JP3086402B2 - 充填軟包装袋の回転式加圧加熱殺菌トレー - Google Patents

充填軟包装袋の回転式加圧加熱殺菌トレー

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JP3086402B2
JP3086402B2 JP07181603A JP18160395A JP3086402B2 JP 3086402 B2 JP3086402 B2 JP 3086402B2 JP 07181603 A JP07181603 A JP 07181603A JP 18160395 A JP18160395 A JP 18160395A JP 3086402 B2 JP3086402 B2 JP 3086402B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パウチ等の軟包装袋に
充填物を充填し密封して充填軟包装袋とし、加圧加熱殺
菌処理槽内において該充填軟包装袋を回転させながら加
圧加熱殺菌処理する充填軟包装袋用の回転式加圧加熱殺
菌トレーに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平5ー227920号公報に開示さ
れたものは、垂直断面がほぼ二等辺三角形の軟包装袋に
充填物を充填し密封して充填軟包装袋とし、加圧加熱殺
菌処理槽内で該充填軟包装袋を回転させながら加圧加熱
殺菌処理する充填軟包装袋の回転式加圧加熱殺菌トレー
に関し、充填軟包装袋収容領域を直方体に形成し、充填
軟包装袋の長手方向をトレーの回転放射方向を向けて形
成する。特開平6ー237744号公報に開示されたも
のは、軟包装袋に充填物を充填し密封して充填軟包装袋
とし、加圧加熱殺菌処理槽内で該充填軟包装袋を回転さ
せながら加圧加熱殺菌処理する充填軟包装袋の回転式加
圧加熱殺菌トレーに関し、段積みされる上下のトレイ
に、それぞれ充填軟包装袋の外周に略等しい曲率の湾曲
面を有する凹状の保持板が対向位置に設けられてなり、
これらトレーを段積みした際に前記保持板によって形成
される空間が前記充填軟包装袋の収納部とされ、該収納
部に収納した充填軟包装袋の湾曲面によって保持する構
成を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平5ー22792
0号公報に開示されたトレーは、回転放射方向において
同一の厚さの充填軟包装袋収容部を有するため、トレー
の回転によって充填軟包装袋が収容部内を移動する。こ
の移動によって、充填軟包装袋の表面が収容部の壁部に
よって摩擦されて損傷し、場合によっては破袋する虞が
ある。仮に、充填軟包装袋の移動を防止するために収容
部の容積を小さくして充填軟包装袋を収容部によって圧
接するようにすると、包装袋の充填物のうちの固形物が
破壊したり、加熱殺菌によって充填軟包装袋が膨張して
変形するかあるいは破袋する虞がある。また、回転式加
圧加熱殺菌においては、充填軟包装袋中にヘッドスペー
スを設けることによりヘッドスペース内にある気体が回
転殺菌中に充填軟包装袋内を移動し、該充填物の殺菌効
果を向上させることができる。しかしながら、上述した
ように充填軟包装袋を収容部によって圧接するため充填
物の殺菌効率が低下するという問題がある。
【0004】これらの問題は、垂直断面がほぼ二等辺三
角形の軟包装袋に充填物を充填し密封して充填軟包装袋
すなわちスタンデイングパウチについて特に顕著とな
る。
【0005】特開平6ー237744号公報に開示され
たトレーは、積み重ねたトレーの間にトレーが存在しな
い無駄な空間が多く、一殺菌工程で殺菌可能な充填軟包
装袋の数が少なく殺菌効率が悪く、別の見方をすれば非
常に嵩張った加圧加熱殺菌処理槽を必要とする問題があ
る。さらに、特開平6ー237744号公報に開示され
たトレーについても、同一の厚さの充填軟包装袋収容部
を有するため、厚さが一定でない上記スタンデイングパ
ウチである場合は、充填軟包装袋が収容部内で安定せず
移動し易い問題あり、従って、この移動によって、充填
軟包装袋の表面が収容部の壁部によって摩擦されて損傷
し、場合によっては破袋する虞があり、特開平5ー22
7920号公報に開示されたものと同じ問題がある。さ
らに、上述した包装袋が破袋・損傷する虞がある従来の
トレーにおいて、シリコーンゴムシートをトレーに敷い
て包装袋を収容することが提案されている。この方法に
よると破損・損傷を防ぐことはできるが、加熱殺菌効率
が極めて低くなる問題がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、従来の充填包装袋の回転式加
圧加熱殺菌トレーの上述の問題に鑑みてなされたもので
あって、垂直断面がほぼ二等辺三角形の軟包装袋に充填
物を充填し密封して充填軟包装袋を大きな圧力を加える
ことなく安定して収容し、トレーの回転によっても充填
軟包装袋の損傷や充填物の破壊の虞がなく、さらに加熱
殺菌効率の高い充填軟包装袋の加圧加熱殺菌トレーを提
供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明は、垂直断面がほ
ぼ二等辺三角形の軟包装袋に充填物を充填し密封して充
填軟包装袋とし、加圧加熱殺菌処理槽内で該充填軟包装
袋を回転させながら加圧加熱殺菌処理する充填軟包装袋
の回転式加圧加熱殺菌トレーにおいて、 上記トレーは
中心線と平行な面内にある左右側面板と上記中心線と直
交する面内にある前後側面板とからなる直方体の外形を
有し、上記トレーはさらに、上記左右側面板付近におい
て上記充填軟包装袋の底部の幅の半分に等しい深さ位置
に位置し、上記左右側面板から回転中心側へ上記充填軟
包装袋の高さだけ離れた位置付近において深さ0の位置
になるように傾斜して配置されて充填軟包装袋収容部を
形成する底板を有していることを特徴とする回転式加圧
加熱殺菌トレーである。
【0008】本発明の実施態様は以下のとおりである。
上記トレーの前後側面板が、複数の流体通過孔を有して
いることを特徴とする。上記トレーの左右側面板が、複
数の流体通過孔を有していることを特徴とする。上記ト
レーの左右側面板が、該左右側面板の上下縁縁部に半円
形の流体通過孔を有することを特徴とする。上記トレー
の前後側面板及び左右側面板の高さが、上記充填軟包装
袋の底部の幅の1/2より大きく、底板が二重になって
いることを特徴とする。上記トレーの前後側面板の長さ
が、上記充填軟包装袋の高さの2倍以上であり、上記充
填軟包装袋収容部が対をなして形成されることを特徴と
する。上記底板が、上記左右側面板から回転中心側へ上
記充填軟包装袋の高さより大きな距離離れた位置におい
て深さ0の位置になるように傾斜していることを特徴と
する。上記トレーの充填軟包装袋収容部が、複数の流体
通過孔を有していることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明のトレーは、積み重ねて使用するもので
あって、積み重ねる際には、上方トレーの底板の下面と
下方トレーの底板の上面との間に充填軟包装袋収容部を
形成し、垂直断面がほぼ2等辺三角形の充填軟包装袋を
上記底板の下面と上面に一致させて収容することができ
る。従って、本発明によれば、回転による加圧加熱殺菌
処理中、充填軟包装袋はトレー内で局所的なあるいは過
剰な圧力を受けることなく安定して保持され続ける。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、垂直断面がほぼ二等辺
三角形の軟包装袋に充填物を充填し密封して充填軟包装
袋を大きな圧力を加えることなく安定して収容し、トレ
ーの回転によっても充填軟包装袋の損傷や充填物の破壊
の虞がなく、さらに加熱殺菌効率の高く維持することが
できる効果を有する。請求項2記載の実施態様によれ
ば、トレーの前後側面に複数の流体通過孔を設けること
により、トレーの内外における熱水の交換を効率的に行
うことができ、充填物の殺菌効果が向上する。請求項3
記載の実施態様によれば、トレーの左右側面に複数の流
体通過孔を設けることにより、回転殺菌時に回転殺菌処
理槽内で生じる回転放射方向への熱水の流れに従ってト
レー内の熱水がトレー外に送り出され、トレー内外の熱
水の交換が効率的に行われて充填物の殺菌効率が向上す
る。
【0011】請求項4記載の実施態様によれば、トレー
の左右側面板の上下縁部に半円形の流体通過孔を設けた
場合、トレーを積み重ねた際に該半円形の流体通過孔が
円形の流体通過孔を形成する。これにより前記円形の流
体通過孔を通して充填軟包装袋の上部付近又は底中心部
付近の熱水がより多くトレー外に送り出されトレー内外
の熱水の交換が効率的に行われて充填物の殺菌効率が向
上する。請求項5記載の実施態様によれば、底板を二重
にすることにより、トレー内部の熱水経路を確保するこ
とができ、充填物の殺菌効率が向上する。請求項6記載
の実施態様によれば、より多くの充填軟包装袋をトレー
に収容することができ、一度に多数の充填軟包装袋の殺
菌が可能である。殺菌時に上下トレーに挟まれた充填軟
包装袋の上隅部は充填物の膨張により張り詰めた状態に
なるが、請求項7記載の実施態様によれば、トレーとの
接触による充填軟包装袋の上隅部の損傷を防ぐことがで
きる。請求項8記載の実施態様によれば、充填軟包装袋
に熱水を直接接触させることにより、充填軟包装袋を効
率的にの殺菌することができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
【第1態様】回転式レトルト殺菌機 内容物を充填した密封軟包装袋、すなわち充填軟包装袋
を回転させながら殺菌するいわゆる回転式レトルト殺菌
機1は、図4に示すように、加圧加熱殺菌処理を施すた
めの横向き円筒形の加圧加熱殺菌処理槽2、加圧加熱殺
菌処理槽2の上方に設けられ、熱水を一時的に貯える熱
水槽3、回転式レトルト殺菌機1の制御情報を記憶する
記憶部4、記憶部4の記憶情報に基づいて加圧加熱殺菌
処理槽2の作動等を制御する制御部5を有し、これらを
連通パイプや連結線で連結してなる。加圧加熱殺菌処理
槽2は、図3及び図4に示すように、横向き円筒形の殺
菌処理ドラム201と、複数のベアリング202によっ
て支持され、かつ殺菌処理ドラム201の軸線を中心に
回転する回転枠203とを包含している。回転枠203
の底部付近には、2本のレール204が配置されてい
る。レール204は、充填軟包装袋を入れた複数のトレ
ー206を載置するための台車208が、回転枠203
の軸線と平行に摺動できるように設けられている。
【0013】殺菌処理ドラム201は、上面に上側給排
水口210及び給排気口211が設けられ、下面に下側
給排水口212が設けられている。殺菌処理ドラム20
1にはまた、収容されたトレー206が台車208から
はずれず、かつ台車208がレール204からはずれる
ことがないように、殺菌処理ドラム201にこれらのも
のを固定するための押さえ機構214が設けられてい
る。
【0014】殺菌処理ドラム201は、図4に示すよう
に、その一方の側面にトレー206及び台車208を出
し入れするための開閉扉224が設けられており、他方
の側面は密閉されていてる。殺菌処理ドラム201の密
閉された上記側面には、該側面を貫通して回転駆動軸2
26が設けられている。回転駆動軸226は、殺菌処理
ドラム201の外部に配置された回転動力源(図示せ
ず)からの駆動力を回転枠203に伝達するためのもの
である。熱水槽3は、図3に示すように、上面に吸排気
口250、下面に第1給排水口252及び第2給排水口
254が設けられ、さらに、熱水槽3内の下部に蒸気供
給パイプ256が配置されている。熱水槽3の制御系
は、図4に示すように、制御部5が、記憶部4の出力信
号、及び加圧加熱殺菌処理槽2に設けられた圧力センサ
ー(図示せず)及び温度センサー(図示せず)の出力に
基づいてバルブ326、バルブ330の開閉を制御す
る。
【0015】加圧加熱殺菌処理槽2と熱水槽3、及びこ
れに関連した装置の連結は、図4に示すように、加圧加
熱殺菌処理槽2の下側給排水口212は、バルブ30
2、循環ポンプ304、蒸気混合部306、バルブ30
8を介して第2給排水口254に連結されている。この
連結路によって加圧加熱殺菌処理槽2内の熱水を熱水槽
3に戻すことができる。
【0016】下側給排水口212はまた、バルブ30
2、バルブ310、給水ポンプ312を介して給水源3
13に連結されている。この連結路により冷却水を加圧
加熱殺菌処理槽2に供給することができる。下側給排水
口212はさらに、バルブ314を介して外部に連結さ
れている。この連結路によって加圧加熱殺菌処理槽2内
の熱水・冷却水を外部に排出することができる。上側給
排水口210は、バルブ316、蒸気混合部306、循
環ポンプ304、バルブ302を介して下側給排水口2
12に連結されている。蒸気混合部306は、バルブ3
18を介して蒸気供給源320に配置されている。これ
らの連結路によって、加圧加熱殺菌処理槽2内の熱水を
取り出して蒸気混合部306における蒸気混入によって
再加熱し、再び加圧加熱殺菌処理槽2に戻すことができ
る。加圧加熱殺菌処理槽2の給排気口311は、バルブ
326を介して空気抜き口328に連結され、またバル
ブ330を介して加圧空気源332に連結されている。
【0017】熱水槽3の第1給排水口52は、バルブ3
34、バルブ310、給水ポンプ312を介して給水源
313に連結されている。熱水槽3はこの連結路によっ
て給水を受けることができる。第1給排水口52はま
た、バルブ336を介して外部に連通されている。熱水
槽3の蒸気供給パイプ56は、バルブ340を介して蒸
気供給源320に連結ている。この連結路によって熱水
槽3内の熱水を蒸気混入によって加熱することができ
る。熱水槽3の吸排気口50は、バルブ350を介して
空気抜き口352に連結され、またバルブ354を介し
て加圧空気源356に連結されている。
【0018】トレー トレー206は、図1及び図2に示すように、アルミニ
ュウム板に複数の円孔を設けた板材によって形成された
直方体の外形を有する。トレー206は、該直方体の長
さ方向の中心線Sを対称軸とする線対称形であって、中
心線Sと平行な面内にある左右側面板232、234
と、中心線Sと直交する前後側面部236、238と、
一対の底板240、242と、充填軟包装袋を一個づつ
収容する画室250を形成するために中心線Sと直交し
て延びる複数の仕切り板252、254とを有する。こ
れにより、いくつものトレーを画室が対向するように積
み重ねて、一度に多数の充填軟包装袋を加熱処理するこ
とができる。さらに、トレー206の一方の面すなわち
上面には、トレー206を積み重ねたとき、上下のもの
が互いに横滑りを起こすことを防ぐための滑り止め25
7が四隅に設けられている。
【0019】底板240、242は、底板傾斜部270
と、底板傾斜部270に連続する底板水平部272とか
らなる。底板傾斜部270は、画室250の最大深さが
充填軟包装袋の底部の幅の1/2であり、中心線Sと直
交する方向の画室の幅が充填軟包装袋の高さに例えば5
cmを加えた寸法の画室250を形成するように形成され
る。左右側面板232、234、前後側面部236、2
38の高さは、充填軟包装袋の底部の幅の1/2に例え
ば2cmを加えた寸法であり、従って底板240、242
の垂直方向の間隔は約2cmである。前後側面部236、
238は、袋状であって、底板240、242の間に形
成される空間に連通している。
【0020】殺菌サイクル 記憶部4は、加圧加熱殺菌処理槽2内に搬入された充填
軟包装袋の含気率が2%を超える状態を保持したまま殺
菌処理するための圧力・温度制御情報を記憶している。
該圧力・温度制御情報は、図5に示すように、横軸に時
間、縦軸に圧力及び温度をとると、温度グラフA及び圧
力領域グラフBとなる。図5に示す圧力・温度制御を行
うために、加圧加熱殺菌処理槽2は次のように操作され
る。すなわち、殺菌開始LからMまでの期間は、熱水を
所定温度にして加圧加熱殺菌を行う。期間MNにおい
て、加圧加熱殺菌処理槽2内を高圧にするともに、加圧
加熱殺菌処理槽2内の熱水を熱水槽3に戻し、その後加
圧加熱殺菌処理槽2に冷却水を供給する。期間NOは加
圧加熱殺菌処理槽2内の圧力が所定値だけ上昇した直後
であって、冷却水を加圧加熱殺菌処理槽2内で流動させ
て充填軟包装袋の一次冷却を行う。期間OPは、さらに
低温まで冷却を行うための準備期間であって、冷却水を
低温のものに入れ換えるため、加圧加熱殺菌処理槽2内
の高温になった冷却水を排出し、新しい低温の冷却水を
供給する。期間PQは、冷却水を循環させて二次冷却を
行う。期間QRにおいて、冷却水を排出して加圧加熱殺
菌及び冷却の1サイクルが終了する。
【0021】充填軟包装袋 上記回転式レトルト殺菌機1で殺菌すべき充填軟包装袋
は、例えば垂直断面が二等辺三角形のスタンディングパ
ウチ等があり、その容量は、比重1として1kg以上、
好ましくは2.5kg〜5kgのものである。また、軟
包装袋の材質は、例えば、第1層(外層)ポリエチレン
テレフタレート/第2層ナイロン/第3層アルミニウム
/第4層無延伸ポリプロピレンの積層物である。殺菌さ
れるものは、軟包装袋に充填されたスープ、シチュー、
カレー等の液状物である。充填は、密封後の軟包装袋の
全容積に対するヘッドスペース(空間)の容積比率、す
なわち含気率が2ないし20%であるように行われる。
ヘッドスペースは、一般には空気であるが、窒素ガス、
アルゴンガスであってもよい。含気率は、さらに詳しく
は、例えば3〜20%であり、好ましくは3〜10%で
ある。
【0022】含気率が2%以下の場合、充填物の容量に
対しヘッドスペースの割合が少なく、殺菌時に充填物全
体について充分な攪拌が行われない。一方、含気率が2
0%以上の場合、含気率の上昇に比例して殺菌時の充填
物の攪拌効率が上昇せず、また充填軟包装袋が充填物に
対し嵩高になり、充填軟包装袋の搬送・保管に不利であ
る。さらに、ヘッドスペースが空気で満たされている場
合には、殺菌中に充填物が酸化して変色したり品質の劣
化するおそれが高くなり、ヘッドスペースが不活性ガス
で満たされている場合には不経済である。複数の充填軟
包装袋を一回の加圧加熱殺菌処理によって同時に均一に
加圧加熱殺菌処理を施すためには、それらの複数の充填
軟包装袋において含気率のバラツキを設定含気率に対し
て−3〜+50%以内、好ましくは−3〜+10%以内
となるようにする。
【0023】殺菌作動 上記構成の回転式レトルト殺菌機1の殺菌作動につい
て、図4を参照して説明する。 〔熱水準備ステップ〕バルブ310、バルブ334を開
状態にし、給水ポンプ312を作動させ、給水源313
から熱水槽3に所定量の水を供給する。給水終了後、バ
ルブ310、バルブ334を閉状態にすると共に、バル
ブ340を開状態にし、蒸気を、蒸気供給源320から
蒸気供給パイプ56を介して熱水槽3中の水に注入す
る。バルブ350・354の開閉を調整して、熱水槽3
の水の温度を殺菌処理予定温度より5〜10°C高くな
るようにする。この場合、バルブ350・354の開閉
を調整して熱水槽3内の圧力調整を行うことにより、熱
水槽3内の突沸を防止することが望ましい。
【0024】〔充填軟包装袋の加圧加熱殺菌処理槽への
搬入ステップ〕トレー206に形成された画室250に
充填軟包装袋を寝かせた状態で収容する。続いて、上記
トレー206を台車208に所定段積み重ねる。これに
より、トレー206の画室250に収容された充填軟包
装袋は、その上の段のトレー206の底板242によっ
て押さえられる。次に、殺菌処理ドラム201の開閉扉
224を開け、複数台準備された台車208を順次殺菌
処理ドラム201内へ搬入する。その後、積み重ねられ
たトレー206及び台車208を押さえ機構214によ
って回転枠203に固定し、開閉扉224を閉じる。
【0025】〔加圧加熱殺菌処理ステップ〕バルブ33
4、バルブ316を開状態にし、循環ポンプ304を作
動させて、熱水槽3の熱水を上側給排水口210から殺
菌処理ドラム201に供給する。供給する熱水の量は、
回転させられたトレー206が常に熱水内にあるように
決められる。これにより、加圧加熱殺菌処理槽2は、徐
々に昇温し殺菌設定温度に達する。回転枠203は、熱
水槽3に熱水の供給が完了すると回転を開始する。回転
枠203の回転数は、充填物の種類、充填量、粘度、充
填軟包装袋の含気率等により異なるが、10〜50rp
m、好ましくは15〜30rpmである。次に、バルブ
334、バルブ308を閉状態し、バルブ302を開状
態した後、循環ポンプ304を作動させ、殺菌処理ドラ
ム201内で熱水を上部から下部へ流動させる。同時
に、バルブ318の開閉を制御し、殺菌処理ドラム20
1から排出された熱水に蒸気供給源320から蒸気を混
入させる。こうして、殺菌処理ドラム201内の温度
を、図4に示す時間温度曲線Aとなるように制御する。
加圧加熱殺菌処理槽2内の温度を制御する方法として
は、例えばPID制御等がある。
【0026】加圧加熱殺菌処理槽2に熱水が導入されて
以降冷却処理がほぼ完了する時点(図4のPの時点)ま
では、圧力センサー(図示せず)により、加圧加熱殺菌
処理槽2内の圧力を検知する。上記加圧加熱殺菌処理槽
2内の温度を100°C以上にして殺菌を行うとき、該
圧力が、充填軟包装袋の含気率が2%を超えるように定
められた、図5の時間圧力領域B内に入るように、上記
バルブ326、バルブ330の開閉を制御する。これに
より、充填軟包装袋はほぼ加圧加熱殺菌処理が完了する
まで充填軟包装袋内に充分なのヘッドスペースが確保さ
れ、充填軟包装袋が回転させられることによって充填軟
包装袋内の充填物が充分に撹拌されることになり、高い
熱効率で短時間で殺菌できると共に、加熱殺菌ムラの発
生を有効に防止することができる。
【0027】〔冷却ステップ〕加圧加熱殺菌がほぼ完了
する時点(図5のMの時点)で殺菌処理ドラム201の
回転を停止させる。その後、加圧加熱殺菌処理槽2内の
圧力を加圧加熱殺菌処理時の圧力より0.1〜0.8k
g/平方cm、好ましくは0.2〜0.4kg/平方c
m高くなるように上昇させる(図5の時間圧力領域
C)。次に、バルブ310を閉状態にし、バルブ308
を開状態にすることにより、加圧加熱殺菌処理槽2内の
熱水を、下側給排水口212、バルブ302、循環ポン
プ304、バルブ308を介して熱水槽3に戻す。その
後、バルブ308を閉状態にし、バルブ310を開状態
にし、続いて給水ポンプ312を作動させ、所定量の冷
却水をバルブ310、バルブ302を介して下側給排水
口212から加圧加熱殺菌処理槽2内に給水する。さら
にその後、バルブ310を閉状態とし、一方バルブ31
6を開状態とした後、循環ポンプ304を作動させる。
こうして、殺菌処理ドラム201内で冷却水を流動さ
せ、冷却処理を開始する。この後、所望により、図4に
示すように、新しい低温の冷却水によって再度冷却して
もよい。
【0028】これらの冷却により、加圧加熱殺菌処理槽
2内の圧力は急激に低下する。その原因は、加圧加熱殺
菌処理槽2に供給した冷却水の循環によって加圧加熱殺
菌処理槽2内の気体が急激に冷却されてその容積を減縮
することに加えて、循環ポンプ310のポンプ作用によ
って発生する負圧によるものと推定される。この加圧加
熱殺菌処理槽2内の圧力の急激な低下は、上記圧力セン
サー(図示せず)により検知される。仮にこのような急
激な圧力低下があったとすると、充填軟包装袋の破袋が
発生するはずである。しかし、本回転式レトルト殺菌機
1においては、上述したように冷却水の供給に先立ち、
加圧加熱殺菌処理槽2内の圧力を加圧加熱殺菌処理時の
圧力より0.1〜0.8kg/平方cm高くなるように
上昇させているので、加熱殺菌処理槽2内の圧力の急激
な低下が生じても、加圧加熱殺菌処理槽2内の圧力を、
充填軟包装袋が膨張して破袋しない程度の高さに保つこ
とができる。
【0029】また、上記冷却開始(冷却水の循環開始)
と同時に回転枠203を再度回転させる。この場合の回
転数は、前記と同様に10〜50rpm、好ましくは1
5〜30rpmであることが望ましい。冷却、すなわち
冷却水の循環の開始以降、充填軟包装袋の充填物の品温
が充填時の品温に低下するまでの間、加圧加熱殺菌処理
槽2の圧力が図4に示す時間圧力領域D内にあるように
して、充填軟包装袋の含気率が2%を超えるように制御
する。これにより、充填軟包装袋は、その内部に充分な
ヘッドスペースを確保することができ、回転枠203の
回転に伴い充填物は充填軟包装袋内で充分に撹拌される
ことになり、短時間で効率的かつ均一に冷却される。
【0030】
【第2態様】本発明の第2実施例のトレー1206は、
図6に示すように、アルミニュウム板に複数の円孔を設
けた板材によって形成された直方体であることは上記実
施例と同じである。トレー1206は、該直方体の長さ
方向の中心線を中心軸Sとする線対称形であって、二重
底変形構造の底板1230の各々は、中央部の水平部分
1232と両側の傾斜部分1234とからなり、二重底
構造の底板1230の間は加熱流体底流路1236を形
成する。トレー1206の中心軸Sと直交する側面も二
重構造であって、ここに加熱流体側流路(図示せず)を
形成する。本発明の第2実施例のトレーは、積み重ねる
際に上下トレーの向きすなわち底板の傾斜方向を気にす
る必要がなく、常に垂直断面が2等辺三角形の充填軟包
装袋収容部を形成することができる。さらに、本発明の
第2実施例のトレーは、第1実施例のトレーに比較して
より多くの充填軟包装袋を加熱処理できる効果を有す
る。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1態様の回転式加圧加熱殺菌トレー
の斜視図である。
【図2】本発明の第1態様の積み重ねられた回転式加圧
加熱殺菌トレーの垂直断面図である。
【図3】本発明の回転式加圧加熱殺菌トレーを使用する
回転式レトルト殺菌機の説明図である。
【図4】上記回転式レトルト殺菌機の断面図である。
【図5】上記実施例の加圧加熱殺菌処理槽内の圧力、温
度の制御方法を示すグラフ図である。
【図6】本発明の第2態様の回転式加圧加熱殺菌トレー
の垂直断面図である。
【符号の説明】
S 中心線 1 回転式レトルト殺菌機 2 加圧加熱殺菌処理槽 3 熱水槽 4 記憶部 5 制御部 201 殺菌処理ドラム 202 ベアリング 203 回転枠 204 レール 206 トレー 208 台車 224 開閉扉 232、234 左右側面板 236、238 前後側面部 240、242 底板 250 画室 252、254 仕切り板 257 滑り止め 270 底板傾斜部 272 底板水平部 313 給水源 320 蒸気供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−227920(JP,A) 特開 平6−237744(JP,A) 特開 平4−201855(JP,A) 実開 昭55−93622(JP,U) 実開 平4−65548(JP,U) 実開 昭58−161814(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/06 A23L 3/10 B65D 1/34 A23L 3/00 101

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直断面がほぼ二等辺三角形の軟包装袋
    に充填物を充填し密封して充填軟包装袋とし、加圧加熱
    殺菌処理槽内で該充填軟包装袋を回転させながら加圧加
    熱殺菌処理する充填軟包装袋の回転式加圧加熱殺菌トレ
    ーにおいて、 上記トレーは中心線と平行な面内にある左右側面板と上
    記中心線と直交する面内にある前後側面板とからなる直
    方体の外形を有し、 上記トレーはさらに、上記左右側面板付近において上記
    充填軟包装袋の底部の幅の半分に等しい深さ位置に位置
    し、上記左右側面板から回転中心側へ上記充填軟包装袋
    の高さだけ離れた位置付近において深さ0の位置になる
    ように傾斜して配置されて充填軟包装袋収容部を形成す
    底板を有していることを特徴とする回転式加圧加熱殺
    菌トレー。
  2. 【請求項2】 上記トレーの前後側面板が、複数の流体
    通過孔を有していることを特徴とする請求項1記載の回
    転式加圧加熱殺菌トレー。
  3. 【請求項3】 上記トレーの左右側面板が、複数の流体
    通過孔を有していることを特徴とする請求項1記載の回
    転式加圧加熱殺菌トレー。
  4. 【請求項4】 上記トレーの左右側面板が、該左右側面
    板の上下縁縁部に半円形の流体通過孔を有することを特
    徴とする請求項1記載の回転式加圧加熱殺菌トレー。
  5. 【請求項5】 上記トレーの前後側面板及び左右側面板
    の高さが、上記充填軟包装袋の底部の幅の1/2より大
    きく、底板が二重になっていることを特徴とする請求項
    1記載の回転式加圧加熱殺菌トレー。
  6. 【請求項6】 上記トレーの前後側面板の長さが、上記
    充填軟包装袋の高さの2倍以上であり、上記充填軟包装
    袋収容部が対をなして形成されることを特徴とする請求
    項1記載の回転式加圧加熱殺菌トレー。
  7. 【請求項7】 上記底板が、上記左右側面板から回転中
    心側へ上記充填軟包装袋の高さより大きな距離離れた位
    置において深さ0の位置になるように傾斜していること
    を特徴とする請求項1記載の回転式加圧加熱殺菌トレ
    ー。
  8. 【請求項8】 上記トレーの充填軟包装袋収容部が、複
    数の流体通過孔を有していることを特徴とする請求項1
    記載の回転式加圧加熱殺菌トレー。
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