JP3087216B2 - 建築構築用防音材 - Google Patents

建築構築用防音材

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JP3087216B2 JP08324722A JP32472296A JP3087216B2 JP 3087216 B2 JP3087216 B2 JP 3087216B2 JP 08324722 A JP08324722 A JP 08324722A JP 32472296 A JP32472296 A JP 32472296A JP 3087216 B2 JP3087216 B2 JP 3087216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築・構築の技術分
野で用いられる防音材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】音に対する感覚は音が聴官(聴覚器)を
刺激したとき起きる。人の場合の音の可聴範囲は周波数
20Hz〜20kHzであり、1kHz〜5kHzに対
する感度が最も高いといわれている。
【0003】住居専用地域などで発生する騒音の多く
は、空気伝搬音であったり固体伝搬音であったりこれら
の複合音であったりする。このような騒音源は屋内屋外
を問わず至るところにある。騒音を定義づけることは、
これに個人差があったり場所や時間帯によって感受性が
異なったりするのでむつかしいが、騒音の基準が騒音規
制法において地域別・時間別に定められているのでこれ
が参考になる。ちなみに住居専用地域の場合は40〜5
0ホンを上回るものが騒音とされている。都心部の住居
専用地域でとくに問題になるのは交通騒音であり、これ
が50ホンを越えることはよくある。
【0004】現在のところ、高速道路や鉄道などの交通
騒音に対しては防音効果の高い設備を施すことで応分の
成果をおさめている。それに対し、一般道路から発せら
れる交通騒音の場合は、道路行政が立ち遅れていたり騒
音違反車の取り締まりが不十分であったりするために、
自衛策を講じざるを得ない状況になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】屋外の音源から発せら
れた騒音が屋内に伝播するのを防ぐようなケースでは、
これを途中で遮断するのが望ましい。このような観点か
らすると、塀や垣も防音に役立つといえる。しかし塀
は、垣よりも防音性が高いものの通風性がないとか見通
しがきかないとか圧迫感や閉塞感が大きいとかの難点が
みられる。逆に垣の場合は、通風性や見通しの点でよい
が防音性がきわめて低いという欠点がある。
【0006】一方、音を遮断するための防音壁について
は、重い密実な遮音材料が空気伝搬音に対して有効であ
るとされており、吸音材料によるものも騒音レベルを下
げる上で有効であるとされている。すなわち防音壁につ
いては、これらを踏まえたものが数多く開発されている
ということである。しかしながら、既存の防音壁は高額
であるということが大きなネックになっており、一般に
広く普及するまでには至っていない。
【0007】[発明の目的] 本発明はこのような技術的課題に鑑み、高度の防音性・
通気性・高強度・軽量化・低価格・汎用性・施工の簡易
性・有害物除去など、これらを満足させることのできる
建築構築用防音材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
建築構築用防音材は所期の目的を達成するために下記の
課題解決手段を特徴とする。すなわち、請求項1に記載
された建築構築用防音材は、複数の凹状部と凸状部とが
波形に連続してなる波形板を主体にしたものであるこ
と、および、多数の小さな凹凸形状が波形板の表面およ
び/または裏面に形成されていること、および、多数の
小さな貫通孔が波形板の表裏面に点在して分布している
ことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2に係る建築構築用防音材
は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特
徴とする。すなわち、請求項2に記載された建築構築用
防音材は、複数の凹状部と凸状部とが波形に連続してな
る波形板二枚を主体にしたものであること、および、多
数の小さな凹凸形状が各波形板の表面および/または裏
面に形成されていること、および、多数の小さな貫通孔
が各波形板の表裏面に点在して分布していること、およ
び、二枚の波形板がこれらの凸状部相互・凹状部相互を
向かい合わせにして結合されているとともに各凹状部相
互の対向部間が空間部になっていることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3に係る建築構築用防音材
は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特
徴とする。すなわち、請求項3に記載された建築構築用
防音材は、複数の凹状部と凸状部とが波形に連続してな
る波形板二枚を主体にしたものであること、および、多
数の小さな凹凸形状が各波形板の表面および/または裏
面に形成されていること、および、多数の小さな貫通孔
が各波形板の表裏面に点在して分布していること、およ
び、二枚の波形板がこれらの凸状部相互・凹状部相互を
向かい合わせにして組み合わされているとともに各凹状
部相互の対向部間が空間部になっていること、および、
通気間隙を有する充填材層が一つ以上の空間部内に形成
されていること、および、充填材層が濾過材および/ま
たは吸着材からなることを特徴とする。
【0011】[作用] 本発明に係る建築構築用防音材にはつぎのような用例が
ある。その一つは塀や垣である。この場合は、敷地境界
の表示・人や動物の侵入防止・視線の妨げ・防音・防火
などのうち、防音を含む二つ以上を目的とする。他の一
つは、建物内外を問わず空間を分離するための垂直構造
物(隔壁)である。このような隔壁は、構造物上から耐
力壁とか非耐力壁とかに分類され、位置により外周壁と
か間仕切壁とか界壁とかに分類されるものである。さら
に他の一つは、室内空間の上部の面を構成するための天
井(水平構造物の一例)である。
【0012】本発明建築構築用防音材のうち、請求項1
に記載されたものは、複数の凹状部と凸状部とが波形に
連続した波形板を主体にしており、これの表面および/
または裏面に多数の小さな凹凸形状が形成されていた
り、これの表裏面に多数の小さな貫通孔が点在して分布
していたりするものである。かかる建築構築用防音材に
衝突した騒音は、これが波形板の傾斜面(凸状部・凹状
部)で反射して散乱するほか、小さな凹凸形状によって
さらに散乱するから、特定方向や特定部位の音量が大き
くなることはない。しかも騒音源側から波形板の貫通孔
を通り抜ける通過する騒音は、これら貫通孔のみが許容
する少量のものであるから、その際の透過騒音量も少な
い。したがって請求項1に記載された建築構築用防音材
は、騒音源側と騒音透過側との間にあって高い防音性を
発揮するものとなる。その一方で、上記各貫通孔が通気
性を確保したり、建築構築用防音材による閉塞感を緩和
したりする。
【0013】本発明建築構築用防音材のうち、請求項2
に記載されたものは、上述した波形板二枚がこれらの凸
状部相互・凹状部相互を向かい合わせにして結合されて
いるというものである。したがって請求項1に記載され
た建築構築用防音材も、これの防音性・通気性・閉塞感
緩和などについて上記と同様ということになる。とくに
防音性については、両波形板間に進入した騒音がここで
反射や散乱を繰り返す間に振動その他のエネルギに変換
されて減衰したり消耗したりするので、より一層高いも
のになる。
【0014】本発明建築構築用防音材のうち、請求項3
に記載されたものは、上述した波形板二枚がこれらの凸
状部相互・凹状部相互を向かい合わせにして組み合わさ
れているだけでなく、通気間隙を有する充填材層が、一
つ以上の空間部内(各凹状部相互の対向部間)に形成さ
れているというものである。したがって請求項4に記載
された建築構築用防音材は、これの防音性・通気性など
について上記と同様ということになる。とくに防音性に
ついては、充填材層のある箇所で顕著なものとなる。
かも濾過材および/または吸着材からなる充填材層は、
建築構築用防音材を透過する気体(空気)中の有害物を
濾過または吸着するから、建築構築用防音材の内側また
は気体の下流側をクリーンな雰囲気に保つことができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】はじめは、本発明に係る建築構築
用防音材の一実施形態を図1に基づいて説明する。
【0015】図1の実施形態において、11は波形板、
12は波形板11の各凸状部、13は波形板11の各凹
状部、14は波形板11の表面(外面)に形成された凹
凸形状、15は波形板11の板面を表裏にわたって貫通
している多数の小さな貫通孔をそれぞれ示す。
【0016】波形板11は代表的な一例としてプラスチ
ック成形品(FRP成形品をも含めた各種の合成樹脂成
形品)からなる。他の例として、波形板11が金属加工
品または木製品・コンクリート成形品(鉄筋入りも含
む)からなることもある。上記以外の例として、プラス
チック・金属・強化ガラス・木材・コンクリートなど、
波形板11がこれらのうちの二種以上の複合材からなる
こともある。これらの材料でつくられる波形板11のう
ち、可撓性ないし柔軟性のある材料からなる波形板1
1、たとえば、可撓性プラスチック製波形板11につい
ては、その材質と屈曲形状に基づく伸縮性を利用してア
コーディオン式カーテンのように収縮させたり拡大させ
たりすることができる。
【0017】波形板11における各凸状部12と各凹状
部13は、これらが交互に並んで連続している。なお、
波形板11の表面(外面)からみたときと、波形板11
の裏面(内面)からみたときとでは、凸状部12と凹状
部13とが逆になる。これは凸状部12と凹状部13と
が表裏一体の関係にあるということである。
【0018】波形板11における多数の小さな凹凸形状
14は、たとえば多数の小凸起を互いに隣接させて波形
板11の表面に設けることにより形成されるものであ
る。図示例での凹凸形状14は三角形の各小凸起が隣接
した凹凸形になっているが、これについては、丸みを帯
びた凹凸形のものとか、四角形のような凹凸形のとか、
梨地模様のものとかもある。このような凹凸形状14
は、図示例のように波形板11の表面(外面)全体に形
成されるほか、波形板11の裏面(内面)全体に形成さ
れたり、あるいは、波形板11の表裏面(内外両面)全
体に形成されたりする。また、波形板11の表面および
/または裏面において、凹凸形状14が部分的に形成さ
れることもある。この部分的に形成される場合の凹凸形
状14の位置については、図2(a)(b)のごとく、
各貫通孔15の周囲に設定されるのが望ましい。
【0019】波形板11を貫通している各貫通孔15
は、等間隔または等しくない間隔で波形板11の表裏面
に点在して分布している。
【0020】図1に例示された建築構築用防音材を建物
壁の内張り材(非耐力壁)として用いるときは、一例と
して図3のようになる。
【0021】図3に示す建物壁21の内面には固定金具
22が適所に取り付けられている。波形板11は、その
凸状部12の先端を固定金具22にあてがわれた後、こ
れら波形板11の一部と固定金具22とにわたってねじ
込まれた周知の止具(図示せず)または接着剤を介して
建物壁21の内面に取りつけられる。この場合にビスや
釘のような止具23が部分的に併用されることもある。
一方、互いに隣接する各波形板11は、これらの隣接部
間に金属製または合成樹脂製の連結部材24をあてがわ
れた後、これら波形板11の所定部と連結部材24とに
わたる周知の止具または接着剤を介して波形板相互を連
結している。この例における建物壁21の内面と波形板
11の各凹状部13とは、これらの間に所定数の空間部
25を形成している。各空間部25のうちの一つまたは
二つ以上(全部を含む)には、濾過材および/または吸
着材が充填されて充填材層26が形成されることがあ
る。充填材層26を形成するための濾過材や吸着材は、
公知であったり周知であったりするものである。これら
については、ゼオライト・活性炭・活性アルミナ・シリ
カゲル・酸化チタン・濾紙・フェルト・ガラス繊維層・
各種の多孔質体などが単独または任意の組み合わせで用
いられる。したがって充填材層26については、濾過材
単体であったり吸着材単体であったりすることもある。
充填材層用の濾過材や吸着剤は、これらが貫通孔15よ
りも小さい場合に布袋や網袋のような通気性袋に収納さ
れて空間部25内に詰められる。これは濾過材・充填材
などが貫通孔15からこぼれ出すのを防止するための配
慮である。
【0022】このような内張り構造を備えた建物壁21
の場合、波形板11の傾斜面した凸状部12・凹状部1
3に衝突した音がこれらの傾斜面や凹凸形状14によっ
て散乱するから、特定方向や特定部位の音量が大きくな
るということがない。また、波形板11の貫通孔15か
ら空間部25内に進入した音も、ここで反射を繰り返す
間に減衰する。したがって建物壁21で囲われた空間内
で発生した音は、これが騒音化することを抑制される。
その他、空間部25を出入りする空気は、これに含まれ
る有害物や夾雑物を該空間部25内の充填材層26によ
り濾過または吸着されるから、クリーン度の高いものに
なる。
【0023】図3において波形板11の列を二段以上に
することは任意の事項である。また凸条部12・凹状部
13を垂直方向に沿わせて各波形板11を配列したり、
凸条部12・凹状部13を水平方向に沿わせて各波形板
11を配列したりするということも、図3において任意
の事項である。
【0024】図3に例示した内張り構造は建物の天井に
も適用することができる。こうして構成される建物の天
井も、上記と同様の防音機能や空気清浄機能を発揮する
ものとなる。
【0025】図4・図5は、図1の建築構築用防音材を
用いて塀や垣を構成する場合の一例を示している。
【0026】図4において、下段(地上)の防音材列は
多数の波形板11が立面状態で並列しているもの、上段
の防音材列も多数の波形板11が立面状態で並列してい
るものである。これら下段・上段の各防音材(波形板1
1)は、波形板の幅に対応した間隔で建て込まれた各支
柱27を利用して相互に連結されるものである。具体的
には各支柱27が図5のような断面V形をしているの
で、各波形板11は、これらの左側部・右側部を各支柱
27にあてがわれた後、ボルト・ナットまたはリベット
のような周知の止具で各支柱27に固定される。なお支
柱27は、金属製とか木製とかコンクリート木製とかで
ある。
【0027】このようにして構成された塀または垣は、
外部からの騒音が波形板11に衝突したときにその殆ど
が乱反射し、その一部のみが各貫通孔15から透過す
る。したがって、防音材の建て込まれた境界の内部にま
で外部騒音が伝搬してくるということが大幅に抑制され
る。逆に内部の騒音が外部へ伝搬するということも大幅
に抑制される。それに、各貫通孔15が塀または垣に対
して通気性をもたせたり閉塞感を緩和したりするから、
完全な目隠し方式のものに比べてこれらの点も望ましい
といえる。
【0028】図4の塀または垣を構成するときに、防音
材列を一段のみにしたり二段以上にしたりすることがあ
り、また、波形板11の凸状部12・凹状部13が水平
方向に沿うように各防音材を配列することもある。
【0029】つぎに、本発明に係る建築構築用防音材の
他の一実施形態を図6に基づいて説明する。
【0030】図6に例示された建築構築用防音材は、前
記波形板11と同様の材料からなる二枚の波形板11A
・11Bが組み合わされたもので、両波形板11A・1
1Bにも凸状部12・凹状部13・凹凸形状14・貫通
孔15などが前述したいずれかの態様で備わっている。
両波形板11A・11Bのうち、一方の波形板11Aは
多数のV形部材11aを並列状態で連結することにより
構成されており、他方の波形板11Bも多数のV形部材
11bを並列状態で連結することにより構成されてい
る。V形部材用の連結部材24は既述のものである。こ
の連結部材24が前記と同様に用いられて一方の各V形
部材11aが連結されたり他方の各V形部材11bが連
結されたりしている。両波形板11A・11Bは、ま
た、これらの凸状部12相互・凹状部13相互を向かい
合わせにして結合されている。この場合に用いられる金
属製または合成樹脂製の連結部材28は、波形板11A
側の各V形部材11aと波形板11B側の各V形部材1
1bとが突き合わされた箇所の内面または外面にそれぞ
れあてがわれた後、これらV形部材11a・11bの所
定部と連結部材28とにわたる周知の止具または接着剤
介して両波形板11A・11Bを結合している。かくて
構成された図6の建築構築用防音材は、所定数の空間部
29を両波形板11A・11Bの間に形成している。こ
れら空間部29のうちの一つまたは二つ以上(全部を含
む)にも既述の濾過材および/または吸着材が充填され
て充填材層26が形成されることがある。また各V形部
材11a・11bが可撓性ないし柔軟性のある材料から
なる場合に、図6の建築構築用防音材は前述したと同様
の伸縮性を有する。
【0031】図6の建築構築用防音材においては、その
上面および/または下面が、これらの面に取り付けられ
た蓋体で閉鎖されることがある。また、波形板11A側
の各貫通孔15と波形板11B側の各貫通孔15とは、
防音材の表裏面にあって相互に一致する位置に設けられ
ることもないわけではないが、通常は位置ずれして重な
り合わないことが多い。
【0032】図7・図8は、図6の建築構築用防音材を
用いて塀や垣を構成する場合の一例を示している。
【0033】図7において、下段(地上)の防音材列
や、その上にある上段の防音材列は、いずれも両波形板
11A・11Bの結合体(多数)が立面状態で並列して
いるものである。これら下段・上段の防音材は、波形板
の幅に対応した間隔で建て込まれた各支柱30を利用し
て相互に連結されるものである。具体的には各支柱30
が図8のような断面X形をしているので、各防音材(両
波形板11A・11Bの結合体)は、これらの左側部・
右側部を各支柱30にあてがわれた後、前述した周知の
止具で各支柱30に固定される。その他、X形支柱30
の表面および/または裏面には、多数の孔をもつ蓋板3
1が取り付けられる。この蓋板31の材質も両波形板1
1A・11Bのそれと同じである。
【0034】このようにして構成された塀または垣も、
外部からの騒音が波形板11Aに衝突したときにその殆
どが乱反射するから、防音材の建て込まれた境界の内部
にまで外部騒音が伝搬するということが大幅に抑制され
る。逆に内部の騒音が外部に伝搬するということも大幅
に抑制される。かかる塀または垣において、充填材層2
6が空間部29内にない場合は、各貫通孔15が塀また
は垣に対して通気性をもたせたり閉塞感を緩和したりす
る。また、充填材層26が空間部29内にある場合は、
各貫通孔15から空間部29内に進入した空気中の有害
物や夾雑物が充填材層26で濾過または吸着される。ち
なみに自動車の排ガス等を含む空気などは、炭酸ガス・
窒素酸化物・その他の微粒子を充填材層26により除去
されてクリーン度の高いものになる。
【0035】図7・図8の塀または垣を構成するとき
に、防音材列を一段のみにしたり二段以上にしたりする
ことがあり、また、波形板11A・11Bの凸状部12
・凹状部13が水平方向に沿うように各防音材を配列す
ることもある。
【0036】図6の建築構築用防音材は、図3で述べた
内容に準じ、建物壁21の内面に内張り材として取り付
けることができるほか、建物の天井にも適用することが
できる。
【0037】図1の建築構築用防音材においては、図6
の建築構築用防音材に関して述べた事項の全てを技術的
互換性の範囲内で採用することができる。逆に図6の建
築構築用防音材においても、図1の建築構築用防音材に
関して述べた事項の全てを技術的互換性の範囲内で採用
することができる。これらの建築構築用防音材を用いて
つくられる前記垂直構造物・水平構造物の美観を高める
ために、各防音材を同一の色や模様で統一したり異なる
色や模様にしたりするということが自由に行なえる。こ
のような態様は、波形板11・11A・11Bがプラス
チック製である場合に採用しやすい。また、防音材の表
面および/または裏面を塗装したり表装材を張るという
ことも自由に行なえる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る建築構築用防音材はつぎの
ような効果を有する。
【0039】[効果1:防音性] 波形板に衝突した騒音は、凸状部・凹状部で反射して散
乱するほか、小さな凹凸形状によってもさらに散乱す
る。したがって、特定方向や特定部位の音量が大きくな
ることがなく、騒音遮断材として高い防音性を発揮す
る。
【0040】[効果2:通気性] 波形板の板面に点在する多数の貫通孔が防音材に通気性
を付与しているから、防音のために通気性を犠牲にする
ということがない。また、各貫通孔があるために防音材
による閉塞感も緩和される。
【0041】[効果3:高強度と軽量化] 波形板を主体にした防音材は凸状部・凹状部の連続体で
ある。これは扁平な板体に比べて見掛け上の量感が大き
いものであるが軽量である。しかも凸状部・凹状部が波
形板を座屈しがたくしているので防音材の強度が大き
い。したがって、この軽量で強度の大きい防音材で構成
された建築用の垂直構造物や水平構造物は地震対策上か
らも有効なものとなり、たとえ壊れるようなことがあっ
ても人や物に対する被害を軽微なものにする。
【0042】[効果4:低価格] 防音材は、上述のごとく軽量で量感があり強度の大きい
ものであるが、これが波形板を主体にしたものであるた
めに低価格である。
【0043】[効果5:施工の簡易性と汎用性] この防音材は、塀・垣・建物の内外壁や天井・内張り材
・外張り材・その他、各種のものに利用することのでき
る汎用性がある。この防音材は、また、建て込み・連結
・張り付けなど、難度のない作業で所望の構造物をつく
ることができるから施工の簡易性もある。
【0044】[効果6:有害物除去] この防音材が波形板二枚を主体にしたものであって、通
気間隙を有する充填材層がこれら波形板間の空間部内に
形成されている場合には、その充填材層を介して空気中
の有害物を除去することができる。とくに該充填材層が
濾過材および/または吸着材からなる場合には、有害物
の除去効果がより高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築構築用防音材の一実施形態を
示した一部切り欠き状態の平面図である。
【図2】本発明に係る建築構築用防音材の一実施形態を
示した部分的な正面図部分的な断面図である。
【図3】図1の建築構築用防音材についてこれの一使用
例を示した断面図である。
【図4】図1の建築構築用防音材についてこれの他使用
例を略示した正面図である。
【図5】図4の使用例における略示平面図である。
【図6】本発明に係る建築構築用防音材の他の一実施形
態を示した平面図である。
【図7】図6の建築構築用防音材についてこれの一使用
例を略示した正面図である。
【図8】図6の使用例における要部平面図である。
【符号の説明】
11 波形板 11A 波形板 11B 波形板 11a V形部材 11b V形部材 12 凸状部 13 凹状部 13 凸状部 14 凹凸形状 15 貫通孔 25 空間部 26 充填材層 28 連結部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の凹状部と凸状部とが波形に連続して
    なる波形板を主体にしたものであること、および、多数
    の小さな凹凸形状が波形板の表面および/または裏面に
    形成されていること、および、多数の小さな貫通孔が波
    形板の表裏面に点在して分布していることを特徴とする
    建築構築用防音材。
  2. 【請求項2】複数の凹状部と凸状部とが波形に連続して
    なる波形板二枚を主体にしたものであること、および、
    多数の小さな凹凸形状が各波形板の表面および/または
    裏面に形成されていること、および、多数の小さな貫通
    孔が各波形板の表裏面に点在して分布していること、お
    よび、二枚の波形板がこれらの凸状部相互・凹状部相互
    を向かい合わせにして結合されているとともに各凹状部
    相互の対向部間が空間部になっていることを特徴とする
    建築構築用防音材。
  3. 【請求項3】複数の凹状部と凸状部とが波形に連続して
    なる波形板二枚を主体にしたものであること、および、
    多数の小さな凹凸形状が各波形板の表面および/または
    裏面に形成されていること、および、多数の小さな貫通
    孔が各波形板の表裏面に点在して分布していること、お
    よび、二枚の波形板がこれらの凸状部相互・凹状部相互
    を向かい合わせにして組み合わされているとともに各凹
    状部相互の対向部間が空間部になっていること、およ
    び、通気間隙を有する充填材層が一つ以上の空間部内に
    形成されていること、および、充填材層が濾過材および
    /または吸着材からなることを特徴とする建築構築用防
    音材。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の建築構築用防音材。
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