JP3090346B2 - 低周波数騒音完全遮音板 - Google Patents
低周波数騒音完全遮音板Info
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- JP3090346B2 JP3090346B2 JP03167619A JP16761991A JP3090346B2 JP 3090346 B2 JP3090346 B2 JP 3090346B2 JP 03167619 A JP03167619 A JP 03167619A JP 16761991 A JP16761991 A JP 16761991A JP 3090346 B2 JP3090346 B2 JP 3090346B2
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- sound insulating
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、雑音を遮断する遮音
板に関し、より詳細にはモ−ダルフィルタリング効果を
利用して低周波雑音を遮音する遮音板に関する。
板に関し、より詳細にはモ−ダルフィルタリング効果を
利用して低周波雑音を遮音する遮音板に関する。
【0002】
【従来の技術】騒音源を改造して防音することができな
い場合、一般的な防音対策として、遮音膜または遮音板
を利用する方法を採ってきた。ここで、遮音板とは音が
板を透過または伝播することを妨害する特性を持つ板を
いい、いわゆる質量則(mass law)を利用したものが一
般的である。この質量則によれば、遮音効果は遮音材の
単位面積当たりの質量に依存するのであるから、遮音効
果を高めるには厚くて、重い遮音材を用いなければなら
ないことになる。
い場合、一般的な防音対策として、遮音膜または遮音板
を利用する方法を採ってきた。ここで、遮音板とは音が
板を透過または伝播することを妨害する特性を持つ板を
いい、いわゆる質量則(mass law)を利用したものが一
般的である。この質量則によれば、遮音効果は遮音材の
単位面積当たりの質量に依存するのであるから、遮音効
果を高めるには厚くて、重い遮音材を用いなければなら
ないことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように質量則を
利用して遮音効果を得るには分厚くて重い防音材を使用
しなければならず、設計および設置が容易ではない。特
に低音に対する遮音には、より厚く、より重い防音材が
必要となるので遮音対策が大変面倒となり、例えば車や
飛行機における低周波騒音対策、建築物の室内防音対
策、工場の低周波騒音対策等について簡便かつ有効な遮
音法がなかった。
利用して遮音効果を得るには分厚くて重い防音材を使用
しなければならず、設計および設置が容易ではない。特
に低音に対する遮音には、より厚く、より重い防音材が
必要となるので遮音対策が大変面倒となり、例えば車や
飛行機における低周波騒音対策、建築物の室内防音対
策、工場の低周波騒音対策等について簡便かつ有効な遮
音法がなかった。
【0004】この発明はかかる問題点に鑑みたものであ
り、材料やその質量に依存せず、軽くて薄い弾性板を用
いて騒音を遮音できる完全遮音板を提供することを目的
とする。
り、材料やその質量に依存せず、軽くて薄い弾性板を用
いて騒音を遮音できる完全遮音板を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る低周波数騒音完全遮音板は、厚さ一定
の弾性体で形成され、その弾性体の周辺部が拘束される
第一の遮音板と、第一の遮音板と微少距離離れ、第一の
遮音板と平行に設置される弾性体であって、その弾性体
の中央位置が拘束される第二の遮音板とで構成されてい
る。
め、本発明に係る低周波数騒音完全遮音板は、厚さ一定
の弾性体で形成され、その弾性体の周辺部が拘束される
第一の遮音板と、第一の遮音板と微少距離離れ、第一の
遮音板と平行に設置される弾性体であって、その弾性体
の中央位置が拘束される第二の遮音板とで構成されてい
る。
【0006】
【作用】一般的に、雑音音圧の空間分布は、奇関数と偶
関数の級数展開で表現できるが、この発明は、第一の遮
音板に、音圧分布が偶関数で表せる成分に対するフィル
タリング効果をもたせ、また第二の遮音板には、音圧分
布が奇関数で表せる成分に対するフィルタリング効果を
もたせるものである。そこで、まず、理論的説明から始
める。
関数の級数展開で表現できるが、この発明は、第一の遮
音板に、音圧分布が偶関数で表せる成分に対するフィル
タリング効果をもたせ、また第二の遮音板には、音圧分
布が奇関数で表せる成分に対するフィルタリング効果を
もたせるものである。そこで、まず、理論的説明から始
める。
【0007】図6の遮音板31における音の伝播を考え
る。雑音圧は遮音板31に伝播され振動を引き起こし、
その振動によって、音が放射されるのであるが、このと
きの遮音板の一面に入力される雑音の音圧と遮音板の他
面で観測される出力音圧の関係を定式化してみる。遮音
板は分布定数系であるため、数学的には偏微分方式と境
界条件で表され以下の通りである。
る。雑音圧は遮音板31に伝播され振動を引き起こし、
その振動によって、音が放射されるのであるが、このと
きの遮音板の一面に入力される雑音の音圧と遮音板の他
面で観測される出力音圧の関係を定式化してみる。遮音
板は分布定数系であるため、数学的には偏微分方式と境
界条件で表され以下の通りである。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】 ここで、p=[x,y]は遮音板の領域D上の位置、u
(p,t)は遮音板上の任意の位置pにおいての弾性変
位、▽2 は Laplacian、DE は板の剛性、ρは単位質
量、Bi は境界条件を示す線形微分演算子、そして、f
(p,t)は外力である。この偏微分方程式に関する固
有値問題の解は無限加算個の固有値λi と固有関数φi
(p) で構成される。そして、この固有値λi と固有周波
数ωi には、
(p,t)は遮音板上の任意の位置pにおいての弾性変
位、▽2 は Laplacian、DE は板の剛性、ρは単位質
量、Bi は境界条件を示す線形微分演算子、そして、f
(p,t)は外力である。この偏微分方程式に関する固
有値問題の解は無限加算個の固有値λi と固有関数φi
(p) で構成される。そして、この固有値λi と固有周波
数ωi には、
【0010】
【数3】 の関係があり、平板の境界が拘束されているならばこれ
は正定自己随伴系になるため、各固有関数の間にはつぎ
の正規直交関係が成り立つ。
は正定自己随伴系になるため、各固有関数の間にはつぎ
の正規直交関係が成り立つ。
【0011】
【数4】
【0012】
【数5】 ここで、δijは kroneckerのデルタ関数である。弾性変
位を〔数6〕のような級数展開の型で表し、上式の正規
直交式を利用すると、無限個の常微分方式を得る。
位を〔数6〕のような級数展開の型で表し、上式の正規
直交式を利用すると、無限個の常微分方式を得る。
【0013】
【数6】
【0014】
【数7】
【0015】
【数8】 つぎに、遮音板まわりの音波の関係式を求める。z軸は
遮音板に垂直で、遮音板の厚みは音波の波長に比べて十
分薄く、その弾性変位も十分小さいとする。音が空気中
に伝播するとき、音圧P(x,y,z,t)と空気の粒
子速度ω(x,y,z,t)の関係は、微小空気要素に
対する力の釣り合いから
遮音板に垂直で、遮音板の厚みは音波の波長に比べて十
分薄く、その弾性変位も十分小さいとする。音が空気中
に伝播するとき、音圧P(x,y,z,t)と空気の粒
子速度ω(x,y,z,t)の関係は、微小空気要素に
対する力の釣り合いから
【0016】
【数9】 が成り立つ。微小要素に対して音波は平面波であると仮
定すると、z軸方向における分圧Pz は上式より、
定すると、z軸方向における分圧Pz は上式より、
【0017】
【数10】 ただし、Pz ,c,ωz はそれぞれz方向の圧力、音
速、速度である。また、板面において音圧により生じる
外力は、入射波Pzi,反射波Pzr,透過波Pztにより
速、速度である。また、板面において音圧により生じる
外力は、入射波Pzi,反射波Pzr,透過波Pztにより
【0018】
【数11】 で表現される。そして、板面において板の振動速度と空
気粒子の振動速度が一致するから
気粒子の振動速度が一致するから
【0019】
【数12】 が成立ち、〔数10〕、〔数12〕より〔数11〕は次
のように変形できる。
のように変形できる。
【0020】
【数13】 これは遮音板が受ける音圧による外力であり、入射圧と
透過圧の差の2倍であることがわかる。さて、透過圧
は、
透過圧の差の2倍であることがわかる。さて、透過圧
は、
【0021】
【数14】 のように遮音板の固有モード形式で表現できるから、一
般化力は〔数8〕と〔数4〕の直交関係より、
般化力は〔数8〕と〔数4〕の直交関係より、
【0022】
【数15】 になる。ところで、入射圧による一般化力は、
【0023】
【数16】 である。したがって、音場による全外力は
【0024】
【数17】 となり、遮音板近傍での動特性をモード空間で表すと、
〔数7〕、〔数17〕より
〔数7〕、〔数17〕より
【0025】
【数18】 になる。この〔数18〕で注目すべき重要な関係は入射
雑音により遮音板が受ける外力が一般化力Qr (t) で示
されることである。そして、ある入射波の音圧P
zi(x,y,0,t)に対するモーダル空間での一般化
力Qr (t) が
雑音により遮音板が受ける外力が一般化力Qr (t) で示
されることである。そして、ある入射波の音圧P
zi(x,y,0,t)に対するモーダル空間での一般化
力Qr (t) が
【0026】
【数19】 であれば、その入射波はフィルタリングされることにな
る。この発明は、この効果(以下、モーダル・フィルタ
リング効果という)に着目したものであり、さらに詳言
すれば、入射波の空間的な分布を示す関数が、遮音板の
固有関数φrと直交するときに〔数19〕が成立するこ
とを利用したものである。以下、本発明に係る第一の遮
音板と第二の遮音板の作用(モーダル・フィルタリング
効果)を説明する。
る。この発明は、この効果(以下、モーダル・フィルタ
リング効果という)に着目したものであり、さらに詳言
すれば、入射波の空間的な分布を示す関数が、遮音板の
固有関数φrと直交するときに〔数19〕が成立するこ
とを利用したものである。以下、本発明に係る第一の遮
音板と第二の遮音板の作用(モーダル・フィルタリング
効果)を説明する。
【0027】第一の遮音板は、その周辺部が振動しない
よう拘束されているので、固有関数φr は奇関数のみに
なる。従って、もし、入射波の音圧Pziの空間的な分布
が偶関数であれば、一般化力Qr (t) は零になる。つま
り、第一の遮音板は、偶関数で分布する入射波に対して
はフィルタリング効果を持つので、第一の遮音板の透過
波は、奇関数で分布する波に限られることになる。尚、
音波の振動数が遮音板の固有振動数と一致しても、音圧
の分布が偶関数であれば共鳴せず、偶関数分布の入射音
は第一の遮音板で完全反射される。
よう拘束されているので、固有関数φr は奇関数のみに
なる。従って、もし、入射波の音圧Pziの空間的な分布
が偶関数であれば、一般化力Qr (t) は零になる。つま
り、第一の遮音板は、偶関数で分布する入射波に対して
はフィルタリング効果を持つので、第一の遮音板の透過
波は、奇関数で分布する波に限られることになる。尚、
音波の振動数が遮音板の固有振動数と一致しても、音圧
の分布が偶関数であれば共鳴せず、偶関数分布の入射音
は第一の遮音板で完全反射される。
【0028】このように、第一の遮音板を通過するのは
奇関数モードの波のみであり、そのため、第一と第二の
遮音板の間の空気層での音圧分布が奇関数分布となる。
ここで、第一と第二の遮音板の間隔は微少であるから、
上記奇関数分布の圧力が第二の遮音板の外力として働く
ことになる。ところで、第二の遮音板は境界を自由にし
ているので、板の固有関数φr は固有値零のモードに関
するものを除けば、偶関数になる。また、第二の遮音板
は弾性体の中央を固定しているので、周波数零のモード
(剛体モード)の励起が拘束される。従って、一般化力
Qr (t) は零となり、第二の遮音板への透過波は零とな
る。
奇関数モードの波のみであり、そのため、第一と第二の
遮音板の間の空気層での音圧分布が奇関数分布となる。
ここで、第一と第二の遮音板の間隔は微少であるから、
上記奇関数分布の圧力が第二の遮音板の外力として働く
ことになる。ところで、第二の遮音板は境界を自由にし
ているので、板の固有関数φr は固有値零のモードに関
するものを除けば、偶関数になる。また、第二の遮音板
は弾性体の中央を固定しているので、周波数零のモード
(剛体モード)の励起が拘束される。従って、一般化力
Qr (t) は零となり、第二の遮音板への透過波は零とな
る。
【0029】つまり、第一の遮音板に偶関数モーダル・
フィルタリング効果を持たせ、また、第二の遮音板に奇
関数モーダル・フィルタリング効果を持たせ、全体とし
て入力雑音を完全に除去するのである。尚、高周波の音
の場合は、板において表面波を生成する恐れがあり、板
の均質性や対称性等の影響を受けやすいのでモ−ダルフ
ィルタリング効果より質量則に従う遮音効果の方が支配
的となる。ただし、高周波音に対しては薄い板でも質量
則による遮音効果が大きいので、実用上、高周波雑音が
問題になることはない。
フィルタリング効果を持たせ、また、第二の遮音板に奇
関数モーダル・フィルタリング効果を持たせ、全体とし
て入力雑音を完全に除去するのである。尚、高周波の音
の場合は、板において表面波を生成する恐れがあり、板
の均質性や対称性等の影響を受けやすいのでモ−ダルフ
ィルタリング効果より質量則に従う遮音効果の方が支配
的となる。ただし、高周波音に対しては薄い板でも質量
則による遮音効果が大きいので、実用上、高周波雑音が
問題になることはない。
【0030】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す概略図であ
る。また、図2は、図1に示す遮音板のA−A断面図、
B−B断面図である。第一の遮音板1は厚さLの金属平
板であり、格子形状のフレーム2の格子部分の全面で溶
接されている。そして、格子形状のフレーム2は、第一
の遮音板と平行位置にある壁3に固定されている。第二
の遮音板4も金属平板であり、この遮音板4は、フレー
ム2の各格子の中に第一の遮音板と平行になるよう設置
され、遮音板4の中心部4-1で接続部材5に溶接で固定
されている。そして、接続部材5は上記の壁3に固定さ
れている。なお、第一の遮音板1とフレーム2、および
第二の遮音板4と接続部材5等の接着法は特に限定され
ないが、第一の遮音板の矩形の周辺部、及び第二の遮音
板4の中心部4-1が振動しないよう支持、あるいは固定
する必要がある。遮音板の厚さLは、音波の波長に比べ
て十分薄いものでなければならないが、ここでは、低周
波に対する遮音効果を問題にしているので数ミリから数
センチ程度の厚さである。格子形状フレーム2の内側の
長さa,bは、特に限定されないが、第二の遮音板の大
きさa’,b’は、フレーム2に接触しない範囲で可能
な限りフレーム内側の大きさa,bに近づける。また、
第一と第二の遮音板は平行の位置関係で設置するが、両
遮音板の距離は、第一の遮音板が振動しても接触しない
範囲で可能な限り近づける。
る。また、図2は、図1に示す遮音板のA−A断面図、
B−B断面図である。第一の遮音板1は厚さLの金属平
板であり、格子形状のフレーム2の格子部分の全面で溶
接されている。そして、格子形状のフレーム2は、第一
の遮音板と平行位置にある壁3に固定されている。第二
の遮音板4も金属平板であり、この遮音板4は、フレー
ム2の各格子の中に第一の遮音板と平行になるよう設置
され、遮音板4の中心部4-1で接続部材5に溶接で固定
されている。そして、接続部材5は上記の壁3に固定さ
れている。なお、第一の遮音板1とフレーム2、および
第二の遮音板4と接続部材5等の接着法は特に限定され
ないが、第一の遮音板の矩形の周辺部、及び第二の遮音
板4の中心部4-1が振動しないよう支持、あるいは固定
する必要がある。遮音板の厚さLは、音波の波長に比べ
て十分薄いものでなければならないが、ここでは、低周
波に対する遮音効果を問題にしているので数ミリから数
センチ程度の厚さである。格子形状フレーム2の内側の
長さa,bは、特に限定されないが、第二の遮音板の大
きさa’,b’は、フレーム2に接触しない範囲で可能
な限りフレーム内側の大きさa,bに近づける。また、
第一と第二の遮音板は平行の位置関係で設置するが、両
遮音板の距離は、第一の遮音板が振動しても接触しない
範囲で可能な限り近づける。
【0031】次に低周波数騒音完全遮断板の動作を、o
をX,Y座標の原点として説明する。第一の遮音板1は
格子状のフレーム2によって、辺の長さa,bの境界部
が支持されているとすると、固有関数はAmnを定数とし
て、
をX,Y座標の原点として説明する。第一の遮音板1は
格子状のフレーム2によって、辺の長さa,bの境界部
が支持されているとすると、固有関数はAmnを定数とし
て、
【0032】
【数20】 である。境界が固定の場合も〔数20〕と同様に、固有
関数は奇関数になる。ここで、第一の遮音板の固有関数
φmn(x,y)を強調してφevenで書くと、入射波の音
圧Pziによる第一の遮音板の一般化力は
関数は奇関数になる。ここで、第一の遮音板の固有関数
φmn(x,y)を強調してφevenで書くと、入射波の音
圧Pziによる第一の遮音板の一般化力は
【0033】
【数21】 である。上式より明らかなように、入力波のうち空間的
な分布が偶関数である成分に対しては一般化力が零であ
り、従って第一の遮音板は偶関数モーダル・フィルタリ
ング効果をもつ。この第一の遮音板の作用により、第一
と第二の微少空間の音圧は奇関数分布となり、この圧力
分布が第二の遮音板の外力となる。第二の遮音板4は辺
の長さがa’,b’の矩形の板であり、かつ境界が自由
であるので固有関数は、Bmnを定数として、
な分布が偶関数である成分に対しては一般化力が零であ
り、従って第一の遮音板は偶関数モーダル・フィルタリ
ング効果をもつ。この第一の遮音板の作用により、第一
と第二の微少空間の音圧は奇関数分布となり、この圧力
分布が第二の遮音板の外力となる。第二の遮音板4は辺
の長さがa’,b’の矩形の板であり、かつ境界が自由
であるので固有関数は、Bmnを定数として、
【0034】
【数22】 である。第二の遮音板の固有関数φmn(x,y)を強調
してφodd で書くと、入射波の音圧Pziによる第二の遮
音板の一般化力は
してφodd で書くと、入射波の音圧Pziによる第二の遮
音板の一般化力は
【0035】
【数23】 である。ところが、第二の遮音板4はその中心部4-1が
固定されているので、剛体モードの振動が拘束され、従
って、第二の遮音板4は奇関数モーダル・フィルタリン
グ効果をもつことになる。以上、説明したように、結
局、第一と第二の遮音板の作用により入射雑音が完全に
遮断され、壁3には振動が伝わらないことになる。
固定されているので、剛体モードの振動が拘束され、従
って、第二の遮音板4は奇関数モーダル・フィルタリン
グ効果をもつことになる。以上、説明したように、結
局、第一と第二の遮音板の作用により入射雑音が完全に
遮断され、壁3には振動が伝わらないことになる。
【0036】続いて、この発明を簡易的に実現した変形
例を図3の概略図で示す。この概略図の一部(格子状フ
レームの1つ)を示したものが図4であり、図5は、図
4のC−C断面図を示したものである。以下、図4、図
5に従い、この簡易実施例を説明する。第一の遮音板1
0は金属平板で構成され、厚さ一定の格子状フレーム1
1を両面から挟み込んでいる。そして、第一の遮音板1
0と格子状フレーム11とは、フレーム11の格子部に
おいて溶接等で全面的に固定されている。また、格子状
フレーム11の各内面は、矩形になっており、そのフレ
ーム内面には第二の遮音板12が第一の遮音板10と平
行に設置されている。この第二の遮音板12は、各格子
フレーム内において7枚の部材からなり、12-1〜12
-3で一列を、また12-4〜12-7で別の一列を構成して
いる。第二の遮音板のうち12-6と12-7は、その一端
において格子状フレーム11と固定されているが、他の
5枚の部材は格子状フレーム11や他の部材とは接触し
ていない(各部材の間隔はMである)。また、第一の遮
音板10と格子状フレーム11で作られる空間13は、
軟質ウレタンフォームで占められている。なお、第二の
遮音板の各部材の間隔Mは可能な限り近づける。
例を図3の概略図で示す。この概略図の一部(格子状フ
レームの1つ)を示したものが図4であり、図5は、図
4のC−C断面図を示したものである。以下、図4、図
5に従い、この簡易実施例を説明する。第一の遮音板1
0は金属平板で構成され、厚さ一定の格子状フレーム1
1を両面から挟み込んでいる。そして、第一の遮音板1
0と格子状フレーム11とは、フレーム11の格子部に
おいて溶接等で全面的に固定されている。また、格子状
フレーム11の各内面は、矩形になっており、そのフレ
ーム内面には第二の遮音板12が第一の遮音板10と平
行に設置されている。この第二の遮音板12は、各格子
フレーム内において7枚の部材からなり、12-1〜12
-3で一列を、また12-4〜12-7で別の一列を構成して
いる。第二の遮音板のうち12-6と12-7は、その一端
において格子状フレーム11と固定されているが、他の
5枚の部材は格子状フレーム11や他の部材とは接触し
ていない(各部材の間隔はMである)。また、第一の遮
音板10と格子状フレーム11で作られる空間13は、
軟質ウレタンフォームで占められている。なお、第二の
遮音板の各部材の間隔Mは可能な限り近づける。
【0037】次に、上記構成の遮音板の動作を説明す
る。第一の遮音板10は、長さa,bの矩形周辺部が固
定されており、その部分が振動しないので偶関数モーダ
ルフィルタリング効果が生じる。そのため、軟質ウレタ
ンフォーム部13の音圧分布は奇関数分布となり、この
波は第二の遮音板12を振動させるが、この第二の遮音
板12は境界が自由であるので(剛体モードの振動を除
き)奇関数モーダルフィルタリング効果がある。なお、
第二の遮音板12で除去できない成分は軟質ウレタンフ
ォーム部で抑圧されるので、全体として入射される騒音
を大幅に除去できる。なお、この例は、本発明を簡易的
に実現する手段を示したものである。
る。第一の遮音板10は、長さa,bの矩形周辺部が固
定されており、その部分が振動しないので偶関数モーダ
ルフィルタリング効果が生じる。そのため、軟質ウレタ
ンフォーム部13の音圧分布は奇関数分布となり、この
波は第二の遮音板12を振動させるが、この第二の遮音
板12は境界が自由であるので(剛体モードの振動を除
き)奇関数モーダルフィルタリング効果がある。なお、
第二の遮音板12で除去できない成分は軟質ウレタンフ
ォーム部で抑圧されるので、全体として入射される騒音
を大幅に除去できる。なお、この例は、本発明を簡易的
に実現する手段を示したものである。
【0038】
【発明の効果】以上図1、図2に関して説明したよう
に、本発明に係る低周波数騒音完全遮音板では、入力さ
れる騒音を完全に遮断することができる。また、この発
明は、質量則に基づかない遮音板であるので、使用する
部材の材料や質量は特に問題にならず、従って、薄くて
軽い弾性板を用いて完全遮音板を構成することができ
る。
に、本発明に係る低周波数騒音完全遮音板では、入力さ
れる騒音を完全に遮断することができる。また、この発
明は、質量則に基づかない遮音板であるので、使用する
部材の材料や質量は特に問題にならず、従って、薄くて
軽い弾性板を用いて完全遮音板を構成することができ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】図1の遮音板のA−A断面図、B−B断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明を簡易的に実現した変形例を示す概略図
である。
である。
【図4】図3の遮音板の一部分を示す概略図である。
【図5】図3のC−C断面図である。
【図6】理論説明のための概略図である。
【図7】遮音板の概略図である。
【符号の説明】 1、4 金属平板 2 フレーム 3 壁 5 接続部材
Claims (1)
- 【請求項1】厚さ一定の弾性体で形成され、その弾性体
の周辺部が拘束される第一の遮音板と、第一の遮音板と
微少距離離れ、第一の遮音板と平行に設置される弾性体
であって、その弾性体の中央位置が拘束される第二の遮
音板とで構成される低周波数騒音完全遮音板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03167619A JP3090346B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 低周波数騒音完全遮音板 |
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- 1991-06-11 JP JP03167619A patent/JP3090346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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