表示パネルの製造方法

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JP3091158B2
JP3091158B2 JP09067319A JP6731997A JP3091158B2 JP 3091158 B2 JP3091158 B2 JP 3091158B2 JP 09067319 A JP09067319 A JP 09067319A JP 6731997 A JP6731997 A JP 6731997A JP 3091158 B2 JP3091158 B2 JP 3091158B2
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征一郎 小田
正光 青木
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、透明陽極を形成
した透明な前面基板と陰極を形成した背面基板とを対向
配置させ、両基板の周縁を気密封止して外囲器となし、
内部に放電ガスを封入したガス放電表示パネルの製造方
法に係り、特に、製造過程におけるエージング処理に特
徴を有している。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、この種のガス放電表
示パネル60は、背面基板12と透明な前面基板14とを所定
の間隙を隔てて対向配置し、両基板周縁を封着材15を介
して気密封止して外囲器16を形成し、該外囲器16の内部
空間に紫外線放射ガスを主体とした放電ガスを封入した
構造を備えている。
【0003】そして、背面基板12の対向面には、帯状の
陰極18が所定の間隔をおいて複数本並設されると共に、
ガラス等の絶縁材よりなる格子状のバリアリブ62が形成
されている。各陰極18の表面には、放電開始電圧を低減
等するためにエミッタ物質が被着される場合もある。ま
た、図示は省略したが、上記バリアリブ62の内面には、
所望の発光色に対応した蛍光体が被着されている。
【0004】上記前面基板14の対向面には、帯状の透明
陽極20が、所定の間隔をおいて複数本並設されている。
各透明陽極20は、上記した各陰極18と所定の距離を隔て
て交差するように配置されており、透明陽極20と陰極18
との間には、それぞれバリアリブ62に囲繞された放電セ
ル64が形成されている。
【0005】このガス放電表示パネル60の製造にあたっ
ては、まず表面に陰極18やバリアリブ62を形成した背面
基板12と表面に透明陽極20を形成した前面基板14とを、
正確に位置決めして重ね合わせ、両基板12,14の対向面
周辺にフリットガラス等より成る封着材15を配置する。
そして、両基板ごと加熱して封着材15を焼成し、以て外
囲器16を完成させた後に、背面基板12の端部に形成され
た図示しない開口部にガラス管を溶着させる。このガラ
ス管を介して、外囲器16内の真空排気が行われると共に
所定の放電ガスが充填され、最後にガラス管の付け根部
分を加熱溶融して気密に封じ切る。
【0006】しかして、図示しない電源より透明陽極20
及び陰極18間に直流電圧を印加すると、放電セル64内で
放電が生成し、紫外線が発生する。この紫外線が放電セ
ル64内の蛍光体を励起し、所定の発光色を有する光が透
明陽極20及び前面基板14を透過して外部に放射される。
この電圧印加を、図示しない制御・駆動回路を介して選
択的に実行することにより、所望の放電セル64において
放電発光を生成させ、前面基板14上に任意の文字や図形
を表示することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にして形成されたガス放電表示パネル60は、その初期状
態において表示特性が安定しないという問題が生じる。
すなわち、上記陰極18はAg・Pd系ペースト等を焼成
することによって形成されるのであるが、焼成直後にあ
っては、その表面に酸化物の粒子が凸凹状に付着してい
るため、その凸部に特に電界が集中することとなる。こ
の結果、放電は陰極表面の全域で生成されるのではな
く、各凸部において局所的に生成されることとなり、そ
の分発光効率が損なわれていた。また、凸凹を形成して
いる粒子は、陰極表面に対する付着力が比較的に弱いた
め、放電による荷電粒子が集中的に衝突することによっ
て激しく飛散し、いわゆるスパッタ物質となって前面基
板14の対向面や透明陽極20の表面、あるいはバリアリブ
62表面の蛍光体を覆ってしまう。この結果、前面基板14
や透明陽極20の透光性が低下したり、発光に貢献できる
蛍光体の範囲が狭まることとなり、全体として表示輝度
の低下を招くこととなる。陰極18の表面にエミッタ物質
を被着させる場合には、このエミッタ物質の中で陰極表
面への付着力の弱い部分が同様にスパッタ物質となって
飛散するため、スパッタ現象による被害がさらに拡大す
ることとなる。
【0008】上記した放電が陰極表面で局所的に生成さ
れるという問題は、ガス放電表示パネル60を一定時間
(例えば2,000時間)以上連続点灯させることで、自然
に解消されることが知られている。これは、放電を通じ
て凸凹を形成している粒子が飛散され尽くして陰極表面
が比較的滑らかに安定するため、陰極表面全体で放電が
生成されるようになるためと考えられる。このため、従
来は製造直後のガス放電表示パネル60に、一定時間連続
点灯させるエージング(枯化)処理を施すことにより、
少しでも表示特性を安定化させた後に出荷することが試
みられている。もっとも、連続点灯させるといっても、
実際に2,000時間も費やすことは現実的ではないため、
定格を越える高電圧を印加することにより、加速的にス
パッタ現象を引き起こすことが実施されている。
【0009】しかしながら、定格以上の高電圧を印加さ
せることは発熱の問題に直結し、ひいては寿命特性に悪
影響を及ぼすことともなるため、あまり高い電圧を印加
するわけにもいかず、結局はエージング処理が不十分の
まま製品出荷せざるを得ないのが実状であった。
【0010】また、確かに陰極表面の凸凹状態が軽減さ
れ、陰極表面のより広い領域で放電が生成されるように
なることで、輝度の向上もある程度は達成できるのであ
るが、前面基板14の対向面や透明陽極20の表面、あるい
は蛍光体の表面を覆ったスパッタ物質はそのままである
ため、これが輝度の向上に対する足枷となっていた。
【0011】この発明は、従来の製造方法において生じ
ていた上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、定格以上の高電圧を印加することな
く、十分なエージング処理を施すことができ、したがっ
て表示特性をより安定化させることが可能であると共
に、エージングの結果生じたスパッタ物質による悪影響
を排除することが可能なガス放電表示パネルの製造方法
を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係るガス放電表示パネルの製造方法
一面に複数の透明陽極を形成した透明絶縁材よりなる前
面基板と、一面に複数の陰極を形成した絶縁材よりなる
背面基板とを、所定の間隙を隔てて対向配置して両電極
間に放電セルを形成し、両基板の周縁を封着材を介して
気密封止して外囲器と成し、該外囲器内に放電ガスを封
入してなるガス放電表示パネルの製造方法であって、ま
ず陰極を形成した背面基板と、一面に透明陽極を形成し
た透明絶縁材よりなる前面基板で構成したエージング用
基板とを、所定の間隙を隔てて対向配置して両電極間に
放電セルを形成し、両基板の周縁を未封止の状態で所定
の固定手段を用いて仮留めした後、気密空間内に収納し
て各基板の電極を駆動電源に接続し、上記気密空間内に
ガス放電表示パネルとして必要とされるガス圧よりも低
いガス圧で放電ガスを充填した後に、上記電源より、ガ
ス放電表示パネルの定格電圧を印加して各放電セルに放
電を生成させるエージング処理を所定時間施し、その後
上記エージング用基板に換えて、一面に透明陽極を形成
した透明絶縁材よりなる前面基板と上記エージング処理
済みの背面基板とを所定の間隙を隔てて対向配置させ、
両基板の周辺を封着材を介して気封封止して外囲器を形
成し、該外囲器内にガス放電表示パネルとして必要とさ
れるガス圧で放電ガスを封入することを特徴とする。
【0013】而して、上記の如く、電源よりガス放電表
示パネルの定格電圧を印加し、各放電セルにおいて所定
時間放電を生成させるエージング処理を通じて、放電よ
る荷電粒子が陰極表面の凸凹を形成している粒子に衝突
し、これがスパッタ物質となってエージング用基板側に
飛散することとなるが、放電ガスの圧力が通常よりも低
く設定されているため、荷電粒子が放電ガスの分子に衝
突して邪魔される確率が低下し、その分スパッタ物質の
飛散が促進されることとなる。したがって、定格を越え
る高電圧を印加しなくても、エージング処理を加速的に
実行することが可能となる。
【0014】上記エージング処理時に充填される放電ガ
スのガス圧は、例えば30〜40Torrに設定される。
【0015】上記エージング処理によって、陰極表面に
付着している粒子の大部分が飛散され、その表面は滑ら
かな状態となされる。これに対し、エージング用基板の
対向面及び陽極の表面には、スパッタ物質が被着・堆積
している。そこで、この汚れたエージング用基板に換え
て、一面に透明陽極を形成した透明絶縁材よりなる前面
基板とエージング処理済みで安定化した陰極を備えた上
記背面基板とを所定の間隙を隔てて対向配置させ、両基
板の周辺を封着材を介して気封封止して外囲器を形成
し、該外囲器内にガス放電表示パネルとして必要とされ
るガス圧(例えば300Torr)で放電ガスを封入する。
【0016】以上の結果、エージング処理によって表面
が滑らかに安定された陰極と、エージング処理によって
汚されていない前面基板及び透明陽極を備えた理想的な
ガス放電表示パネルが完成する。
【0017】上記の通り、一面に透明陽極を形成した透
明絶縁材よりなる前面基板をエージング用基板として用
いているので、わざわざエージング専用の基板を用意す
る必要がない。
【0018】放電セルを囲繞するバリアリブを、上記エ
ージング用基板の対向面に形成しておけば、エージング
処理を通じてスパッタ物質がバリアリブの内面に被着し
ても、エージング処理後に新品の前面基板と交換する際
に、汚れたバリアリブをエージング用基板ごと交換でき
て便利である。
【0019】
【発明の実施の態様】この発明に係るガス放電表示パネ
ル10は、図1に示すように、平板ガラス等の絶縁材より
なる背面基板12と、同じく平板ガラス等の透明絶縁材よ
りなる前面基板14とを、所定の間隙を隔てて対向配置
し、両基板周縁をフリットガラス等の封着材15を介して
気密封止して外囲器16を形成し、該外囲器16の内部空間
に紫外線放射用のXeに、HeやAr等を混合した放電
ガスを封入することを基本構成としている。
【0020】上記背面基板12の対向面には、図2に示す
ように、Ag・Pd系ペースト等を焼成させた帯状の陰
極18が、所定の間隔をおいて複数本並設されている。ま
た、図示は省略したが、各陰極18の表面にはLaB6
よりなるエミッタ物質が被着されている。
【0021】上記前面基板14の対向面には、NESA膜
(SnO2)やITO膜(In23・SnO2)等よりな
る帯状の透明陽極20が、所定の間隔をおいて複数本並設
されている。また、前面基板14の対向面には、ガラス等
の絶縁材よりなるバリアリブ22が形成されている。この
バリアリブ22は、各透明陽極20を一定の間隔で長さ方向
に区切る複数の第1の隔壁22aと、各透明陽極20相互間
を仕切る複数の第2の隔壁22bを備えた格子状をなして
いる。この結果、各透明陽極20の表面は、バリアリブの
第1の隔壁22a及び第2の隔壁22bによって囲繞された
空間内に部分的に露出することとなる。図示は省略した
が、このバリアリブ22の内面には、所望の発光色に対応
した蛍光体が被着されている。上記バリアリブ22の端面
における第1の隔壁22aと第2の隔壁22bとの交差部分
には、ガラス等より成るスペーサ24が配置されている。
【0022】各透明陽極20は、上記した各陰極18と所定
の距離を隔てて交差するように位置決めされており、透
明陽極20の露出部分と陰極18との交差部分には、それぞ
れ放電セル26が形成される。この放電セル26は、前面基
板14の表面から観察した場合、ドット・マトリクス状に
多数配置された形となる。なお、前面基板14と背面基板
12とを対向配置した際には、スペーサ24の端面が背面基
板12の表面に当接するため、バリアリブ22の端面と背面
基板12の表面との間にはスペーサ24の高さに相当する隙
間28が形成されることとなり、この隙間28を介して各放
電セル26間は連通される。
【0023】この発明に係るガス放電表示パネル10にあ
っては、その製造過程の特にエージング処理に特色を有
しているものであり、以下に順を追って説明する。ま
ず、従来であれば、背面基板12と前面基板14とを重ね合
わせる際に、両基板の対向面周縁部分にフリットガラス
等の封着材を被着させておき、正確に位置決めされた両
基板に加熱処理を施して封着材を焼成させて外囲器を完
成させた後に、背面基板に形成された開口部を通じて外
囲器内の排気処理及び放電ガスの充填を行い、上記開口
部を気密に封止してガス放電表示パネルを完成させ、最
後に各放電セルを連続点灯させるエージング処理を行っ
ていた。
【0024】これに対し、この発明に係るガス放電表示
パネル10の製造にあたっては、まず透明陽極20及びバリ
アリブ22を形成したエージング用基板としての前面基板
14と、陰極18を形成した背面基板12とを、封着材15によ
って固定させてしまうことなく、図3に示すように、例
えば書類を綴じる際に使用するクリップ30で両基板12,
14を挟持させることによって仮留めしておく。勿論、こ
の場合であっても両基板12,14は正確に位置決めされて
いる必要がある。
【0025】図示のように背面基板12は前面基板14より
も横寸法が長く形成されており、左側に張り出した部分
の表面には、各陰極18の取出し端子部18aが複数配置さ
れている。また、前面基板14は背面基板12よりも縦寸法
が長く形成されており、上側に張り出した部分の裏面に
は、各透明陽極20の取出し端子部20aが複数配置されて
いる。両基板12,14は、各電極の取出し端子部が配置さ
れていない右辺及び下辺の2箇所をクリップ留めされた
状態で、図4に示すように、エージング装置32の台部34
に形成された突起部36上に載置される。
【0026】エージング装置32の台部34には2個の多端
子ソケット38が配置されており、各ソケット38は背面基
板12の張出し部分及び前面基板14の張出し部分にそれぞ
れ装着される。この結果、透明陽極の取り出し端子部20
a及び陰極の取り出し端子部18aは、それぞれソケット
38内の端子部38aと電気的に接続される。各ソケット38
にはフラットケーブル40の一端が接続されており、各フ
ラットケーブル40の他端は台部34の表面を貫通して裏側
にまで延び、直流電源42に通じている(図4)。
【0027】エージング装置32の台部34上には、図4に
示すように、ガラス等よりなる断面∩状のカバー44が被
せられる。このとき、カバー44と台部34との接続部分に
は高い気密性が確保され、カバー44内部に気密空間46が
形成される。上記カバー44の頭頂部分にはガラス管48が
連通接続されており、該ガラス管48は図示しない真空排
気・ガス充填装置に接続されている。このガラス管48を
介して、まず気密空間46内の空気が排出され、その後に
同じくガラス管48を介して所定の放電ガスが充填され
る。両基板12,14の周縁は未封着の状態にあるため、気
密空間46内を放電ガスで満たせば、当然両基板12,14間
にも放電ガスが進入し、上記隙間28を介して各放電セル
26内に行き渡ることとなる。この放電ガスの充填に際し
て特に重要なのは、ガス放電表示パネル10として通常必
要とされるガス圧よりも低いガス圧に留めておくことで
ある。具体的には、最終製品として300Torrのガス圧が
要求される場合にあっては、30〜40Torr程度に抑えてお
く。
【0028】この状態において、透明陽極20及び陰極18
間に電源42より定格の駆動電圧を印加させてエージング
処理を行う。上記のように、放電セル26内のガス圧が通
常よりも低く抑えられているため、放電による荷電粒子
が放電ガスの分子に衝突して邪魔される確率が低下し、
その分エージング時のスパッタ現象が促進されることと
なる。このため、定格を越える高電圧を印加させること
なく、エージング処理を加速させることが可能となる。
例えば、上記のように製品として要求されるガス圧の1
割程度までガス圧を下げてエージング処理を行う場合、
僅か2〜3時間で通常使用した場合の2,000時間分に相
当する枯化が実現できる。ただし、エージング時のガス
圧をあまり低く設定し過ぎると、今度は放電が不安定化
するという問題が生じるため、当該ガス圧を30Torr未満
に設定しないほうが望ましい。
【0029】以上のエージング処理によって、陰極18の
表面に凸状に付着していた酸化物やエミッタ物質の粒子
が吹き飛び、陰極18の表面が比較的滑らかな状態となっ
た段階で、仮留めされた両基板12,14を気密空間46から
取り出して、クリップ30を外し、両基板12,14の周縁を
封着材15で気密封止する通常の製造工程に戻す。この場
合、エージング処理時に使用した前面基板14をそのまま
用いることなく、バリアリブ22の内面に蛍光体が被着さ
れた新しい前面基板14に交換する。上記エージング処理
を通じて、前面基板14の対向面や透明陽極20の表面、あ
るいはバリアリブ22の表面は、スパッタ物質の付着によ
って汚されているからである。逆に言えば、従来は製品
としてのガス放電表示パネルを完成させた後にエージン
グ処理を行っていたため、前面基板や、透明陽極、バリ
アリブ、あるいは蛍光体の表面を汚しているスパッタ物
質を排除することなく出荷せざるを得なかったのに対
し、この発明に係る方法を用いれば、全く汚れていない
前面基板14や透明陽極20、バリアリブ22及び蛍光体を備
えた製品を出荷できることとなる。エージング処理の際
に用いたダミーの前面基板14は、その後何度もエージン
グ用基板として用いることができる。
【0030】上記のようにして背面基板14及び新しい前
面基板12を接合して外囲器16を形成した後、図5に示す
ように、背面基板12の端部に形成された開口部50に通気
管52の一端を融着接続させる。そして、この通気管52を
介して外囲器16内の排気、及び放電ガスの充填を行う。
この場合には、ガス放電表示パネル10として通常要求さ
れるガス圧(例えば300Torr)に設定されることはいう
までもない。つぎに、通気管52の付け根部分を加熱溶融
して気密に封じ切り、以てガス放電表示パネル10が完成
する。
【0031】従来のように、前面基板と背面基板の周縁
を封着材で気密に封止して外囲器を完成させた後に、背
面基板の開口部から30〜40Torr程度の低い圧力で放電ガ
スを充填し、一旦開口部を閉塞してエージング処理を施
せば、短時間で十分な枯化をもたらすことはできる。し
かしながら、製品として出荷するには、再度開口部を形
成して外囲器内を排気した後、本来の圧力で放電ガスを
封入し直さなくてはならず、製造工程の煩雑化が避けら
れない。また、エージング処理による前面基板の汚れを
除去することも適わない。そこで、この発明に係る製造
方法においては、両基板12,14間を封止せずに仮留めし
た状態で全体を低ガス圧雰囲気中に配置させてエージン
グ処理を済ませてしまい、その後に未使用の前面基板14
とエージング処理済みの背面基板12とを重ね合わせ、周
縁を封止して外囲器16を完成させ、本来の圧力で放電ガ
スを封入するよう構成したのである。
【0032】なお、上記のように放電によって紫外線を
放射させ、この紫外線で蛍光体を励起して所望の発光色
を実現するタイプのガス放電表示パネル10の場合であっ
ても、エージング処理時には陽極と陰極間で放電が生成
されれば十分であり、特に紫外線による蛍光体励起発光
を実現する必要はない。したがって、エージング用基板
側に形成されたバリアリブ表面に蛍光体を被着させてお
く必要はなく、またエージング処理時に充填される放電
ガス中に紫外線放射成分を含有させておく必要もない。
もっとも、エージング処理時に、紫外線放射による蛍光
体励起発光を行ってもよいことはいうまでもない。ま
た、放電による紫外線で蛍光体を励起して表示光を得る
のではなく、放電によって直接有色光を発生させて表示
を達成するタイプのガス放電表示パネルに本発明を適用
する場合には、バリアリブの表面が多少スパッタ物質で
覆われても問題がないため、予めバリアリブを背面基板
側に形成しておいてもよい。また、エージング用基板と
して、上記のように前面基板14を流用する代わりに、エ
ージングに特化した基板を用いてもよい。この場合に
は、特に透明絶縁基板を用いる必要もなく、陽極を透明
導電材で構成する必要もない。さらに、エージング処理
時における両基板の仮留め方法としては、上記した汎用
的なクリップ30を用いる代わりに、専用の固定手段を用
いてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るガス放電表示パネルの製造
方法にあっては、放電ガス圧の低い状態でエージング処
理が行われるため、定格以上の高電圧を印加しなくても
スパッタ物質の飛散が促進され、加速的なエージング処
理が実現できる。このため、短時間で十分なエージング
効果を上げることができ、製造直後からガス放電表示パ
ネルの表示特性を安定化させることが可能となる。ま
た、エージング処理時には背面基板とエージング用基板
とが仮留めされているため、エージング処理後にスパッ
タ物質で汚れたエージング用基板を汚れていない新品の
前面基板に簡単に交換できる。このため、この製造方法
によって得られたガス放電表示パネルにあっては、放電
セルで発生した光がスパッタ物質に遮られることなく外
部に放射されることとなり、表示輝度の向上が達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス放電表示パネルの一例を示す
概略断面図である。
【図2】上記ガス放電表示パネルの前面基板及び背面基
板を示す部分斜視図である。
【図3】仮留めされた前面基板及び背面基板をエージン
グ装置の台部上に配置した状態を示す平面図である。
【図4】仮留めされた前面基板及び背面基板を気密空間
内に収納し、エージング処理を行う様子を示す概略断面
図である。
【図5】外囲器内に放電ガスを充填する様子を示す斜視
図である。
【図6】従来のガス放電表示パネルを示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ガス放電表示パネル 12 背面基板 14 前面基板 16 外囲器 18 陰極 20 透明陽極 22 バリアリブ 26 放電セル 30 クリップ 42 直流電源 46 気密空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−220929(JP,A) 特開 平4−274134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 9/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面に複数の透明陽極を形成した透明絶
    縁材よりなる前面基板と、一面に複数の陰極を形成した
    絶縁材よりなる背面基板とを、所定の間隙を隔てて対向
    配置して両電極間に放電セルを形成し、両基板の周縁を
    封着材を介して気密封止して外囲器と成し、該外囲器内
    に放電ガスを封入してなるガス放電表示パネルの製造方
    法であって、まず陰極を形成した背面基板と、一面に透
    明陽極を形成した透明絶縁材よりなる前面基板で構成し
    エージング用基板とを、所定の間隙を隔てて対向配置
    して両電極間に放電セルを形成し、両基板の周縁を未封
    止の状態で所定の固定手段を用いて仮留めした後、気密
    空間内に収納して各基板の電極を駆動電源に接続し、上
    記気密空間内にガス放電表示パネルとして必要とされる
    ガス圧よりも低いガス圧で放電ガスを充填した後に、上
    記電源より、ガス放電表示パネルの定格電圧を印加して
    各放電セルに放電を生成させるエージング処理を所定時
    間施し、その後上記エージング用基板に換えて、一面に
    透明陽極を形成した透明絶縁材よりなる前面基板と上記
    エージング処理済みの背面基板とを所定の間隙を隔てて
    対向配置させ、両基板の周辺を封着材を介して気封封止
    して外囲器を形成し、該外囲器内にガス放電表示パネル
    として必要とされるガス圧で放電ガスを封入することを
    特徴とするガス放電表示パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記エージング用基板の対向面に、各放
    電セルを囲繞するバリアリブが形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のガス放電表示パネルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記エージング処理時に充填される放電
    ガスのガス圧が、30〜40Torrであることを特徴とする請
    求項1または2に記載のガス放電表示パネルの製造方
    法。
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