JP3088861B2 - タンパク質染色用の色素水溶液、染色キットおよび染色方法 - Google Patents
タンパク質染色用の色素水溶液、染色キットおよび染色方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアクリルアミドゲ
ルに支持されたタンパク質染色用の色素水溶液、染色キ
ットおよび染色方法に関する。
ルに支持されたタンパク質染色用の色素水溶液、染色キ
ットおよび染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気泳動法は、タンパク質や核酸の分離
・分析に汎用されている技術である。タンパク質に対し
ては、ポリアクリルアミドゲルの架橋度を4から20%
としたポリアクリルアミドゲル電気泳動法が最も多用さ
れている。さらに、変性剤としてドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)を添加したポリアクリルアミドゲル電気泳
動法は、タンパク質の分離能が極めて高く、タンパク質
の分子量測定や精製行程の管理に使用されている。従
来、ポリアクリルアミドゲル電気泳動後のタンパク質の
泳動像の検出は、酸性色素剤であるC.I.アシッドブ
ラック1(C.I.Acid Black 1)、C.
I.アシッドブルー83(C.I.AcidBlue
83)あるいはC.I.アシッドブルー90(C.I.
AcidBlue 90)によるタンパク質染色法によ
り行われて来た[フラザカス・デ・セント・グロス,
R.G.ら(Frazekas de St. Groth,R.G.,et al. )バ
イオケミカル・バイオフィジカル・アクタ、71巻、3
77ページ、1963年(Biochim.Biophys.Acta.
)]。これらの方法は、タンパク質の検出感度が高い
ため、現在でも好んで利用されている。
・分析に汎用されている技術である。タンパク質に対し
ては、ポリアクリルアミドゲルの架橋度を4から20%
としたポリアクリルアミドゲル電気泳動法が最も多用さ
れている。さらに、変性剤としてドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)を添加したポリアクリルアミドゲル電気泳
動法は、タンパク質の分離能が極めて高く、タンパク質
の分子量測定や精製行程の管理に使用されている。従
来、ポリアクリルアミドゲル電気泳動後のタンパク質の
泳動像の検出は、酸性色素剤であるC.I.アシッドブ
ラック1(C.I.Acid Black 1)、C.
I.アシッドブルー83(C.I.AcidBlue
83)あるいはC.I.アシッドブルー90(C.I.
AcidBlue 90)によるタンパク質染色法によ
り行われて来た[フラザカス・デ・セント・グロス,
R.G.ら(Frazekas de St. Groth,R.G.,et al. )バ
イオケミカル・バイオフィジカル・アクタ、71巻、3
77ページ、1963年(Biochim.Biophys.Acta.
)]。これらの方法は、タンパク質の検出感度が高い
ため、現在でも好んで利用されている。
【0003】また近年、染色操作時間の短縮化を図るた
め、色素水溶液組成の改良が試みられている。これらに
関する詳細は、公知の文献[メソッド・エンザイモロジ
ー(Method Enzymology )、91巻、263ページ、1
983年、スパノス,A.D.ら(Spanos,A.D.,et a
l.)。104巻、439ページ、1984年、クランバ
ッハ,A.(Chrambach,A.,et al. )ら]に詳細に述べ
られている。
め、色素水溶液組成の改良が試みられている。これらに
関する詳細は、公知の文献[メソッド・エンザイモロジ
ー(Method Enzymology )、91巻、263ページ、1
983年、スパノス,A.D.ら(Spanos,A.D.,et a
l.)。104巻、439ページ、1984年、クランバ
ッハ,A.(Chrambach,A.,et al. )ら]に詳細に述べ
られている。
【0004】すなわち、染色操作時間の短縮は、色素水
溶液にトリクロロ酢酸、過塩素酸、硫酸アンモニウムな
どを添加することにより、電気泳動の支持体であるポリ
アクリルアミドゲル自体の染色を抑制し、以後の支持体
自体の脱色操作時間を短縮する方法で試みられている。
溶液にトリクロロ酢酸、過塩素酸、硫酸アンモニウムな
どを添加することにより、電気泳動の支持体であるポリ
アクリルアミドゲル自体の染色を抑制し、以後の支持体
自体の脱色操作時間を短縮する方法で試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の酸性色素剤を用
いた染色法は、タンパク質の染色後にポリアクリルアミ
トゲルの脱色を数時間から一昼夜の時間行う必要があ
る。すなわち、これらの酸性色素により、タンパク質が
染色されるだけでなく、ポリアクリルアミトゲルも着色
されるので、電気泳動後のタンパク質を視覚的に確認で
きない。そこで、タンパク質を視覚的に確認可能にする
ため、ポリアクリルアミトゲルの脱色を行なう必要があ
るが、それには、前述のように長時間を要し、短時間で
タンパク質の検出ができないと言う問題がある。
いた染色法は、タンパク質の染色後にポリアクリルアミ
トゲルの脱色を数時間から一昼夜の時間行う必要があ
る。すなわち、これらの酸性色素により、タンパク質が
染色されるだけでなく、ポリアクリルアミトゲルも着色
されるので、電気泳動後のタンパク質を視覚的に確認で
きない。そこで、タンパク質を視覚的に確認可能にする
ため、ポリアクリルアミトゲルの脱色を行なう必要があ
るが、それには、前述のように長時間を要し、短時間で
タンパク質の検出ができないと言う問題がある。
【0006】そこで、前述したように、色素水溶液にト
リクロロ酢酸、過塩素酸、硫酸アンモニウムなどを添加
することにより、電気泳動の支持体であるポリアクリル
アミドゲル自体の染色を抑制し、以後の支持体自体の脱
色操作時間を短縮する方法で試みられている。しかし、
これらの方法は、ポリアクリルアミドゲルに支持された
タンパク質の染色に先立って、タンパク質の固定処理操
作が必要であり、さらに、染色操作時間は、1時間から
数時間を要する。また、タンパク質の検出感度は、従来
の染色法に及ばないのが現状である。
リクロロ酢酸、過塩素酸、硫酸アンモニウムなどを添加
することにより、電気泳動の支持体であるポリアクリル
アミドゲル自体の染色を抑制し、以後の支持体自体の脱
色操作時間を短縮する方法で試みられている。しかし、
これらの方法は、ポリアクリルアミドゲルに支持された
タンパク質の染色に先立って、タンパク質の固定処理操
作が必要であり、さらに、染色操作時間は、1時間から
数時間を要する。また、タンパク質の検出感度は、従来
の染色法に及ばないのが現状である。
【0007】本発明は、簡易に、短時間で、感度良くポ
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質を染色
し、視覚的に確認可能とすることのできる色素水溶液、
染色キットおよび染色方法を提供することを目的とす
る。
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質を染色
し、視覚的に確認可能とすることのできる色素水溶液、
染色キットおよび染色方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次の構成を有する。 (1)C.I.アシッドブルー83またはC.I.アシ
ッドブルー90を0.005〜2%(重量/容量)、エ
タノールまたはメタノールを5〜40%(容量/容
量)、酢酸を5〜20%(容量/容量)、更に、カリウ
ム、ナトリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩お
よびカリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少な
くとも1種の塩を0.4%〜10%(重量/容量)含有
することを特徴とするポリアクリルアミドゲルに支持さ
れたタンパク質染色用の色素水溶液。
め、本発明は次の構成を有する。 (1)C.I.アシッドブルー83またはC.I.アシ
ッドブルー90を0.005〜2%(重量/容量)、エ
タノールまたはメタノールを5〜40%(容量/容
量)、酢酸を5〜20%(容量/容量)、更に、カリウ
ム、ナトリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩お
よびカリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少な
くとも1種の塩を0.4%〜10%(重量/容量)含有
することを特徴とするポリアクリルアミドゲルに支持さ
れたタンパク質染色用の色素水溶液。
【0009】(2)第1液がC.I.アシッドブルー8
3またはC.I.アシッドブルー90およびエタノール
またはメタノールを含有する水溶液、第2液がカリウ
ム、ナトリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩お
よびカリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少な
くとも1種の塩と酢酸とを含有する水溶液から構成さ
れ、第1液と第2液を直接に混合するか、または、両液
を水で希釈した後に混合して前記(1)項に記載の色素
水溶液とするためのポリアクリルアミドゲルに支持され
たタンパク質染色用の染色キット。
3またはC.I.アシッドブルー90およびエタノール
またはメタノールを含有する水溶液、第2液がカリウ
ム、ナトリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、
硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩お
よびカリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少な
くとも1種の塩と酢酸とを含有する水溶液から構成さ
れ、第1液と第2液を直接に混合するか、または、両液
を水で希釈した後に混合して前記(1)項に記載の色素
水溶液とするためのポリアクリルアミドゲルに支持され
たタンパク質染色用の染色キット。
【0010】(3)タンパク質を電気泳動したポリアク
リルアミドゲルを前記(1)項に記載の色素水溶液に接
触させた後、ポリアクリルアミドゲルの表面に付着して
いる色素水溶液を水洗して除去し、更に、40から80
℃の温水に接触させて、ポリアクリルアミドゲル内部に
浸透している色素水溶液を除去することを特徴とするポ
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質の染色方
法。
リルアミドゲルを前記(1)項に記載の色素水溶液に接
触させた後、ポリアクリルアミドゲルの表面に付着して
いる色素水溶液を水洗して除去し、更に、40から80
℃の温水に接触させて、ポリアクリルアミドゲル内部に
浸透している色素水溶液を除去することを特徴とするポ
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質の染色方
法。
【0011】
【作用】本発明のポリアクリルアミドゲルに支持された
タンパク質染色用の色素水溶液は、C.I.アシッドブ
ルー83またはC.I.アシッドブルー90を0.00
5〜2%(重量/容量)、エタノールまたはメタノール
を5〜40%(容量/容量)、酢酸を5〜20%(容量
/容量)、更に、カリウム、ナトリウム、リチウムの塩
化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸
塩、蟻酸塩、クエン酸塩およびカリウム、ナトリウムの
リン酸塩より選ばれた少なくとも1種の塩を0.4%〜
10%(重量/容量)含有するので、ポリアクリルアミ
ドゲル支持体内部への色素の拡散・浸透を抑制し、ポリ
アクリルアミドゲル支持体の表層に支持されたタンパク
質を染色することが可能となる。これにより、20から
30分間の染色直後に洗浄を行わなくとも、50ng程
度の微量のタンパク質は、薄青色のポリアクリルアミド
支持体上に濃青紫色の泳動像として視覚的に確認可能と
なるし、更に染色後に洗浄して脱色することにより、1
0ngまでのタンパク質の泳動像が確認できる。
タンパク質染色用の色素水溶液は、C.I.アシッドブ
ルー83またはC.I.アシッドブルー90を0.00
5〜2%(重量/容量)、エタノールまたはメタノール
を5〜40%(容量/容量)、酢酸を5〜20%(容量
/容量)、更に、カリウム、ナトリウム、リチウムの塩
化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸
塩、蟻酸塩、クエン酸塩およびカリウム、ナトリウムの
リン酸塩より選ばれた少なくとも1種の塩を0.4%〜
10%(重量/容量)含有するので、ポリアクリルアミ
ドゲル支持体内部への色素の拡散・浸透を抑制し、ポリ
アクリルアミドゲル支持体の表層に支持されたタンパク
質を染色することが可能となる。これにより、20から
30分間の染色直後に洗浄を行わなくとも、50ng程
度の微量のタンパク質は、薄青色のポリアクリルアミド
支持体上に濃青紫色の泳動像として視覚的に確認可能と
なるし、更に染色後に洗浄して脱色することにより、1
0ngまでのタンパク質の泳動像が確認できる。
【0012】従来法で使用されているC.I.アシッド
ブルー83またはC.I.アシッドブルー90の色素水
溶液は、例えば、メタノールを50%(容量/容量)、
酢酸10%(容量/容量)を含有した色素水溶液であ
り、色素の溶解性が良好な水溶液であり、ポリアクリル
アミドゲル電気泳動終了後のタンパク質染色操作におい
て、厚さ1〜数ミリメートルのポリアクリルアミドゲル
支持体内部にまで色素が拡散、浸透するため、以後の脱
色操作により、タンパク質と結合した色素を残したま
ま、支持体内部の色素を除去するのに数時間から一昼夜
の長時間を要するが、本発明では色素の溶解性を低下さ
せ、支持体の内部にまで色素が拡散、浸透することを抑
えて、支持体から色素剤を除去する時間を短縮可能と
し、ポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
は、支持体の表層付近に存在しているタンパク質を染色
することにより、泳動像を確認し易くしたものである。
ブルー83またはC.I.アシッドブルー90の色素水
溶液は、例えば、メタノールを50%(容量/容量)、
酢酸10%(容量/容量)を含有した色素水溶液であ
り、色素の溶解性が良好な水溶液であり、ポリアクリル
アミドゲル電気泳動終了後のタンパク質染色操作におい
て、厚さ1〜数ミリメートルのポリアクリルアミドゲル
支持体内部にまで色素が拡散、浸透するため、以後の脱
色操作により、タンパク質と結合した色素を残したま
ま、支持体内部の色素を除去するのに数時間から一昼夜
の長時間を要するが、本発明では色素の溶解性を低下さ
せ、支持体の内部にまで色素が拡散、浸透することを抑
えて、支持体から色素剤を除去する時間を短縮可能と
し、ポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
は、支持体の表層付近に存在しているタンパク質を染色
することにより、泳動像を確認し易くしたものである。
【0013】つまり、色素の溶解性を改善するアルコー
ル濃度を5から40%(容量/容量)程度にまで下げ、
さらに前記塩を添加することにより、色素の溶解性を抑
制し、支持体の内部にまで色素が浸透しないようにする
ことにより、ポリアクリルアミドゲル支持体自体の染色
を抑制でき、支持体の表層付近のタンパク質を染色する
ことができる。従って、短時間でタンパク質の泳動像を
確認することができる。
ル濃度を5から40%(容量/容量)程度にまで下げ、
さらに前記塩を添加することにより、色素の溶解性を抑
制し、支持体の内部にまで色素が浸透しないようにする
ことにより、ポリアクリルアミドゲル支持体自体の染色
を抑制でき、支持体の表層付近のタンパク質を染色する
ことができる。従って、短時間でタンパク質の泳動像を
確認することができる。
【0014】また、本発明の染色キットの発明に於いて
は、第1液がC.I.アシッドブルー83またはC.
I.アシッドブルー90およびエタノールまたはメタノ
ールを含有する水溶液、第2液がカリウム、ナトリウ
ム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫
酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩およびカリウ
ム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少なくとも1種
の塩と酢酸とを含有する水溶液から構成され、第1液と
第2液を直接に混合するか、または、両液を水で希釈し
た後に混合して前記(1)項に記載の色素水溶液とする
ためのポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
染色用の染色キットとしたものである。この様に第1液
と第2液とを別個に分離してあることにより、すなわ
ち、色素の溶解性を抑制する塩を色素と別の水溶液とす
ることにより、保存中の色素の析出や沈澱の発生を防
ぎ、色素水溶液のタンパク質染色能力の低下を防ぎ、長
期間の保存が可能となり、使用時に両液を用いて、ない
しは、更に水で希釈して前記色素水溶液を簡単に調製す
ることが可能となる。
は、第1液がC.I.アシッドブルー83またはC.
I.アシッドブルー90およびエタノールまたはメタノ
ールを含有する水溶液、第2液がカリウム、ナトリウ
ム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫
酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩およびカリウ
ム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少なくとも1種
の塩と酢酸とを含有する水溶液から構成され、第1液と
第2液を直接に混合するか、または、両液を水で希釈し
た後に混合して前記(1)項に記載の色素水溶液とする
ためのポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
染色用の染色キットとしたものである。この様に第1液
と第2液とを別個に分離してあることにより、すなわ
ち、色素の溶解性を抑制する塩を色素と別の水溶液とす
ることにより、保存中の色素の析出や沈澱の発生を防
ぎ、色素水溶液のタンパク質染色能力の低下を防ぎ、長
期間の保存が可能となり、使用時に両液を用いて、ない
しは、更に水で希釈して前記色素水溶液を簡単に調製す
ることが可能となる。
【0015】また、本発明のポリアクリルアミドゲルに
支持されたタンパク質の染色方法に於いては、タンパク
質を電気泳動したポリアクリルアミドゲルを前記(1)
項に記載の色素水溶液に接触させた後、ポリアクリルア
ミドゲルの表面に付着している色素水溶液を水洗して除
去し、更に、40から80℃の温水に接触させて、ポリ
アクリルアミドゲル内部に浸透している色素水溶液を除
去することにより、短時間で支持体内部に浸透した色素
を脱色でき、ポリアクリルアミドゲルに支持されたタン
パク質の泳動像が鮮明になるため、30から40分間の
時間にて10ng程度の微量なタンパク質の泳動像が確
認可能となる。
支持されたタンパク質の染色方法に於いては、タンパク
質を電気泳動したポリアクリルアミドゲルを前記(1)
項に記載の色素水溶液に接触させた後、ポリアクリルア
ミドゲルの表面に付着している色素水溶液を水洗して除
去し、更に、40から80℃の温水に接触させて、ポリ
アクリルアミドゲル内部に浸透している色素水溶液を除
去することにより、短時間で支持体内部に浸透した色素
を脱色でき、ポリアクリルアミドゲルに支持されたタン
パク質の泳動像が鮮明になるため、30から40分間の
時間にて10ng程度の微量なタンパク質の泳動像が確
認可能となる。
【0016】
【実施例】本発明で用いる酸性色素剤としては前述のよ
うにC.I.アシッドブルー83(商標名としては“コ
マシーブリリアントブルーR−250” I.C.I 社製)
またはC.I.アシッドブルー90(商標名としては
“コマシーブリリアントブルーG−250” I.C.I 社
製)が用いられる。
うにC.I.アシッドブルー83(商標名としては“コ
マシーブリリアントブルーR−250” I.C.I 社製)
またはC.I.アシッドブルー90(商標名としては
“コマシーブリリアントブルーG−250” I.C.I 社
製)が用いられる。
【0017】また、用いる塩としては、カリウム、ナト
リウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、コバル
ト、ニッケル、バリウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩、リ
ン酸塩の内、水に対する溶解度が高いもの少なくとも1
種を用いれば良いが、好ましくは、カリウム、ナトリウ
ム、リチウムの上記各塩のうち、水に対する溶解度が高
いものが好ましく使用される。
リウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、コバル
ト、ニッケル、バリウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩、リ
ン酸塩の内、水に対する溶解度が高いもの少なくとも1
種を用いれば良いが、好ましくは、カリウム、ナトリウ
ム、リチウムの上記各塩のうち、水に対する溶解度が高
いものが好ましく使用される。
【0018】本発明の色素水溶液の組成としては、各成
分の濃度が前述した本発明の色素水溶液の範囲内である
ことが必要である。すなわち、C.I.アシッドブルー
83またはC.I.アシッドブルー90が0.005%
(重量/容量)以下ではタンパク質の染色程度が弱く、
また、2%(重量/容量)以上では、溶解性と流動性が
悪い。エタノールまたはメタノールが5%(容量/容
量)以下や40%(容量/容量)以上では、タンパク質
の染色程度が弱くなる。酢酸が5%(容量/容量)以下
では、タンパク質の染色程度が弱く、20%(容量/容
量)以上では、ポリアクリルアミド支持体の染色程度が
強すぎて、泳動像の確認が困難となる。前記カリウム
塩、ナトリウム塩、リチウム塩から選ばれた少なくとも
1種の塩が0.4%(重量/容量)以下では、ポリアク
リルアミドゲル支持体の染色程度が強いため、泳動像の
確認が困難であり、10%(重量/容量)以上では、タ
ンパク質の染色程度が弱い。
分の濃度が前述した本発明の色素水溶液の範囲内である
ことが必要である。すなわち、C.I.アシッドブルー
83またはC.I.アシッドブルー90が0.005%
(重量/容量)以下ではタンパク質の染色程度が弱く、
また、2%(重量/容量)以上では、溶解性と流動性が
悪い。エタノールまたはメタノールが5%(容量/容
量)以下や40%(容量/容量)以上では、タンパク質
の染色程度が弱くなる。酢酸が5%(容量/容量)以下
では、タンパク質の染色程度が弱く、20%(容量/容
量)以上では、ポリアクリルアミド支持体の染色程度が
強すぎて、泳動像の確認が困難となる。前記カリウム
塩、ナトリウム塩、リチウム塩から選ばれた少なくとも
1種の塩が0.4%(重量/容量)以下では、ポリアク
リルアミドゲル支持体の染色程度が強いため、泳動像の
確認が困難であり、10%(重量/容量)以上では、タ
ンパク質の染色程度が弱い。
【0019】また、本発明の色素水溶液は、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法(ドデシル硫酸ナトリ
ウムを変性剤としたポリアクリルアミドゲル電気泳動
法)で泳動したポリアクリルアミドゲルに支持されたタ
ンパク質を染色する場合にも用いられる。また、ポリア
クリルアミトゲルの架橋度の如何に関わらず同様に使用
できる。さらに、タンパク質は、その種類を問わず、該
色素水溶液で染色することが可能である。
リアクリルアミドゲル電気泳動法(ドデシル硫酸ナトリ
ウムを変性剤としたポリアクリルアミドゲル電気泳動
法)で泳動したポリアクリルアミドゲルに支持されたタ
ンパク質を染色する場合にも用いられる。また、ポリア
クリルアミトゲルの架橋度の如何に関わらず同様に使用
できる。さらに、タンパク質は、その種類を問わず、該
色素水溶液で染色することが可能である。
【0020】本発明の色素水溶液によれば、例えば、
C.I.アシッドブルー83(0.1%,重量/容
量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸(10
%,容量/容量)、塩化カリウム(2%,重量/容量)
よりなる色素水溶液を用いた場合、染色を20分間振と
うしながら行った直後で50ngまでのタンパク質の泳
動像の確認が可能であり、更に60℃の温水で10分間
振とうして脱色することにより、10ngまでのタンパ
ク質の泳動像が確認できる。このとき、ポリアクリルア
ミドゲル支持体自体の染色程度は極めて低い。
C.I.アシッドブルー83(0.1%,重量/容
量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸(10
%,容量/容量)、塩化カリウム(2%,重量/容量)
よりなる色素水溶液を用いた場合、染色を20分間振と
うしながら行った直後で50ngまでのタンパク質の泳
動像の確認が可能であり、更に60℃の温水で10分間
振とうして脱色することにより、10ngまでのタンパ
ク質の泳動像が確認できる。このとき、ポリアクリルア
ミドゲル支持体自体の染色程度は極めて低い。
【0021】また、本発明の染色キットは、第1液とし
て、C.I.アシッドブルー83またはC.I.アシッ
ドブルー90およびエタノールまたはメタノールを含有
する水溶液、第2液として、酢酸、および前述したカリ
ウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩から選ばれた少なく
とも1種の塩を含有する水溶液より構成され、色素水溶
液を安定に、長期間保存することを可能とした。そし
て、使用時に両液を用いて簡単に本発明の色素水溶液を
調製することを可能とした。つまり、色素の溶解性を抑
制する塩を色素と別の水溶液とすることにより、保存中
の色素の析出や沈澱の発生を防ぎ、色素水溶液のタンパ
ク質染色能力の低下を防止した。第1液と第2液の混合
割合や水での希釈倍率により、両液の各含有成分の濃度
は変えることが可能であり、第1液ならびに第2液の各
含有成分の濃度は、第1液と第2液の混合割合や水での
希釈により前記第1の発明の濃度組成を有する色素水溶
液とすることが出来るものであればいかなる濃度のもの
でもよいこと、従って、一概にその組成は規定し難いこ
とは容易に理解されるところである。
て、C.I.アシッドブルー83またはC.I.アシッ
ドブルー90およびエタノールまたはメタノールを含有
する水溶液、第2液として、酢酸、および前述したカリ
ウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩から選ばれた少なく
とも1種の塩を含有する水溶液より構成され、色素水溶
液を安定に、長期間保存することを可能とした。そし
て、使用時に両液を用いて簡単に本発明の色素水溶液を
調製することを可能とした。つまり、色素の溶解性を抑
制する塩を色素と別の水溶液とすることにより、保存中
の色素の析出や沈澱の発生を防ぎ、色素水溶液のタンパ
ク質染色能力の低下を防止した。第1液と第2液の混合
割合や水での希釈倍率により、両液の各含有成分の濃度
は変えることが可能であり、第1液ならびに第2液の各
含有成分の濃度は、第1液と第2液の混合割合や水での
希釈により前記第1の発明の濃度組成を有する色素水溶
液とすることが出来るものであればいかなる濃度のもの
でもよいこと、従って、一概にその組成は規定し難いこ
とは容易に理解されるところである。
【0022】より具体的な例を示すとすると、例えば、
両液を直接等量混合する場合は、第1液は、C.I.ア
シッドブルー83またはC.I.アシッドブルー90を
0.01〜2%(重量/容量)、およびエタノールまた
はメタノールを10〜80%(容量/容量)で含有し、
第2液は、酢酸を10〜40%(容量/容量)、および
カリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩から選ばれた少
なくとも1種の塩を0.8〜10%(重量/容量)で含
有したもの等が例示される。また、第1液と第2液を水
で希釈して混合する場合、例えば4倍濃縮液の場合は、
第1液は、C.I.アシッドブルー83またはC.I.
アシッドブルー90を0.025〜2%(重量/容量)
およびエタノールまたはメタノールを25〜80%(容
量/容量)で含有し、第2液は、酢酸を20〜50%
(容量/容量)およびカリウム塩、リチウム塩、ナトリ
ウム塩から選ばれた少なくとも1種の塩を1.6〜10
%(重量/容量)で含有したもの等が一例としてあげら
れる。これらの例で示したように、第1液と第2液の混
合割合や水との希釈倍率により、両液の含有成分の濃度
は種々変わることになり、従って、各液の各成分の濃度
範囲を一律に規定することは難しいが、それぞれ個々の
ケースの場合の混合割合、希釈倍率に応じて、両液の各
成分の濃度は計算により容易に設定することができるこ
とは容易に理解されるところである。
両液を直接等量混合する場合は、第1液は、C.I.ア
シッドブルー83またはC.I.アシッドブルー90を
0.01〜2%(重量/容量)、およびエタノールまた
はメタノールを10〜80%(容量/容量)で含有し、
第2液は、酢酸を10〜40%(容量/容量)、および
カリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩から選ばれた少
なくとも1種の塩を0.8〜10%(重量/容量)で含
有したもの等が例示される。また、第1液と第2液を水
で希釈して混合する場合、例えば4倍濃縮液の場合は、
第1液は、C.I.アシッドブルー83またはC.I.
アシッドブルー90を0.025〜2%(重量/容量)
およびエタノールまたはメタノールを25〜80%(容
量/容量)で含有し、第2液は、酢酸を20〜50%
(容量/容量)およびカリウム塩、リチウム塩、ナトリ
ウム塩から選ばれた少なくとも1種の塩を1.6〜10
%(重量/容量)で含有したもの等が一例としてあげら
れる。これらの例で示したように、第1液と第2液の混
合割合や水との希釈倍率により、両液の含有成分の濃度
は種々変わることになり、従って、各液の各成分の濃度
範囲を一律に規定することは難しいが、それぞれ個々の
ケースの場合の混合割合、希釈倍率に応じて、両液の各
成分の濃度は計算により容易に設定することができるこ
とは容易に理解されるところである。
【0023】以下に本発明の理解を容易にするため、具
体的な実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものでは
ない。
体的な実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 ドデシル硫酸ナトリウム(0.1%,重量/容量)を含
む架橋度12.5%のポリアクリルアミドゲルを用い、
10〜1000ngの範囲の牛血清アルブミン,オブア
ルブミンおよびラクトアルブミンを含有する水溶液を試
料として電気泳動した。次に、塩化カリウム、酢酸カリ
ウム、硝酸カリウム、クエン酸カリウム、リン酸1水素
カリウム、リン酸2水素カリウム、ギ酸カリウム、硫酸
カリウムおよび亜硫酸カリウムのそれぞれのカリウム塩
に対して、C.I.アシッドブルー83(0.1%,重
量/容量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸
(10%,容量/容量)および前記カリウム塩(2%,
重量/容量)を含む色素水溶液を調製した。そして、各
色素水溶液に泳動後のゲルを浸し、20分間振盪するこ
とによりポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク
質の染色を行った。染色後、ゲル表面上に付着した色素
を流水で洗い落とし、タンパク質の泳動像を観察した。
その結果、上記のどのカリウム塩を添加した場合でも、
50ngまでのタンパク質の泳動像が確認できた。この
時、ポリアクリルアミドゲル支持体自体は、わずかに染
色された程度であった。各種カリウム塩の内、タンパク
質の染色程度およびポリアクリルアミドゲル支持体自体
の染色抑制程度が最も良好であったのは、塩化カリウム
であった。
む架橋度12.5%のポリアクリルアミドゲルを用い、
10〜1000ngの範囲の牛血清アルブミン,オブア
ルブミンおよびラクトアルブミンを含有する水溶液を試
料として電気泳動した。次に、塩化カリウム、酢酸カリ
ウム、硝酸カリウム、クエン酸カリウム、リン酸1水素
カリウム、リン酸2水素カリウム、ギ酸カリウム、硫酸
カリウムおよび亜硫酸カリウムのそれぞれのカリウム塩
に対して、C.I.アシッドブルー83(0.1%,重
量/容量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸
(10%,容量/容量)および前記カリウム塩(2%,
重量/容量)を含む色素水溶液を調製した。そして、各
色素水溶液に泳動後のゲルを浸し、20分間振盪するこ
とによりポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク
質の染色を行った。染色後、ゲル表面上に付着した色素
を流水で洗い落とし、タンパク質の泳動像を観察した。
その結果、上記のどのカリウム塩を添加した場合でも、
50ngまでのタンパク質の泳動像が確認できた。この
時、ポリアクリルアミドゲル支持体自体は、わずかに染
色された程度であった。各種カリウム塩の内、タンパク
質の染色程度およびポリアクリルアミドゲル支持体自体
の染色抑制程度が最も良好であったのは、塩化カリウム
であった。
【0025】引続き、60℃の温水で10分間振とう・
脱色を行うことにより、上記の全てのポリアクリルアミ
ドゲル支持体は、一層脱色されて、10ngのタンパク
質の泳動像を確認することができた。
脱色を行うことにより、上記の全てのポリアクリルアミ
ドゲル支持体は、一層脱色されて、10ngのタンパク
質の泳動像を確認することができた。
【0026】実施例2 実施例1の操作において、C.I.アシッドブルー83
の代わりにC.I.アシッドブルー90を用いた場合、
実施例1と同様に、染色直後で50ng、温水による脱
色後に10ngのタンパク質の泳動像が確認可能であっ
た。
の代わりにC.I.アシッドブルー90を用いた場合、
実施例1と同様に、染色直後で50ng、温水による脱
色後に10ngのタンパク質の泳動像が確認可能であっ
た。
【0027】実施例3 実施例1と同様に電気泳動し、泳動後のゲルをC.I.
アシッドブルー83(0.1%,重量/容量)、エタノ
ール(8%,容量/容量)、酢酸(15%,容量/容
量)、および塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチ
ウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化コバル
ト、塩化ニッケル、塩化バリウムのいずれかの塩を0.
3mol/lの濃度で含有する色素水溶液に20分間浸
して振盪し、続いて、60℃の温水で10分間脱色し
た。その結果、どの塩を用いた場合も、染色の程度は異
なるものの20ngのタンパク質の泳動像が確認でき
た。
アシッドブルー83(0.1%,重量/容量)、エタノ
ール(8%,容量/容量)、酢酸(15%,容量/容
量)、および塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化リチ
ウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化コバル
ト、塩化ニッケル、塩化バリウムのいずれかの塩を0.
3mol/lの濃度で含有する色素水溶液に20分間浸
して振盪し、続いて、60℃の温水で10分間脱色し
た。その結果、どの塩を用いた場合も、染色の程度は異
なるものの20ngのタンパク質の泳動像が確認でき
た。
【0028】実施例4 ドデシル硫酸ナトリウム(0.1%,重量/容量)を含
む架橋度7.5%のポリアクリルアミドゲルを用いて、
実施例1と同様のタンパク質試料を電気泳動し、泳動後
のゲルをC.I.アシッドブルー83(0.1%,重量
/容量)、メタノール(6%,容量/容量)、酢酸(8
%,容量/容量)、塩化カリウム(2%,重量/容量)
を含む色素水溶液に浸して20分間振盪した。染色後、
ゲルを水に入れ、ゲル表面上に付着した色素を洗い落と
し、染色の程度を観察したところ、エタノールを用いた
場合とは色合いが異なるものの、50ngのタンパク質
の泳動像が確認できた。
む架橋度7.5%のポリアクリルアミドゲルを用いて、
実施例1と同様のタンパク質試料を電気泳動し、泳動後
のゲルをC.I.アシッドブルー83(0.1%,重量
/容量)、メタノール(6%,容量/容量)、酢酸(8
%,容量/容量)、塩化カリウム(2%,重量/容量)
を含む色素水溶液に浸して20分間振盪した。染色後、
ゲルを水に入れ、ゲル表面上に付着した色素を洗い落と
し、染色の程度を観察したところ、エタノールを用いた
場合とは色合いが異なるものの、50ngのタンパク質
の泳動像が確認できた。
【0029】実施例5 C.I.アシッドブルー83(0.3%,重量/容
量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸(10
%,容量/容量)および塩化カリウム(%,重量/容
量)を0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、
5%とした色素水溶液をそれぞれに調製し、各色素水溶
液に実施例1と同様に電気泳動したゲルを浸して20分
間振盪した。染色後、ゲルを水に入れ、ゲル表面上に付
着した色素を洗い落とし、染色の程度を観察したとこ
ろ、カリウム塩の濃度が増すに従って、ポリアクリルア
ミドゲル支持体自体の染色程度が抑えられた。また、塩
化カリウム濃度が高くなるに従って、タンパク質の染色
程度は低くなったが、いずれの場合も十分に泳動像が検
出できた。塩化カリウム濃度は、2%(重量/容量)の
時に最も鮮明に泳動像が確認できた。
量)、エタノール(10%,容量/容量)、酢酸(10
%,容量/容量)および塩化カリウム(%,重量/容
量)を0.5%、1%、1.5%、2%、3%、4%、
5%とした色素水溶液をそれぞれに調製し、各色素水溶
液に実施例1と同様に電気泳動したゲルを浸して20分
間振盪した。染色後、ゲルを水に入れ、ゲル表面上に付
着した色素を洗い落とし、染色の程度を観察したとこ
ろ、カリウム塩の濃度が増すに従って、ポリアクリルア
ミドゲル支持体自体の染色程度が抑えられた。また、塩
化カリウム濃度が高くなるに従って、タンパク質の染色
程度は低くなったが、いずれの場合も十分に泳動像が検
出できた。塩化カリウム濃度は、2%(重量/容量)の
時に最も鮮明に泳動像が確認できた。
【0030】実施例6 第1液として、C.I.アシッドブルー83を0.5%
(重量/容量)およびエタノールを50%(容量/容
量)含有する水溶液、第2液として、酢酸を50%(容
量/容量)および塩化カリウム10%(重量/容量)含
有する水溶液を調製し、両液を1カ月間室温にて保存し
た後、観察した結果、両液に沈澱の発生は認められなか
った。また、室温で1カ月間保存した後に、精製水60
mlに第2液20mlを添加して攪拌混和後、第1液を
20ml添加して混和することにより、色素水溶液を調
製した。この色素水溶液を用いて、実施例1と同様に電
気泳動したポルアクリルアミドゲルを染色したところ、
実施例1と同様の結果が得られた。
(重量/容量)およびエタノールを50%(容量/容
量)含有する水溶液、第2液として、酢酸を50%(容
量/容量)および塩化カリウム10%(重量/容量)含
有する水溶液を調製し、両液を1カ月間室温にて保存し
た後、観察した結果、両液に沈澱の発生は認められなか
った。また、室温で1カ月間保存した後に、精製水60
mlに第2液20mlを添加して攪拌混和後、第1液を
20ml添加して混和することにより、色素水溶液を調
製した。この色素水溶液を用いて、実施例1と同様に電
気泳動したポルアクリルアミドゲルを染色したところ、
実施例1と同様の結果が得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明の色素水溶液は、ポリアクリルア
ミドゲル支持体自体の染色を抑えたまま、ポリアクリル
アミドゲルに支持されたタンパク質の染色を可能とする
色素水溶液を提供でき、簡易に、短時間で、感度良くポ
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質を染色
し、視覚的に確認可能とすることのできる色素水溶液を
提供できる。
ミドゲル支持体自体の染色を抑えたまま、ポリアクリル
アミドゲルに支持されたタンパク質の染色を可能とする
色素水溶液を提供でき、簡易に、短時間で、感度良くポ
リアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質を染色
し、視覚的に確認可能とすることのできる色素水溶液を
提供できる。
【0032】また、本発明の染色キットは、長期間の保
存が可能で、必要時に簡単に前記色素水溶液を調製可能
とするポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
の染色用キットを提供することができる。
存が可能で、必要時に簡単に前記色素水溶液を調製可能
とするポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク質
の染色用キットを提供することができる。
【0033】更に、本発明のポリアクリルアミドに支持
されたタンパク質の染色方法は、泳動像を鮮明にし、短
時間の内に微量のタンパク質の泳動像を確認可能とする
感度の優れたポリアクリルアミドに支持されたタンパク
質の染色方法を提供することができる。
されたタンパク質の染色方法は、泳動像を鮮明にし、短
時間の内に微量のタンパク質の泳動像を確認可能とする
感度の優れたポリアクリルアミドに支持されたタンパク
質の染色方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447 G01N 33/68
Claims (3)
- 【請求項1】 C.I.アシッドブルー83またはC.
I.アシッドブルー90を0.005〜2%(重量/容
量)、エタノールまたはメタノールを5〜40%(容量
/容量)、酢酸を5〜20%(容量/容量)、更に、カ
リウム、ナトリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸
塩およびカリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた
少なくとも1種の塩を0.4%〜10%(重量/容量)
含有することを特徴とするポリアクリルアミドゲルに支
持されたタンパク質染色用の色素水溶液。 - 【請求項2】 第1液がC.I.アシッドブルー83ま
たはC.I.アシッドブルー90およびエタノールまた
はメタノールを含有する水溶液、第2液がカリウム、ナ
トリウム、リチウムの塩化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、亜硫酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、クエン酸塩および
カリウム、ナトリウムのリン酸塩より選ばれた少なくと
も1種の塩と酢酸とを含有する水溶液から構成され、第
1液と第2液を直接に混合するか、または、両液を水で
希釈した後に混合して請求項1に記載の色素水溶液とす
るためのポリアクリルアミドゲルに支持されたタンパク
質染色用の染色キット。 - 【請求項3】 タンパク質を電気泳動したポリアクリル
アミドゲルを請求項1に記載の色素水溶液に接触させた
後、ポリアクリルアミドゲルの表面に付着している色素
水溶液を水洗して除去し、更に、40から80℃の温水
に接触させて、ポリアクリルアミドゲル内部に浸透して
いる色素水溶液を除去することを特徴とするポリアクリ
ルアミドゲルに支持されたタンパク質の染色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04289951A JP3088861B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | タンパク質染色用の色素水溶液、染色キットおよび染色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04289951A JP3088861B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | タンパク質染色用の色素水溶液、染色キットおよび染色方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06138088A JPH06138088A (ja) | 1994-05-20 |
JP3088861B2 true JP3088861B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=17749850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04289951A Expired - Fee Related JP3088861B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | タンパク質染色用の色素水溶液、染色キットおよび染色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3088861B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100498203B1 (ko) * | 2002-08-01 | 2005-07-01 | (주)이지바이오 팩 | 은 이온 감응제로서 염료 조성물을 이용하는폴리아크릴아미드 겔 상의 단백질의 검출방법 및 이를위한 은 이온 감응제로서의 염료 조성물 |
GB2436048B (en) * | 2004-12-06 | 2009-02-11 | Nat Inst Of Advanced Ind Scien | Method of separating protein, method of staining protein and liquid protein-staining agent and protein-staining kit to be used in these methods |
JP6104703B2 (ja) * | 2013-05-17 | 2017-03-29 | 日本電子株式会社 | 電子顕微鏡観察用染色剤および電子顕微鏡観察用試料の染色方法 |
CN106482999A (zh) * | 2016-08-27 | 2017-03-08 | 苏州泽科生物科技有限公司 | 一种基于活性染料的page胶分离蛋白快速染色脱色试剂盒 |
-
1992
- 1992-10-28 JP JP04289951A patent/JP3088861B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06138088A (ja) | 1994-05-20 |
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---|---|---|---|
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