JP3090031B2 - Dc/dcコンバータ - Google Patents

Dc/dcコンバータ

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JP3090031B2
JP3090031B2 JP08091410A JP9141096A JP3090031B2 JP 3090031 B2 JP3090031 B2 JP 3090031B2 JP 08091410 A JP08091410 A JP 08091410A JP 9141096 A JP9141096 A JP 9141096A JP 3090031 B2 JP3090031 B2 JP 3090031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DC/DCコンバ
ータに係わり、特に負荷に応じて動作モードを切り換え
るDC/DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】DC/DCコンバータは、ある直流の入
力電圧を異なる直流電圧に変換して出力する装置であ
り、様々な用途に使用されている。この出力電圧は、予
め決めてある所定の値に安定している必要があり、ま
た、携帯端末などへ搭載する場合を考慮すると、その消
費電力を出来るだけ小さくすることが要求される。
【0003】図9は、従来のDC/DCコンバータの一
例の概略構成図である。同図に示すDC/DCコンバー
タは、入力電圧Vinを出力電圧Vout に変換する。スイ
ッチング信号発生回路101は、出力電圧Vout および
コイル電流算出信号(モード切換え信号)を受信し、そ
れらの受信信号に基づいてスイッチ制御信号を出力す
る。このDC/DCコンバータが、軽負荷モードと重負
荷モードの2つの動作モードをもっている場合は、スイ
ッチング信号発生回路101は、上記受信信号に従って
動作モードの切換えを行い、そのモードに応じたスイッ
チ制御信号を出力する。
【0004】スイッチング素子102は、スイッチング
信号発生回路101が出力するスイッチ制御信号に従っ
てスイッチングを行う。たとえば、出力電圧Vout が低
下したときには、スイッチング素子102をオン状態と
し、スイッチング素子102を流れる電流をコイルLを
介して出力側へ流し、コンデンサCおよび出力側に電力
を供給して出力電圧Vout を上昇させる。
【0005】DC/DCコンバータの動作モードは、接
続される負荷に流れる電流ILDに従って切り換えられ
る。この負荷電流ILDは、コイル電流IL の平均値とみ
なすことができるので、コイル電流IL の平均値を以下
のように算出してコイル電流算出信号(モード切換え信
号)として出力する。すなわち、コイル電流IL が流れ
る抵抗Rsense の両端の電圧値をバッファ103を介し
てインピーダンス変換しその変換された信号を積分回路
104で平均化する。この平均化処理では、タイマ10
5が用いられ、スイッチング素子102のスイッチング
周波数(動作周波数)およびバッファ103の出力信号
のピーク・トゥ・ピーク電圧などに応じた期間の積分値
が求められる。そして、コンパレータ106が、この積
分値と参照電圧とを比較し、比較結果をコイル電流算出
信号(モード切換え信号)として出力する。
【0006】スイッチング信号発生回路101は、コイ
ル電流算出信号(モード切換え信号)に従って必要に応
じて動作モードを切り換え、出力電圧を一定に保ちなが
ら、必要な負荷電流ILDを供給するように、スイッチン
グ素子102のオン・オフ状態を制御するスイッチ制御
信号を出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、コイ
ル電流算出信号(モード切換え信号)を生成するため、
すなわち、負荷電流を検出するためには、バッファ10
3、積分回路104、タイマ105、コンパレータ10
6等の多数の回路ブロックを必要とする。このため、負
荷電流を検出するための回路の規模が大きくなるととも
に、その消費電流も大きい。また、バッファ103、積
分回路104およびコンパレータ106は常にバイアス
電流を流しておく必要があり、そのために常に電流が消
費されるので、DC/DCコンバータの低消費電力化が
妨げられてしまう。すなわち、従来のDC/DCコンバ
ータにおいては、負荷電流をモニタするための回路の消
費電流が大きく、DC/DCコンバータの変換効率が低
下していた。
【0008】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、少ない消費電流で負荷電流の検出を行い、確実
にモード切換えを行うDC/DCコンバータを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のDC/DCコン
バータは、負荷に電流を供給するための動作モードとし
て少なくとも重負荷モードおよび軽負荷モードを持ち、
各動作モードに対応する方式に従ってコイル電流を変化
させ出力を制御する構成を前提とする。重負荷モード
は、接続される負荷に流れる電流が大きい場合の動作モ
ードであり、軽負荷モードは、該負荷に流れる電流が小
さい場合の動作モードである。
【0010】請求項1および2に記載のDC/DCコン
バータは、重負荷モードにおける制御に従って変化する
コイル電流のボトム値が、所定回数だけ所定電流値(た
とえば、0)に達したときに、動作モードを重負荷モー
ドから軽負荷モードに切換える。また、上記コイル電流
の値が上記所定電流値に達したことを検出してその検出
回数をカウントする処理に際し、上記コイル電流のボト
ム値が上記所定電流値よりも大きくなったときにカウン
ト値をリセットする。
【0011】請求項3および4に記載のDC/DCコン
バータは、図1に示す各手段を有する。比較手段1は、
例えばコンパレータであり、重負荷モードにおける制御
に従って変化するコイル電流と予め設定した所定電流値
(たとえば、0)とを比較し、コイル電流が上記所定電
流値に達したときに検出信号を出力する。カウント手段
2は、比較手段1が出力する検出信号の数をカウントす
る。制御手段3は、カウント手段2のカウント値が所定
回数に達したときに、DC/DCコンバータの動作モー
ドを重負荷モードから軽負荷モードに切り換える。軽負
荷モードでは、制御手段3は、たとえば、軽負荷モード
における制御に従ってスイッチユニットのオン・オフ状
態を制御してコイル電流を決める。リセット手段4は、
重負荷モードにおける制御に従って変化するコイル電流
のボトム値が上記所定電流値よりも大きくなったときに
カウンタ手段2をリセットする DC/DCコンバータが重負荷モードで動作している期
間は、通常、コイル電流が大きい状態であるが、負荷電
流が減少すると、コイル電流も減少し、その値が予め設
定した所定電流値(たとえば、0)に達するようにな
る。このコイル電流は、例えばランプ波形(電流が直線
的に上昇してピークに達し、その後、直線的に減少して
ボトム値に達する波形)であり、所定周期で変動してい
る。このため、負荷電流が減少してコイル電流が上記所
定電流値に達するレベルになると、コイル電流値と上記
所定電流値とが繰り返しクロスするようになる。
【0012】比較手段1は、上記2つの値がクロスする
ごとに検出信号を出力し、カウンタ手段2がその検出信
号の数をカウントし、そのカウント値が所定数になった
ときに動作モードを重負荷モードから軽負荷モードへ切
り換える。すなわち、コイル電流が十分に小さい状態が
ある一定期間継続した場合に動作モードを重負荷モード
から軽負荷モードへ切り換える。
【0013】一方、コイル電流が十分に小さい状態にま
で低下した場合においても、その状態が一定期間継続し
ない場合には、リセット手段4がカウント手段2(カウ
ント値)をリセットするので、動作モードは切り換えら
れない。したがって、瞬間的にコイル電流値が低下した
場合や、ノイズなどによってモード切換えが起こること
はない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図2は、本発明の一実施形態のDC/
DCコンバータの構成図である。同図に示すDC/DC
コンバータは、直流入力電圧Vinを出力電圧Vout に変
換する。また、このDC/DCコンバータは、接続した
負荷の消費電流が大きいときの動作モードである重負荷
モードと、接続した負荷の消費電流が小さいときの動作
モードである軽負荷モードの2つの動作モードを持って
おり、負荷電流に応じてその動作モードを自動的に切り
換える。
【0015】スイッチング素子11は、パワーMOSト
ランジスタであり、ゲート電位に応じてオン・オフ動作
を行う。そして、一方の端子に入力電圧Vinが印加さ
れ、他方の端子にダイオードDのカソードおよびコイル
Lが接続されている。ダイオードDのアノードは接地さ
れている。コイルLの他端は抵抗Rsense を介して出力
端子に接続される。また、出力端子はコンデンサCを介
して接地されている。
【0016】コンパレータ12は、その+入力に基準電
圧Vref が印加され、その−入力には出力電圧Vout
抵抗R1 およびR2 で分圧した比較電圧V1 が印加され
る。そして、その比較結果を軽負荷用制御回路15に対
して出力する。
【0017】コンパレータ13a及び13bは、抵抗R
sense の両端の電圧をモニタする。ここで、抵抗R
sense を流れる電流は、コイルLを流れるコイル電流I
L であるので、コンパレータ13aおよび13bは、D
C/DCコンバータの1次側のコイル電流IL をモニタ
することになる。コンパレータ13aは、コイル電流I
Lと予め設定してある比較レベルILP(ILP>0)とを
比較し、コイル電流IL が比較レベルILPよりも大きく
なったときに、「H」レベルを出力する。一方、コンパ
レータ13bは、コイル電流IL と予め設定してある比
較レベルILB(ここでは、ILB=0)とを比較し、コイ
ル電流IL が0にまで低下したときに「H」レベルを出
力する。コンパレータ13aおよび13bの出力は、軽
負荷用制御回路15に転送され、軽負荷モード時の制御
の一条件とされる。
【0018】PWM 制御回路(重負荷用制御回路)14
は、出力電圧Vout を一定の値の保つように制御するた
めのパルス信号を出力する。例えば、出力電圧Vout
低下した場合には、パルス信号のデューティをいったん
大きくし、コイル電流IL を増加させることによって出
力電圧Vout する。出力電圧Vout が回復した後は、パ
ルス信号のデューティを元に戻す。PWM 制御回路14の
出力信号は、セレクタ16のA端子およびモード切換え
制御回路20に入力されるとともに、その反転信号がセ
レクタ17のA端子に入力される。
【0019】軽負荷用制御回路15は、コンパレータ1
2、13aおよび13bの出力信号を受信し、出力電圧
out およびコイル電流IL に従って制御信号を生成す
る。軽負荷用制御回路15の出力信号は、セレクタ16
のB端子に入力されるとともに、その反転信号がセレク
タ17のB端子に入力される。
【0020】セレクタ16および17は、それぞれモー
ド切換え制御回路20から通知されるセレクト信号に従
って、A端子またはB端子に入力する信号の一方を選択
して出力する。すなわち、セレクタ16および17は、
セレクト信号が「H」レベルのときはA端子に入力する
信号を選択し、「L」レベルのときはB端子に入力する
信号を選択する。なお、図2では、セレクト信号が
「H」レベルの場合を「Aセレクト」、「L」レベルの
ときを「Bセレクト」と表している。セレクタ16の出
力信号は、フリップフロップ18のS端子(セット端
子)に入力され、セレクタ17の出力信号は、フリップ
フロップ18のR端子(リセット端子)に入力される。
【0021】フリップフロップ18は、セット状態のと
きにオン信号を出力し、リセット状態のときにオフ信号
を出力する。ドライバ19は、このオン信号を受信した
ときにスイッチング素子11をオン状態に駆動し、オフ
信号を受信したときにスイッチング素子11をオフ状態
にする。
【0022】モード切換え制御回路20は、DC/DC
コンバータの動作モードの切換えを指示する回路であ
り、セレクタ16及び17に対してセレクト信号を転送
する。モード切換え制御回路20は、コンパレータ13
bおよびPWM 制御回路14の出力信号に基づいて、重負
荷モードから軽負荷モードへ切り換えるべきかどうかを
判断する。重負荷モードから軽負荷モードへ切り換える
場合は、セレクト信号を「H」レベルから「L」レベル
にする。
【0023】セレクタ16および17は、上述したよう
に、セレクト信号として「L」レベルを受信すると、そ
れぞれB端子に入力される信号を選択して出力する。す
なわち、セレクト信号が「H」レベルから「L」レベル
に変化すると、セレクタ16および17は、軽負荷用制
御回路15の出力信号を選択し、スイッチング素子11
はその選択された信号によって駆動されるので、DC/
DCコンバータは軽負荷モードで動作するようになる。
【0024】なお、DC/DCコンバータの動作モード
を重負荷モードから軽負荷モードへ切り換える際、PWM
制御回路14の出力パルスを生成するための発振器(こ
の発振器は、図示していないが、たとえば、PWM 制御回
路14に内蔵されている)の発振を止めるようにしても
よい。また、モード切換え制御回路20は、DC/DC
コンバータの動作モードを軽負荷モードから重負荷モー
ドへ切り換える制御も行うが、ここでは説明を省略す
る。
【0025】図3は、モード切換え制御回路20および
その周辺部の回路図である。コンパレータ13bは、上
述したように、抵抗Rsense の両端の電位を各入力端子
で受信することによってコイル電流IL をモニタする。
そして、コンパレータ13bは、コイル電流IL が入力
側から出力側に流れているときは「L」レベルを出力
し、コイル電流IL が0または出力側から入力側に流れ
ているときには「H」レベルを出力する。
【0026】ところで、負荷電流に従って動作モードを
切り換える場合、その負荷電流を直接検出する方法も考
えられるが、そのためにはコンデンサCの出力側に抵抗
を設ける必要があり、DC/DCコンバータ全体の効率
を低下させるので好ましくない。このため、本実施形態
では、コンデンサCの入力側(1次側)に設けられてい
る抵抗(すなわち、抵抗Rsense )を用いて負荷電流を
見積もっている。この抵抗Rsense は、過電流保護また
は出力電圧を一定に保つ目的に用いられていたものを利
用している。したがって、負荷電流を検出するために新
たに抵抗を設ける必要はなく、DC/DCコンバータの
効率を低下させることはない。
【0027】カウンタ22は、インバータ21によって
反転されたコンパレータ13bの出力信号を受信し、そ
の信号の立下りエッジを検出したときにカウント値を1
だけカウントアップする。そして、そのカウント値が
「n(自然数)」になると、パルスを出力する。この実
施例では、n=4とする。なお、カウンタ22は、DC
/DCコンバータの動作モードが軽負荷モードから重負
荷モードへ切り換わるときにリセットされる。
【0028】ラッチ回路23は、カウンタ22からパル
スを受信すると、DC/DCコンバータの動作モードが
軽負荷モードから重負荷モードへ切り換わるときまで
「L」レベルを保持して出力する。ラッチ回路23の出
力は、セレクト信号としてセレクタ16および17へ転
送される。
【0029】2ビットカウンタ24は、そのクロック端
子でPWM 制御回路14の出力信号を受信し、その信号の
立下りエッジを検出する毎にカウント値を1だけカウン
トアップする。2ビットカウンタ24は、そのカウント
値が2になると、「H」を出力する。2ビットカウンタ
24の出力が「H」レベルになると、カウンタ22がリ
セットされる。なお、2ビットカウンタ24は、コンパ
レータ13bの出力が「H」レベルになるとリセットさ
れる。
【0030】次に、タイムチャートを参照しながら、本
実施例のDC/DCコンバータの動作を説明する。図4
は、重負荷モードから軽負荷モードへの動作モード切換
えを説明するタイムチャートである。なお、同図におけ
る〜は、図3における対応する各点の信号である。
【0031】時刻T1以前は、負荷電流が大きく、DC
/DCコンバータは重負荷モードで動作している。ここ
で、カウンタ22のカウンタ値は0であるものとする。
重負荷モードにおいて、コイル電流IL の波形は、ラン
プ波形である。すなわち、コイル電流IL の波形は、ス
イッチング素子11がオン状態の期間にランプアップ
し、オフ状態の期間にランプダウンすることによって形
成されており、その周期は、PWM 制御回路14の動作周
波数によって決まる。
【0032】負荷電流がある程度大きい期間は、コイル
電流IL は常に0よりも大きい値を変動する。従って、
コンパレータ13bの出力は「L」レベルのままであ
り、カウンタ22のCK端子には立下りエッジが入力し
ないので、カウンタ22のカウント値は「0」のままで
ある。
【0033】上記状態において、負荷電流が小さくなる
と、それに伴って出力電圧Vout が変化する。これに対
して、PWM 制御回路14は、出力電圧Vout を一定の値
に保つように出力パルスのデューティを変化させる。た
とえば、出力電圧Vout が上昇したときには、PWM 制御
回路14は、出力パルスのデューティをいったん小さく
してコイル電流IL の平均値を減少させる。このことに
よって出力電圧Voutが予め設定した値に戻れば、デュ
ーティをVout /Vinに戻す。
【0034】図5は、コイル電流IL が減少してゆく様
子を示す図である。負荷電流が減少すると、PWM 制御回
路14は、出力電圧Vout を一定の値に保つように出力
パルスのデューティを制御し、図5(a) 〜(c) に示すよ
うに、コイル電流IL の平均値を減少させる。負荷電流
が所定の電流値まで小さくなると、図5(c) に示すよう
に、コイル電流IL のボトム値が0になる。
【0035】負荷電流がさらに小さくなると、コイル電
流IL の平均値をさらに小さくする必要があるので、こ
の場合、図5(d) に示すように、コイル電流IL が流れ
ない期間が生じるようになる。このように、コイル電流
L が流れない期間が生じ、電力供給サイクルが不連続
となる状態では、重負荷モードでの効率が低下する。こ
のため、本実施形態のDC/DCコンバータは、負荷電
流(コイル電流IL )が図5(c) に示す状態よりも大き
い場合には重負荷モードで動作し、小さくなった場合に
は軽負荷モードに切り換えて動作する構成としている。
【0036】ここで、図5(c) に示す状態でのコイル電
流IL は、そのピーク値をIP とすると、その平均値を
P /2と表すことができる。コイル電流の平均値は、
負荷電流とみなすことができるので、負荷電流に基づい
てモード切換えを行う場合、電流値IP を設定すること
により、重負荷モードから軽負荷モードへの切換え条件
を決めることができる。
【0037】図4に戻る。コイル電流IL が徐々に減少
し、時刻T1においてそのボトム値が0になると、コン
パレータ13bの出力は「H」レベルとなり、カウンタ
22のCK端子に立下りエッジが入力される。カウンタ
22のカウント値はこの立下りエッジによって0から1
にカウントアップされる。
【0038】時刻T1 以降、コイル電流IL のボトム値
が0になるごとに、コンパレータ13bの出力が「H」
レベルとなり、そのことによってカウンタ22は順次カ
ウントアップされていく。
【0039】一方、2ビットカウンタ24は、時刻T1
以降、PWM 制御回路14の出力信号の立下りエッジを検
出するごとにそのカウント値をカウントアップするが、
コンパレータ13bの出力が「H」レベルになると即座
にリセットされるので、カウント値は0または1であ
る。したがって、2ビットカウンタ24の出力は「L」
レベルのままであり、カウンタ22は、リセットされる
ことはなく、CK端子で立下りエッジを受信するごとに
順次カウントアップされてゆく。
【0040】時刻T2において、カウンタ22のカウン
ト値が「4」になると、カウンタ22はラッチ回路23
に対してパルスを出力する。ラッチ回路23は、このパ
ルスを受信すると、その出力を「H」レベルから「L」
レベルへ変化させ、以降、リセットされるまで「L」レ
ベルを出力し続ける。この出力信号は、セレクト信号と
して、セレクタ16、17へ転送される。
【0041】セレクタ16および17は、セレクト信号
として「L」レベルを受信すると、それぞれB端子に入
力されている信号、すなわち、軽負荷用制御回路15に
よって生成される信号を選択して出力する。したがっ
て、スイッチング素子11が軽負荷用制御回路15によ
って生成される信号によってオン・オフ制御されるよう
になるので、DC/DCコンバータは軽負荷モードの動
作に移行する。
【0042】上述のように、重負荷モードでの動作中
に、負荷電流が減少することによってコイル電流IL
減少し、カウンタ22が所定回数(4回)立下りエッジ
を受信すると、DC/DCコンバータは、負荷電流が十
分小さくなったとみなし、動作モードを重負荷モードか
ら軽負荷モードへ切り換える。
【0043】図6は、重負荷モードにおいてカウント値
がリセットされるときの動作を説明するタイムチャート
である。図4で説明した時刻T1以降の動作と同様に、
コンパレータ13bがパルスを出力し、カウンタ22の
カウント値が「0」「1」「2」とカウントアップされ
ている。ここで、時刻T3以降、負荷電流が増加するも
のとする。この場合、DC/DCコンバータは、出力電
圧を一定の値に保つようにPWM 制御回路14の出力を変
化させてコイル電流IL を増加させる。そして、コイル
電流IL は常に0よりも大きな値となる。すなわち、コ
イル電流IL のボトム値が0まで低下することはなくな
る。したがって、時刻T3以降は、コンパレータ13b
はパルスを出力しなくなり、カウンタ22のカウント値
も2のままである。
【0044】時刻T3以降、コンパレータ13bの出力
が「H」レベルにならないので、2ビットカウンタ24
はリセットされなくなる。ところが、2ビットカウンタ
24は、PWM 制御回路14の出力信号の立下りエッジを
受信するので、カウントアップされていく。時刻T4 に
おいて2ビットカウンタ24のカウント値が2になる
と、2ビットカウンタ24の出力が「H」レベルにな
る。カウンタ22は、2ビットカウンタ24の出力が
「H」レベルになるとリセットされる。
【0045】このように、重負荷モードにおいて、コイ
ル電流IL のボトム値が0となり、カウンタ22がカウ
ントアップを開始しても、所定期間内にコイル電流IL
が増加すれば、カウンタ22はリセットされる。このた
め、たとえば、実際にはコイル電流IL が十分に低下し
ていないにもかかわらず、コイル電流IL のノイズ成分
等がカウンタ22のカウント値をインクリメントしてし
まったときに、そのカウント値をリセットできる。すな
わち、本実施例の方式によれば、ノイズその他の要因に
よって誤ってモード切換えが起こることを防ぐことがで
きる。
【0046】図7は、本発明の他の実施形態のDC/D
Cコンバータの構成図である。図7において、図3で使
用した符号と同じ符号は、同じものを示す。2つの実施
形態の差異は、図7の構成において、コンパレータ13
bの−端子にオフセット電圧VOSを印加している点であ
る。
【0047】図8は、コンパレータ13bの入出力を示
す図である。上記構成のようにオフセット電圧VOSを印
加すると、図8(a) に示すように、コイル電流IL が0
となる状態では、コンパレータ13bの入力は、+端子
の電位(V+ )が−端子の電位(V- )よりもオフセッ
ト電圧VOSだけ高くなる。換言すれば、コンパレータ1
3bの入力電位差(図8においては、コンパレータ13
bの入力電位差をV13=V- −V+ としている)0のと
きは、コイル電流IL の値Im は0よりも大きな値とな
る。従って、コイル電流IL がIm 以下に減少したとき
にコンパレータ13bの出力が「H」レベルになる。
【0048】このような構成とすれば、コイル電流IL
のボトム値が0になるような場合には、コンパレータ1
3bが出力するパルスの幅が広くなるので、カウンタ2
2は確実にそのパルスの立下りエッジを検出できるよう
になる。
【0049】また、上記構成は、図8(b) に示すよう
に、コイル電流IL のボトム値がIm以下に減少したと
きにコンパレータ13bの出力が「H」レベルになり、
そのとき生成されるパルスがカウンタ22によってカウ
ントされる。そして、このカウント値に従ってDC/D
コンバータの動作モードが切り換えられる。この場合、
同図に示すコイル電流IL のピーク値とボトム値との平
均値が、動作モードを切り換える目安となる。このよう
に、オフセット電圧VOS(電流値Im )の設定によって
動作モードの切り換えポイントを決めることができる。
【0050】なお、上記実施例においては、重負荷モー
ドとしてPWM 制御方式を採り上げて説明したが、これに
限定されるものではない。また、降圧型DC/DCコン
バータを採り上げて説明したが、本発明はこの構成に限
定されるものではなく、例えば、昇圧型DC/DCコン
バータおよび反転型DC/DCコンバータにも適用する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】DC/DCコンバータにおいて、出力部
のコンデンサの1次側に予め設けてある抵抗を用いて負
荷電流を検出するので、そのために消費電流が増加する
ことはない。また、負荷電流に従って動作モードを切り
換える場合、負荷電流がこの切換えポイントに達したか
否を判断する手段を低消費電流な回路で構成したので、
DC/DCコンバータ全体の効率が向上する。
【0052】動作モードを切り換える必要があるか否か
を判断するときに、所定の条件が継続して発生した場合
に限って、負荷電流が上記切換えポイントに達したとみ
なしてモード切換えを行うので、ノイズ等による誤った
モード切換えを防ぐことができる。また、動作モードを
切り換えるための条件を所望の値にかつ容易に設定でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の手段を説明す図である。
【図2】本発明の一実施形態のDC/DCコンバータの
構成図である。
【図3】モード切換え制御回路およびその周辺部の回路
図である。
【図4】DC/DCコンバータの動作を説明するタイム
チャート(その1)である。
【図5】コイル電流IL が減少してゆく様子を示す図で
ある。
【図6】DC/DCコンバータの動作を説明するタイム
チャート(その2)である。
【図7】本発明の他の実施形態のDC/DCコンバータ
の構成図である。
【図8】図7に示すDC/DCコンバータの動作を説明
する図である。
【図9】従来のDC/DCコンバータの一例の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 比較手段 2 カウント手段 3 制御手段 4 リセット手段 11 スイッチング素子 12 コンパレータ 13a、13b コンパレータ 14 PWM 制御回路(重負荷用制御回路) 15 軽負荷用制御回路 16、17 セレクタ 18 フリップフロップ 19 ドライバ 20 モード切換え制御回路 21 インバータ 22 カウンタ 23 ラッチ回路 24 2ビットカウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 3/155

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に電流を供給するための動作モード
    として重負荷モードおよび軽負荷モードを持ち、各動作
    モードに対応する方式に従ってスイッチング手段を制御
    してコイル電流を変化させ出力電圧を制御するDC/
    DCコンバータにおいて、上記重負荷モードは、上記出力電圧に基づいて決まるデ
    ューティ値を持った第1の制御信号としてのパルス信号
    を生成し、その第1の制御信号に従って上記スイッチン
    グ手段を制御することにより、そのスイッチング手段が
    オン状態に制御されているときに上記コイル電流が直線
    的に増加する期間とそのスイッチング手段がオフ状態に
    制御されているときに上記コイル電流が直線的に減少す
    る期間とが交互に繰り返される動作モードであり、 上記軽負荷モードは、上記出力電圧、上記コイル電流が
    予め設定されている電流上限値を越えたか否かを表す情
    報、および上記コイル電流が予め設定されている電流下
    限値を下回った否かを表す情報に基づいて第2の制御信
    号を生成し、その第2の制御信号に従って上記スイッチ
    ング手段を制御する動作モードであり、 上記 重負荷モードにおいて上記第1の制御信号に従って
    変化するコイル電流の極小値が、所定回数上記電流下限
    値を下回ったことが検出されると、以降、上記第2の制
    御信号を用いて上記スイッチング手段を制御することに
    より動作モードを軽負荷モードに切り換えることを特徴
    とするDC/DCコンバータ。
  2. 【請求項2】 上記コイル電流の値が上記所定電流値に
    達したことを検出してその検出回数をカウントする処理
    に際して、上記コイル電流の極小値が上記電流下限値
    りも大きくなったときにカウント値をリセットすること
    を特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
  3. 【請求項3】 負荷に電流を供給するための動作モード
    として重負荷モードおよび軽負荷モードを持ち、各動作
    モードに対応する方式に従ってスイッチング手段を制御
    してコイル電流を変化させ出力電圧を制御するDC/
    DCコンバータにおいて、上記重負荷モードは、上記出力電圧に基づいて決まるデ
    ューティ値を持った第1の制御信号としてのパルス信号
    を生成し、その第1の制御信号に従って上記ス イッチン
    グ手段を制御することにより、そのスイッチング手段が
    オン状態に制御されているときに上記コイル電流が直線
    的に増加する期間とそのスイッチング手段がオフ状態に
    制御されているときに上記コイル電流が直線的に減少す
    る期間とが交互に繰り返される動作モードであり、 上記軽負荷モードは、上記出力電圧、上記コイル電流が
    予め設定されている電流上限値を越えたか否かを表す情
    報、および上記コイル電流が予め設定されている電流下
    限値を下回った否かを表す情報に基づいて第2の制御信
    号を生成し、その第2の制御信号に従って上記スイッチ
    ング手段を制御する動作モードであり、 上記 重負荷モードにおいて上記第1の制御信号に従って
    変化するコイル電流の極小値と上記電流下限値とを比較
    し、上記コイル電流の極小値がその電流下限値を下回っ
    ときに検出信号を出力する比較手段と、 該比較手段が出力する検出信号の数をカウントするカウ
    ント手段と、 該カウント手段のカウント値が所定回数に達したとき
    に、以降、上記第2の制御信号を用いて上記スイッチン
    グ手段を制御することにより動作モードを軽負荷モード
    に切り換える制御手段と、 を有することを特徴とするDC/DCコンバータ。
  4. 【請求項4】 上記重負荷モードにおける制御に従って
    変化するコイル電流の極小値が上記電流下限値よりも大
    きくなったときに上記カウン手段をリセットするリセ
    ット手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記
    載のDC/DCコンバータ。
  5. 【請求項5】 負荷に電流を供給するための動作モード
    として、負荷の消費電流が大きい時の動作モードである
    第1の動作モードおよび負荷の消費電流が小さい時の動
    作モードである第2の動作モードを持ち、各動作モード
    に対応する方式に従ってスイッチング手段を制御して
    イル電流を変化させて出力電圧を制御するDC/DCコ
    ンバータであって、上記第1の動作モードは、上記出力電圧に基づいて決ま
    るデューティ値を持った第1の制御信号としてのパルス
    信号を生成し、その第1の制御信号に従って上記スイッ
    チング手段を制御することにより、そのスイッチング手
    段がオン状態に制御されているときに上記コイル電流が
    直線的に増加する期間とそのスイッチン グ手段がオフ状
    態に制御されているときに上記コイル電流が直線的に減
    少する期間とが交互に繰り返される動作モードであり、 上記第2の動作モードは、上記出力電圧、上記コイル電
    流が予め設定されている電流上限値を越えたか否かを表
    す情報、および上記コイル電流が予め設定されている電
    流下限値を下回った否かを表す情報に基づいて第2の制
    御信号を生成し、その第2の制御信号に従って上記スイ
    ッチング手段を制御する動作モードであり、 上記第1の動作モードにおいて上記第1の制御信号に従
    って変化するコイル電流の極小値が上記電流下限値を下
    回り、その後上記コイル電流の極小値が上記電流下限値
    よりも小さくなる状態が一定期間以上継続したときに、
    以降、上記第2の制御信号を用いて上記スイッチング手
    段を制御することにより動作モードが上記第1の動作モ
    ードから上記第2の動作モードに切り換えられるDC/
    DCコンバータ。
  6. 【請求項6】 負荷に電流を供給するための動作モード
    として、負荷の消費電流が大きい時の動作モードである
    第1の動作モードおよび負荷の消費電流が小さい時の動
    作モードである第2の動作モードを持ち、各動作モード
    に対応する方式に従ってスイッチング手段を制御して
    イル電流を変化させて出力電圧を制御するDC/DCコ
    ンバータであって、上記第1の動作モードは、上記出力電圧に基づいて決ま
    るデューティ値を持った第1の制御信号としてのパルス
    信号を生成し、その第1の制御信号に従って上記スイッ
    チング手段を制御することにより、そのスイッチング手
    段がオン状態に制御されているときに上記コイル電流が
    直線的に増加する期間とそのスイッチング手段がオフ状
    態に制御されているときに上記コイル電流が直線的に減
    少する期間とが交互に繰り返される動作モードであり、 上記第2の動作モードは、上記出力電圧、上記コイル電
    流が予め設定されている電流上限値を越えたか否かを表
    す情報、および上記コイル電流が予め設定されている電
    流下限値を下回った否かを表す情報に基づいて第2の制
    御信号を生成し、その第2の制御信号に従って上記スイ
    ッチング手段を制御する動作モードであり、 上記第1の動作モードにおいて上記第1の制御信号に従
    って変化するコイル電流の極小値が上記電流下限値を下
    回った後、所定時間経過後に動作モードが第1の動作モ
    ードから第2の動作モードに切り換えられるDC/DC
    コンバータ。
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