JP3086868B2 - 生育状態解析装置および方法 - Google Patents

生育状態解析装置および方法

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JP3086868B2 JP09127701A JP12770197A JP3086868B2 JP 3086868 B2 JP3086868 B2 JP 3086868B2 JP 09127701 A JP09127701 A JP 09127701A JP 12770197 A JP12770197 A JP 12770197A JP 3086868 B2 JP3086868 B2 JP 3086868B2
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久 吉田
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正男 高舘
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング(以下、MRIという)装置を用いて、植物体、種
子、組織、カルスなどの植物試料の生育状態を、静態的
または動態的に解析するための装置および方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、植物の種子は、塩水を用いた比重
選によって播種の適、不適が判定されてきたが、これだ
けでは発芽性その他の評価は困難である。そこで発芽性
や栽培条件の評価等の解析を行うために、これらを栽培
ないし培養してその生育状態を観察することが行われて
いる。この場合出芽の良否は、例えば水稲の場合、発
芽、伸長後に土水面から突出した芽の数を播種量と比較
して判定されてきたが、下部に伸長する根の形成過程お
よび芽が土壌を突き破って出芽するまでの経時的変化を
非破壊で追跡することは困難であった。また、出芽時間
は、気温や水温、ならびに圃場の土壌等の環境条件の影
響を受けるため、精度の高い診断が困難であった。
【0003】一方、種子を含む生物試料、ならびにその
生育状況をMRI装置を用いて非破壊で観察することが
提案されている(例えば特開平8−240651号、特
開平9−5317号)。しかしこの方法は種子等の生物
試料をMRI装置に搬入してMR画像を得たり、あるい
はMRI装置内において生育させてMR画像を得ている
が、いずれも試料を気相に置いてMR画像を得ている。
【0004】このような気相での観察は、播種による土
壌中での出芽、特に水稲の場合の湛水土壌中での出芽と
は条件が異なるため、出芽性の解析には利用できない。
上記の場合、気相での生育に代えて土壌中あるいは水中
での生育を行ってそのまま観察しようとすると、土壌中
の磁性体や自由水がMR画像に影響を与え、鮮明な画像
を得ることが困難である。特に、湛水土壌のように多量
の自由水が存在すると、影響が現われる。湛水していな
い一般の土壌においても、土壌中に含まれる砂鉄等の磁
性体により影響を受けやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、土壌
中特に湛水土壌中において植物を生育させた状態で自由
水の影響を少なくして鮮明なMR画像およびスペクトル
を得ることができ、これにより発芽、伸長等の生育状態
を解析することができる生育状態解析装置および方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の生育状態解
析装置および方法である。 (1) 空心部に静磁場および傾斜磁場を形成する磁場
形成装置と、内部に非浸透性の非磁性体粒子からなる人
工土壌を充填して植物試料を生育させる試料セルと、試
料セルを前記空心部に配置する試料ホルダと、前記試料
セルにRFパルスを発信し、磁気共鳴信号を受信するよ
うに空心部に配置されるRF発受信装置とを備えている
ことを特徴とする生育状態解析装置。 (2) RF発受信器を空心部に配置した状態で、試料
セルを搭載した試料ホルダを空心部の測定位置に搬送す
る試料搬送装置を有する上記(1)記載の装置。 (3) 試料ホルダは複数の試料セルを搭載できるよう
にされた上記(1)または(2)記載の装置。 (4) 内部に非浸透性の非磁性体粒子からなる人工土
壌を充填して植物試料を生育させた試料セルを試料ホル
ダに搭載して磁場形成装置の空心部に配置し、磁場形成
装置により静磁場および傾斜磁場を形成し、RF発受信
装置から試料セルにRFパルスを発信して、磁気共鳴信
号を受信し、これによりMR画像およびスペクトルを得
て、試料の生育状態を解析することを特徴とする生育状
態解析方法。 (5) RF発受信装置を空心部に配置した状態で、試
料搬送装置により試料ホルダを空心部に搬送して解析を
行うようにした上記(4)記載の方法。 (6) 試料ホルダに複数の試料セルを搭載して解析を
行うようにした上記(4)または(5)記載の方法。
【0007】本発明の生育状態解析装置および方法は、
一般に入手可能なMRI装置に、人工土壌を充填して植
物試料を生育させた試料セルを、試料ホルダに搭載して
空心部に配置し、MRI画像およびスペクトルを得て生
育状態を解析するように構成される。この場合、RF発
受信器を空心部に配置した状態で、試料セルを搭載した
試料ホルダを搬入、搬出できるように搬送手段を設ける
ことにより、測定条件を一定にして解析を行うことがで
きる。
【0008】磁場形成装置およびRF発受信装置等はM
RI装置を構成するものであり、市販品を使用すること
ができる。静磁場形成装置としては超伝導磁石が好まし
く、空心円筒形に形成されたものを横形に配置して使用
するのが好ましい。傾斜磁場形成装置はX、Y、Zの三
次元方向に傾斜磁場を形成するように構成される。RF
発受信装置はRFコイルを有し、発信装置と受信装置が
一体化したものでよく、分離したものでもよい。RF発
受信装置は空心円筒状に形成し、その内部に試料セルを
配置して測定を行うように構成するのが好ましい。
【0009】試料セルには内部に非浸透性の非磁性体粒
子からなる人工土壌を充填して植物試料を生育させるよ
うに、容器状に形成される。試料セルは蓋を有するのが
好ましいが、蓋は生育条件に応じて通気性または非通気
性とすることができる。植物試料としては植物体、種
子、組織、カルスなど、生育の対象となるものであれば
よい。
【0010】試料セルに充填する人工土壌としては、
水、培養液等の液体が内部に浸透しない非浸透性の非磁
性体粒子からなるものが使用でき、非吸水性のものが好
ましい。このような非磁性体粒子としては、ジルコニア
等のセラミックス、ガラス、プラスチックスなどの非磁
性体粒子のうち、内部に隙間が存在せず、非浸透性のも
のを用いる。形状は球形またはこれに近いものが好まし
いが、他の形状でもよい。粒径としては0.1〜10m
m、好ましくは1〜5mmのものが好ましい。これらは
充填したときの間隙が少なくなるように、粒径の異なる
ものが混在しているのが好ましい。
【0011】試料ホルダは上記の試料セルを搭載して磁
場形成装置の空心部の測定位置に配置するように可搬式
に形成される。試料ホルダは複数の試料セルを搭載でき
るように、複数の試料セル受けを形成するのが好まし
い。RF発受信装置が空心円筒状に形成される場合は、
その空心部に試料ホルダが配置されるように構成され
る。
【0012】RF発受信装置は通常クレードルに搭載し
て磁場形成装置の空心部に導入されるが、測定試料ごと
にクレードルを挿入、排出すると、その都度RF発信装
置の位置が微妙に変わるため、試料交換の都度チューニ
ングとシミングをやり直す必要がある。このためRF発
受信装置と試料搬送装置をクレードルに搭載して磁場形
成装置の空心部に固定し、試料搬送装置により、試料セ
ルを搭載した試料ホルダを測定位置に搬送するように構
成するのが好ましく、これによりチューニングとシミン
グのやり直しを省略することができる。
【0013】試料搬送装置としては、RF発受信装置の
空心部から磁場形成装置の空心部を通して外部に伸びる
ガイド筒を設け、このガイド筒内を試料セルを搭載した
試料ホルダを搬入、搬出するように構成するのが好まし
いが、他の構成でもよい。
【0014】RF発受信装置および試料搬送装置はクレ
ードルに固定して磁場形成装置の空心部に搬入し、固定
できるようにすることができるが、試料の細部を観察す
る場合は、RF信号による衝撃波がMR画像に影響しな
いように、クレードルに鉛のような重量物を設置して空
心部内に保持するのが好ましい。
【0015】
【作用】上記のような装置による生育状態解析方法は、
内部に非浸透性の非磁性体粒子からなる人工土壌を充填
して植物試料を生育させた試料セルを試料ホルダに搭載
して磁場形成装置の空心部に配置し、磁場形成装置によ
り静磁場および傾斜磁場を形成し、RF発受信装置から
試料セルにRFパルスを発信して、磁気共鳴信号を受信
し、これによりMR画像およびスペクトルを得て、試料
の生育状態を解析する。
【0016】RFパルスとしては、スピンエコーパルス
シーケンスまたはグラジエントエコーパルスシーケンス
が好ましいが、他のパルスシーケンスでもよい。
【0017】スピンエコーパルスシーケンスはMR画像
を得るために最も一般的に行われているパルスシーケン
スで、水素等の原子核に最初に90°のフリップ角のパ
ルス、続いて180°パルスを与えて、RF(高周波)
コイルの中に誘導される高周波の電気信号(Spin
echo)を得る。この信号のフーリエ変換により共鳴
周波数に対応するスペクトルが得られ、このスペクトル
を積算することによりMR画像が形成される。スピンエ
コー法では2つのパラメーター、繰り返し時間およびエ
コー時間がコントラストを決定する。最初の励起パルス
は90°パルスで、繰り返し時間は数百msec〜数秒
である。
【0018】グラジエントエコー(gradient
echo、あるいはfield echo)パルスシー
ケンスは高速撮像に適したパルスシーケンスで、水素等
の原子核に最初に小さいフリップ角(15〜45°)の
励起パルスを与えて、続いて傾斜磁場(勾配磁場)を正
負に反転させてスピンの位相を揃ったエコーを生じさ
せ、MR画像を得る方法である。フリップ角が小さいの
で縦緩和が戻るまでの時間が短く、エコー時間、繰り返
し時間はスピンエコー法よりきわめて短い数十msec
程度で画像データを取得するので、著しく短い時間での
MR撮像が可能となる。主要なシーケンスとしてはFL
ASH(Fast Low AngleShot)など
がある。
【0019】上記のようなRFパルスをRF発受信装置
から発信し、発信停止後MR信号を受信する際、試料セ
ル内が水で充満していると、多量の自由水がMR画像に
影響を与え、鮮明なMR画像およびスペクトルを得るこ
とができない。試料セル内に土壌が充填されている場合
でも、水が土壌内に浸透するため同様の現像が生じる。
【0020】これに対して本発明のように試料セル内に
非浸透性の非磁性体からなる人工土壌を充填すると、水
が投入された場合でも人工土壌の粒子の内部に水が浸透
しないので、試料セル内に保持される自由水の量は少な
くなり、このため、MR画像への自由水の影響は少なく
なり、鮮明な画像およびスペクトルを得ることができ
る。
【0021】このように試料セル内に人工土壌を充填し
た状態で試料を生育させ、その状態のMR画像を得るこ
とができるので、土壌中における出芽、伸長等の生育状
態を解析することができる。このとき人工土壌とともに
水を充満させても鮮明な画像を得ることができるので、
水稲の種子などについて、湛水土壌中での生育状態につ
いても正確に解析することができる。
【0022】RF発受信装置を空心部に配置した状態
で、試料搬送装置により試料ホルダを空心部に搬送して
解析を行うようにすると、チューニングおよびシミング
を1回だけ行えばよく、その後は単に試料交換をするだ
けでMR画像を得ることができる。
【0023】また試料ホルダに複数の試料セルを搭載し
て解析を行うようにすると、異なる試料について同時に
MR画像およびスペクトルを得て比較解析することが可
能になる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、試料セルの内部に非浸
透性の非磁性体粒子からなる人工土壌を充填して植物試
料を生育させた状態でMR画像およびスペクトルを得る
ようにしたので、土壌中特に湛水土壌中において植物を
生育させた状態で、自由水の影響を少なくして鮮明なM
R画像およびスペクトルを得ることができ、これにより
発芽、伸長等の生育状態を解析することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は実施例の生育状態解析装置
を示す分解斜視図、図2はその垂直断面図、図3は試料
セルの垂直断面図である。
【0026】図1において、1は生育状態解析装置で、
円筒状の磁場形成装置2内に形成された空心部3に、R
F発受信装置4およびこれに固定された試料搬送装置5
を搭載したクレードル6が搬入、搬出可能とされてお
り、試料搬送装置5には試料セル7を搭載した試料ホル
ダ8が搬入、搬出可能とされている。
【0027】磁場形成装置2は超伝導マグネットからな
る横型空心円筒状の静磁場コイル2aの内周部に同心円
状の傾斜磁場コイル2bが一体化されて支持台9上に支
持され、中央部にクレードル6の外径に対応した内径を
有する空心部3が形成されている。
【0028】RF発受信装置4は空心部11を有する短
い円筒状に形成され、その内部にトリマーコンデンサ、
チップコンデンサ等のコンデンサおよびRFコイルを内
蔵しており、その一端からチューニング棒12が磁場形
成装置2外に突出している。磁場形成装置2およびRF
発受信装置4はMRI装置を構成し、コンピュータによ
り制御されてMR画像およびスペクトルを形成するよう
に構成されているが、詳細な図示は省略されている。
【0029】クレードル6は傾斜磁場コイル2bの内径
にほぼ相当する外径を有する円筒を軸方向に分割した部
分円筒状に形成され、その内周側に突出する取付部材1
3に、止具14によりRF発受信装置4が固定されてい
る。クレードル6の外周部には、フッ素樹脂(テフロ
ン)等の低摩擦性材料からなる滑材15が貼付けられて
いる。またクレードル6の一端部にはロックピン16が
設けられていて、クレードル6を傾斜コイル2bに固定
して位置決めするようにされている。他端部には支持部
材17が内周側に突出し、先端に緩衝材18が取付けら
れている。
【0030】試料搬送装置5は、長尺円筒からなるガイ
ド筒21の一端部側の外周部から1対のスペーサ22が
突出しており、その先端に設けられた緩衝材23がRF
発受信装置4の円周部に密着するとともに、ガイド筒2
1の他端部側が緩衝材18を介して支持部材17に支持
されることによりガイド筒21がRF発受信装置4の空
心部11に固着されるようになっている。ガイド筒21
の空心部24には試料ホルダ8がスライドするようにさ
れており、これを案内するための丸棒状のガイドレール
25がガイド筒21の底部に設けられている。
【0031】試料ホルダ8はガイド筒21の内径にほぼ
等しい外径を有する円柱を軸方向にほぼ半切した形状の
ブロックからなり、円弧状の底部にガイドレール25に
係合するガイド溝26を有し、平面状の上部から底部側
に試料セル7を搭載するための円形穴からなる試料セル
受け27が複数個形成されている。試料ホルダ8の一端
側には操作棒28が取付けられている。29はその反対
側に相当する位置のガイド筒21に設けられたストッパ
である。
【0032】試料セル7は試料セル受け27に挿着され
る大きさの小型試験管状に形成されたセル本体31およ
び蓋32からなり、内部に非浸透性の非磁性体からなる
人工土壌33が充填されており、植物種子等の試料34
を生育できるように構成されている。試料セル7内に
は、生育に応じて水35が入れられ、また蓋32を通気
性または非通気性にして試料34の生育が行われる。
【0033】上記の装置による生育状態解析方法は、ま
ず図1に示すように、RF発受信装置4および試料搬送
装置5をクレードル6に固定した状態からクレードル6
を矢印aの方向に移動させて、磁場形成装置2の空心部
3に導入する。このとき、滑材15の低摩擦性を利用し
て傾斜磁場コイル2b上をスライドさせ、ロックピン1
6により所定位置にクレードル6を固定して位置決めす
る。
【0034】次いで図3のように非浸透性の非磁性体か
らなる人工土壌33を充填して試料34を埋設し、水3
5を入れ生育させた試料セル7を、図1のように、試料
ホルダ8の試料セル受け27に保持した状態から、矢印
aの方向に移動させて、試料搬送装置5の空心部24に
導入する。そしてガイドレール25にガイド溝26を係
合させて操作棒28を押すことにより試料ホルダ7を空
心部24内を移動させ、ストッパ29に当たる位置で停
止することにより、試料セル7をRF発受信装置4の空
心部11内に位置決めする。
【0035】この状態で磁場形成装置2の静磁場コイル
2aで静磁場を形成し、傾斜磁場コイル2bで傾斜磁場
を形成し、傾斜磁場コイル2bのシミングを行う。そし
てチューニング棒12によりチューニングを行い、磁場
を均一化する。その後RF発受信装置4によりRFパル
スを発信し、MR信号を受信してMR画像として再構成
することにより、試料の生育状態のMR画像およびスペ
クトルを得、生育状態の解析を行う。
【0036】上記のようなRFパルスをRF発受信装置
から発信し、発信停止後MR信号を受信する際、一般的
な方法では試料セル内の多量の自由水がMR画像に影響
を与え、鮮明なMR画像およびスペクトルを得ることが
できないが、上記のように試料セル7内に非浸透性の非
磁性体からなる人工土壌33を充填すると、水35が投
入された場合でも人工土壌33の粒子の内部に水が浸透
しないので、試料セル7内に保持される自由水の量は少
なくなり、このためMR画像への自由水の影響は少なく
なり、鮮明な画像およびスペクトルを得ることができ
る。
【0037】このように試料セル7内に人工土壌33を
充填した状態で試料34を生育させ、その状態のMR画
像およびスペクトルを得ることができるので、土壌中に
おける出芽、伸長等の生育状態を解析することができ
る。このとき人工土壌33とともに水35を充満させて
も正確な画像を得ることができるので、水稲の種子など
について、湛水土壌中での生育状態についても正確に解
析することができ、出芽性の診断その他の解析を行うこ
とができる。
【0038】上記の装置ではRF発受信装置4を空心部
に配置した状態で、試料搬送装置5により試料ホルダ8
を空心部11に搬送して解析を行うので、チューニング
およびシミングを1回だけ行えばよく、その後は単に試
料交換するだけで、続けてMR画像を得ることができ
る。また試料ホルダ8に複数の試料セル7を搭載して解
析を行えるので、異なる試料について同時にMR画像お
よびスペクトルを得て比較解析することが可能になる。
【0039】次に試験例について説明する。人工土壌と
して粒径0.5mmのジルコニアを試料セルに充填して
水を張り、イネ種子(品種:コシヒカリ)を図3に示す
ように入れて出芽試験を行い、5日後の生育状態を解析
した(実施例1)。
【0040】比較例として、土壌(黒ボク)を充填した
場合(比較例1)、ならびに水のみを張った場合(比較
例2)について、各試料セルを並べてスピンエコー法に
より解析を行い得たMR画像およびスペクトルを図4に
示す。
【0041】図4は右から実施例1,比較例1,2の順
番で並べたMR画像、および縦軸が2.3cmのスライ
ス面のプロトンスペクトル強度を示し、Aは実施例1の
スペクトルで発芽種子のプロトンのスペクトルが鮮明に
現われているのがわかる。これに対しB、Cはそれぞれ
比較例1、2のスペクトルで、それぞれ土壌または水が
影響して種子のスペクトルが鮮明に得られないことがわ
かる。
【0042】以上の通り上記の装置は、試料セルの内部
に非浸透性の非磁性体粒子からなる人工土壌を充填して
植物試料を生育させた状態でMR画像およびスペクトル
を得るようにしたので、土壌中特に湛水土壌中において
植物を生育させた状態で、自由水の影響を少なくして鮮
明なMR画像およびスペクトルを得ることができ、これ
により発芽、伸長等の生育状態を解析することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の生育状態解析装置の分解斜視図であ
る。
【図2】図1の垂直断面図である。
【図3】試料セルの垂直断面図である。
【図4】試験例の結果を示すMR画像およびスペクトル
図である。
【符号の説明】
1 生育状態解析装置 2 磁場形成装置 2a 静磁場コイル 2b 傾斜磁場コイル 3、11、24 空心部 4 RF発受信装置 5 試料搬送装置 6 クレードル 7 試料セル 8 試料ホルダ 9 支持台 12 チューニング棒 13 取付部材 14 止具 15 滑材 16 ロックピン 17 支持部材 18、23 緩衝材 21 ガイド筒 22 スペーサ 25 ガイドレール 26 ガイド溝 27 試料セル受け 28 操作棒 29 ストッパ 31 セル本体 32 蓋 33 人工土壌 34 試料 35 水
フロントページの続き (72)発明者 小柳 敦史 茨城県つくば市吾妻2−1−2−713− 101 (56)参考文献 特開 平9−5317(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 24/00 - 24/12 G01R 33/20 - 33/64 A61B 5/055

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空心部に静磁場および傾斜磁場を形成す
    る磁場形成装置と、 内部に非浸透性の非磁性体粒子からなる人工土壌を充填
    して植物試料を生育させる試料セルと、 試料セルを前記空心部に配置する試料ホルダと、 前記試料セルにRFパルスを発信し、磁気共鳴信号を受
    信するように空心部に配置されるRF発受信装置とを備
    えていることを特徴とする生育状態解析装置。
  2. 【請求項2】 RF発受信器を空心部に配置した状態
    で、試料セルを搭載した試料ホルダを空心部の測定位置
    に搬送する試料搬送装置を有する請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 試料ホルダは複数の試料セルを搭載でき
    るようにされた請求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】 内部に非浸透性の非磁性体粒子からなる
    人工土壌を充填して植物試料を生育させた試料セルを試
    料ホルダに搭載して磁場形成装置の空心部に配置し、 磁場形成装置により静磁場および傾斜磁場を形成し、 RF発受信装置から試料セルにRFパルスを発信して、
    磁気共鳴信号を受信し、 これによりMR画像およびスペクトルを得て、試料の生
    育状態を解析することを特徴とする生育状態解析方法。
  5. 【請求項5】 RF発受信装置を空心部に配置した状態
    で、試料搬送装置により試料ホルダを空心部に搬送して
    解析を行うようにした請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 試料ホルダに複数の試料セルを搭載して
    解析を行うようにした請求項4または5記載の方法。
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