JP3087283U - 音響装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シンプルな構造で音域の異なる個別のスピーカ
ーが不要でコスト低減及び軽量化が図れる。 【解決手段】音域の異なる複数の高音域層振動板１、中
音域層振動板２、低音域層振動板３を振動伝達部材４、
５を介して積層固定し、この多重振幅層振動板７を振動
伝達部材６を介してスピーカー８の振動体部分８ａに取
付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、面音源の振動板を備えた音響装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、面音源の振動板を備えた音響装置として、例えば「ラジオ技術」１９７ ０年４月号第２５１頁〜第２５４頁、１９７１年３月号第２６５頁〜第２６９頁 に開示されている。この構造は、面音源の振動板にスピーカーの振動体部分を取 付けた構造となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

スピーカー方式では、低音と高音再生に要求される条件は合相反する条件であ る。低音を再生するには、スピーカーの振動部分の剛性が要求され、構造も大電 力が流れても大丈夫なようにコイルも太い電線で形成される結果、重量も増加す る。高音を再生するには、低音用スピーカーに要求されている条件とは全く違っ た構造になる。更に、高音域用、中音域用、低音域用と分割配分された専用の電 気回路による信号によってスピーカーの振動体部分を振幅させ、音として空中に 放射し、高い音から低い音の混合音を視聴する複雑な仕組みで構成されている。

【０００４】 上記従来技術は、単に壁板等の振動板にスピーカーを取付けた構造であるので 、異なった音域を忠実に再生させるには、音域の異なる多数のスピーカーを必要 とする。

【０００５】 本考案の課題は、シンプルな構造で音域の異なる個別のスピーカーが不要でコ スト低減及び軽量化が図れる音響装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の請求項１は、音域の異なる複数の振動板を 振動伝達部材を介して積層固定し、この多重振幅層振動板を振動伝達部材を介し てスピーカーの振動体部分に取付けたことを特徴とする。

【０００７】 上記課題を解決するための本考案の請求項２は、請求項１において、前記複数 の振動板は、少なくとも高音域層振動板と中音域層振動板及び低音域層振動板よ りなることを特徴とする。

【０００８】 上記課題を解決するための本考案の請求項３は、請求項１又は２において、前 記複数の振動板は、前記スピーカー側のものが最も平面面積が小さく、スピーカ ーより遠ざかるに従って順次平面面積が大きくなっていることを特徴とする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の一実施の形態を図１により説明する。高音域層振動板１と中音域層振 動板２、中音域層振動板２と低音域層振動板３は、それぞれ振動伝達部材４、５ を介して積層固定されて多重振幅層振動板７を構成している。高音域層振動板１ は、高音域の振動波動に制限された高音域帯範囲を再生するようになっている。 中音域層振動板２は、中音域の振動波動に制限された中音域帯範囲を再生するよ うになっている。低音域層振動板３は、低音域の振動波動に制限された低音域帯 範囲を再生するようになっている。多重振幅層振動板７の高音域層振動板１は、 振動伝達部材６を介してスピーカー８の振動体部分８ａに取付けられている。

【００１０】 次に作用について説明する。スピーカー８の振動体部分８ａから生まれた振動 は、振動伝達部材６によって高音域層振動板１に伝達され、高音域層振動板１は 伝達された振動域の高音域帯範囲の音を空中に放射する。高音域層振動板１から 生まれた振動は、振動伝達部材４によって中音域層振動板２に伝達され、中音域 層振動板２は伝達された振動域の中音域帯範囲の音を空中に放射する。中音域層 振動板２から生まれた振動は、振動伝達部材５によって低音域層振動板３に伝達 され、低音域層振動板３は伝達された振動域の低音域帯範囲の音を空中に放射す る。これにより、高音、中音及び低音の混合音が空中に放射される。

【００１１】 高音域層振動板１、中音域層振動板２及び低音域層振動板３の平面面積（大き さ）は、スピーカー８側の高音域層振動板１が最も小さく、スピーカー８より離 れるに従って順次大きく、即ち中音域層振動板２が高音域層振動板１より大きく 、低音域層振動板３が中音域層振動板２より大きく形成されている。また材質に ついて見ると、高音域層振動板１は例えばカーボン、中音域層振動板２は例えば 発砲スチロール、低音域層振動板３は例えば縦目の段ボールと横目の段ボールを 積層した積層段ボールによってそれぞれ形成されている。

【００１２】 各振動板１、２、３の再生帯音域は、該振動板１、２、３の平面面積、硬度、 軟度、材質等によって構築できる。その理由について述べる。例えば、太鼓を例 として、材質が同じで同じ力で太鼓を叩いた場合について説明する。この条件で は、小さな太鼓は甲高く硬い音として聞こえ、大きな太鼓は低く重量感のある低 い音として聞こえ、中程度の太鼓だと小太鼓と大太鼓の中間の音として聞こえる 。このように、平面面積を変えることによって音域（音質、音圧等）を変えるこ とができる。しかし、平面面積のみでは音域に限界がある。音域は、材料の硬度 、軟度及び材質によっても変えることができる。

【００１３】 このように、高音、中音及び低音をそれぞれ高音域層振動板１、中音域層振動 板２及び低音域層振動板３によって得ることができ、音域の異なる個別のスピー カーが不要であり、コスト低減が図れる。また高音域層振動板１、中音域層振動 板２及び低音域層振動板３を振動伝達部材４、５を介して積層固定し、この多重 振幅層振動板７の高音域層振動板１を振動伝達部材６を介してスピーカー８の振 動体部分８ａに取付けたシンプルな構造であり、軽量化が図れる。

【００１４】 なお、上記実施の形態においては、音域の異なる３個の振動板１、２、３を設 けた場合について説明したが、音域の異なる４個以上の振動板を設けてもよい。 また音域は、高音域、中音域、低音域を得る場合について説明したが、この音域 に限定されるものではない。例えば、低音域でも音域にある程度の幅があるので 、高い低音域、中程度の低音域、低い低音域を得るようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、音域の異なる複数の振動板を振動伝達部材を介して積層固定し、こ の多重振幅層振動板を振動伝達部材を介してスピーカーの振動体部分に取付けた ので、シンプルな構造で音域の異なる個別のスピーカーが不要でコスト低減及び 軽量化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の音響装置の一実施の形態を示す側面図
である。

【図２】本考案の音響装置の他の実施の形態を示す側面
図である。

【符号の説明】

１ 高音域層振動板 ２ 中音域層振動板 ３ 低音域層振動板 ４、５、６ 振動伝達部材 ７ 多重振幅層振動板 ８ スピーカー ８ａ 振動体部分

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 音域の異なる複数の振動板を振動伝達部
   材を介して積層固定し、この多重振幅層振動板を振動伝
   達部材を介してスピーカーの振動体部分に取付けたこと
   を特徴とする音響装置。
2. 【請求項２】 前記複数の振動板は、少なくとも高音域
   層振動板と中音域層振動板及び低音域層振動板よりなる
   ことを特徴とする請求項１記載の音響装置。
3. 【請求項３】 前記複数の振動板は、前記スピーカー側
   のものが最も平面面積が小さく、スピーカーより遠ざか
   るに従って順次平面面積が大きくなっていることを特徴
   とする請求項１又は２記載の音響装置。