JP3089282B2 - 高性能遺伝子コントロール配列 - Google Patents
高性能遺伝子コントロール配列Info
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Description
変された遺伝子または人工的に合成された遺伝子、ある
いはそれらの遺伝子断片またはその他の有用なDNA配列
を導入することを可能にすると共に、そのようにして導
入された遺伝子を効率的かつ優れた発現性能で発現し、
さらにそのように植物内に導入された遺伝子、その断片
またはその他のDNA配列の保持を可能にする新しい遺伝
子コントロール配列及びそれを利用して新たに見出され
た発現ベクターに関するものである。
は、広い適応性を有することを目的としても開発されて
おり、従来その効率的な発現ベクター系、植物内に導入
されて高い形質保持安定性を有する発現ベクター系及び
その遺伝子コントロール配列の開発が求められてきた
が、これらの要求をも満たすものである。
核生物全般に広く応用して優れた効果を得られる可能性
を有するものである。
来する35Sプロモーター配列を改変する試みはなされて
いる(Robert Kay et al.,Science,Vol.236,1299−1302
(1987);David Ow et al.,Proc.N.A.S.,Vol.84,4870−
4874(1987);Joan Odell et al.,Plant Mol.Biol.,10,
263−272(1988))が、その得られたものは必ずしもそ
の活性が満足しうるものではないと言われたり、その再
現性が疑問視されたりしてきている。
科植物を含む単子葉植物では必ずしも充分に働かないこ
とが予想される。
ジャーRNAの量を増加させるのにあずかっているという
ことが報告されている(Genes & Dev.1;1183−1200,1
987)。しかしながら、このようなイントロトンをどの
ような形態で利用ができるかということは知られていな
い。
菌類、例えば酵母、糸状菌などのすべての真核生物、そ
の細胞中で高い遺伝子発現制御活性を有するプロモータ
ーが強く求められている。
スジェニク植物の作成が進められているが、多くの場合
導入遺伝子の発現効率が大きな問題となっている。従来
から繁用されてきていたカリフラワーモザイクウィルス
(CaMV)の35Sプロモーターの強さはかならずしも満足
しうるものではなく、今後の分子育種を進める上で、よ
り効率的な発現ベクターの開発が望まれていた。
ス由来であることから、禾本科植物に外来遺伝子、例え
ば除草剤抵抗性遺伝子、病害虫病原菌耐性獲得のための
遺伝子等を導入するには必ずしも適当なものではなかっ
た 本発明者らは、このように広く利用はされてはいる
が、特に有用植物として価値のある単子葉植物にも効率
よく用いることのできる発現ベクターを開発する目的
で、その35Sプロモーターの改変を試みた。本発明者ら
は、この研究の過程で35Sプロモーターを改変すること
により、そのプロモーター活性が失われるどころか、様
々な優れた性質機能を有する遺伝子コントロール配列が
得られることを発見した。
た結果広い適応性を有するのみでなく、非常に優れた且
つ強い発現活性を有する発現ベクターを構築することに
成功した。
有し、且つ強く遺伝子、その断片あるいはその他の有用
DNA配列を制御することのできる遺伝子コントロール配
列に関する。
てその機能を高めることができるものである。
て用いられているカリフラワーモザイクウィルス由来の
35Sプロモーター配列から誘導されたところの35Sプロモ
ーターの−290ないし−90に相当するDNAに関する。
いし−90に相当するDNA配列がスペーサーを介しまたは
介さずに複数個配置されたDNAに関する。
るDNA、またはそのDNA配列がスペーサーを介しまたは介
さずに複数個配置されたDNAは、単子葉植物においても
有効な遺伝子コントロールが期待でき、特に従来強くそ
の安定且つ強力で操作しやすい遺伝子コントロール配列
が求められていた禾本科植物、例えば大麦、小麦、トウ
モロコシ、サトウキビなどにおいても好ましい遺伝子コ
ントロールが好ましい形態で行うことができる。
おいても、例えば野菜植物、果物植物においても従来に
ない優れた特性を発揮することができ、耐病性とか耐害
虫性、抗ウィルス性などの発現に有効に利用できる。
るDNA、またはそのDNA配列がスペーサーを介しまたは介
さずに複数個配置されたDNAは、プロモーターとして大
変優れており、その下流に位置する構造遺伝子を、植
物、例えば双子葉類植物、単子葉類植物など、動物また
は菌類、例えば酵母、糸状菌などのすべての細胞で、一
時的発現(トランジェント発現)したり、恒常的発現
(ステーブル発現)させたりすることができると考えら
れる。
にも導入応用することが期待でき、各種有用生物、有用
産物の製造に利用できるばかりでなく、医薬、遺伝子治
療への応用の可能性もある。
物、例えばマウスなどの育成、ガン治療剤の開発試験供
試動物の作出、乳質、肉質の改良、成長促進などのほ
か、生ワクチンの産生に関与する遺伝子の導入などで、
飼料効率が高く、肉質のよい家畜、魚類の育成に利用で
きると考えられる。
クターあるいは発現ベクター系にも関する。
35Sプロモーター配列から誘導されたところの35Sプロモ
ーターの−290ないし−90に相当するDNA、またはそのDN
A配列がスペーサーを介しまたは介さずに複数個配置さ
れたDNAと、遺伝子発現制御配列とを有するベクターあ
るいは発現ベクターに関する。
により新しい高活性発現ベクターが作成できることをも
示すものである。
相当するDNA、またはそのDNA配列がスペーサーを介しま
たは介さずに複数個配置されたDNAと、その下流域にイ
ントロンから誘導された配列とを有する発現ベクターに
関する。
または、人工的に改変された遺伝子または人工的に合成
された遺伝子、あるいはそれらの遺伝子断片またはその
他の有用なDNA配列を効率よく導入することができると
共に安定的に保持させることができ、さらにそれらの遺
伝子等を高い活性でもって発現させることができるとい
うことで特徴づけられるものである。
け禾本科植物においても優れた外来遺伝子等の発現効率
を達成できるのみでなく、双子葉植物においても、有用
な発現ベクター系として利用できる。
eria)のTiプラスミド由来のベクターが頻用されている
が、これらのベクターに上記遺伝子コントロール配列を
挿入することにより、有用な発現ベクター系を作成し、
利用できる。
トロール配列を挿入し、有用な発現ベクター系を作成
し、利用することも可能である。
にも関するものである。
記発現ベクターに組み込んでなる新規な発現ベクターに
も関するものである。
る場合、選択マーカー遺伝子(例えば、ハイグロマイシ
ン耐性、カナマイシン耐性などの抗生物質に対する耐性
に関する遺伝子など)が有利に利用されるが、必ずしも
同じベクター上に選択マーカー遺伝子を挿入する必要は
ない。
ターを混ぜて、コトランスフォーメーション(R.Schoch
ev et.al.,Bio/Technology,4,1093−1096(1986))に
より遺伝子導入することも可能である。
作成することも可能である。
る。
ーターから誘導され、その35Sプロモーター機能を有す
ると共にそのCaMV35Sプロモーターにはない特異な性状
を有するDNAである。本発明のこのDNAは、特には35Sプ
ロモーターの−290ないし−90に相当するDNAである。
−90のDNA配列は、制御酵素Alu I及びEcoR V作用末端を
有するものである。35Sプロモーターの塩基配列は、Cel
l,21,285−294(1980)などによって知られ、その位置
のナンバーリングも決まっている。従って、本発明にお
いてもナンバーリングはそれらに従うものである。
るDNAは、上記文献記載の35Sプロモーター配列のうちの
制限酵素Alu I及びEcoR Vで処理して得られたところの
−290番目から連続して続き−90番目までのDNA塩基配列
のみだけでなく、それと相補的な配列をも含むものであ
る。さらに本発明の35Sプロモーターの−290ないし−90
に相当するDNAは、上記−290番目から−90番目までの連
続したDNAのみでなく、それと同等の機能を有するもの
であれば、その−290ないし−90の範囲のDNA配列よりも
長くても、短くてもよく、さらには、そのうちの塩基配
列のうちの塩基の1個、または2個あるいは複数個、さ
らには一部の塩基配列を、置換したり、付加したり、あ
るいは欠失させたり、さらにはそれらを組み合わせて処
理して得られたものであってもよい。
−90に相当するDNAは、本明細書において具体的に開示
された配列が有する機能と同じ機能を有するもののみで
なく、種々の改変により、それから誘導されてその有す
る機能が質的あるいは量的に付加されたものをも含むも
のである。
る切断、DNAポリメラーゼ、クレノーフラグメント(断
片)、DNAリガーゼなどによる処理等による連結等の処
理、合成オリゴヌクレオチドなどを用いた部位特異的塩
基置換法(特定部位指向突然変異法;Mark Zoller and M
ichael Smith,Methods in Enzymology,100,468−500(1
983))によってなすことができるが、この他にも通常
当該遺伝子組換えの分野で用いられる方法によってなす
こともできる。
本発明の35Sプロモーターの−290ないし−90に相当する
DNAを有する機能のうちには、以下に説明するような機
能があげられる。
ーを介さずに配置した場合、強い転写増強活性が得られ
る。
配置した配列によってもたらされた強い転写増強活性
は、植物体中に導入された後においても安定に保持され
る。
ロンあるいは先導配列と組み合わせることにより、相乗
的な遺伝子発現効果をもたらす。
伝子発現効率を有する。
てもあるいはそれらの任意の機能を組み合わせて持つも
のであっても、あるいはそれらの全部の機能を有するも
のであってもよい。
ーの−290ないし−90のDNA配列は、上記したすべての機
能を有し、遺伝子コントロール配列として有用で、特に
エンハンサー配列として有用である。またさらにその35
Sプロモーターの−290ないし−90のDNA配列は複数個、
例えば2〜9個を隣接して結合し、好適には5個〜8個
さらに特には7個を隣接して結合した場合には高い遺伝
子発現活性を示す。
複数個を有する遺伝子コントロール領域、好ましくは5
個から8個、さらに特に好ましくは7個を有する遺伝子
コントロール領域の下流にファゼリオン遺伝子(Proc,
N.A.S.80,1987−1901,1983)から得られたイントロンI
を導入して、遺伝子コントロール領域を形成せしめる
と、そのすぐ下流にある遺伝子の発現を極端に増大化せ
しめるという作用を有している。そしてこのようにして
得られた遺伝子コントロール領域を持つ発現ベクター
は、禾本科植物、特にイネ、小麦、大麦、トウモロコシ
等において、さらに好適にはイネ植物において高い発現
活性を示すという機能を有する。
るDNAは、基本的に上述したような機能を持つものであ
れば、特に限定されないDNA配列を持つものであること
が理解できよう。また上記したことからも明らかなよう
に上記典型的な35Sプロモーターの−290ないし−90のDN
A配列から誘導され且つ改変されたものも、本発明の35S
プロモーターの−290ないし−90に相当するDNAの範囲内
に入る。
うにホスホアミダイト法、ホスホジエステル法、ホスホ
トリエステル法などとして知られた化学的核酸合成法、
特定部位指向突然変異法など、あるいは制限酵素、リガ
ーゼなどを使用する方法などあるいはそれらの組合わせ
によって行うこともできる。
ロモーターの−290ないし−90に相当するDNAの製造につ
いて以下簡単に説明する。
するDNAの製造について、35Sプロモーターの−290ない
し−90のDNA配列をとりあげて具体的に説明する。
列は、カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)35Sプロ
モーターを保持していることが知られている種々のベク
ターから通常の遺伝子組換実験の手法に従って、特に
は、後述する文献等に記載の方法に従って得ることがで
きる。
持プラスミドとしては、pBI121,pBI221(EMBOJ,6,3901
−3907(1987))、pMON530,pGSJ280(Methods in Enzy
mology 153,253−292(1987))などがあげられるが、p
BI221が好適に用いることができる。またこれらに限定
されないことも理解されよう。
ロモーター領域を適当な制限酵素を用いて切断して、断
片を切り出し、こうして得られた断片を適当なプラスミ
ド調製用の宿主ベクター系に組み換えて、目的の遺伝子
コントロール配列領域を得る。
選んで用いることができる。
たはその断片を調製するために使用される宿主−ベクタ
ー系としては当該分野で一般に用いられているものが制
限なく使用できる。このうち代表的なベクターとして
は、pBR322由来の各種のベクターがあげられ、そのよう
なもののうちにはpUC系ベクターとして知られたものが
あげられる。本発明で好適に用いられるベクターを例示
すれば、pUC18,pUC19(Gene,33,103−119(1985)),pU
C118,pUC119,SMなどがあげられるが、これらのものに限
定されないことは言うまでもない。
を用いることができ、グラム陰性あるいはグラム陽性菌
の中からも選択して用いることもできるが、大腸菌を宿
主として用いることが取り扱い上からも便利である。
得るための改変処理、特には断片化、組換えプラスミド
の調製は適宜1回で行ってもよいし、複数回行って徐々
に所望の断片を確実に調製することもできる。
ーに由来する35Sプロモーター機能あるいはエンハンサ
ー機能を有するDNA断片は、適当なレポータープラスミ
ドに挿入され、連続的遺伝子導入装置などの方法で植物
のプロトプラスト内に導入され、そのレポータープラス
ミド内のマーカー遺伝子の発現量を調べることによりそ
の遺伝子コントロール活性を調べることができる。
のものを公知のプラスミドから改変して得たものであっ
てよい。このようなプラスミドとしては、植物内での発
現が可能であること、植物内への導入が可能であるこ
と、植物内で検知可能なマーカー遺伝子を持つことが重
要であるが、そのような特性を持つものであれば好適に
用いることができる。
例えばpNOSCAT(Michael Fromm et al.,Proc,N.A.S.82,
5824−5825,(1985))とpBI221(EMBOJ,6,3901−3907
(1987))から作成したものなどがあげられるほか、pB
I101を用いて作成できる。
ーカー遺伝子としては、クロラムフェニコール耐性遺伝
子(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)遺伝子な)、ルシフェラーゼ遺伝子、β−グル
クロニダーゼ(GUS)遺伝子などがあげられるが、特にC
AT遺伝子がアッセイの都合上好適に使用できる。
エチレングリコール法、エレクトロポレーション法、ポ
リエチレンイミン法、ポリオルニチン法、マイクロイン
ジェクション法、パーティクルガン法など、植物に適用
できる種々の方法で行えるが、植物のプロトプラスト内
への導入法としては特にポリエチレングリコール法、エ
トクトロポレーション法、マイクロインジェクション法
があげられ、エレクトロポレーション法は簡単かつ確実
に行え便利である。
の活性は、Hirochikaらの方法(J.Virol,61,2599−2606
(1987))に従って行うことができる。この方法を概説
すると、組換え細胞をライゼートとし、これにトリス−
HCl、アセチルコエンザイムA、[14C]クロラムフェニ
コールからなる反応液を加え、通常37℃で1時間インキ
ュベーション処理した後、Gorman et al.,Mol,Cell,Bio
l 2,1044−1051(1982)のようにして処理し、クロラ
ムフェニコールのアセチル化体への変換率を液体シンチ
レーションカウンターで測定する。
ベクター中に挿入する場合、その挿入されるベクター断
片に対してその所望DNAまたはその断片を過剰量存在せ
しめて、ライゲーション反応を行うことにより、複数個
を挿入することができる。こうして複数個挿入されたも
のは、複数個配置されたとか、多コピーあるいは複数個
コピーを有するとかと表現される。
スミドとして用いられるものを好適に使用することがで
きる。このようなベクターの例としては、例えば35Sプ
ロモーターの−90から−1のDNA配列に相当するようなT
ATAボックス、CAATボックスを形成しうる配列を持つも
のがあげられる。
ー、例えばpBIN19およびその誘導体例えばpBI121等、pG
A482、pGA580など、クローニングベクター例えばpUC
系、具体例を挙げればpUC19,pUC18,pUC119,pUC118など
のうちから、必要に応じ適宜修飾を加えるなどし、好ま
しいものを選んで使用できる。
し−90に相当するDNA、またはそのDNA配列がスペーサー
を介しまたは介さずに複数個配置されたDNAは、それ自
体でエンハンサー機能を持つ遺伝子コントロール配列と
して、各種の真核生物細胞のための制御配列として使用
できることが期待できる。さらにまた本発明のこのDNA
は、適当な遺伝子制御系を付加するなどして、温度感受
性、光感受性、ストレス感受性(例えば、水、病害虫
病、薬剤などの影響のもとに起こるストレス)などのプ
ロモーター機能を持つ配列にすることもできよう。
−90に相当するDNA、またはそのDNA配列がスペーサーを
介しまたは介さずに複数個配置されたDNAは、遺伝子発
現制御配列と適当に組合せることにより、高い発現活性
を示す遺伝子コントロール系を構成することができる。
いし−90に相当するDNAまたはそのDNA配列をスペーサー
を介してまたは介さずに複数個配置されたDNAと、その
下流域に該遺伝子発現制御配列とを配置したものが好ま
しいものとしてあげられる。
考えられるのは、イントロン、RNAタイプウィルスの
5′末端付近の配列に対応する配列、翻訳活性制御配
列、例えば種々の先導配列があげられる。
使用できるものとしては、ファゼオリン遺伝子から誘導
されたイントロン、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子
のイントロン、タバコモザイクウィルスの先導配列、例
えばオメガ(Ω)配列、アルファルファモザイクウィル
スの先導配列、イネシマハガレ病ウィルスの先導配列、
キュウリモザイクウィルスの先導配列、ブロムモザイク
ウィルスの先導配列などがある。
特に好適に用いられるのはファゼオリン遺伝子から誘導
されたイントロンIがあげられる。
修飾して用いることができる。
ス由来の先導配列も利用することが可能であり、さらに
は、これから明らかにされるであろう他の遺伝子発現コ
ントロール配列も同様に利用可能である。
もすべて本発明の範囲に入ることは明らかである。
いて高い遺伝子発現活性を有する発現ベクターを構築す
ることができる。本発明の新規な発現ベクターは、上記
遺伝子コントロール系の下流域に外来遺伝子挿入用のサ
イトを導入することにより得られる。
サイトと呼ばれるが、そこには、適当な制限酵素部位
が、例えばNOSターミネーター部位との間に存在するも
のである。
−90に相当するDNA、またはそのDNA配列がスペーサーを
介しまたは介さずに複数個配置されたDNAと、その下流
域にイントロンから誘導された配列を有する遺伝子コン
トロール系としては、35Sプロモーターの−290ないし−
90のDNAを複数個、例えば4〜9個、好ましくは7個を
有するものとイントロンI断片とからなるものがあげら
れ、そのイントロンI断片は、適当な位置の下流域にあ
るものが優れている。
の代表例としては、pREX−1と命名されたものがあげら
れる。
いし−1に相当する配列も含まれ、そのTATAボックス、
CATTボックスなる領域もあり有用な発現がなし得る。
ような特徴を有している。
率を有する。
列系を含むことから、その適応範囲が広いことが期待さ
れ、野菜などの植物用の発現ベクターとして利用しえ
る。
ある。
いた切断により容易に切り出され、これを用いて新たな
ベクター系(例えばTiプラスミドベクター)の構築に利
用できる。
発明の遺伝子コントロール系を導入することにより、各
種の発現ベクターを構築することができる。
のである。
ベクターとしては、バイナリーベクターとして知られた
ものがあげられ、例えばpBIN19およびその誘導体があげ
られ、例えばpBI121などがあげられる。
クターとして知られたものがあげられ、例えばpUC系の
ベクターがあげられ、例えばpUC19,pUC18,pUC119,pUC11
8等があげられる。
ウムツメファシェンス(Agrobacterium tumefaciens)
由来のTiプラスミドあるいはそれから誘導されたプラス
ミド、Tiプラスミドなどと一緒に用いられるバイナリー
ベクターとして知られたもの、例えばpGA482、pGA580な
どが、あげられる。
できる。
クターには、抗生物質耐性、特殊栄養要求性、ホルモン
非要求性などの選択マーカーがあってもよいし、あるい
は必要に応じ導入することもできる。またマーカー遺伝
子としては、コトランスホーメーション法を用いること
によってそれを利用することもできる。
耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、フォスフィ
ノシリシン耐性遺伝子などがあげられる。
えばイニシエーター、ターミネーターなども、必要に応
じ改変したり置きかえたりして利用することができる。
来遺伝子としては、除草剤抵抗性遺伝子、抗菌性制御遺
伝子、病原生物耐性遺伝子、抗体産生遺伝子、有用タン
パク質産生遺伝子、栄養代謝制御遺伝子、薬剤耐性遺伝
子、薬物産生遺伝子、耐水性付与遺伝子、窒素固定遺伝
子、色素産生遺伝子、有用有機または無機物質代謝及び
/又は産生遺伝子、あるいはそれらの制御遺伝子などが
あげられる。
られず、非構造遺伝子であっても、目的の達成しうるも
のであれば限定されない。
を具体的に例示すれば、薬剤耐性遺伝子としては、抗生
物質抵抗性遺伝子、例えば、カナマイシン耐性遺伝子、
ネオマイシン耐性遺伝子、メトトレキセート耐性遺伝子
など、除草剤抵抗性遺伝子、例えば、グルホセート抵抗
性遺伝子、スルホナミド抵抗性遺伝子、アトラジン抵抗
性遺伝子、スルフロン抵抗性遺伝子、スルホニルウレア
抵抗性遺伝子、バスタ抵抗性遺伝子、パラコート抵抗性
遺伝子など、さらにはbar遺伝子(ビアラフォス耐性遺
伝子)などがあげられる。
(Endotoxin遺伝子)、ピレスロイド系殺虫成分産生遺
伝子、あるいはそれらの前駆体産生遺伝子であって、植
物などに殺虫性毒物等を産生させ、鱗し目昆虫、例えば
ニカメイガ、コブノメイガ、ハスモンヨトウ、モンシロ
チョウ、ワタノメイガ、ジャガイモガなど、甲虫目のイ
ネミズゾムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ、マメコ
ガネなどに対し耐虫性を付与するために有効な遺伝子、
などあるいはそれに類縁する遺伝子などがあげられる。
オン、グリシニン、ゼインに関連した遺伝子、大豆タン
パク質、インゲンマメなどの貯蔵タンパク質遺伝子など
があげられる。
有効なことが期待される。
子、耐熱性遺伝子といった、気候・風土に耐性を与える
遺伝子があげられる。
としての機能を持たせるための遺伝子があげられる。
しては、耐病性遺伝子があげられるが、その代表的なも
のを例示すると耐糸状菌性、例えばいもち病、灰色かび
病など、耐ウィルス病性、例えばタバコモザイクウィル
ス、キュウリモザイクウィルスなどの各種モザイクウィ
ルス、イネツングロウィルス、委縮ウィルスなど、耐細
菌病性、例えばかいよう病、青枯病、白葉枯病、ごま葉
枯病などに関係した遺伝子があげられる。
菌の細胞壁などを分解する酵素、β−1,3−グルカナー
ゼ、キチナーゼなどの遺伝子もある。
的を達成するものが、構造遺伝子、非構造遺伝子の別な
く使用しうる。
れる植物としては、単子葉植物及び双子葉植物のうちか
ら好適に選んで用いることができる。単子葉植物のうち
代表的なものとしては、禾本科植物があげられ、イネ、
小麦、大麦、トウモロコシ、サトウキビ、カラスムギ、
エンバク、ライムギなどの植物があげられる。
ユリ科、アカネ科、ジョウジ花科、ブドウ科、ヒガン
科、アカザ科、マメ科、マツカゼ草科、ラン科、バショ
ウ科、ガガイモ科などのものがあげられる。このような
範囲のうちの代表的な植物としてはタバコ、カリフラワ
ー、大豆、インゲンマメ、ナンキンマメ、トマト、キュ
ウリ、ジャガイモ、ピーマン、サツマイモ、ワタ、メロ
ンなどの植物があげられるが、これらに限定されない。
み込んで得られたものは、当該分野でよく知られた方法
によって植物細胞内に導入することができる。
は、前記したような方法があげられ、例えば、エレクト
ロポレーション法、パーティクルガン法、ポリエチレン
グリコール法、マイクロインジェクション法、ポリエチ
レンイミン法、ポリオルニチン法といった化学的処理
法、機械的処理法などがあげられる。
法があげられる。この方法はTiプラスミドあるいはそれ
から誘導した発現系を用いたり、アグロバクテリウム−
Tiプラスミド−バイナリーベクター法として知られた方
法に基づくものである。
スミド利用の場合、植物細胞体をそのまま用いたり、カ
ルスを用いることができ、優れた方法である。
用いられる培地、方法が用いられる。
の培地の他、SH,B5,KM培地なども適宜用いられ、またこ
れらに限定されない。
ス等Molecular Cloning−A Laboratory Manual,Cold Sp
ring Harbor Laboratory 1982年に記載の方法あるいは
そこに記載の参考文献に記載の方法を用いることによっ
て行うことができる。
Enzymology,Vol.68(1980年)(Ed by Ray Wu);Vol.1
00(1983年)(Ed by Ray Wu et al.);Vol.101(1983
年);Vol.153(1987年);Vol.154(1987年);Vol.155
(1987年)(Edby Ray Wu);Academic Press.CA.USAに
記載の方法及びそこに記載の参考文献に記載の方法を用
いて行うこともできるし、さらに改変することもでき、
さらには本発明は、これらに記載の方法を用いて容易に
応用することができる。
の代表的なものは、それをベクターの中に組換えたもの
を保有する微生物をブタペスト条約に基づき微生物工業
技術研究所に寄託され、受託番号、微工研条寄第3145号
(FERM BP−3145)としてエシエリヒアコリ JM109/pREX
−1(Escherichia coli JM109/pREX−1)が、微工研
条寄第3146号(FERM BP−3146)としてエシエリヒアコ
リ JM109/pEN7−INT3(Escherichia coli JM109/pEN7−
INT3)が保存されている。
5,pEN6,pEN7,pEN8,pEN9,pEN6−INT3,pEN8−INT3,pEN9−
INT3などは、上記のものからも通常の手法で容易に得る
ことができる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものでなく、
その精神の範囲内で種々の改変が可能で、それらの応用
されたものも本発明の範囲内とみなしてよい。
A実験法に従って行うことができる。各実施例において
はこれら一般的な組換えDNA技法についての詳細な説明
は一部省略されているが、これらは本明細書中の記載及
び前記したマニアチス等(1982年)「Molecular Clonin
g−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborato
ry」(以下「マニアチス等(1982年)の文献」という)
を参照すれば当業者にとって明らかとなるものである。
て、これらの会社によって推奨される緩衝液中及び温度
条件下でDNAを1ないし3時間培養する。DNA1μgに対
して2ないし10単位の制限酵素を添加する。反応後フェ
ノール抽出とエタノール沈澱によりDNAを精製する。こ
の方法はマニアチス等(1982年)の文献104〜106頁にも
記載されている。
する。添加するDNAは、50−500μg/mlで反応は15℃で30
分間行い、その後、フェノール抽出、エタノール沈澱に
より精製を行う。用いる酵素はTOYOBO社のDNAポリメラ
ーゼ、クレノー断片で、1反応あたり5単位を用いた。
製 アガロースゲル電気泳動は、マニアチス等(1982年)
の文献150〜163頁に記載された水平型装置で行った。用
いた泳動用緩衝液はトリスー酢酸緩衝液である。DNA
は、臭化エチジウム(0.5μg/ml)で染色し、長波長の
紫外線で可視化する。DNA断片のゲルからの精製には、
低融点アガロール(Seachem社)を用いる。DNA断片を含
むゲル断片を泳動後に切り出し、65℃20分加熱し、ゲル
を融解する。フェノール抽出を2回、エタノール沈澱を
1回行うことにより精製DNAが得られる。
2から1単位存在下で連結させる。添付の緩衝液を用い
て、室温で1〜20時間培養する。
た塩化ルビジウム法を用いて大腸菌JM109株のコンピテ
ント細胞を調製する。組換えDNA約100ngと100μのコ
ンピテント細胞を0℃で20分培養し、42℃1分間加熱処
理後、2mlのL培地を加えて1時間37℃で培養する10〜1
00μの培養液をL寒天培地(アンピシリン50μg/mlを
含む)に塗布し、37℃一晩培養することにより形質転換
体を得る。L培地及びL寒天培地はマニアチス等(1982
年)の文献440〜442頁に記載されている。
スミド調製法によりプラスミド調製し、制限酵素切断に
より目的とするプラスミドを同定する。迅速プラスミド
調製法はマニアチス等(1982年)の文献366〜367頁に記
載されている。
文献88〜94頁に記載された方法に従って行った。
(Mol.Cell.Biol.,2:1044−1051,1982)とpBI121(EMBO
J.6:3901−3907,1987)を用いて作成した。
aMV35Sプロモーター断片を調製し、pUC18(Gene,33:103
−119,1985)のHind III−BamH I部位に挿入した。得ら
れたプラスミドのSac I−EcoR I部位にpBI121をSac I,E
coR I切断により得られたNOSターミネーターを挿入し
た。
来のCAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ)遺伝子を挿入した。2方向に挿入されたものが
得られたが、35Sプロモーターからの転写方向の同じ方
向のものを、p35SCAT−Nとして以下の遺伝子発現の解
析に利用した。
製されたプラスミドを実施例1・Fに記載されているよ
うにして塩基配列を調べることによりなされた。
片として切り出したものを、DNAポリメラーゼ・クレノ
ー断片で処理し、平滑末端化したものである。
により目的を達成することができる。
領域をEcoR VとAlu I切断により調製し、p35SCAT−Nの
EcoR V部位(−90)に挿入する。p35SCAT−NにはEcoR
V部位は一ケ所のみ存在する。多数コピーの断片を挿入
するため、EcoR Vで切断したp35SCAT−Nに較べて約10
倍のモル比のDNA断片を連結に用いる。p35SCAT−N0.1μ
gに対してDNA断片を約40ng用いた。EcoR V切断したp35
SCAT−Nの自己環状化を防ぐために、アルカリ・フォス
ファターゼで処理したものを用いる。アルカリ・フォス
ファターゼはベーリンガー・マンハイムより購入し、添
付の緩衝液中で、DNA4μgに対して1単位を用いた。処
理は37℃1時間行った。アルカリ・フォスファターゼの
除去は、フェノール抽出2回、エタノール沈澱1回によ
って行った。
コピーから5コピーまでもつ組換え体プラスミド(pEN2
−pEN5)が得られた。さらに、5コピーをもつプラスミ
ド(pEN5)のEcoR V部位(−90)に、上記と同じ条件で
−90から−290領域を含むEcoR V−Alu I断片を挿入し、
6コピーから9コピーをもつプラスミド(pEN6−pEN9)
が得られた。挿入されたDNA断片の方向性は全て一方向
(正方向)であった。逆方向に挿入されたものは、プラ
スミドが不安定なためと考えられる。
従って単離されたプラスミドを制限酵素で処理した後、
その得られる断片の大きさ及び含まれる塩基配列を解析
することによりなされた。
領域をAcc IとEcoR V切断により調製した。DNAポリメラ
ーゼ・クレノー断片により平滑末端化した後に、p35SCA
T−NのEcoR V切断部位に挿入した。その他の方法は
(i)に従った。2コピーから6コピー挿入されたもの
が得られた。(i)の場合と同様に全て正方向の挿入で
あった。
ることにより確認された。
領域をHind IIIとEcoR V切断により調製した。得られた
断片は(ii)に従って平滑末端化し、p35SCAT−NのEco
R V切断部位に(i)に従って挿入した。2コピーから
3コピー挿入されたものが得られ、この場合も全て正方
向の挿入であった。
ることにより確認された。
製とクローン化 ファゼオリン遺伝子(Rroc.N.A.S.80:1897−1901,198
3)を含むラムダ−ファージ(λ177−4)からイントロ
ンIからIVまで含む1200塩基対を含むDNA断片をEcoR I,
Sac I切断により調製し、pUC12のEcoR I,Sac I部位に挿
入する。得られたプラスミド(pUCPh−ES)からポリメ
ラ−ゼチェインリアクション(PCR)によりイントロン
Iの領域を増幅させる。PCRに用いた合成オリゴヌクレ
オチドの配列を以下に示す。
ene AmpTM)とDNA増幅装置を用いた。増幅条件は、同社
のプロトコールに従った。用いた合成オリゴヌクレオチ
ドの5′末端には、Xba IとBamH I制限酵素の認識配列
が存在するので、増幅されたDNA断片を制限酵素Xba I,B
amH Iで処理後、p35SCAT−NのXba I,BamH I切断部位に
挿入できる。
れた。
が、CATの遺伝子の下流にイントロンI断片を挿入する
ために以下の操作を行った。PCRによって増幅されたイ
ントロンI断片を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(TOYO
BO)処理することにより5′未満のリン酸化を行った。
TOYOBO社によって推奨される緩衝液中で、5単位のT4ポ
リヌクレオチドキナーゼを加えて、37℃で30分リン酸化
処理を行った。一方、p35SCAT−NをKpn Iで切断し、T4
DNAポリメラーゼ(TOYOBO)処理により平滑末端化を行
った。
素を加えて、37℃で15分平滑末端化処理を行った。得ら
れたDNAとリン酸化処理をしたイントロンI断片を連結
させた。イントロン断片が正方向に挿入されたものが得
られた(pINT−4)。
載されたようにして単離されたプラスミドを制限酵素処
理し、その断片の塩基配列を解析することによりなされ
た。
ラスミドの作成 実施例3(i)で作成したプラスミドのうちエンハン
サーを6,7,8,9コピーを含むもののXba I,BamH I切断部
位に、実施例4で得られたイントロンI断片のうちXba
I,BamH I切断末端をもつものを挿入、連結させた。得ら
れたプラスミドは、pEN6−INT3,pEN7−INT3,pEN8−INT
3,pEN9−INT3と名付けた。
うにしてそのプラスミドを単離した後制限酵素処理し、
得られた断片の大きさ及び含まれる塩基の配列を解析し
て確認された。
(Escherichia coli JM109/pEN7−INT3)は、工業技術
院微生物工業技術研究所にブタペスト条約に基づく寄託
がなされており、寄託番号微工研条寄第3146号(FERM B
P−3146)が付与されている。
断し、CAT遺伝子とNOSターミネーターを除去し、実施例
2で作成したp35S terからBamH I,EcoR I切断によって
切り出したNOSターミネーター及びポリリンカーサイト
を挿入しpREX−1を作成した。
ドを保有する大腸菌JM109/pREX−1(Escherichia coli
JM109/pREX−1)は、工業技術院微生物工業技術研究
所にブタペスト条約に基づく寄託がなされており、寄託
番号微工研条寄第3145号(FERM BP−3145)が付与され
ている。
らも理解されるようにイントロン領域とNOSターミネー
ター領域との間に複数の制限酵素部位すなわち、BamH
I,Sma I,Kpn I,Sac Iを有しており、この制限酵素部位
に外来遺伝子を有利に挿入することができる。
るN6培地で培養される。一週間に1度継代をするが、プ
ロトプラスト調製前の継代は、6%のショ糖を含む表1
で示されるMS培地で行う。この培地に変えて、3〜6日
培養後、酵素処理をすると活性の高いプロトプラストが
収率良く得られる。
(w/v),Pectolyase Y−23 0.05%(w/v),CaCl2・2H2O
0.01%(w/v),K−デキストランサルフェート0.1%(w
/v)及びマニトール9%(w/v),pH5.6)を用いて行っ
た。
し、酵素液Aを加える。
ゆっくり振とうしたあと、振とうをやめ、さらに2時間
放置する。未分解の際病を30μmのナイロンメッシュに
よるろ過で除去する。その後遠心及びCaCl2(0.01%)
を含む0.5Mマニトール液による洗浄でプロトプラストを
精製する。得られたプロトプラストは、1〜2×107/ml
の濃度になるように上記洗浄液に懸濁させる。
の遺伝子導入 0.1mM MgSO4を含む0.5Mマニトール1mlにキャリア−DN
Aとして子牛胸腺のDNAを20μg/mlの濃度で加える。さら
に調べようとするプラスミド(滅菌蒸留水にとかす)を
1〜10μgと実施例7で得られたプロトプラスト100μ
を加える。連続的遺伝子導入装置CET−200(日本分
光)を用いてエレクトロポレーションを行った。エレク
トロポレーションの電気的条件は、パルス巾1ms、電解
強度1000V/cm、パルス印加数6回である。エレクトロポ
レーション後、プロトプラストは遠心によって集めて1m
lのR2液体培地(表1)に懸濁し、25℃、暗黒、1日の
培養を行う。プロトプラストをエッペンドルフチューブ
に移し、3000回転、5分間の遠心により集める。上清を
完全に取り除き−80℃で保存する。
ゼ)アッセイ CAT活性の測定は、Hirochikaらの方法に従った(J.Vi
rol.61:2599−2606,1987)。プロトプラスト沈澱に、10
0μの0.25M Tris−HCl(pH7.8)を加え、凍結−融解
を3回繰り返しプロトプラストを破壊する。15,000回転
10分遠心後上清40μを60μの反応液(0.25MTris−H
Cl,pH7.8;0.8mMアセチルコエンザイムA;0.1μCi14C−ク
ロラムフェニコール)と混ぜ、37℃10分から1時間保温
する。100μの酢酸エチルで14C−クロラムフェニコー
ルを抽出後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー、オー
トラジオグラフィーによりアセチル化クロラムフェニコ
ールの割合を調べる。定量は、液体シンチレーションカ
ウンターを用いて行った。
レーションによりイネ・プロトプラストに導入し、エン
ハンサーの活性をCATの発現を指標に調べた。−90から
−290の領域を増幅させた場合、最も高い活性が得られ
た(図2)。図2では7コピーまで調べているが、9コ
ピーまでコピー数を増やしてもそれ以上の活性の上昇は
みられない(図3)。実験ごとに結果は少し違うが、7
コピーで1コピーに較べて、10倍から15倍の活性の上昇
がみられる。
性が得られたが、増幅させる領域を増減させた場合に、
さらに高い活性が得られると考えられる。
ロトプラストに導入し、CATの発現を指標に遺伝子発現
を調べた。コントロールとしてp35SCAT−Nを用いた。p
INT−3においては、p35SCAT−Nの約20倍の活性が示さ
れた。pINT−4はほとんどコントロールと同程度の活性
しか得られなかった。イントロンは遺伝子の上流に挿入
した時、顕著な効果が見られることが確認された。
の増強(図4) 実施例5で作成したpEN6−INT3,pEN7−INT3,pEN8−IN
T3,pEN9−INT3をエレクトロポレーションによりイネ・
プロトプラストに導入し、CATの発現を指標に遺伝子発
現の増強を調べた。いずれのプラスミドも、コントロー
ル(p35SCAT−N)に較べて50〜100倍の高いCAT活性を
発現した。
予想外の優れたものであった (効果) 本発明では、植物における発現ベクター系として従来
にないすぐれた発現効率を有するものが提供され、分子
育種上大きな進歩をもたらすものとして期待される。
幅させた時の遺伝子発現への影響を相対的なCATの発現
量で示す。増幅された領域は図中に示される。 図3、3Sプロモーターの−90〜−290領域を増幅させた
時の遺伝子発現への影響を相対的なCATの発現量で示
す。 図4、エンハンサーとイントロンの相乗作用による伝子
発現の増強をCATの発現量で示す。
Claims (8)
- 【請求項1】35Sプロモーターの−290ないし−90に相当
するDNA配列がスペーサーを介しまたは介さずに複数個
配置されたDNA。 - 【請求項2】複数個が2〜9個である請求項1記載のDN
A。 - 【請求項3】複数個が5〜8個である請求項1記載のDN
A。 - 【請求項4】35Sプロモーターの−290ないし−90に相当
するDNA配列がスペーサーを介しまたは介さずに複数個
配置されたDNAと、その下流域に遺伝子発現制御配列と
を含有することを特徴とするDNA。 - 【請求項5】該遺伝子発現制御配列がイントロンである
請求項4に記載のDNA。 - 【請求項6】該遺伝子発現制御配列がファゼオリン遺伝
子から誘導されたイントロンIである請求項4に記載の
DNA。 - 【請求項7】35Sプロモーターの−290ないし−90に相当
するDNA配列がスペーサーを介しまたは介さずに複数個
配置されたDNAと、その下流域に遺伝子発現制御配列と
を含有するDNAを組み込んでなることを特徴とするベク
ター。 - 【請求項8】更に外来遺伝子を含有している請求項7に
記載のベクター。
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---|---|---|---|
JP29549290A JP3089282B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 高性能遺伝子コントロール配列 |
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---|---|---|---|---|
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-
1990
- 1990-11-02 JP JP29549290A patent/JP3089282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
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Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.84,P.4870−4874(1987) |
Science,Vol.236,P.1299−1302(1987) |
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