JP3088724B1 - 脱硝・焙焼・還元システム - Google Patents

脱硝・焙焼・還元システム

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JP3088724B1
JP3088724B1 JP2000024973A JP2000024973A JP3088724B1 JP 3088724 B1 JP3088724 B1 JP 3088724B1 JP 2000024973 A JP2000024973 A JP 2000024973A JP 2000024973 A JP2000024973 A JP 2000024973A JP 3088724 B1 JP3088724 B1 JP 3088724B1
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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Abstract

【要約】 【課題】 施設規模をコンパクトにすると共に、各処理
工程での残留粉末の発生および粉末の飛散を防止する。 【解決手段】 原料保持装置51は、保持容器51A
と、スクリュー51Bとから構成した保持容器51Aは
セラミックス製のホッパからなり、略円筒状の容器本体
の上部に開口部を設け、下端に開閉可能のバルブを設置
した。スクリュー51Bは保持容器51A内において軸
線O周りに回転可能かつ軸線O方向に上昇および下降可
能とした。スクリュー51Bには保持容器51A内の粉
末を掻き取るための掻取羽根51bを備えた。混合槽3
からの混合溶液を給液装置26によって保持容器51A
に供給し、保持容器51Aを順次、脱硝処理部52と、
粗砕処理部53と、焙焼処理部54と、還元処理部55
と、粉末充填処理部56とに移動して各処理を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力関連
施設の核燃料製造工程等に使用される脱硝・焙焼・還元
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】原子力関連施設では、二酸化ウラン等の
核燃料用酸化物を得るために、先ず、硝酸ウラニルや硝
酸プルトニウム等の硝酸塩混合溶液を脱硝装置にてマイ
クロ波を照射することによって脱硝する。次に、脱硝装
置にて得られた脱硝体を粗砕装置に移して粗砕し、更
に、生成された粉体を粗砕装置から焙焼装置に移して加
熱することで焙焼処理を施す。次に、焙焼装置にて得ら
れた焙焼体を還元装置に移し、例えば水素雰囲気中にお
いて還元して核燃料用酸化物を得る。次に、この核燃料
用酸化物を粉砕装置にて粉砕し、生成した粉末を充填装
置により粉末缶に充填する。
【0003】以下に、再処理工場から移送される硝酸プ
ルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液からMOXペレット
を製造するまでの工程について、図3を参照しながら説
明する。図3は従来技術の一例によるMOXペレット製
造の工程について示すフローチャートである。先ず、硝
酸プルトニウム溶液と、硝酸ウラニル溶液が混合槽にお
いて混合され、PuとUの混合比が、例えばPu:U=
1:1となるように、混合溶液のサンプリングおよび分
析が行われる(ステップS1)。次に、混合槽の混合溶
液が給液装置等によつて脱硝皿に供給される(ステツプ
S2)。次に、脱硝装置により脱硝皿の混合溶液にマイ
クロ波を照射して加熱し、例えば多数の気孔を有する発
泡状態に固化した脱硝体を生成する(ステップS3)。
次に、必要に応じて脱硝体を乾燥、冷却して未脱硝の硝
酸と水分等を除去する(ステップS4)。次に、粗砕装
置の、例えば粗砕刃により、脱硝皿の脱硝体を例えば数
mm程度の大きさに粗砕する(ステップS5)。粗砕に
よって生成した粉末は、例えば気流輸送装置等により脱
硝皿から、例えば固気分離器へと気流輸送される(ステ
ップS6)。次いで、焙焼炉に移されてヒータ等によっ
て焙焼処理が施され(ステップS7)、さらに、還元炉
に移されて、例えば水素雰囲気中において還元処理が施
される(ステップS8)。なお、焙焼処理を行う焙焼炉
が、還元処理を行う還元炉を兼ね、焙焼処理および還元
処理が同一のグローブボックス内で行われてもよい。
【0004】還元処理が施された粉末は、粉砕機に移さ
れてサブミクロン程度、例えば0.3μm程度まで粉砕
され(ステップS9)、保管容器に移されて一時保管さ
れる(ステップS10)。次に、複数の保管容器内の粉
末を混合機に気流輸送し(ステップS11)、混合機に
おいて各保管容器内の粉末を混合することによって組成
が均一化したロットを生成する(ステップS12)。な
お、このロット混合処理の際に、粉末のサンプリングを
行って組成を確定する。次に、粉末充填機によって粉末
を粉末缶に充填し(ステップS13)、粉末缶を貯蔵容
器内に収納し、貯蔵庫にて、例えば数ケ月から数年に亘
る期間の一時貯蔵を行う(ステップS14)。
【0005】次に、例えばMOXペレツト製造用の施設
において粉末缶が貯蔵容器から取り出されて開缶される
(ステップS15)。次に、複数の粉末缶の粉末が混合
機へ移され、Puの同位体組成の均一化が行われる(ス
テップS16)。次に、この混合機にウラン粉末が加え
られ、粉末中におけるPu富化度すなわちPuの含有率
が所定の値になるように調整される(ステップS1
7)。次に、この混合機内の粉末に適宜の潤滑剤が添加
されて、成形が容易となるように粉末の流動性が調整さ
れる(ステップS18)。次に、混合機内の粉末はプレ
ス機に供給されてペレットとして成形される(ステップ
S19)。成形されたペレツトは、予備焼結炉におい
て、例えば1000℃程度の温度で予備焼結が行われ
(ステップS20)、次に、焼結炉において予備焼結よ
りも高い温度、例えば1700℃程度で本焼結が行われ
て高密度化される(ステップS21)。次に、焼結され
たペレットの表面が研削され(ステップS22)、検査
を経て(ステップS23)、MOXペレットとされる
(ステップS24)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の工程では、マイ
クロ波脱硝処理、焙焼・還元処理等にそれぞれ独立した
装置を設置すると共に、これらの処理間において、生成
された粉末を一方の装置から他方の装置に移すための気
流輸送装置が付設されているため、施設規模が大きくな
るという問題が生じる。さらに、生成される粉末は微細
であることから、流動性が乏しく凝集性が高いという性
質を有しており、例えば気流輸送装置によって脱硝皿に
保持された粉末を気流輸送した場合は、気流輪送装置の
配管内壁に粉末が付着して堆積したり、配管内に粉末が
詰まってしまう恐れがある。また、脱硝皿を反転させて
ホツパ等に粉末の移し替えを行う場合は、脱硝皿に粉末
が残留する恐れがあり、各処理が円滑に行われなくなる
恐れがある。
【0007】また、上記工程の初期段階、すなわち混合
槽で硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液とを混合
する処理において、混合溶液のサンプリングおよび分析
が行われているため、この時点でプルトニウム濃度、ウ
ラン濃度、同位体組成比等が確定しているが、これ以降
の処理において、各装置や配管等に残留する粉末が混入
することによって最終的な製品粉末の成分に変動が生じ
てしまう。このため、製品粉末を払い出す前に、再度、
サンプリングおよび分析を行う必要があり、手間がかか
るという問題がある。また、脱硝皿の上で生成した粉末
を取り出す際には、脱硝皿をホッパ等の上部開口部にお
いて反転させる方法、あるいは、脱硝皿の上方から気流
輸送装置によって吸引する方法のいずれか一方を選択す
る必要があるが、これらの方法では、微細な粉末が飛散
してしまうことが避けられないという問題がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、施設規模をコンパクトにすると共に、各処理工程で
の残留粉末の発生および粉末の飛散を防止することが可
能な脱硝・焙焼・還元システムを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る
目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の脱硝
・焙焼・還元システムは、硝酸塩を含む被処理物を脱硝
する脱硝処理部と、脱硝後の前記被処理物を焙焼する焙
焼処理部と、焙焼後の前記被処理物を還元する還元処理
部とを具備する脱硝・焙焼・還元システムであって、前
記被処理物が供給される開口部を上部に有し、前記被処
理物を重力により排出するための排出機構を下部に有す
る保持容器を備え、前記被処理物は、前記保持容器に保
持された状態で前記各処理部に移動させられて前記各処
理が施されることを特徴としている。
【0010】上記の脱硝・焙焼・還元システムによれ
ば、保持容器に被処理物を保持したままで脱硝処理、焙
焼処理、還元処理の各処理を施すことができるため、例
えば各処理毎に独立した装置が設置され、各装置間で被
処理物を移送するための移送ライン等が付設されている
場合に比べて施設規模をコンパクトにすることができ
る。また、例えば被処理物が微細な粉末であっても、各
処理毎に被処理物を移し替えたり、例えば各装置間で気
流輸送等によって輸送することがないため、各処理毎に
残留粉末が発生することを防ぐことができる。これによ
り、一連の処理工程において残留粉末が被処理物に混入
することが無く、被処理物の組成等が変化することがな
いため、被処理物の組成等を確定するためのサンプリン
グおよび分析は一度だけ行えばよく、最終的に被処理物
を払い出すまでの一連の処理工程を合理化することがで
きる。さらに、一連の処理工程が終了した後には、保持
容器の下部に設けられた排出機構を介して、重力の作用
により被処理物が排出されるため、たとえ被処理物が微
細な粉末であっても飛散する恐れが無く、円滑な処理が
可能となる。
【0011】さらに、請求項2に記載の本発明の脱硝・
焙焼・還元システムは、前記保持容器は回転軸線を有す
るスクリューが挿入可能とされており、前記スクリュー
は前記被処理物を粉砕することを特徴としている。上記
の脱硝・焙焼・還元システムによれば、保持容器内に被
処理物を保持したまま粉砕することができ、粉砕処理用
に専用の装置を設置する必要がなく、施設規模をより一
層コンパクトにすることができる。さらに、被処理物を
例えば粉砕機等へと移し替える必要がないため、例えば
粉砕機内の残留粉末によつて被処理物の成分等が変化す
ることを防止することができる。
【0012】また、例えばスクリューの回転速度等を調
整することによって、粉砕により生成される粉末の粒径
を調節することが可能となり、例えば必要以上に微細な
粉末を形成することによって粉末の流動性が劣化した
り、粉末の凝集性が強くなりすぎることを防ぐことが可
能となり、粉末の成形を容易にすることができる。ま
た、スクリューの回転により被処理物を攪拌することが
できるため、例えば粉末化された被処理物の流動性を調
整するために潤滑剤を混入する際には、潤滑剤を均一に
分散させることが可能となり、流動性調整のために専用
の設備を必要とすることが無く、施設規模をコンパクト
にすることができると共に、被処理物の成分等が変化す
ることを防止することができる、さらに、請求項3に記
載の本発明の脱硝・焙焼・還元システムは、前記スクリ
ューは掻取羽根を備えており、前記保持容器から前記被
処理物を排出する際に、前記被処理物が残留しないよう
に掻き取ることを特徴としている。上記の脱硝・焙焼・
還元システムによれば、保持容器から被処理物を排出す
る際に、スクリューに備えられた掻取羽根によって保持
容器内の被処理物を掻き取ることができ、保持容器内に
被処理物が残留することを防ぐことができる。このた
め、保持容器に再び被処理物を供給した場合でも、被処
理物の成分等が変化することを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。以下、本発明の脱硝・焙焼・還元システム
の一実施形態について添付図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明の一実施形態に係わる脱硝・焙焼・還
元システム50の構成図である。脱硝・焙焼・還元シス
テム50は、Pu貯槽1の硝酸プルトニウム溶液と、U
貯槽2の硝酸ウラニル溶液とからなる混合槽3内の混合
溶液を処理するシステムであって、原料保持装置51
と、脱硝処理部52と、粗砕処理部53と、焙焼処理部
54と、還元処理部55と、粉末充填処理部56とから
構成されている。ここで、原料保持装置51と、各処理
部52、53、54、55、56とは、例えば同一グロ
ーブボックス内に設置されている。
【0014】なお、Pu貯槽1は、例えば円環槽からな
り、硝酸プルトニウム溶液が含まれており、U貯槽2
は、例えばスラブ型の溶液槽からなり、硝酸ウラニル溶
液が含まれている。混合槽3は、例えば円環槽からな
り、Pu富化度すなわちPuの含有率およびPuの同位
体組成等が所定の設定となるように、混合溶液のサンプ
リングおよび分析が行われる。
【0015】原料保持装置51は、保持容器51Aと、
スクリュー51Bとから構成されていて、被処理物を保
持したまま各処理部52、53、54、55、56に移
動して各処理が施されるものである。保持容器51A
は、例えばセラミツクス製のホッパからなり、例えば略
円筒状の容器本体は上端部が開口されており、上下方向
の適宜の位置から下端に向かうに従って縮径されたテー
パ状の内周面を有しており、下端部には、例えばバルブ
等からなる排出機構が設けられている。混合槽3からの
混合溶液は、給液装置26によつて保持容器51A上端
の開口部から給液され、保持容器51A下端のバルブに
よって密閉状態に保持される。スクリュー51Bは、例
えばレーキ付きオーガからなり、保持容器51A内の粉
末等を掻き取るための掻取羽根51bを備えた縦型スク
リューであって、保持容器51A内において軸線O周り
に回転可能かつ軸線O方向に上昇および下降可能とされ
ている。
【0016】脱硝処理部52は、例えばマイクロ波脱硝
装置からなり、原料保持装置51の外部からマイクロ波
を照射することによって、保持容器51Aを透過したマ
イクロ波により混合溶液が加熱され、例えば多数の気孔
を有する発泡状態に固化した脱硝体が形成される。粗砕
処理部53は、保持容器51A内の脱硝体を粗砕する。
ここでは、軸線周りに回転させられたスクリュー51B
が、保持容器51Aの上方から下降させられ、保持容器
51A内の脱硝体を粗砕して粉末を形成する。なお、粗
砕処理部53は、例えば予焙焼用のヒータ53a等を備
えていてもよく、このヒータにより粉末の例えば揮発性
成分の除去等を行う。焙焼処理部54は、例えばヒータ
54a等を備えており、空気雰囲気中において、ヒータ
54aにより保持容器51Aを外部から加熱することに
よって焙焼処理が施される。還元処理部55は、焙焼処
理部54と同様に、例えばヒータ55a等を備えている
と共に、例えば水素ガス等の還元性ガスの供給器を備え
ており、保持容器51A内の粉末を還元性ガス雰囲気中
で還元処理する。粉末充填処理部56は、例えばアルミ
ニウムからなる粉末缶41を備えており、この粉末缶4
1の上端開口部において保持容器51A下端に設けられ
たバルブを開くことによって、粉末缶41に粉末を排出
する。
【0017】本実施の形態による脱硝・焙焼・還元シス
テム50は上記構成を備えており、次に、脱硝・焙焼・
還元システム50を介して、再処理工場から移送される
硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液からMOXペ
レットを製造するまでの工程について図1および図2を
参照しながら説明する。図2はMOXペレット製造の工
程について示すフローチャートである。なお、各処理部
での処理内容は従来と同様であるので詳細な説明は省略
する。先ず、硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液
が混合槽3において混合され、Pu富化度すなわちPu
の含有率およびPuの同位体組成等が所定の設定となる
ように、混合溶液のサンプリングおよび分析が行われる
(ステップS31)。次に、混合槽3の混合溶液が給液
装置26によつて原料保持装置51の保持容器51A内
に供給される(ステップS32)。この時、保持容器5
1A下端のバルブは密閉状態に閉じられ、混合溶液は保
持容器51A内に保持される。さらに、予め原料保持装
置51は、原料保持装置51内の脱硝処理部52に配置
されており、保持容器51Aの外部からマイクロ波が照
射される。保持容器51Aを透過したマイクロ波は、内
部に保持された混合溶液を加熱し、例えば多数の気孔を
有する発泡状態に固化した脱硝体を生成する(ステップ
S33)。次に、必要に応じて脱硝体を乾燥、冷却して
未脱硝の硝酸と水分等を除去する(ステップS34)。
次に、原料保持装置51は粗砕処理部53に移される。
ここでは、軸線O周りに回転させられたスクリュー51
Bが、保持容器51Aの上方から下降させられ、保持容
器51A内の脱硝体を粗砕して適宜の大きさの粉末を形
成する(ステップS35)。
【0018】次に、原料保持装置51は焙焼処理部54
に移されて、保持容器51Aの外部からヒータ54a等
により加熱される。なお、この焙焼処理は例えば空気雰
囲気中において行われる(ステップS36)。次に、原
料保持装置51は還元処理部55に移されて、例えば水
素ガス等の還元性ガス雰囲気中において、保持容器51
Aの外部からヒータ54a等により加熱されることによ
って還元処理が施される(ステップS37)。ここで、
保持容器51A内に還元性ガスを供給する際には、例え
ば、保持容器51A下端に設けられたバルブを介して供
給する。次に、原料保持装置51は粉末充填処理部56
に移される。ここでは、先ず、必要に応じて粉末の流動
性が調整される。この場合、例えば保持容器51A内で
スクリュー51Bを回転させて粉末を攪拌しながら適宜
の潤滑剤を混入して分散させる。次に、保持容器51A
は粉末缶41の上端開口部の上方に設置され、保持容器
51A下端のバルブが開かれることによって、粉末缶4
1に粉末が排出される。この時、保持容器51A内でス
クリュー51Bを回転させながら軸方向に上昇あるいは
下降させることによって、スクリュー51Bに備えられ
た掻取羽根51bが保持容器51A内の粉末を掻き取
り、保持容器51A内に粉末が残留しないようにされて
いる(ステップS38)。
【0019】上記構成の脱硝・焙焼・還元システム50
によれば、マイクロ波脱硝処理、焙焼処理、還元処理等
を、例えば同一のグローブボックス内において行うこと
ができ、各処理毎に独立した装置が設置されていないこ
とから、装置間に例えば気流輸送装置等の粉末輪送ライ
ンを設置する必要が無く、施設規模をコンパクトにする
ことができる。また、混合槽23から給液される混合溶
液、および混合溶液の脱硝・粗砕処理によって得られる
粉末は原料保持装置51の保持容器51A内に保持され
ており、粉末缶41に粉末が充填されるまでの処理工程
においては、保持容器51Aが各処理部52、53、5
4、55、56を移動するだけであるから、例えば気流
輸送等を行った際に配管内壁に粉末が付着して堆積した
り、例えば粉末の移し替えを行った際に残留粉末が発生
することが無く、各処理工程を円滑に行うことが可能と
なる。さらに、各処理工程において、例えば残留する粉
末等の混入の恐れがないため、初期段階すなわち混合槽
3で硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液とを混合
する時点でPu富化度の調整を行うことができ、最終的
な製品粉末を払い出す直前に粉末のサンプリングおよび
分析を行う必要が無く、MOXペレットの製造工程を合
理化することができる。
【0020】また、各処理工程において、例えば粉末の
移し替えが無いことに加えて、粉末缶41に粉末を充填
する際には、保持容器51A下端のバルブを介して重力
により粉末を排出することができるため、例えば脱硝皿
を反転させる場合のように微細な粉末が飛散してしまう
ことを避けることができる。さらに、保持容器51Aか
ら粉末を排出する際には、保持容器51A内に挿入され
たスクリュー51Bの掻取羽根51bによって保持容器
51A内の粉末を掻き取ることができ、保持容器51A
内に粉末が残留することを防ぐことができる。また、ス
クリュー51Bの例えば回転数を調整することによつ
て、粉砕して形成する粉末の粒径を調整することが可能
となり、例えば必要以上に微細な粉末を形成することに
よって粉末の流動性が劣化したり、粉末の凝集性が強く
なりすぎることを防ぐことが可能になると共に、スクリ
ュー51Bの攪拌作用によって粉末内に混入された潤滑
剤を均一に分散させることが可能となり、粉末の流動性
調整のために専用の設備を必要とせず、施設規模をコン
パクトにすることができると共に、初期段階で確定した
Pu富化度等を維持することができる。
【0021】なお、本実施の形態においては、保持容器
51A下端のバルブを介して還元性ガスを供給するとし
たが、これに限定されず、スクリュー51Bを例えば中
空軸構造として、この中空軸を介して供給してもよい。
また、保持容器51A内からスクリュー51Bを引き出
すのは粉末充填処理部56に限定されず、焙焼処理部5
4または還元処理部55であってもよい。また、保持容
器51Aから粉末を排出する際には単に粉末に作用する
重力のみを利用して排出してもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明の脱硝・焙焼・還元システムによれば、保持容器に
被処理物を保持したままで脱硝処理、焙焼処理、還元処
理の各処理を施すことができるため、施設規模をコンパ
クトにすることができると共に、一連の処理工程を合理
化することができる。さらに、一連の処理工程が終了し
た後には、保持容器の下部に設けられた排出機構を介し
て、重力の作用により被処理物が排出されるため、たと
え被処理物が微細な粉末であっても飛散する恐れが無
く、円滑な処理が可能となる。請求項2記載の本発明の
脱硝・焙焼・還元システムによれば、保持容器内に被処
理物を保持したまま粉砕することができ、粉砕処理用に
専用の装置を設置する必要が無く、施設規模をより一層
コンパクトにすることができる。さらに、被処理物を例
えば粉砕機等へと移し替える必要がないため、被処理物
の成分等が変化することを防止することができる。請求
項3記載の本発明の脱硝・焙焼・運元システムによれ
ば、保持容器から被処理物を排出する際に、スクリュー
に備えられた掻取羽根によって保持容器内に被処理物が
残留することを防ぐことができ、保持容器に再び被処理
物を供給した場合でも、被処理物の成分等が変化するこ
とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる脱硝・焙焼・還
元システムの構成図である。
【図2】 図1に示す脱硝・焙焼・還元システムを介し
てMOX ペレットを製造する工程について示すフローチャ
ート図である。
【図3】 従来技術の一例によるMOXペレット製造の
工程について示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…Pu貯槽、2…U貯槽、3…混合槽、4…粉末缶、
50…脱硝・焙焼・還元システム、51…原料保持装
置、51A…保持容器、51B…スクリュー、52…脱
硝処理部、53…粗砕処理部、54…焙焼処理部、55
…還元処理部、56…粉末充填処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 ▲皓▼ 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三 菱マテリアル株式会社 システム事業セ ンター内 (72)発明者 吉村忠宏 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三 菱マテリアル株式会社 システム事業セ ンター内 (56)参考文献 特開 平11−109089(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 19/46 G21C 3/62 G21C 21/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸塩を含む被処理物を脱硝する脱硝処
    理部と、脱硝後の前記被処理物を焙焼する焙焼処理部
    と、焙焼後の前記被処理物を還元する還元処理部とを具
    備する脱硝・焙焼・還元システムであって、 前記被処理物が供給される開口部を上部に有し、前記被
    処理物を重力により排出するための排出機構を下部に有
    する保持容器を備え、 前記被処理物は、前記保持容器に保持された状態で前記
    各処理部に移動させられて前記各処理が施されることを
    特徴とする脱硝・焙焼・還元システム。
  2. 【請求項2】 前記保持容器は回転軸線を有するスクリ
    ューが挿入可能とされており・前記スクリューは前記被
    処理物を粉砕することを特徴とする請求項1記載の脱硝
    ・焙焼・還元システム。
  3. 【請求項3】 前記スクリューは掻取羽根を備えてお
    り、前記保持容器から前記被処理物を排出する際に、前
    記被処理物が残留しないように掻き取ることを特徴とす
    る請求項2記載の脱硝・焙焼・還元システム。
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