JP3089245U - 物品長期保存用金属容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって容器内の物品を完全に保護
できるようにすると共に、取扱が簡単で、容器の密封操
作が容易で締め過ぎによる弊害を防止した物品長期保存
用金属容器を提供する。 【解決手段】 容器上部１１と容器下部１２を接合する
容器１０で、接合部は、容器上部１１がフランジ上縁部
１１１に上嵌入孔１１２を設け、容器下部１２がフラン
ジ下縁部１２１に角溝１２０を囲繞し、角溝１２０の外
側に、容器上部１１の各上嵌入孔１１２に合致する下嵌
入孔１２２を設け、角溝１２０に、その溝幅と等しい直
径のＯリング３０を接着剤を塗布して嵌入し角溝１２０
を充填し、残りのＯリング部分で角溝１２０の上下側及
び両側がＴ字状の断面を形成するように、フランジ上縁
部１１１とフランジ下縁部１２１とを、上嵌入孔１１２
と下嵌入孔１２２を介して、ボルト２１と袋ナット２２
で螺着し、フランジ上縁部１１１とフランジ下縁部１２
１との間隙に、シール剤４０を注入充填するもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として、タイムカプセルとして使用できるようにした物品長期保 存用金属容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の容器は、フランジ部に平ゴムパッキンを挟着してボルトナット 締めしていたが、長期間、湿度の大きい土中等に埋設した場合に、平ゴムパッキ ンを介して、フランジ部を挟着した僅かな間隙から水分等が侵入して、容器内の 物品を腐食、汚損することがあった。そこで、Ｏリングその他のシール材が考え られたが、従来の方法では、締め過ぎによる耐久性の低下や亀裂による気密性の 低下などの弊害が発生した。 本考案者は、２つ割りの容器のうち、下側のフランジ部に角溝を囲繞してその 角溝にＯリングを充填すると共に上側のフランジ部との間で断面Ｔ字状になるよ うにＯリングを挟着してボルトと袋ナット締めし、上下のフランジ部の３〜４ミ リの間隙をシール剤で充填するようにすれば、水分その他の容器内への侵入が長 期間にわたって完全に防止できる共に、ナットに適切な袋ナットを使用すること により、締め過ぎによる弊害の防止を図ることに成功し、本考案を完成した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、長期間にわたって容器内の物品を完全に保護できるようにした物品 長期保存用金属容器を提供するものである。 また、本考案は、取扱が簡単で、容器の密封操作が容易で、締め過ぎによる弊 害を防止できるようにした物品長期保存用金属容器を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案物品長期保存用金属容器は、上記課題を達成するため、図示するように 、容器上部１１と容器下部１２とを接合できるようにした容器１０であって、接 合部は、容器上部１１がフランジ上縁部１１１に複数個のボルト上嵌入孔１１２ を設け、容器下部１２がフランジ下縁部１２１に角溝１２０を囲繞すると共に、 角溝１２０の外側に、容器上部１１の各ボルト上嵌入孔１１２に合致するボルト 下嵌入孔１２２を設け、角溝１２０に、その溝幅と等しい直径のＯリング３０を 接着剤を塗布して嵌入し角溝１２０を充填すると共に、残りのＯリング部分で角 溝１２０の上下側及び両側がＴ字状の断面を形成するように、フランジ上縁部１ １１とフランジ下縁部１２１とを、ボルト上嵌入孔１１２とボルト下嵌入孔１２ ２を介して、ボルト２１と袋ナット２２で螺着し、フランジ上縁部１１１とフラ ンジ下縁部１２１との残された間隙に、シール剤４０を注入充填するものである 。 本考案において、容器はステンレスその他の耐食性金属が必要で、接合部はフ ランジ状に形成される。 また、本考案において、Ｏリングは、弗素ゴム製、天然ゴム製、ニトリルゴム 製、シリコーンゴム製、ウレタンゴム製その他の耐候性、耐水性、耐熱性の高い ものが使用される。さらに、シール剤は、耐候性、耐水性、耐熱性の高いシリコ ーンゴム製ペースト等が好ましい。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態が図１乃至図４に示されている。 本考案実施例の物品長期保存用金属容器は、容器上部１１と、容器下部１２と 、ボルト２１と袋ナット２２と、Ｏリング３０と、シール剤４０とを備えている 。 容器上部１１は、ステンレス製で、フランジ部の厚み６ミリメートル、フラン ジ部以外の厚みは３〜６ミリメートルのもので、フランジ上縁部１１１には複数 個のボルト上嵌入孔１１２が設けられている。 容器下部１２は、容器上部１１と同じ材質及び厚みのステンレス製のもので、 フランジ下縁部１２１には、深さ２．５ミリメートル、巾７ミリメートルの角溝 １２０が囲繞されて、その外側に、容器上部１１の各ボルト上嵌入孔１１２に合 致する位置にボルト下嵌入孔１２２を設けている。 Ｏリング３０は、直径７ミリメートルのニトリルゴム製のもので、容器下部１ ２の角溝１２０に合成ゴム系接着剤を塗布して嵌合できるようになっている。 シール剤４０は、先細チューブに入れられた常温硬化型の一液性シリコーンゴ ムペーストからなっている。 従って、容器上部１１と容器下部１２とからなる容器１０内に物品を収容して 、図３に示す容器下部１２の角溝１２０にＯリング３０を接着剤を塗布して嵌入 させて、容器上部１１と容器下部１２の各フランジ上下縁部１１１、１２１を各 ボルト上下嵌入孔１１２、１２２が合致するように接合して、ボルト２１及び袋 ナット２２を螺合してゆけば、図４に示すように、Ｏリング３０は、角溝１２０ の上下左右で圧着されて断面Ｔ字状に形成されて、袋ナット２２が締め過ぎにな らずに螺着される。

【０００６】

【考案の効果】

本考案によれば、従来のタイムカプセルや長期保存用金属容器に比べて、気密 性が極めて大きいので、最も悪条件の土中埋設の場合でも、フランジ挟着部位か ら水分等が侵入して容器内の物品を腐食乃至汚損させることが長期間防止できる ことになった。 また、本考案によれば、ＯリングをＴ字状に圧着してシール剤を注入すればよ いので、シール作業が簡単容易に実施できることになった。 さらに、本考案によれば、適切な袋ナットを使用することにより、容器の密封 作業が締め過ぎにならず、操作が容易になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】Ｏリングをフランジ下縁部の角溝に嵌めたとき
の説明図である。

【図４】フランジ上縁部とフランジ下縁部との間に圧着
されたＯリングの断面形状を示す説明図である。

【符号の説明】

１０ 容器 １１ 容器上部 １１１ フランジ上縁部 １１２ ボルト上嵌入孔 １２ 容器下部 １２０ 角溝 １２１ フランジ下縁部 １２２ ボルト下嵌入孔 ２１ ボルト ２２ 袋ナット ３０ Ｏリング ４０ シール剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器上部１１と容器下部１２とを接合で
   きるようにした容器１０であって、接合部は、容器上部
   １１がフランジ上縁部１１１に複数個のボルト上嵌入孔
   １１２を設け、容器下部１２がフランジ下縁部１２１に
   角溝１２０を囲繞すると共に、角溝１２０の外側に、容
   器上部１１の各ボルト上嵌入孔１１２に合致するボルト
   下嵌入孔１２２を設け、角溝１２０に、その溝幅と等し
   い直径のＯリング３０を接着剤を塗布して嵌入し角溝１
   ２０を充填すると共に、残りのＯリング部分で角溝１２
   ０の上下側及び両側がＴ字状の断面を形成するように、
   フランジ上縁部１１１とフランジ下縁部１２１とを、ボ
   ルト上嵌入孔１１２とボルト下嵌入孔１２２を介して、
   ボルト２１と袋ナット２２で螺着し、フランジ上縁部１
   １１とフランジ下縁部１２１との残された間隙に、シー
   ル剤４０を注入充填することを特徴とする物品長期保存
   用金属容器。