JP3089229U - 正逆回転制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】携帯型の結束機等に使用して結束バンドの駆動
を小型軽量に実現可能にする正逆回転制御装置を提供す
ること。 【解決手段】モータ１３等で回転駆動される軸１０およ
びこの軸１０に挿通される少なくとも２個の一方向ベア
リング１１、１２により構成される。軸１０を正方向へ
回転すると、一方向ベアリング１１のみが同じ方向且つ
同じ速度で回転する。他方、軸１０を逆方向へ回転する
と、一方向ベアリング１２のみが同じ方向且つ同じ速度
で回転する。これらベアリング１１、１２には、それぞ
れギア組立体１４、１５等が回転可能に結合される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は回転制御装置に関し、特に単一動力源（例えばモータ）により、軸に 回転可能に結合された２個の一方向ベアリングを相互に反対方向に回転させ、別 のモータの取付および組立面積を減少させ、軽量化および低価格化を可能にする 駆動デバイスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

フィールドで動力を出力する従来の一般的な手段は、動力源（例えばモータ） を使用して１組のギア又はベルトを駆動させ、ただ一方向の動作を完了させるこ とにより１つの目的が達成可能である。２以上の動作をさせたい場合には、複数 の動力源を使用し、それぞれ駆動装置を作動させ、それぞれの動作を行わせてい る。このように複数の動力源を使用する動力出力手段は、コストを大幅に増加さ せ、また駆動装置が大型化する。特に、手で持って操作する必要のある駆動装置 の場合には、重量の増加は、操作および運搬時にユーザ（使用者）に負担となり 、操作を困難且つ不便にする。

【０００３】 従来の携帯型結束機（バンドリングマシン）は、第１モータおよび第２モータ 、第１軸および第２軸、第１ギア組立体および第２ギア組立体、巻き取りラグホ イール、偏心軸およびカッタにより構成される。第１軸の一端は、第１モータに 回転可能に結合され、第１ギア組立体は第１軸に回転可能に結合される。結束機 において、巻き取りラグホイールのホイール端の側方近傍にチャンネリング板( プレート)が取り付けられ、結束用バンドのロード面となる。

【０００４】 このロード面と巻き取りラグホイールのホイールエッジ間に溝が形成され、こ のラグホイールには、ホイールエッジ周辺に沿って起立する歯が設けられ、第１ ギア組立体により回転される。第２ギア組立体に回転可能に結合された偏心軸は 、この第２ギア組立体により回転され且つリンクレバーを介して振動ヘッドとの カップリング(結合)装置を形成する。従って、偏心軸の回転により、振動ヘッド は水平方向に往復運動をする。

【０００５】 結束中に、先ず被結束物は結束バンド（帯）にて包まれる。次に、平たくオー バーラッピングする結束バンドの長い方を巻き取りラグホイールの回転方向に沿 って、巻き取りラグホイールおよびチャネリング板間に形成される溝内に配置す る。次に、第１モータに電流を流して駆動すると、第１軸が回転し、更にこの第 １軸に回転可能に結合された第１ギア組立体も回転する。同時に、巻き取りラグ ホイールも回転する。巻き取りラグホイールのホイールエッジに形成された歯に よる摩擦力により、結束バンドの側部は上述した起立歯と接触して引き込まれ、 結束バンドが巻き取られる。

【０００６】 上述した動作の後で、第２モータに電流を流し、第２軸を回転させる。そこで 、この第２軸に回転可能に結合された第２ギア組立体は回転する。同時に、第２ ギア組立体は、偏心軸を回転させる。この偏心軸の回転により、振動ヘッドが水 平方向に往復運動させられる。この振動ヘッドの振動により生じる熱を使用して 、オーバーラッピングおよび巻き取り結束バンドを溶接する。最後に、カッタを 使用して余分な結束バンドを切除する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の結束機では、第１モータおよび第２モータを携帯型結束機内に 同時に取り付ける必要があり、これにより巻き取りラグホイールの引き込みと結 束バンドの巻き取り、および振動ヘッドの振動と結束バンドの溶接を行う。これ らのモータは嵩張るので、パワー入力に２個のモータを使用する設計は結束機全 体の容積および重量を増加してユーザによる操作を困難および不便にするのみな らず、モータのために製造コストを著しく上昇させることにもなる。

【０００８】

【考案の目的】

本考案は、従来の結束機の上述した課題に鑑みなされたものであり、小型、軽 量且つ安価に結束機等を実現するために使用可能な正逆回転制御装置を提供する ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の正逆回転制御装置は、軸および２個の一方向ベアリングを備え、これ ら２個のベアリングは、軸にそれぞれ正および逆方向回転可能に結合され、軸の 正方向への回転で一方向ベアリングの一方を同じ方向および同じ速度で回転させ 、軸の逆方向への回転で一方向ベアリングの他方を同じ方向および同じ速度で回 転させる。

【００１０】 また、本考案の正逆回転制御装置の好適実施形態によると、軸は、モータに回 転可能に結合され、このモータを正又は逆方向に回転させ、ベアリングは正およ び逆方向へ回転させられる。軸は、空気圧装置に回転可能に結合され、軸は正お よび逆方向へ回転される。一方向ベアリングは、伝動装置へ回転可能に結合され 、一方向ベアリングは、伝動装置を作動させ動力を伝動する。伝動装置は、ギア 組立体又は歯ゲージ組立体である。モータは、動力源に回転可能に結合され且つ スイッチが設けられ、動力源を正又は逆方向へ切り替える。伝動装置は、他の正 逆回転制御装置に回転可能に結合される。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案による正逆回転制御装置の好適実施形態の構成および動作を、添 付図面を参照して詳細に説明する。

【００１２】 先ず、図１は、本考案による正逆回転制御装置の第１実施形態の構成を示す分 解斜視図である。この正逆回転制御装置１は、軸１０、第１一方向ベアリング１ １および第２一方向ベアリング１２により構成される。ここで、軸１０の外径は 、第１一方向ベアリング１１および第２一方向ベアリング１２の軸穴より僅かに 小さいので、軸１０は、第１一方向ベアリング１１および第２一方向ベアリング １２の軸穴を貫通させ、相互に隣接して連結回転可能である。また、第１一方向 ベアリング１１および第２一方向ベアリング１２は、軸１０により回転されると 、一方向のみに回転可能であり、他方向へは回転しない。

【００１３】 次に、本考案の組立方法を図２に示す。軸１０は、第１一方向ベアリング１１ および第２一方向ベアリング１２の軸穴を連続して貫通する。これら第１一方向 ベアリング１１および第２一方向ベアリング１２は、反対方向に取り付けられる 。これら両一方向ベアリング１１および１２は反対方向であるので、軸１０が一 方向へ回転すると、一方向ベアリングの一方のみが同じ方向へ同じ速度で回転し 、他方の一方向ベアリングは静止している。反対に、軸１０が反対方向へ回転す ると、両一方向ベアリング１１、１２の回転状態は、上述と逆になる。

【００１４】 更に、図２を参照して詳細説明を続ける。軸１０がＡ方向（時計方向）に回転 すると、第１一方向ベアリング１１および軸１０は、同じ方向（時計方向）へ同 じ回転速度で回転する。第２一方向ベアリング１２は、第１一方向ベアリング１ １と逆方向へ取り付けられているので、第２一方向ベアリング１２は、静止して いる。他方、軸１０がＢ方向（反と計方向）へ回転すると、第１一方向ベアリン グ１１は静止し、軸１０および第２一方向ベアリング１２は、同じ方向（反時計 方向）へ同じ回転速度で回転する。

【００１５】 更に、本考案の正逆回転制御装置１は、電源又は他の動力源に旋回可能に接続 されたモータ１３を備え、図３に示す如く軸１０を回転させる。モータ１３の軸 心は、軸１０の一端に固定される。第１一方向ベアリング１１は第１ギア組立体 １４に回転可能に結合され、第２一方向ベアリング１２は第２ギア組立体１５に 回転可能に結合されている。電源は、電源スイッチ１６に接続され、正負極を切 り替え可能にする。電源スイッチ１６を切り替えると、モータ１３の正極に接続 された電源の正極からモータ１３の負極に接続された電源の負極へ電流が流れ、 モータ１３をＡ方向（時計方向）へ回転する。そして、軸１０および第１一方向 ベアリング１１がモータ１３により同じ方向（時計方向）へ同じ回転速度で回転 される。また、第１ギア組立体１４も回転され、これにより動力が伝達され、更 に機械的物体を回転させるが、第２一方向ベアリング１２は静止している。

【００１６】 一方、電源スイッチ１６を切り替えると、モータ１３の負極に接続された電源 の正極からモータ１３の正極に接続された電源の負極へ電流が流れる。これによ り、モータ１３はＢ方向（反時計方向）へ回転し、同時に軸１０および第２一方 向ベアリング１２がモータ１３により同じ方向（反時計方向）へ同じ回転速度で 回転される。これにより、第２ギア組立体１５も回転し、動力が伝達され、機械 的物体を駆動するが、第１一方向ベアリング１１は静止のままである。尚、本考 案の動力の伝動手段は、ギアの使用に限定されず、歯付きベルト等の動力伝動可 能なあらゆる手段であってもよいこと勿論である。更に、動力源も限定されず、 産業界で一般的に使用されているモータおよび空気圧機構等であってもよい。

【００１７】 本考案による正逆回転制御装置１は、更に携帯型結束機２内に搭載される。そ の具体例の左側面図、右側面図および背面図を、それぞれ図４、図５および図６ に示す。この結束機２は、ユーザが操作中に握るために使用するグリップ部２９ および被結束物の上に結束機２を配置可能にするベース２０を備える。ベース２ ０の前縁の上面には、帯状の収容面２２が設けられる。この収容面２２は、結束 バンド２３が強く引っ張られる方向と平行であり、結束バンド２３が強く引っ張 られる方向と直角方向から収容面２３に平行に配置される結束バンド２３のオー バーラップ部分の収容に使用される。これにより、結束バンド２３のオーバーラ ッピング部の下側が収容面２２の表面の突出する歯を有するようにする。回転方 向が強く引っ張られる結束バンド２３の回転方向と平行である回転方向を有する 巻き取りラグホイール２１は、収容面２２上に設けられ、巻き取りラグホイール ２１のホイールエッジにも、突出する歯が設けられている。

【００１８】 巻き取りラグホイール２１は、第１ギア組立体１４に回転可能に結合され、こ れにより巻き取りラグホイール２１は回転させられる。偏心ホイール（図示せず ）が第２ギア組立体１５に回転可能に連結され、リンクレバー組立体２５に結合 されている。このリンクレバー組立体２５の一端には、スライダ振動ヘッド２６ が設けられている。そこで、第２ギア組立体１５が回転すると、偏心ホイールも 回転する。リンクレバー組立体２５が駆動され、そして振動ヘッド２６が水平方 向に往復運動させられる。

【００１９】 本考案の携帯型結束機２の動力源には、回路基板デバイス（図示せず）が設け られ、この回路デバイスによりモータ１３へ供給される電流の方向を制御する。 本考案の正逆回転制御装置１が正電流を入力すると、第１一方向ベアリング１１ が第１ギア組立体を作動させ、更に巻き取りラグホイール２１を回転させる。こ の際に、巻き取りラグホイール２１の突起歯は、オーバーラップ部の上の結束バ ンド２３と接触してこの結束バンド２３を引き込む。オーバーラッピング部の下 の結束バンド２３は、収容面２２の突出歯により固定され、結束バンド２３が引 き込み中にスライドするのを防止する。次に、回路デバイスは引き込み期間を自 動的に制御する。よって、結束が完了すると、正電流の入力（供給）を停止する 。

【００２０】 その後、回路デバイスは、自動的に制御して電流の入力方向を反転する。この とき、第１一方向ベアリング１１は動作を停止し、第２一方向ベアリング１２が 回転して第２ギア組立体１５を作動させる。これにより、偏心ホイールが作動し て、リンクレバー２５が作動し、更に振動ヘッド２６を水平方向に往復運動させ る。従って、回路デバイスが振動ヘッド２６を制御し、数秒間高速で摩擦動作す る。上の結束バンド２３は熱により溶融し、その下の結束バンド２３と連結（溶 接）される。この摩擦、溶融および連結が停止すると、カッタの刃が上側の余分 な結束バンド２３を同時に切断する。これにより、結束バンド２３の溶接および 切断動作が完了する。

【００２１】 図７は、本考案による正逆回転制御装置１の他の（第２）実施形態を示す。こ こで、軸１０は、複数の第１一方向ベアリング１１および複数の第２一方向ベア リング１２と回転可能に連結される。これら各ベアリング１１、１２は、ギア組 立体と回転可能に連結され、ギア組立体を作動させ、それぞれ１つの機械的目的 を達成する。本考案における動力伝達は、ギアに限定されず、歯付きベルト等の あらゆる動力伝動装置であってもよく、また動力源も何ら限定されず、業界で一 般的に使用されるモータおよび空気圧機構等であってもよいこと勿論である。

【００２２】 また、図８は、本考案による正逆回転制御装置１の更に他の（第３）実施形態 を示す。ここで、ギア組立体は、第１一方向ベアリング１１又は第２一方向ベア リング１２により駆動されるように、他の第１一方向ギア組立体１１又は他の第 ２一方向組立体１２が設けられている。よって、ギア組立体内の一方向ベアリン グ１１又は一方向ベアリング１２により他の組の正逆回転制御装置１を作動させ ることが可能である。斯かる正逆回転制御装置１には、更にギア組立体２４を備 え、正逆回転制御装置１の正逆回転により、ギア組立体２４は正又は逆回転する 。これにより動力を伝達し、最終的に少なくとも２つの機械的物目的を達成する 。尚、本考案において動力伝達は、ギアに限定されず、ベルト等の如何なる動力 伝動装置であってもよく、また動力源もモータ又は空気圧機構等の一般的な動力 源であってもよいこと勿論である。

【００２３】 以上、本考案による正逆回転制御装置の好適実施形態の構成および動作を詳述 した。しかし、斯かる実施形態は、本考案の単なる例示に過ぎず、何ら本考案を 限定するものではない。本考案の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種 々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。従って、本考 案の精神および範囲は、斯かる特定の実施形態により限定するべきではない。

【００２４】

【考案の効果】

以上の説明から理解される如く、本考案の正逆回転制御装置によると、次の如 き実用上の顕著な効果が得られる。即ち、本考案の正逆回転制御装置によると、 １個の動力源（モータ等）で回転駆動される軸と２個の一方向ベアリングを使用 するのみで、ベアリングを相互に逆方向へ回転させることが可能である。従って 、携帯型の結束機等の小型軽量化が可能であり操作性を大幅に改善することが可 能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による正逆回転制御装置の第１実施形態
の分解斜視図である。

【図２】図１の正逆回転制御装置の組立状態の斜視図で
ある。

【図３】図１の正逆回転制御装置にモータおよびギア組
立体を組み合わせた斜視図である。

【図４】図１に示す正逆回転制御装置を使用する結束機
の左側面図である。

【図５】図１に示す正逆回転制御装置を使用する結束機
の右側面図である。

【図６】図１に示す正逆回転制御装置を使用する結束機
の背面図である。

【図７】本考案による正逆回転制御装置の第２実施形態
の斜視図である。

【図８】本考案による正逆回転制御装置の第３実施形態
の斜視図である。

【符号の説明】

１ 正逆回転制御装置 １０ 軸 １１、１２ 一方向ベアリング １３ モータ １４、１５ ベアリング組立体 １６ スイッチ

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸および２個の一方向ベアリングを備え、
   該２個のベアリングは、前記軸にそれぞれ正および逆方
   向に回転可能に結合され、前記軸の正方向への回転で前
   記一方向ベアリングの一方を同じ方向および同じ速度で
   回転させ、前記軸の逆方向への回転で前記一方向ベアリ
   ングの他方を同じ方向および同じ速度で回転させること
   を特徴とする正逆回転制御装置。
2. 【請求項２】前記軸はモータに回転可能に結合され、該
   モータを正又は逆方向に回転させ、前記ベアリングは正
   および逆方向へ回転させられることを特徴とする請求項
   １に記載の正逆回転制御装置。
3. 【請求項３】前記軸は空気圧装置に回転可能に結合さ
   れ、前記軸は正および逆方向に回転されることを特徴と
   する請求項１に記載の正逆回転制御装置。
4. 【請求項４】前記一方向ベアリングは、伝動装置へ回転
   可能に結合され、前記一方向ベアリングは、前記伝動装
   置を作動させ動力を伝動することを特徴とする請求項１
   に記載の正逆回転制御装置。
5. 【請求項５】前記伝動装置は、ギア組立体又は歯ゲージ
   組立体であることを特徴とする請求項４に記載の正逆回
   転制御装置。
6. 【請求項６】前記モータは、動力源に回転可能に結合さ
   れ且つスイッチが設けられ、前記動力源を正又は逆方向
   へ切り替えることを特徴とする請求項２に記載の正逆回
   転制御装置。
7. 【請求項７】前記伝動装置は、他の正逆回転制御装置に
   回転可能に結合されることを特徴とする請求項４又は５
   に記載の正逆回転制御装置。