JP3089471U - インクジェット記録用シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】屋外使用の看板などに有効なインクジェット記
録用シートを提供する 【解決手段】合成樹脂から成る基シート１の表面に、吸
水性顔料を含有したウレタン樹脂から成る中間層２を、
その表面に、吸水性顔料を含有した印刷インクを用いた
グラビア印刷層３を、またその表面に、吸水性を有した
インク受容層をそれそれ形成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願は、水性インクを用いて記録するインクジェット記録用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コート紙或いはノーコート紙から成る基紙の表面に、非結晶シリカの吸水 性顔料を含有した印刷インクを用いたグラビア印刷による印刷層を設け、その表 面に、吸水性を有したインク受容層を塗工して成るインクジェット記録用シート は公知であり、ポスターや包装用箱或いは慶弔用の生花などの名札として広く用 いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来のインクジェット記録用シートは、基紙の表面に、グラビア印刷に よる印刷層を設けるので、非常に奇麗な印刷模様が表現でき、また連続生産に有 効であるなどの利点を有する。

【０００４】 ところが、上記した記録用シートによれば、素材が、コート紙或いはノーコート 紙から成るので、耐水性が弱く、従って例えば風雨に晒される屋外使用の垂れ幕 や旗看板などに使用する記録用シートとしては不向きであった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、本願は上記した不都合を解消するために、合成樹脂から成る基シートの 表面に、吸水性顔料を含有したウレタン樹脂から成る中間層を、その表面に、吸 水性顔料を含有した印刷インクを用いたグラビア印刷による印刷層をそれぞれ設 け、さらに、該印刷層の表面に、吸水性を有したインク受容層を塗工して成るこ とを特徴としたものである。

【０００６】 上記において、吸水性顔料として、非結晶シリカを用いて成るものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下図面について、本考案の実施の形態について詳述すると、図１は、記録用シ ートの断面図を示しており、１は、ポリプロピレン、ポリエステルなどから成る 合成樹脂製の基シート、２は前記基シート１に対し親和性を有するウレタン樹脂 に、吸水性顔料として非結晶シリカを含有して成る中間層、３はグラビア印刷に よる印刷層であって、油性インクにおいては、色顔料または／および塗料、アク リル樹脂及び吸水性顔料として非結晶シリカの成分から成り、また、水性インク においては、色顔料または／および塗料、アクリル樹脂、ポリビニールアルコー ル樹脂および吸水性顔料として非結晶シリカの成分から成る。 また、４は、インクジェットのインク受容層であって、カチオン性ポリアミド樹 脂、アクリル樹脂および非結晶シリカの成分から成る。

【０００８】 しかして、基シート１の表面に、ウレタン樹脂から成る中間層２を介してグラビ ア印刷を実施して成るので、基シート１に対する印刷層３の親和性が得られて、 安定した印刷が行われる。

【０００９】 他方、中間層２には、吸水性を有する非結晶シリカを含有しているので、グラビ ア印刷の印刷インクに含まれている水分は、中間層２に吸収されて印刷層３の乾 燥が促進されると共に、印刷層３自体も吸水性を帯有している。

【００１０】 さらに、印刷層３の表面に塗工されるインク受容層４も亦非結晶シリカを含有し て吸水性を帯有しているので、結果的に、水分の吸収作用は、中間層２と、グラ ビア印刷による印刷層３と、インク受容層４の三重層によって行われることにな る。

【００１１】 従って、インク受容層４にインクジェット方式によりプリントすると、そのイン クジェットのインクは、主としてインク受容層により吸収されると共に、印刷層 ３によっても吸収され、さらに、これらの層を超えた水分は、中間層２によって も吸収されるので、水分の吸収は飛躍的に増大し、インクジェット方式によるプ リント層の乾燥が著しく促進される。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本願によれば、素材として、合成樹脂製の基シートを用いている ので、機械的強度に秀れ、雨水にも丈夫であるので、特に屋外で使用される看板 などの記録用シートとして極めて有効であると共に、基シートとグラビア印刷に よる印刷層との間に、基シートに対して親和性の有する中間層を設けたので、非 常に安定した印刷層が形成でき、さらに、中間層、印刷層及びインク受容層のい づれも吸水性を有しているので、相互間において充分な吸水性が得られると共に 、インクジェットによるインク層の乾燥も著しく促進されて、作業性に富むなど の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】記録用シートの断面図

【符号の説明】

１ 基シート ２ 中間層 ３ 印刷層 ４ インク受容層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂から成る基シートの表面に、吸水
   性顔料を含有したウレタン樹脂から成る中間層を、その
   表面に、吸水性顔料を含有した印刷インクを用いたグラ
   ビア印刷による印刷層をそれぞれ設け、さらに、該印刷
   層の表面に、吸水性を有したインク受容層を塗工して成
   ることを特徴としたインクジェット記録用シート
2. 【請求項２】吸水性顔料として、非結晶シリカを用いて
   成る請求項１記載のインクジェット記録用シート