JP3087227B2 - 海水浄化構造物 - Google Patents

海水浄化構造物

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JP3087227B2 JP03050731A JP5073191A JP3087227B2 JP 3087227 B2 JP3087227 B2 JP 3087227B2 JP 03050731 A JP03050731 A JP 03050731A JP 5073191 A JP5073191 A JP 5073191A JP 3087227 B2 JP3087227 B2 JP 3087227B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外海から区分された塩
性湿地に設けられ、前記外海の海水を効果的かつ低コス
トで浄化することができる海水浄化構造物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、港湾や海浜付近の汚染された海水
を浄化する方法としては、これらの海域の外方から清浄
な海水を導水し、この汚染された海水を外方の清浄な海
水と交換する浄化方法が用いられている。例えば、港湾
においては、港口の拡張や位置の変更により海水の交換
率を向上させる試みが従来から行われている。
【0003】しかし、この方法では汚染された海水を周
辺海域の海水で単に希釈するのみであるから汚染海域が
広域化する可能性がある。特に、大都市圏における港湾
や海浜等の海域においては、社会的ニーズの高まりによ
り埋め立てが急速に進行しつつありこれらの港湾や海浜
においては人工的な護岸や堤防を形成するのが一般的で
あるが、これらの施設には海水の汚染を浄化する働きが
ないために、これらの海域においては自然の浄化力を遥
かに上回る勢いで海水の汚染が進行しつつあり、社会的
な問題になっている。
【0004】これに対し、自然保護の観点からこれらの
海域の自然を取り戻し、人々の生活に潤いを与えるため
に、これらの海域の海水の水質を人が水に触れることが
できる程度まで向上させ、自然環境を取り戻すことが望
まれている。特に、最近では、居住機能と商業機能と公
共・公益施設が整備された各種のウオーターフロント計
画が提案されており、これらの計画においても水辺環境
を維持するために海水浄化が最も大きなテーマの一つに
なっている。
【0005】そこで、最近では、自然の干潟や海浜を利
用したり、人工の干潟や海浜を造成したりすることによ
り、上記のような海域の親水空間に、水に憩い親しめる
施設を造成することが積極的に行われている。これらの
干潟や海浜に海水の浄化作用があることは以前からよく
知られており、この作用は、干潟の構成要素である粘
土、シルト、砂等や、海浜の構成要素である砂等の粒子
の表面に付着する微生物や、粒子間に棲息する底生生物
や微生物が海水に含まれる有機物や汚濁物質等を物理化
学的あるいは生物化学的に捕捉、分解し海水を浄化する
ことと、粘土、シルト、砂等の表面には濾過効果がある
ので、これらの粒子が海水中に含まれる不溶性物質や懸
濁物質を除去し海水を浄化することによるものである。
【0006】また、最近では、礫の表面に微生物を膜状
に付着させ、これらの礫の間を汚染した海水を透過させ
て接触時に酸化させることにより海水を浄化させる礫間
接触酸化法という生物膜処理法が考えられている。この
方法では、微生物の付着する表面積を広くして微生物膜
量を多くとること、浄化すべき海水と微生物膜との接触
を効果的にするために接触速度をある程度以上とするこ
と、好気性微生物による浄化を効果的に行うために、浄
化の際の溶存酸素濃度を一定以上とすること、等の条件
が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記干
潟では粘土、シルト、砂等の粒子径は海浜の砂等の粒子
径と比較して非常に小さいために海水がこの干潟内に浸
透し難くなり、したがって、日最高水頭線が急勾配とな
り易く干潟の実質交換水量が低下してしまうという欠点
があった。
【0008】また、最近試みられている礫間接触酸化法
では、一般の生活排水等と比べて比較的汚染度の低い大
量の海水を浄化するために、微生物膜と適当な接触速度
をとるための充分な流動エネルギーを極力低コストで安
定的に供給する必要がある。また、この方法では、海水
中の有機物や汚濁物質等を分解、浄化することはできる
が、不溶物質や無機物質等の汚濁物質を海水から完全に
取り除くことが難しく、高度の汚水処理を行うには不十
分である。そこで、従来から行われている濾過法である
浄化すべき海水を砂、礫等の濾過層内を透過させる方法
を併用することが考えられるが、ランニングコストが高
くつくために実際には採用されていない。また、この方
法は、自然のエネルギーである潮汐による潮位差を利用
する場合、浄化すべき海域を周辺海域から人工的に仕切
る必要があり、この人工的な仕切りのために景観が損な
われ水域利用の点でも支障が生じるという問題点があっ
た。
【0009】また、港湾付近の海域では、海底を浚渫す
るに際し海底に蓄積されたヘドロの処理が極めて困難に
なって来ており、この浚渫した海底のヘドロの有効な利
用方法が求められていた。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、自然のエネルギーである潮汐による潮位差を効果的
に利用して高効率かつ低コストで外海の海水浄化を行う
ことができる海水浄化構造物を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために次の様な海水浄化構造物を採用した。す
なわち、請求項1記載の海水浄化構造物としては、外海
から区分された塩性湿地に設けられ、前記外海の海水を
浄化する海水浄化構造物であって、前記塩性湿地に設け
られた提防、消波堤等の外郭施設に、礫層を有し底面の
位置が干潮時の水位以下となる濾過槽を設け、該濾過槽
の一端部に外海の潮間帯内に開口する第1の開口部を具
備するとともに、前記濾過槽の他端部に塩性湿地の潮間
帯内に開口する第2の開口部を具備してなる点に特徴が
ある。
【0012】また、請求項2記載の海水浄化構造物とし
ては、前記塩性湿地に、該塩性湿地の内部に海水を透過
させるために前記第2の開口部側から前記塩性湿地の周
辺海域に向かって延びる導水路を形成してなる点に特徴
がある。
【0013】
【作用】この発明に係る海水浄化構造物は、自然のエネ
ルギーである潮汐による潮位差を効果的に利用して、外
海の海水を高効率かつ低コストで浄化する。まず、請求
項1記載の海水浄化構造物では、外海の海面が低水位
(干潮位)から高水位(満潮位)にかけて上昇していく
際には、前記外海の海面と前記濾過槽内の海面との間に
水位差が生じ、海水は水位が高い外海から第1の開口部
を経て水位が低い濾過槽内に進入する。該濾過槽は透過
する海水中の不溶性物質や懸濁物質を取り除き浄化す
る。また、該濾過槽の礫の表面には微生物が膜状に付着
しており、これらの微生物が海水中の有機物や汚濁物質
等を効果的に捕捉、分解し浄化する。
【0014】前記濾過槽内の海面がさらに上昇し第2の
開口部より高くなると、海水は前記濾過槽から第2の開
口部を経て前記塩性湿地内に進入する。前記塩性湿地
は、この湿地に植栽されているヨシ、アイアシ、ヒメガ
マ、マコモ等の植物が、海水に溶け込んでいる窒素やリ
ン等を含む有機物を吸収、同化することによりこれらの
有機物を固定し該海水を浄化する。また、この塩性湿地
中に棲息するバクテリアが海水中の有機物を硝化、脱窒
し、分解する。また、塩性湿地中に棲息する底生生物
は、表層で捕捉された懸濁物質や増殖した微生物を捕食
する。
【0015】また、外海の海面が高水位から低水位にか
けて下降していく際には、前記外海の海面と前記塩性湿
地内の海面との間に水位差が生じ、この水位差による位
置エネルギーにより、高水位の塩性湿地から濾過槽を透
過し低水位の外海へ向かう海水の流れが生じる。したが
って、塩性湿地内に貯留される海水は、前記濾過槽を透
過して外海へ流出することとなる。この場合において
も、上記と同様に、前記塩性湿地に植栽されている植物
が海水に溶け込んでいる窒素やリン等を含む有機物を固
定し該海水を浄化し、この塩性湿地中に棲息するバクテ
リアが海水中の有機物を硝化、脱窒し、分解し、この塩
性湿地に棲息する底生生物が表層で捕捉された懸濁物質
や増殖した微生物を捕食する。また、濾過槽は透過する
海水中の不溶性物質や懸濁物質を取り除き浄化し、この
濾過槽の礫の表面に付着する微生物が海水中の有機物や
汚濁物質等を効果的に捕捉、分解し浄化する。以上の様
に、海水中の有機物や汚濁物質等は物理化学的あるいは
生物化学的に分解され浄化される。
【0016】また、請求項2記載の海水浄化構造物で
は、前記塩性湿地に、該塩性湿地の内部に海水を透過さ
せるために前記第2の開口部側から前記塩性湿地の周辺
海域に向かって延びる導水路を形成したことにより、外
海から流入した汚染された海水を該塩性湿地内に速やか
に浸透させ、浄化する。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明について説明す
る。図3及び図4は本発明の請求項1記載の海水浄化構
造物1が構築された塩性湿地2を示す図である。
【0018】海水浄化構造物1は、塩性湿地2の周囲に
該塩性湿地2を外海3から区分し保護する堤防(外郭施
設)4の内部に設けられた全体形状が略直方体のもの
で、外海3の海水の浄化及び取水を目的とするものであ
る。ここで、塩性湿地2は、堤防4,5により外海3か
ら区分された湿地帯で、浚渫した海底のヘドロを用いて
人工的に造成されたものである。この塩性湿地2は、海
底6の上に浚渫汚泥7が層状に形成され、該浚渫汚泥7
の表層部(砂層)8にヨシ、アイアシ、ヒメガマ、マコ
モ等の植物が植栽されている。また、塩性湿地2中には
海水中の有機物を硝化、脱窒し、分解するバクテリア
や、表層で捕捉された懸濁物質や増殖した微生物を補食
する底生生物が棲息している。また、この塩性湿地2の
周囲には、コンクリートからなる堤防4及び土堤からな
る堤防5が構築されており、堤防5には土砂を土羽打ち
した土堤9の周囲の側面部にコンクリート製の護岸10
が形成されている。この堤防5には、樹木等が植栽され
て野鳥の生息し易い環境が創出されている。
【0019】海水浄化構造物1は、図1に示す様に、外
形略直方体の一対の濾過槽11,12と、略直方体の水
路13〜15とを、長手方向に交互に配置したものであ
る。濾過槽11(12)は、コンクリート製の略直方体
の槽の中に石塊もしくは砕石、あるいはコンクリート塊
等が捨て込まれて透水性の礫層16が形成されたもので
ある。この濾過槽11(12)の一端部11a(12
a)及び他端部11b(12b)には、海水による腐食
を防止するためにFRP製のグレーチングが取り付けら
れている。そして、一端部11a(12a)から他端部
11b(12b)に向かってあるいは他端部11b(1
2b)から一端部11a(12a)に向かって海水を流
すことにより、海水中の不溶性物質や懸濁物質が取り除
かれ浄化される。上記の礫の表面には海水中の有機物や
汚濁物質等を効果的に捕捉、分解し浄化する微生物が膜
状に付着している。
【0020】これらの濾過槽11,12においては、上
面の位置が外海3の潮間帯内(低水位(干潮時の水位)
LWLと高水位(満潮時の水位)HWLとの間)に位置
し、底面の位置が干潮時の水位LWL以下となる様に設
定されている。そして、濾過槽11の一端部11aに
は、コンクリート製の水路13が設けられ、濾過槽12
の一端部12aには、同様の水路15が設けられ、ま
た、これらの濾過槽11,12それぞれの他端部11
b,12bの間には、同様の水路14が設けられてい
る。
【0021】水路13には外海3側の潮間帯内に開口す
る第1の開口部21が設けられ、同様に水路15にも外
海3側の潮間帯内に開口する第1の開口部22が設けら
れており、また、水路14には塩性湿地2側の潮間帯内
に開口する第2の開口部23が設けられている。そし
て、これらの開口部21〜23には、海面に浮遊する粗
大ゴミを除去するためのスクリーンが取り付けられてい
る。
【0022】次に、この海水浄化構造物1の作用につい
て説明する。まず、外海3の海面が低水位(干潮時の水
位)LWLから高水位(満潮時の水位)HWLにかけて
上昇していく際には、外海3の海面と濾過槽11,12
内の海面との間に水位差が生じ、海水は水位が高い外海
3から第1の開口部21,22及び水路13,15を経
て水位が低い濾過槽11,12内に進入する。これらの
濾過槽11,12は透過する海水中の不溶性物質や懸濁
物質を取り除き浄化する。また、これらの濾過槽11,
12の礫の表面には微生物が膜状に付着しており、これ
らの微生物が海水中の有機物や汚濁物質等を効果的に捕
捉、分解し浄化する。
【0023】これらの濾過槽11,12内の海面がさら
に上昇し第2の開口部23より高くなると、海水は前記
濾過槽11,12から水路14及び第2の開口部23を
経て塩性湿地内2に進入する。塩性湿地2は、この湿地
に植栽されているヨシ、アイアシ、ヒメガマ、マコモ等
の植物が、海水に溶け込んでいる窒素やリン等を含む有
機物を吸収、同化することによりこれらの有機物を固定
し該海水を浄化する。また、この塩性湿地2中に棲息す
るバクテリアが海水中の有機物を硝化、脱窒し、分解す
る。また、塩性湿地2中に棲息する底生生物は、表層で
捕捉された懸濁物質や増殖した微生物を捕食する。
【0024】また、外海3の海面が高水位HWLから低
水位LWLにかけて下降していく際には、外海3の海面
と塩性湿地2内の海面との間に水位差が生じ、この水位
差による位置エネルギーにより、高水位HWLの塩性湿
地2から濾過槽11,12を透過し低水位LWLの外海
3へ向かう海水の流れが生じる。したがって、塩性湿地
2内に貯留される海水は、濾過槽11,12を透過して
外海へ流出することとなる。この場合においても、上記
と同様に、前記塩性湿地2に植栽されている植物が海水
に溶け込んでいる窒素やリン等を含む有機物を固定し該
海水を浄化し、この塩性湿地2中に棲息するバクテリア
が海水中の有機物を硝化、脱窒し、分解し、この塩性湿
地2に棲息する底生生物が表層で捕捉された懸濁物質や
増殖した微生物を捕食する。また、濾過槽11,12は
透過する海水中の不溶性物質や懸濁物質を取り除き浄化
し、これらの濾過槽11,12の礫の表面に付着する微
生物が海水中の有機物や汚濁物質等を効果的に捕捉、分
解し浄化する。
【0025】以上の様に、海水中の有機物や汚濁物質等
は物理化学的あるいは生物化学的に分解され浄化される
とともに、外海3が低水位LWLになった時に濾過槽1
1,12内の礫間に空隙が生じ、微生物の浄化作用に必
要な酸素の供給が行われることとなる。また、必要に応
じて、水路13,15内でエアレーションを行う場合も
ある。
【0026】以上詳細に説明したように、海水浄化構造
物1は、塩性湿地2の周囲の堤防4の内部に設けられた
ものであって、濾過槽11,12と水路13〜15とを
交互に配置して構成され、濾過槽11(12)内に礫層
16を形成し、これらの濾過槽11,12の上面が外海
3の潮間帯内に位置し、底面が干潮時の水位LWL以下
となる様に設定し、水路13に外海3側の潮間帯内に開
口する第1の開口部21を設け、同様に水路15にも外
海3側の潮間帯内に開口する第1の開口部22を設け、
水路14に塩性湿地2側の潮間帯内に開口する第2の開
口部23を設けたので、自然のエネルギーである潮汐に
よる潮位差を効果的に利用して、外海3の大量の海水を
高効率かつ低コストで浄化し、取水することができる。
【0027】また、塩性湿地2に植栽されているヨシ、
アイアシ、ヒメガマ、マコモ等の植物が海水に溶け込ん
でいる窒素やリン等を含む有機物を吸収、同化すること
により、これらの有機物を固定し該海水を浄化すること
ができる。また、塩性湿地2に棲息するバクテリア、微
生物、底生生物等や、濾過槽11(12)の礫に棲息す
る微生物により、海水中の有機物や汚濁物質を海水から
効果的に取り除くことができる。
【0028】また、塩性湿地を造成することにより、緑
豊かな景観を創出することができ、野鳥の生息しやすい
環境を創出することができる。また、この塩性湿地は、
海底を浚渫するに際し海底に蓄積されたヘドロを有効に
利用することができる。このように、上記の海水浄化構
造物1は、上記の様々な効果とともに、これらの相乗効
果により更に優れた効果を有する海水浄化構造物を提供
することができる。
【0029】図5は、本発明の請求項2記載の海水浄化
構造物31の塩性湿地32を示す図である。この塩性湿
地32が、上述した海水浄化構造物1の塩性湿地2と異
なる点は、塩性湿地32内に該塩性湿地32の内部に海
水を透過させるために第2の開口部23側から塩性湿地
32の周辺海域に向かって延びる導水路33,…を樹木
状に形成した点である。
【0030】なお、海水浄化構造物31の導水路33以
外の構成、作用、効果については、上記の海水浄化構造
物1と全く同一であるから、ここでは説明を省略する。
この海水浄化構造物31においては、これらの導水路3
3,…を上記の塩性湿地32内に形成することにより、
外海3から流入した汚染された海水を該塩性湿地32内
に速やかに浸透させることができ、この海水を効果的に
浄化することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の海水浄化構造物によれば、外海から区分された塩
性湿地に設けられ、前記外海の海水を浄化する海水浄化
構造物であって、前記塩性湿地に設けられた提防、消波
堤等の外郭施設に、礫層を有し底面の位置が干潮時の水
位以下となる濾過槽を設け、該濾過槽の一端部に外海の
潮間帯内に開口する第1の開口部を具備するとともに、
前記濾過槽の他端部に塩性湿地の潮間帯内に開口する第
2の開口部を具備してなることとしたので、自然のエネ
ルギーである潮汐による潮位差を効果的に利用して、外
海の大量の海水を高効率かつ低コストで浄化し、取水す
ることができる。
【0032】また、塩性湿地に植栽されているヨシ、ア
イアシ、ヒメガマ、マコモ等の植物が海水に溶け込んで
いる窒素やリン等を含む有機物を吸収、同化することに
より、これらの有機物を固定し該海水を浄化することが
できる。また、塩性湿地に棲息するバクテリア、微生
物、底生生物等や、濾過槽の礫に棲息する微生物によ
り、海水中の有機物や汚濁物質を分解、捕食し、海水か
ら効果的に取り除くことができる。
【0033】また、塩性湿地を造成することにより、緑
豊かな景観を創出することができ、野鳥の生息しやすい
環境を創出することができる。また、この塩性湿地は、
海底を浚渫するに際し海底に蓄積されたヘドロを有効に
利用することができる。
【0034】また、請求項2記載の海水浄化構造物によ
れば、前記塩性湿地に、該塩性湿地の内部に海水を透過
させるために前記第2の開口部側から前記塩性湿地の周
辺海域に向かって延びる導水路を形成してなることとし
たので、外海から流入した汚染された海水を該塩性湿地
内に速やかに浸透させることができ、この海水を更に効
果的に浄化することができる。
【0035】このように、上記の様々な効果とともに、
これらの相乗効果により更に優れた効果を有する海水浄
化構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1記載の一実施例である海水
浄化構造物を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に添う断面図である。
【図3】この発明の請求項1記載の海水浄化構造物が構
築された塩性湿地を示す平面図である。
【図4】図3のB−B線に添う断面図である。
【図5】この発明の請求項2記載の海水浄化構造物の塩
性湿地を示す平面図である。
【符号の説明】
1 海水浄化構造物 2 塩性湿地 3 外海 4 堤防 5 堤防 6 海底 7 浚渫汚泥 8 表層部(砂層) 9 土堤 10 護岸 11,12 濾過槽 11a,12a 一端部 11b,12b 他端部 13〜15 水路 16 礫層 21,22 第1の開口部 23 第2の開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫内 孝信 東京都中央区京橋二丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−64608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/00 C02F 3/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外海から区分された塩性湿地に設けら
    れ、前記外海の海水を浄化する海水浄化構造物であっ
    て、前記塩性湿地に設けられた提防、消波堤等の外郭施
    設に、礫層を有し底面の位置が干潮時の水位以下となる
    濾過槽を設け、該濾過槽の一端部に外海の潮間帯内に開
    口する第1の開口部を具備するとともに、前記濾過槽の
    他端部に塩性湿地の潮間帯内に開口する第2の開口部を
    具備してなることを特徴とする海水浄化構造物。
  2. 【請求項2】 前記塩性湿地に、該塩性湿地の内部に海
    水を透過させるために前記第2の開口部側から前記塩性
    湿地の周辺海域に向かって延びる導水路を形成してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の海水浄化構造物。
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