JP3085991U - ドラム型乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効果的に被乾燥物の破断を防止できるように
したドラム型乾燥機を提供する。 【解決手段】 外枠を構成する本体カバー２内におい
て、乾燥用空気が流通できるようにした多孔のドラム３
を回転させ、該ドラム３の一端側開口から送入した被乾
燥物をドラム３内において転動させながら乾燥し、該ド
ラム３の他端側開口から送出するようにした乾燥機にお
いて、上記ドラム３の端部開口３ｃ，３ｄに対応させて
上記本体カバー３に開口２ａ，２ｂを設け、ドラムの開
口周縁と本体カバーの開口周縁との間の隙間を全周にわ
たって覆い隠すゴム状可撓板１０を、ドラム３の開口端
の内周縁に固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ドラム型乾燥機に関するものであり、特にレンタルマット類の洗浄 後における乾燥に適したドラム型乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、レンタルマット類その他の乾燥に、ドラム型の乾燥機が使用されて いる。この乾燥機は、外枠を構成する金属製の本体カバー内において乾燥用空気 が流通できるようにした多孔のドラムを回転させ、該ドラムの一端側開口から送 入した洗浄後のマット類の被乾燥物を、ドラム内において転動させながら乾燥し 、その一端側開口あるいは他端側開口から送出できるようにしたものである。

【０００３】 しかるに、上記乾燥機を、レンタルマット類のようにゴムバッキングを施した ものの乾燥に使用すると、該ゴムバッキング部分が破断するというトラブルが発 生することがある。 上記トラブルは、上記乾燥機において、静止している本体カバーと回転するド ラムとの間の隙間にゴムバッキング部分が噛み込まれることにより発生するもの であるが、そのゴムバッキング部分と本体カバーあるいはドラムとの間の摩擦力 に起因して噛み込み部分が脱出しがたく、それによって破断部分が大きくなるば かりでなく、乾燥機自体も損傷する可能性がある。なお、上記のようなトラブル は特にレンタルマット類に限るものではない。

【０００４】 このような問題を解決するには、上記本体カバーと回転するドラムとの間の隙 間をできるだけ小さくし、あるいは、該隙間を埋めるようにフェルト等の軟質材 を配設することなどが考えられ、現にそれらの対策を講じているが、上記隙間を できるだけ小さくするには、本体カバーとドラムとの接触を防止するためにドラ ムの回転軌道を正確に保持する必要があって、乾燥機自体の製作精度を高めなけ ればならないので、多大のコストがかかることになり、また、上記隙間を軟質材 で埋めると、その軟質材自体がドラムあるいは非乾燥物との接触によって摩耗し 、比較的短期間で交換しなければならないと言う問題がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、上記のような問題を解決し、効果的に被乾燥物の破断を防止 できるトラブル防止手段を付設したドラム型乾燥機を提供することにある。 本考案の他の課題は、乾燥機の使用に伴ってそれに付設したトラブル防止手段 の一部が破損しても、その補修を簡単に行うことができるドラム型乾燥機を提供 することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案のドラム型乾燥機は、外枠を構成する本体カ バー内において、多数の空気流通孔を通して乾燥用空気が流通できるようにした 多孔のドラムを回転させ、該ドラムの開口から送入した被乾燥物を、ドラム内に おいて転動させながら乾燥するようにした乾燥機において、上記ドラムの端部開 口に対応させて上記本体カバーに開口を設け、ドラムの開口周縁と本体カバーの 開口周縁との間の隙間を全周にわたって覆い隠すゴム状可撓板を、ドラムの開口 端の内周縁に固定したことを特徴とするものである。

【０００７】 本考案のドラム型乾燥機は、ドラムを形成する円筒状部の両端部に、開口端側 が絞られたテーパー状部を連設し、該テーパー状部における開口端に取付ける可 撓板の外端側を、本体カバーの開口内周側に向けて湾曲させるのが適切であり、 また、ゴム状可撓板を、多数の可撓板片に分割して、それぞれの可撓板片を個別 的に押え金具でドラムの開口に固定し、あるいは、該ゴム状可撓板を、多孔のド ラムにおける空気流通孔に挿通したボルト・ナットにより該ドラムに固定するの が好ましい。

【０００８】 上記構成を有するドラム型乾燥機は、被乾燥物を収容したドラムを回転させな がら、そのドラムに設けた多数の空気流通孔を通して乾燥空気を流通させ、上記 被乾燥物を転動させながら乾燥させるものであるが、上記ドラムの端部開口に対 応させて上記本体カバーに開口を設け、ドラムの開口周縁と本体カバーの開口周 縁との間の隙間を全周にわたって覆い隠すゴム状可撓板を、ドラムの開口端の内 周縁に固定したため、被乾燥物が本体カバーとドラム開口端との間の隙間に挟み 込まれる余地がなく、効果的に被乾燥物の破断を防止できる。

【０００９】 また、ドラムを形成する円筒状部の両端部に、開口端側が絞られたテーパー状 部を連設し、該テーパー状部における開口端に取付ける可撓板の外端側を、本体 カバーの開口内周側に向けて湾曲させるようにすると、可撓板によるドラム開口 の狭窄によって被乾燥物の通過が制約されることがなく、しかも上記隙間が確実 に可撓板で覆われるので、より一層効果的に被乾燥物の破断を防止できる。

【００１０】 更に、上記ゴム状可撓板を、多数の可撓板片に分割し、それぞれの可撓板片を 個別的に押え金具でドラムの開口に固定すると、ゴム状可撓板をドラムの開口端 の内周縁に固定する作業が容易になると共に、万一可撓板片が破損した場合でも 、破損した可撓板片だけを交換すればよいので、メンテナンス性に優れ、経済的 である。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１及び図２は本考案のドラム型乾燥機の実施例を示すもので、図１は当該実 施例の縦断面図を、図２は上記実施例において被乾燥物をドラムから取出すため にドラムを傾けた状態を示している。 この実施例のドラム型乾燥機１は、図１に示すように、外枠を構成する本体カ バー２内に、両端が開放された多孔のドラム３を回転自在に収容したものである 。該ドラム３は、ドラム主要部を形成する円筒状部３ａの両端に、開口端側が絞 られたテーパー状部３ｂを連設しており、該円筒状部３ａ及びテーパー状部３ｂ は共にパンチングメタル製であるが、他の多孔質材によって形成することもでき る。

【００１２】 上記本体カバー２には、上記ドラム３の両側の端部開口３ｃ，３ｄに対向させ て本体カバー２の前壁及び後壁にそれぞれ開口２ａ，２ｂを設け、該開口２ａ， ２ｂにそれらを覆う前ドア１６及び後ドア１７を付設し、ベース４上に位置する 基板部２ｃ上に、上記ドラム３の軸線の両側下部に対称に配置される一対のロー ラ軸７を支持する複数の軸支部材９を配設している。該一対のローラ軸７は、そ の両端側にそれぞれ設けられた２組（合計４個）のローラ６を有し、一方、上記 ドラム３は円筒状部３ａの両端部に支持リング５を備え、該ドラム３はこの支持 リング５介して上記２組のローラ６の上に載置されており、少なくとも１方のロ ーラ軸７はプーリ８を介してモータ（図示せず）からの回転力が伝達され、該回 転力を上記支持リング５を介して上記ドラム３に伝達するようにしている。

【００１３】 上記本体カバー２内においては、図示を省略している流路を通して乾燥用加熱 空気を流通させ、パンチングメタルによって形成した円筒状部３ａ及びテーパー 状部３ｂを通してドラム３内に乾燥用空気を出入りさせるようにしている。 被乾燥物の乾燥に際しては、一端側開口から該被乾燥物を送入し、被乾燥物を ドラム３内においてその回転により転動させながら乾燥し、乾燥が完了したとこ ろでドラム３を図２のように傾斜させて、被乾燥物を排出させる。

【００１４】 すなわち、図２に示すように、上記本体カバー２はベース４上にその１辺を支 点として傾斜手段（図示せず）により傾斜可能に載置されており、乾燥が完了し たところで本体カバー２を傾斜させると、本体カバー２内に収容されている上記 ドラム３も傾斜する。 この状態でドラム３の回転を継続すると、被乾燥物は上記ドラム３の出口側開 口から自動的に送出される。勿論、被乾燥物は手動で取り出すこともできる。 なお、図２における１８，１９は、ドラム３のスラスト荷重を支える前スラス トローラ及び後スラストローラである。

【００１５】 以上の構成は従来から知られているものであるが、本考案のドラム型乾燥機で は、効果的に前記被乾燥物の破断を防止できるようにするために、上記ドラム３ の両端開口３ｃ，３ｄの周縁と本体カバー２の開口２ａ，２ｂの周縁との間の隙 間を、全周にわたってゴム状可撓板１０で覆い隠すようにし、このゴム状可撓板 １０を上記ドラム３の開口端の内周縁に固定している。 このゴム状可撓板１０は、多数の可撓板片１０ａに分割されており、図３に明 確に示すように、それぞれの可撓板片１０ａが個別的に押え金具１１でドラム３ の開口３ｃ，３ｄに固定され、各可撓板片１０ａの外端側は本体カバー２の開口 ２ａ，２ｂの内周側に向けて湾曲されている。

【００１６】 上記押え金具１１は、ドラム３のテーパー状部３ｂの内面に当接させた各可撓 板片１０の基部を該テーパー状部３ｂとの間に挟持する帯板状のもので、それを 可撓板片１０ａと共に固定するボルト１２を、ドラム３における多孔のテーパー 状部３ｂの空気流通孔を利用して挿通し、該テーパー状部３ｂの外側からのナッ ト１３の螺挿によりそれらを固定している。

【００１７】 なお、この実施例では、上記開口２ａ，２ｂを囲むように環状のフェルトシー ル２１，２２が本体カバー２の内面側に取り付けられているが、これは従来から 被乾燥物の噛み込み防止のために用いられているものをそのまま残して、上記可 撓板１０を、それが該フェルトシール２１，２２を覆うように取り付けたためで あり、該フェルトシール２１，２２は本来必要のないものである。 すなわち、上記可撓板１０は、従来のドラム型乾燥機をそのまま利用してドラ ム３に固定することができ、その際、環状のフェルトシール２１，２２はそのま ま残してもよいし、取り外しても差し支えない。従って、上記可撓板１０は、既 設のドラム型乾燥機、あるいは新しく製造する乾燥機のいずれにも、簡単に取り 付けることができる。

【００１８】 上記本体カバー２は、上記開口２ａ，２ｂから離れた位置に、メンテナンス用 の開口２ｄと該開口２ｄを覆う蓋２５とを有しているが、この開口２ｄは、上記 可撓板１０をドラム３の開口に着脱するのに適した位置に設けるのが望ましい。

【００１９】 上記実施例では、ゴム状可撓板１０が多数の可撓板片１０ａに分割されている が、これは一部の可撓板片１０ａが破損したときにそれだけを交換できるように するためである。しかし、必ずしも該実施例に示しているような分割態様に限定 されるものではなく、また、必ずしも分割構造のものでなくてもよい。更に、該 ゴム状可撓板１０は、ドラム３の両端に設けるのが望ましいが、被乾燥物の取り 出し側のみに設けることができる。 上記ゴム状可撓板としては、合成ゴムばかりでなく、合成樹脂製でゴム状のも のも用いることができる。

【００２０】 上記構成を有するドラム型乾燥機１においては、ドラム３の開口３ｃ，３ｄの 周縁と本体カバー２の開口２ａ，２ｂの周縁との間の隙間を全周にわたって覆い 隠すゴム状可撓板１０を、ドラム３の開口端の内周縁に固定したため、被乾燥物 がドラムの開口部と本体カバーの開口部との間に噛み込まれることがなく、効果 的に被乾燥物の破断を防止できる。 また、ドラム３を形成する円筒状部３ａの両端部に、開口端３ｃ，３ｄ側が絞 られたテーパー状部３ｂを連設し、該テーパー状部３ｂにおける開口端に取付け る可撓板１０の外端側を、本体カバーの開口２ａ，２ｂの内周側に向けて湾曲さ せるようにしているため、ゴム状可撓板１０がめくれ上がってそこにマットが挟 まるということがないから、より一層効果的に被乾燥物の破断を防止できる。

【００２１】 また、ゴム状可撓板１０を、多数の可撓板片１０ａに分割し、それぞれの可撓 板片を個別的に押え金具１１でドラム３の開口３ｃ，３ｄに固定するようにする と、ゴム状可撓板１０をドラム３の開口端の内周縁に固定する作業が容易になる と共に、万一可撓板片１０ａが破損した場合でも、破損した可撓板片１０ａだけ を交換すればよいので、メンテナンス性に優れ、経済的である。 また、本考案の乾燥機は、従来のドラム型乾燥機を簡易に改造して製作するこ とができるので、低コストで製作することができる。

【００２２】 上記実施例では、ドラム３を、円筒状部３ａの両端部にそれぞれテーパー状部 ３ｂを連接して構成したものとしているが、必ずしもこのような構成にする必要 はなく、ドラム全体を単なる円筒状として、テーパー状部３ｂを設けない構成と してもよい。 また、この実施例の乾燥機おいては、本体カバー２及びドラム３の一端側の開 口から被乾燥物を送入し、他端側の開口から排出する構成としているが、乾燥機 は、本体カバー及び一端側の開口のみで被乾燥物の送入及び排出を行う構成のも のであってもよい。

【００２３】

【考案の効果】

以上に詳述したように、本考案によれば、被乾燥物がドラムの開口部と本体カ バーの開口部との間に噛み込まれることがなく、効果的に被乾燥物の破断を防止 できるようにしたドラム型乾燥機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の要部縦断面図である。

【図２】上記実施例において被乾燥物をドラムから取出
す態様を示す図である。

【図３】ゴム状可撓板及びその取付部分の部分拡大斜視
図である。

【符号の説明】

１ ドラム型乾燥機 ２ 本体カバー ２ａ，２ｂ 本体カバーの開口 ３ ドラム ３ｃ，３ｄ ドラムの開口 １０ ゴム状可撓板 １０ａ 可撓板片

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外枠を構成する本体カバー内において、多
   数の空気流通孔を通して乾燥用空気が流通できるように
   した多孔のドラムを回転させ、該ドラムの開口から送入
   した被乾燥物を、ドラム内において転動させながら乾燥
   するようにした乾燥機において、 上記ドラムの端部開口に対応させて上記本体カバーに開
   口を設け、ドラムの開口周縁と本体カバーの開口周縁と
   の間の隙間を全周にわたって覆い隠すゴム状可撓板を、
   ドラムの開口端の内周縁に固定した、ことを特徴とする
   ドラム型乾燥機。
2. 【請求項２】ドラムを形成する円筒状部の両端部に、開
   口端側が絞られたテーパー状部を連設し、該テーパー状
   部における開口端に取付ける可撓板の外端側を、本体カ
   バーの開口内周側に向けて湾曲させた、ことを特徴とす
   る請求項１に記載のドラム型乾燥機。
3. 【請求項３】ゴム状可撓板を、多数の可撓板片に分割
   し、それぞれの可撓板片を個別的に押え金具でドラムの
   開口に固定した、ことを特徴とする請求項１または２に
   記載のドラム型乾燥機。
4. 【請求項４】ゴム状可撓板を、多孔のドラムにおける空
   気流通孔に挿通したボルト・ナットにより該ドラムに固
   定した、ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか
   に記載のドラム型乾燥機。