JP3087392B2 - 2サイクル断熱エンジン - Google Patents

2サイクル断熱エンジン

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JP3087392B2
JP3087392B2 JP03301222A JP30122291A JP3087392B2 JP 3087392 B2 JP3087392 B2 JP 3087392B2 JP 03301222 A JP03301222 A JP 03301222A JP 30122291 A JP30122291 A JP 30122291A JP 3087392 B2 JP3087392 B2 JP 3087392B2
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッドに排
気ポートを且つシリンダ下部に掃気ポートを形成し且つ
ターボチャージャとエネルギー回収装置を備えた断熱構
造の燃焼室を有する2サイクル断熱エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2ストローク即ち2サイクルで
作動される断熱エンジンは、シリンダヘッドに排気ポー
トを備え且つシリンダ下部に掃気ポートを備えた燃焼室
を断熱構造に形成したものであり、クランクシャフト1
回転ごとに1回爆発し、吸入、圧縮、燃焼及び排気・掃
気の4つの作用をピストンの2行程で終了するものであ
る。そして、2サイクルエンジンは、吸気と掃気とを同
時に掃気ポートから導入して行うものである。燃焼室の
断熱構造としては、ピストンヘッド部、シリンダヘッド
部或いはシリンダ部に形成した主室、又はシリンダヘッ
ドに形成した副室をセラミックス等の断熱材或いは耐熱
材を用いて構成している。また、金属製シリンダヘッド
に形成した副室とシリンダ上部に形成した主室とを断熱
構造に構成した断熱エンジンでは、シリンダヘッドに形
成した穴にセラミックスから成る断熱ブロックを配置し
て構成することができる。
【0003】従来、2サイクル断熱エンジンとして、例
えば、特開平3−50363号公報に開示されたものが
ある。この2サイクル断熱エンジンは、ヘッド下面部と
ライナ上部とを断熱構造に構成し、ヘッド下面部に形成
した排気ポートに排気バルブを配置し、ライナ上部とシ
リンダ下部との境界部に断熱ガスケットを配置し、シリ
ンダ下部に多数の吸気口を形成し、該吸気口をシリンダ
下部外周に形成した吸気ポートに開口したものである。
更に、2サイクル断熱エンジンでは、通常、吸気ポート
に過給機を連結したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、断熱エンジ
ンについては、通常の水冷エンジンに比較して燃焼室壁
面が高温となるため、吸入行程で吸入空気が膨張して空
気供給量が低減することになる。特に、吸入空気が圧縮
行程でシリンダ内壁、燃焼室内壁等から受熱するため、
圧縮端温度が高くなる。圧縮端温度が高くなると、圧縮
仕事は水冷エンジンより大となり、断熱エンジンのサイ
クル効率向上を妨げる原因になる。また、圧縮端温度が
高いと、燃焼の悪化を引き起こす原因になる。更に、圧
縮端温度が高温になると、エンジン内での作動ガス温度
が高く、壁面を高温に維持しているにもかかわらず、壁
面との温度差が大になり、断熱度が低下し、燃焼室壁面
及びシリンダヘッドを通じて放熱エネルギーが増大す
る。
【0005】そこで、断熱エンジンでは、吸気を排気ガ
スの影響が少ない比較的に温度の低いシリンダ下部に形
成した掃気ポートから導入し、排気をシリンダヘッドに
形成した排気ポートから排出する2サイクルエンジンが
好ましいことになる。
【0006】しかしながら、2サイクルエンジンでは、
ピストンの作動行程上、吸気と掃気とを同時に行う必要
があるため、エンジンの排気ガスが排出されるシリンダ
ヘッドに形成した排気ポート或いは排気管における圧力
即ち排気圧は、給気の圧力即ちブースト圧より上げるこ
とが困難であり、エンジンのほとんどの作動領域でター
ボチャージャによる過給ができないものである。そこ
で、図3に示すように、2サイクルエンジン40では、
吸気通路42を通じて十分な吸気と掃気を行うため、ル
ーツブロワ41のような機械式過給機(場合によって
は、電動式過給機)を用いている。図3において、符号
43は排気通路を示す。一般に、ルーツブロワは、ハウ
ジングの中を互いに反対方向に回転する一対のまゆ形ロ
ータにより空気を送り出すポンプであり、エンジンに取
り付ける場合には、エンジンの回転力、例えば、クラン
クシャフトから回転力が歯車を介して伝達されるように
構成されている。そのため、ルーツブロワは、回転数が
エンジン回転数に対応するため、高回転域でのブースト
圧の不足が問題になっている。
【0007】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、回転電機を持つターボチャージャ
とエネルギー回収装置とを排気ガスの流れに直列に配置
し、ターボチャージャとエネルギー回収装置との間にバ
イパスバルブを設け、常に排気圧がブースト圧より低く
なるようにバイパスバルブの開閉をコントローラで制御
した2サイクル断熱エンジンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダヘッドに形成した排気ポートとシリン
ダ下部に掃気ポートを備え且つ断熱構造の燃焼室を有す
る2サイクル断熱エンジンにおいて、排気系に配置した
回転電機を持つターボチャージャ、該ターボチャージャ
の下流に配置した発電機を持つエネルギー回収装置、前
記ターボチャージャと前記エネルギー回収装置の間に設
けたバイパスバルブ、ブースト圧と排気圧とを検出する
センサー、及び該各センサーの検出値に応答して前記バ
イパスバルブを開閉して排気圧がブースト圧より低くな
るように制御するコントローラ、を有する2サイクル断
熱エンジンに関する。
【0009】また、この2サイクル断熱エンジンにおい
て、前記コントローラはブースト圧が排気圧より高い
時、前記回転電機を電動機運転すると共に、前記バイパ
スバルブを閉鎖して排気ガスを前記エネルギー回収装置
に送り込んで発電し、該電力を前記回転電機に直接供給
し、また、排気圧がブースト圧より高い時、前記バイパ
スバルブを開放して排気ガスを逃がして排気圧を低下さ
せる制御を行うものである。
【0010】
【作用】この発明は、上記のように構成され、次のよう
に作用する。即ち、この2サイクル断熱エンジンは、排
気系に回転電機を持つターボチャージャを配置し、該タ
ーボチャージャの下流に発電機を持つエネルギー回収装
置を配置し、前記ターボチャージャと前記エネルギー回
収装置の間にバイパスバルブを設け、コントローラによ
ってブースト圧と排気圧とを検出するセンサーの検出値
に応答して前記バイパスバルブの開閉制御するので、ブ
ースト圧が排気圧より常に高くなるように制御でき、吸
気と掃気を同時に行っても高回転域での高ブースト圧及
び低負荷時での過給を可能にすることができる。
【0011】即ち、排気圧が高い時には、前記バイパス
バルブを絞ってバイパス通路から排気ガスを逃がし、前
記エネルギー回収装置を非作動状態にし、前記ターボチ
ャージャの前記回転電機を電動機運転して過給を行い、
適正なブースト圧を確保して燃焼を良好にし、また、排
気圧が高い時には、前記ターボチャージャはターボ運転
が可能になるので、前記バイパスバルブを開放して排気
ガスを前記エネルギー回収装置へ送り込み、前記エネル
ギー回収装置を作動して発電機で発電し、該電力を前記
回転電機に直接的を供給するか、場合によってはバッテ
リーに蓄電するように制御できる。
【0012】
【実施例】以下、図1を参照して、この発明による2サ
イクル断熱エンジンの実施例を説明する。図1はこの発
明による2サイクル断熱エンジンの一実施例を示す概略
説明図である。
【0013】図1に示す2サイクル断熱エンジン1は、
クランクシャフトの1回転で1回爆発を行うタイプであ
り、2ストローク即ち2サイクルで作動され、吸入、圧
縮、燃焼及び排気・掃気の4つの作用がピストンの2ス
トロークで行われるものである。この2サイクル断熱エ
ンジン1は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料か
ら成るシリンダブロック21、該シリンダブロック21
に金属ガスケット等のガスケットを介在して固定したア
ルミニウム合金等の金属材料から成るシリンダヘッド1
9を有している。シリンダブロック21には、エンジン
1の気筒数に対応する複数個の孔が形成され、該孔には
シリンダを形成するシリンダライナが嵌合している。ま
た、シリンダヘッド19には、例えば、エンジン1の気
筒数に対応即ちシリンダに対応する穴が形成されてい
る。該穴には、主室の一部を構成するヘッドライナが嵌
合しており、該ヘッドライナはヘッド下面部とライナ上
部から構成されている。ライナ上部で形成されるシリン
ダとシリンダライナで形成されるシリンダには、主室の
一部を形成したピストン22が往復運動するように組み
込まれる。直接噴射式燃焼室の場合には主室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルを設ける。或いは、シリンダヘッ
ド19には断熱構造の副室を構成することもでき、その
場合には副室に燃料噴射ノズルが配置されている。
【0014】2サイクル断熱エンジン1は、排気バルブ
24をシリンダヘッド19に配置して掃気作用をシリン
ダ中心線に対して一定方向の気流によって行わせ、エン
ジン1の効率をアップさせたユニフロータイプに構成で
きるものである。2サイクル断熱エンジン1は、シリン
ダヘッド19に形成された1個又は複数個のポートは、
排気ポート18として機能するものである。排気ポート
18には断熱構造としたポートライナが配置されてい
る。また、シリンダヘッド下面部或いはヘッドライナに
形成された排気ポート18の入口部に形成されたバルブ
シートには、開閉作動する排気バルブ24が配置されて
いる。シリンダヘッド19に形成された穴には、耐熱性
で且つ断熱性を有する窒化ケイ素Si3 4 、チタン酸
アルミニウムAl2 TiO5 等のセラミックスから製作
した断熱ブロックが嵌入し、燃焼室を断熱構造に構成し
ている。
【0015】また、2サイクル断熱エンジン1におい
て、シリンダブロック21の孔に嵌合したシリンダライ
ナのシリンダ下部には、掃気ポート25が形成されてい
る。この2サイクル断熱エンジン1において、シリンダ
ブロック21に嵌合したシリンダライナの下部には、周
方向に複数個(場合によっては1個)の掃気ポート開孔
部即ち掃気ポート25が形成され、該掃気ポート25は
シリンダブロック21の孔の周囲に形成された環状掃気
通路に常時連通状態に形成されている。該環状掃気通路
は吸気通路14に連通している。吸気通路14には、タ
ーボチャージャ2の過給機即ちコンプレッサ9から送ら
れる空気即ち掃気が送り込まれるように構成されてい
る。
【0016】2サイクル断熱エンジン1において、シリ
ンダライナ及びヘッドライナで形成されるシリンダ内を
往復運動するピストン22は、該ピストン22のピスト
ンヘッドの頂面が掃気ポート25の上壁面より下方に降
下することで、掃気即ち空気がシリンダ内に導入され
る。ピストン22は、例えば、窒化ケイ素Si3 4
チタン酸アルミニウムAl2 TiO5 等のセラミックス
から断熱構造に構成したピストンヘッド部と、該ピスト
ンヘッド部にメタルフロー金属等で断熱ガスケットを介
在して固定したアルミニウム合金等の金属材料から成る
ピストンスカート部から構成されている。
【0017】この2サイクル断熱エンジンは、特に、エ
ンジン1の排気通路10に配置した回転電機7を持つタ
ーボチャージャ(TCG)2、該ターボチャージャ2の
下流に配置した発電機11を持つターボゼネレータ(T
G)即ちエネルギー回収装置3、ターボチャージャ2と
エネルギー回収装置3との間の排気通路13に設けたバ
イパスバルブ4、ブースト圧P1 を検出するセンサー
6、排気圧P2 を検出するセンサー5、及び該各センサ
ー5,6の検出値に応答してバイパスバルブ4を開閉し
てブースト圧P1 が排気圧P2 より高くなるように制御
するコントローラ20を有している。ターボチャージャ
2は、エンジン1から排気マニホルド、排気管等の排気
通路10を通じて排気される排気ガスEGの排気ガスエ
ネルギーで駆動されるタービン8、該タービン8に連結
したシャフト23に取り付けたコンプレッサ9及びター
ビン8とコンプレッサ9との間に配置された発電・電動
機である回転電機7から構成されている。コンプレッサ
9は、タービン8が排気ガスEGで駆動されることによ
ってシャフト23を通じて作動され、空気Aを圧縮して
吸気通路14を通じてエンジン1に送り込む。
【0018】また、エネルギー回収装置3は、ターボチ
ャージャ2の下流の排気通路13に配置したタービン1
2と該タービン12によって発電する発電機11から構
成されている。この発電機11はターボチャージャ2の
回転電機7の仕様に合わせて製作され、発電機11で発
電した電力は回転電機7に直接供給できるように構成す
ることが好ましい。バイパスバルブ4は、ウェィストゲ
ートとして機能するものであり、コントローラ20の指
令で開閉する。バイパスバルブ4がエネルギー回収装置
3への排気通路13を閉鎖すると、大気へ開放のバイパ
ス通路26が開放し、バイパスバルブ4の上流側の排気
通路13が大気開放になり、従って、排気通路10の排
気圧P2 が低下する。また、バイパスバルブ4がエネル
ギー回収装置3への排気通路13を開放すると、大気へ
開放のバイパス通路26は閉鎖し、エネルギー回収装置
3のタービン12が駆動して発電機11が発電を行うこ
とになる。この時、エネルギー回収装置3の上流側の排
気通路13の排気圧P2 は上昇することになる。
【0019】この2サイクル断熱エンジン1において、
コントローラ20には、排気通路10に設置したセンサ
ー5によって検出された排気圧P2 及び吸気通路14に
設置したセンサー6によって検出されたブースト圧P1
が入力される。更に、コントローラ20には、回転セン
サー15によって検出されたエンジン回転数N及び負荷
センサー16によって検出されたエンジン負荷Lが入力
される。コントローラ20は、上記各検出信号即ちエン
ジン1の作動状態に応答して、ターボチャージャ2の回
転電機7が電動機運転又は発電機運転のいずれかの運転
を行うように制御すると共に、バイパスバルブ4を開閉
制御してエネルギー回収装置3の発電機11で発電する
か又は非作動状態にする制御を行うものである。回転電
機7を電動機運転する時は、発電機11で発電した電力
を回転電機7に直接供給するか、或いはバッテリー17
から回転電機7に電力を供給し(力行)、また、回転電
機7を発電機運転する時は、回転電機7で発電した電力
をバッテリー17に蓄電する(回生)。更に、エネルギ
ー回収装置3の発電機11で発電した電力はバッテリー
17に蓄電する(回生)。
【0020】更に、コントローラ20は、ブースト圧P
1 が排気圧P2 より高い時、回転電機7を電動機運転す
ると共に、バイパスバルブ4を閉鎖して排気ガスEGを
排気通路13を通じてエネルギー回収装置3のタービン
12に送り込み、エネルギー回収装置3の発電機11で
発電する。また、コントローラ20は、排気圧P2 がブ
ースト圧P1 より高い時、バイパスバルブ4を開放して
排気ガスEGを逃がしてエネルギー回収装置3に送り込
まず、排気通路10,13内にかかる排気圧P2 を低下
させる制御を行うものである。
【0021】次に、図2を参照して、この2サイクル断
熱エンジンの作用を説明する。図2は図1に示す2サイ
クル断熱エンジンの作動状態を示す処理フロー図であ
る。この2サイクル断熱エンジン1は、上記のように、
電気駆動式過給即ち電動機運転又は発電機運転とを行う
回転電機7を備えたターボチャージャ2と高速発電機1
1を備えたエネルギー回収装置3を備え、エンジン1の
高回転域での高ブースト圧P1 を可能にすると共に、エ
ンジン1の低負荷状態の作動領域での過給を可能にした
ものである。
【0022】この2サイクル断熱エンジン1について
は、エンジン回転数Nが高回転域では、吸気と掃気を同
時に行うので、エンジン1では空気の消費は大きく、そ
れに応じてブースト圧P1 を高くしなければならないの
で、回転電機7を電動機運転してコンプレッサ9の機能
を上げ、掃気ポート25から大量の給気をエンジン1に
送り込んで過給する。また、エンジン負荷Lが低負荷時
には、排気圧P2 は低く、排気エネルギーは小さいの
で、ターボチャージャ2の機能は低下する。そこで、回
転電機7を電動機運転してコンプレッサ9の機能を上
げ、掃気ポート25からエンジン1へ過給し対応する。
その他のエンジンの作動領域では、ターボチャージャ2
及びエネルギー回収装置3は、通常のターボ運転及び回
収作動を行うように構成されている。
【0023】まず、2サイクル断熱エンジン1を駆動す
ることで、排気通路10中に設置したセンサー5で排気
圧P2 を検出すると共に、吸気通路14中に設置したセ
ンサー6でブースト圧P1 を検出する(ステップ3
0)。各センサー5,6で検出された排気圧P2 とブー
スト圧P1 はコントローラ20に入力され、コントロー
ラ20は該検出信号を受けて、ブースト圧P1 が排気圧
2 より大きいか否かを判断する(ステップ31)。
【0024】そこで、ブースト圧P1 が排気圧P2 より
大きい場合には、ターボチャージャ(TCG)2による
過給を行うことができる状態であるので、次のような処
理をする。即ち、コントローラ20の指令でバイパスバ
ルブ4を開放し、排気通路13をエネルギー回収装置3
に連通する(ステップ32)。ターボチャージャ2とエ
ネルギー回収装置(TG)3とが排気通路13で連通す
ると、ターボチャージャ2のタービン8から排出した排
気ガスEGはエネルギー回収装置3のタービン12に送
り込まれる(ステップ33)。この時、ターボチャージ
ャ2の回転電機7を発電機運転してバッテリー17に蓄
電するか、或いは電動機運転をしてコンプレッサ9の作
動を強力にして、コンプレッサ9によって吸気通路14
を通じてエンジン1へ空気Aを過給する(ステップ3
4)。
【0025】また、エネルギー回収装置3のタービン1
2へ排気ガスEGが送り込まれ、発電機11で発電する
(ステップ35)。発電機11で発電した電力は、回転
電機7へ直接供給してコンプレッサ9の作動を強化する
か、場合によってはバッテリー17で蓄電することがで
きる。発電機11で発電した電力を回転電機7へ直接供
給する場合には、該電力を変圧することなく、直接供給
されるので極めて効率的である。しかるに、発電機11
で発電した電力をバッテリー17に蓄電すると、100
ボルトを12ボルトに変圧しなければならず、また、バ
ッテリー17の電力を回転電機7で消費するには、12
ボルトを100ボルトに再び変圧しなければならない。
従って、発電機11で発電した電力を電動機運転してい
る回転電機7に直接的に供給することが有効となる。
【0026】ステップ31において、ブースト圧P1
排気圧P2 より高くない場合には、排気圧P2 は高く、
ターボチャージャ2を作動できない状態であるので、次
のような処理をする。即ち、バイパスバルブ4を閉鎖し
(ステップ36)、排気通路13をバイパス通路26へ
連通する。ターボチャージャ2とバイパス通路26とが
排気通路13で連通すると、ターボチャージャ2のター
ビン8から排出した排気ガスEGはバイパス通路26か
ら大気へ排出される(ステップ37)。排気ガスEGが
バイパス通路26から排出されることで、排気圧P1
低下する(ステップ38)。
【0027】この2サイクル断熱エンジンでは、上記の
ように、ブースト圧P2 が排気圧P1 より高い時には、
ターボチャージャ2の回転電機7を電動機運転してコン
プレッサ9の能力をアップし、空気Aを吸気通路14を
通じてエンジン1へ過給する。その後、エネルギー回収
装置3のタービン12へ排気ガスEGを送り込むことで
発電機11で発電することができる。発電機11で発電
した電力は、電動機運転している回転電機7へ直接供給
し、回転電機7の電力を補助し、バッテリー17の消耗
を低減してバッテリー17上がりを防止することができ
る。
【0028】そこで、エネルギー回収装置3の発電機1
1で発電することによって、排気圧P2 は上がるため、
エンジン1の運転条件によって排気圧P2 の方がブース
ト圧P1 より高くなる場合が発生する。この場合には、
バイパスバルブ4を閉鎖して排気ガスEGをエネルギー
回収装置3に送り込むことなく、バイパス通路26を通
じて排出する。そこで、排気通路10の排気圧P2 は低
下することになる。
【0029】従って、この2サイクル断熱エンジン1を
上記のように作動すれば、2サイクル断熱エンジン1で
は、エンジンの全作動領域でターボチャージャ2による
過給が可能になり、エネルギー回収装置3の併用によっ
てターボチャージャ2の電動機運転によるバッテリー1
7の放電を補うことが可能になり、バッテリー17の消
耗を防止できる。
【0030】
【発明の効果】この発明による2ストローク断熱エンジ
ンは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。この2ストローク断熱エンジンは、排気系に回
転電機を持つターボチャージャを配置し、該ターボチャ
ージャの下流に発電機を持つエネルギー回収装置を配置
し、前記ターボチャージャと前記エネルギー回収装置の
間にバイパスバルブを設け、ブースト圧と排気圧とを検
出する各センサーの検出値に応答してコントローラは前
記バイパスバルブを開閉制御するので、前記バイパスバ
ルブの開閉によって、常に排気圧がブースト圧より低く
なるように制御することができる。
【0031】しかも、エンジンの高回転域でのブースト
圧を前記回転電機を電動機運転することで確保でき、ま
た、エンジンの低負荷時での作動でも前記回転電機の電
動機運転で過給を行うことができる。従って、この2サ
イクル断熱エンジンは、別途、ルーツブロワを設ける必
要がなく、エンジンの全作動領域で前記ターボチャージ
ャによる過給を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による2サイクル断熱エンジンの一実
施例を示す説明図である。
【図2】図1の2サイクル断熱エンジンの作動の一例を
示す処理フロー図である。
【図3】従来の2ストローク断熱エンジンの一例を示す
概略説明図である。
【符号の説明】
1 2サイクル断熱エンジン 2 ターボチャージャ 3 エネルギー回収装置 4 バイパスバルブ 5 センサー(排気圧P2 ) 6 センサー(ブースト圧P1 ) 7 回転電機 8,12 タービン 9 コンプレッサ 10,13 排気通路 11 発電機 14 吸気通路 17 バッテリー 20 コントローラ 26 バイパス通路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した排気ポートと
    シリンダ下部に掃気ポートを備え且つ断熱構造の燃焼室
    を有する2サイクル断熱エンジンにおいて、排気系に配
    置した回転電機を持つターボチャージャ、該ターボチャ
    ージャの下流に配置した発電機を持つエネルギー回収装
    置、前記ターボチャージャと前記エネルギー回収装置の
    間に設けたバイパスバルブ、ブースト圧と排気圧とを検
    出するセンサー、及び該各センサーの検出値に応答して
    前記バイパスバルブを開閉して排気圧がブースト圧より
    低くなるように制御するコントローラ、を有する2サイ
    クル断熱エンジン。
  2. 【請求項2】 前記コントローラはブースト圧が排気圧
    より高い時、前記回転電機を電動機運転すると共に、前
    記バイパスバルブを閉鎖して排気ガスを前記エネルギー
    回収装置に送り込んで発電し、該電力を前記回転電機に
    直接供給し、また、排気圧がブースト圧より高い時、前
    記バイパスバルブを開放して排気ガスを逃がして排気圧
    を低下させる制御を行う請求項1に記載の2サイクル断
    熱エンジン。
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