JP3085910B2 - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵用などの
二次電池として好適に利用されるナトリウム−硫黄電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム−硫黄電池は、一方に陰極活
物質である溶融金属ナトリウム、他方には陽極活物質で
ある溶融硫黄を配し、両者をナトリウムイオンに対して
選択的な透過性を有するβ−アルミナ固体電解質で隔離
し、290〜350℃で動作させる高温二次電池であ
る。
【0003】このようなナトリウム−硫黄電池の一例と
して、図6に示すような構造のものが知られている。図
中、4は上面が開口した有底円筒状の固体電解質管で、
これが陽極容器1内に配設されることにより、固体電解
質管4の外側に陽極室R2が形成されている。陽極室R
2には、陽極活物質としてカーボンマット等よりなる陽
極用導電材7に含浸された溶融硫黄Sが収容されてい
る。一方、固体電解質管4の内側には、陰極室R1が形
成され、陰極活物質として溶融金属ナトリウムNaを収
容したナトリウム容器5が、固体電解質管4との間に所
定の間隙をもって配置されている。
【0004】陽極容器1と固体電解質管4とは、絶縁リ
ング2を介して結合されており、絶縁リング2の上端面
には陰極蓋3が接合されている。ナトリウム容器5の上
部空間には、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスG
が所定の圧力で封入され、この不活性ガスGにより、ナ
トリウム容器5内のナトリウムNaがナトリウム容器5
底部に設けられた小孔6から流出する方向へ加圧され
る。
【0005】このような構造のナトリウム−硫黄電池に
おいて、放電時にはナトリウム容器5底部の小孔6から
流出したナトリウムNaが、ナトリウム容器5と固体電
解質管4との間隙に導かれ、ここでナトリウムNaは電
子を放出してナトリウムイオンとなり、固体電解質管4
を透過して陽極室R2に移動し、陽極室R2の硫黄S及
び外部回路を通ってきた電子と反応して多硫化ナトリウ
ムを生成するとともに電圧を発生する。また、充電時に
は、放電時とは逆にナトリウムNa及び硫黄Sの生成反
応が起こる。しかし、上記構造のナトリウム−硫黄電池
においては、次のような問題があった。
【0006】(1) 電池の動作中に固体電解質管4が破損
した場合、陰極室R1のナトリウムNaと陽極室R2の
硫黄Sとが多量かつ急激に直接反応して、異常高熱を発
生し、電池全体が破壊されてナトリウムNaが外部に流
出するという危険があった。
【0007】(2) 陽極容器1はアルミニウム等により形
成され、固体電解質管4はβ−アルミナ等により形成さ
れているため、陽極容器1と固体電解質管4との間には
熱膨張率の差がある。このため、電池の加熱動作時に
は、陽極容器1が固体電解質管4よりも大きく膨張して
陽極室R2の体積が大きくなり、電池の停止時には陽極
容器1が固体電解質管4よりも大きく収縮して陽極室R
2の体積が小さくなる。しかしながら、電池の加熱動作
時に陽極室R2の体積が大きくなった状態で生成された
多硫化ナトリウムは、陽極容器1及び固体電解質管4の
自由端側の底壁間に浸入し、そこに残留したまま、電池
停止時の温度低下に伴って、溶融状態から固体化するた
め、電池停止時における陽極室R2の体積変化が阻止さ
れ、陽極容器1の収縮が吸収されないで、陽極容器1又
は固体電解質管4と絶縁リング2との接合部が破損する
場合があった。
【0008】上記(1) の問題を解決するため、本願出願
人は先に、図7に示すように、固体電解質管4とナトリ
ウム容器5との間に有底筒状の隔壁(安全管)8を配置
し、ナトリウム容器5と隔壁8との間及び隔壁8と固体
電解質管4との間にナトリウムNaを案内する間隙を設
けたナトリウム−硫黄電池を提案した(特開平2−11
2168号公報)。
【0009】この電池においては、放電時、ナトリウム
容器5の小孔6から流出したナトリウムNaは、ナトリ
ウム容器5と隔壁8との間隙を上方に移動した後、隔壁
8の上端を乗り越えて、隔壁8と固体電解質管4との間
隙に流れ込むようになっているが、このように隔壁8を
配して、小孔6から固体電解質管4までの距離を長くす
ることにより、固体電解質表面でのナトリウム圧力が低
減される。また、特開平6−208854号公報に記載
のように、隔壁(安全管)8と固体電解質管4との間隙
を所定の小さな値に制御することにより、固体電解質管
4の内側に滞留するナトリウム量を少なくすることがで
きる。この結果、固体電解質管破損時のナトリウムNa
と硫黄Sとの多量かつ急激な反応が抑制され、電池の安
全性が向上する。
【0010】また、上記(2) の問題を解決するため、本
願出願人は、従来の構造とは逆に、下面が開口した有蓋
円筒状の固体電解質管を用いたナトリウム−硫黄電池を
提案した(特開平5−266922号公報)。この電池
は図8に示すように、下面が開口した有蓋円筒状の固体
電解質管4を、同じく下面が開口した有蓋円筒状の陽極
容器1内に絶縁リング2を介して配設している。また、
絶縁リング2の下部に陰極蓋3を取り付けて、ナトリウ
ムNaを収容した陰極室R1を閉塞し、硫黄Sを収容し
た陽極室R2の上部には陽極容器1と固体電解質管4と
の熱膨張率の差に基づく両者の変形量の相違を許容する
ための変形許容空間10を設けている。
【0011】この電池では、陽極容器1及び固体電解質
管4の自由端側の壁間が陽極室R2の上部にあるので、
放電時に生成される多硫化ナトリウムが、この壁間に浸
入することがなく、また、電池の停止時には、陽極室上
部の変形許容空間10で陽極室R2の体積変化が許容さ
れて、陽極容器1と固体電解質管との異なった熱収縮が
吸収され、陽極容器1又は固体電解質管4と絶縁リング
2との接合部の破損を防止することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した2
つの技術を組み合わせること、すなわち、固体電解質管
とナトリウム容器との間に有底筒状の隔壁を配置すると
ともに、下面が開口した有蓋筒状の固体電解質管を用い
て、陽極室の上部に陽極容器と固体電解質管との熱膨張
率の差に基づく両者の変形量の相違を許容するための変
形許容空間を設けた構造とすることができれば、ナトリ
ウム−硫黄電池の耐久性・安全性を一層向上させること
ができると考えられる。しかしながら、このような構造
のナトリウム−硫黄電池を得るには、次のような製造上
の問題があった。
【0013】すなわち、隔壁を配置することにより、固
体電解質管破損時のナトリウムと硫黄との反応を抑制す
るためには、固体電解質管と隔壁との間隙を精密に制御
する必要がある。従来、固体電解質管と隔壁との間隙を
調整する方法としては、まず、図9に示すように、固体
電解質管4内に予め熱処理して焼きなました隔壁8を挿
入する。そして、更に隔壁8内にゴムチューブを挿入
し、このゴムチューブに液体又は気体を圧入することに
より、隔壁8の内部から圧力を付与して、隔壁8を固体
電解質管4の内周面と接触するように変形させる(以
下、この工程を「変形加工」という。)。
【0014】この状態で固体電解質管4及び隔壁8を電
池動作温度よりも高い温度(例えば550℃)まで加熱
処理した後に冷却すると、電池動作温度と熱処理温度と
の差に基づく固体電解質管4と隔壁8との熱膨張差によ
って、固体電解質管4と隔壁8との間に所定の間隙が形
成される。
【0015】ところが、先述の2つの技術を組み合わせ
ようとする場合、図10に示すように、上面が開口した
有底筒状の隔壁8の開口部が、下面が開口した有蓋筒状
の固体電解質管4の閉口部側に挿入されることになるた
め、固体電解質管4内に隔壁8を挿入した状態で、隔壁
8内に圧力付与のためのゴムチューブを挿入して変形加
工することができず、固体電解質管4と隔壁8との間隙
を所定の値に制御することができなかった。
【0016】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、固体電解質管とナトリウム容器との間に
隔壁を配置するとともに、下面が開口した有蓋筒状の固
体電解質管を用い、陽極室の上部に陽極容器と固体電解
質管との熱膨張率の差に基づく両者の変形量の相違を許
容するための変形許容空間を設けた構造として、固体電
解質管破損時におけるナトリウムと硫黄との直接反応を
抑制し、かつ、陽極容器又は固体電解質管と絶縁リング
の接合部の破損を防止できるようにしたナトリウム−硫
黄電池であって、その製作時において、固体電解質管と
隔壁との間隙を所定の値に制御するための隔壁の変形加
工が可能なものを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下面が
開口した有蓋筒状の陽極容器内に、絶縁リングを介して
下面が開口した有蓋筒状の固体電解質管を配設し、その
固体電解質管の内側と外側に陰極室及び陽極室を形成
し、陰極室となる固体電解質管の内側には、上面が陰極
活物質としてのナトリウムが通過できるように開口し、
下面も開口した筒状の隔壁を、固体電解質管との間に所
定の間隙をもって配置し、更に隔壁の内側に、ナトリウ
ムを収容したナトリウム容器を、隔壁との間に所定の間
隙をもって配置し、隔壁の下端の外周部を絶縁リングと
接合するとともに、隔壁の下端部に陰極蓋を取り付けて
陰極室の下面を閉塞し、陽極室には陽極活物質としての
硫黄を収容し、陽極室の上部には陽極容器と固体電解質
管との熱膨張率の差に基づく両者の変形量の相違を許容
するための変形許容空間を設けたことを特徴とするナト
リウム−硫黄電池、が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例を示す断
面図で、図2はその要部拡大図である。本発明のナトリ
ウム−硫黄電池は、下面が開口した有蓋筒状の陽極容器
1内に、絶縁リング2を介して下面が開口した有蓋筒状
の固体電解質管4を配設されている。固体電解質管4
は、ナトリウムイオンを選択的に透過させる機能を有す
るβ−アルミナやβ”−アルミナ等からなり、陽極容器
1はアルミニウムやステンレス鋼等からなる。また、絶
縁リング2は、陽極室R2と陰極室R1との電気的絶縁
性を保持する必要から、絶縁性を有するセラミックスか
らなるものが好ましく、強度、コスト等に鑑みるとα−
アルミナなどが好適に使用される。
【0019】このように固体電解質管4を陽極容器1内
に配置することにより、固体電解質管4の外側には陽極
室R2が形成される。陽極室R2には、陽極活物質とし
てカーボンマット等よりなる陽極用導電材7に含浸され
た溶融硫黄Sが収容されている。一方、固体電解質管4
の内側には陰極室R1が成形され、上面が陰極活物質と
してのナトリウムが通過できるように開口し、下面も開
口した筒状の隔壁8が、固体電解質管4との間に所定の
間隙をもって配置されている。更に、隔壁8の内側に
は、陰極活物質としてのナトリウムNaを収容した有蓋
・有底筒状のナトリウム容器5が、隔壁8との間に所定
の間隙をもって配置されている。
【0020】ナトリウム容器5の底部には、小孔6が透
設されており、また、ナトリウム容器5の上部空間に
は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスGが所定の
圧力で封入され、この不活性ガスGにより、ナトリウム
容器5内のナトリウムNaが小孔6から流出する方向へ
加圧される。隔壁8及びナトリウム容器5は、ナトリウ
ムに対する耐食性に優れた材料からなることが好まし
く、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等
からなるものが好適に使用される。隔壁8の下端の外周
部は絶縁リング8と接合される。この接合は熱圧接合に
より実施されることが好ましい。また、隔壁8の下端の
外周部は、図のように、絶縁リング2との接合が容易で
高い接合強度が得られるような形状にしてあることが好
ましい。
【0021】隔壁8の下端部には陰極蓋3が取り付けら
れて、陰極室R1の下面が閉塞される。電池の放電時に
ナトリウム容器5底部の小孔6から流出した溶融金属ナ
トリウムNaは、ナトリウム容器5と陰極蓋3の間の間
隙を水平方向に移動した後、ナトリウム容器5と隔壁8
との間隙を上方に移動し、隔壁8の上端縁を乗り越え
て、固体電解質管4と隔壁8との間隙を下方に移動す
る。
【0022】固体電解質管4及び隔壁8の下端部は、と
もに絶縁リング2に接合されているので、固体電解質管
4と隔壁8との間隙の下端は、この絶縁リング2で封止
され、当該間隙に流れ込んだ溶融金属ナトリウムNa
は、この間隙に滞留した後、ナトリウムイオンとなっ
て、固体電解質管4を透過し、陽極室R2内の溶融硫黄
Sと反応し多硫化ナトリウムを生成する。
【0023】このように、本発明のナトリウム−硫黄電
池においては、固体電解質管4とナトリウム容器5との
間に隔壁8が配置されていることにより、ナトリウム容
器5の小孔6から固体電解質管4までの距離を長くして
固体電解質管4表面でのナトリウム圧力を低減させるこ
とができる。更に、隔壁8と固体電解質管4との間隙を
所定の小さな値に制御することにより、固体電解質管4
の内側に滞留するナトリウム量を少なくすることができ
る。そして、この結果、固体電解質管破損時のナトリウ
ムNaと硫黄Sとの多量かつ急激な直接反応が抑制さ
れ、電池の安全性が向上する。
【0024】また、本発明のナトリウム−硫黄電池にお
いては、陽極容器1及び固体電解質管4がそれぞれ下面
が開口した有蓋筒状に形成され、陽極室R2の上部に陽
極容器1と固体電解質管4との熱膨張率の差に基づく両
者の変形量の相違を許容するための変形許容空間10が
設けられているため、放電時に生成される多硫化ナトリ
ウムが、陽極容器1及び固体電解質管4の頂壁間に浸入
することはない。したがって、陽極容器1及び固体電解
質管4の自由端側の壁間に浸入した多硫化ナトリウム
が、電池停止時の温度低下に伴い溶融状態から固体化し
て、陽極室R2の体積変化を阻止するおそれは全くな
い。
【0025】そして、この電池の停止時には、陽極室の
上部の変形許容空間10で陽極室R2の体積変化が許容
されて、陽極容器1と固体電解質管4との異なった熱収
縮、特に上下方向の熱収縮が許容される。その結果、そ
の陽極容器1又は固体電解質管4と絶縁リング2との接
合部が破損するのを防止することができる。
【0026】図3は本発明の電池を構成する固体電解質
管4と隔壁8を組み合わせた状態を示している。本発明
の電池に用いられる隔壁8は、下面が開口しているの
で、固体電解質管4に挿入した状態で、下面の開口部か
ら隔壁8内部にゴムチューブ等を挿入し、これに液体又
は気体を圧入することにより隔壁8に内側から圧力を付
与して変形加工を施すことができ、固体電解質管4と隔
壁8との間隙を所定の値にすることができる。
【0027】なお、固体電解質管4と隔壁8との間隙
は、電池の動作温度(290〜350℃)において0.
01〜0.1mmになるように設定することが好まし
い。このような値に設定することにより、固体電解質管
4と隔壁8との間隙に滞留するナトリウムNaの量が少
なくなり、固体電解質管破損時のナトリウムNaと硫黄
Sとの直接反応を最小限に抑制することができる。
【0028】本発明のナトリウム−硫黄電池において
は、ナトリウム容器5が、絶縁リング2よりも大きな熱
膨張係数を持った材料からなることが好ましい。これに
より、固体電解質管4の破損に伴うナトリウムNaと硫
黄Sとの直接反応により電池が異常高温度になった際
に、ナトリウム容器5と隔壁8の下部との間隙g1を閉
塞し、ナトリウムNaの固体電解質管4への供給を停止
することができる。
【0029】すなわち、ナトリウムNaと硫黄Sとの直
接反応により高温の多硫化ナトリウムが生成されると、
ナトリウム容器5はその発熱によりナトリウム容器材料
の熱膨張係数に応じて熱膨張するが、隔壁8はその下端
の外周部がナトリウム容器5より小さな熱膨張係数を持
った材料からなる絶縁リング2に接合されているので、
自由な熱膨張が抑えられ、絶縁リング2の熱膨張係数に
応じた、ナトリウム容器5よりも小さな熱膨張しかでき
ないため、隔壁8の下部とナトリウム容器5との間の間
隙g1は、ナトリウム容器5と絶縁リング2との熱膨張
差によって閉塞する。
【0030】この間隙g1の閉塞により、ナトリウムN
aの固体電解質管4への供給が断たれ、その後のナトリ
ウムNaと硫黄Sとの直接反応は速やかに収束抑制され
る。なお、電池の異常高温度とは、電池の動作温度(2
90〜350℃)を超えるような高温度をいい、例えば
370℃以上の温度をいう。
【0031】下式は、ナトリウム容器を絶縁リングより
も大きな熱膨張係数を持った材料から形成した場合にお
けるナトリウム容器と隔壁との間隙の計算例を示してい
る。異常高温度時にナトリウム容器と隔壁下部との間隙
を閉塞させるためには、室温時(電池組立時)における
間隙を、下式が成り立つように設定すればよい。
【0032】
【数1】D1×(1+α1×(T2−T0))=D2×(1
+α2×(T2−T0)) D1:隔壁の内径 D2:ナトリウム容器の外径 α1:絶縁リングの熱膨張係数 α2:ナトリウム容器の熱膨張係数 T2:異常高温度 T0:室温(組み立て時の温度)
【0033】例えば、ナトリウム容器をアルミニウム
(熱膨張係数α2:24×10-6)、絶縁リングをα−
アルミナ(熱膨張係数α1:7.2×10-6)で構成す
る場合において、隔壁の内径D1を35.60mmと
し、室温T0を20℃、異常高温度T2を420℃とし
て、上記式よりナトリウム容器の外径D2を求めると、
2は35.36mmとなる。D1とD2との差は0.2
4mmだから、この場合の室温時におけるナトリウム容
器と隔壁との間隙は0.12mmとなる。
【0034】また、本発明では、応用例として、図4及
びその要部を拡大した図5に示すように、隔壁8の下端
の内周部に、ナトリウム容器5より小さな熱膨張係数を
持った材料からなるリング状部材9をはめ込んだ構成と
することもできる。
【0035】このリング状部材9の機能としては、ま
ず、上記と同様に、固体電解質管4の破損に伴うナトリ
ウムNaと硫黄Sとの直接反応により電池が異常高温度
になった際に、固体電解質管4へのナトリウムNaの供
給を停止することができる。すなわち、ナトリウムNa
と硫黄Sとの直接反応により高温の多硫化ナトリウムが
生成されると、その発熱に基づきナトリウム容器5及び
リング状部材9は熱膨張するが、熱膨張係数の差によ
り、ナトリウム容器5はリング状部材9よりも大きく膨
張して、ナトリウム容器5とリング状部材9との間隙g
2が閉塞する。この間隙g2の閉塞により、ナトリウム
Naの固体電解質管4への供給が断たれ、その後のナト
リウムNaと硫黄Sとの直接反応は速やかに収束抑制さ
れる。
【0036】なお、ナトリウム容器5とリング状部材9
との間隙g2は、電池の動作温度では所定値となり、異
常高温度になったのときにのみ閉塞する必要がある。こ
のようなナトリウム容器とリング状部材との間隙の設定
は、上記ナトリウム容器と隔壁との間隙の計算例に準じ
て行うことができる。
【0037】また、リング状部材9は次のような機能も
有する。本発明においては、図に示すように、隔壁8の
下端の外周部が絶縁リング2に接合される。この接合は
熱圧接合により好適に実施できる。この熱圧接合の際、
隔壁8の下端の内部側から何らかの支持(バックアッ
プ)がないと、隔壁8の変形が生じる場合があるが、隔
壁8の下端の内周部に、リング状部材9をはめ込んでお
けば、これが隔壁8を内部側から支持し、隔壁8の変形
を防止することができる。
【0038】更に、このリング状部材9を設けることに
より、電池の運転時・停止時の昇降温により絶縁リング
2と隔壁8に応力がかかって隔壁8が変形あるいは損傷
することを防止することもできる。
【0039】リング状部材9は、ナトリウム容器5より
も小さな熱膨張係数を持った材料からなる。リング状部
材9とナトリウム容器5の構成材料の好ましい組み合わ
せの例として、下記(1)〜(3)が挙げられる。
【0040】(1) ナトリウム容器をアルミニウム又はA
3003等のアルミニウム合金とし、リング状部材をα
−アルミナ等のセラミックスとする。 (2) ナトリウム容器をアルミニウム又はA3003等の
アルミニウム合金とし、リング状部材をSUS430等
のフェライト系ステンレス鋼又はSUS410等のマル
テンサイト系ステンレス鋼とする。 (3) ナトリウム容器をSUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼とし、リング状部材をSUS430等の
フェライト系ステンレス鋼、SUS410等のマルテン
サイト系ステンレス鋼又はα−アルミナ等のセラミック
スとする。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナトリウ
ム−硫黄電池においては、固体電解質管とナトリウム容
器との間に隔壁を配置するとともに、下面が開口した有
蓋筒状の固体電解質管を用いて、陽極室の上部に陽極容
器と固体電解質管との熱膨張率の差に基づく両者の変形
量の相違を許容するための変形許容空間を設けた構造と
したことにより、固体電解質管破損時におけるナトリウ
ムと硫黄の直接反応を抑制し、かつ、陽極容器又は固体
電解質管と絶縁リングの接合部の破損を防止することが
でき、電池の安全性・耐久性を向上させることができ
る。また、本発明では、隔壁の下面が開口しているの
で、電池製造時に、隔壁を有蓋筒状の固体電解質管に挿
入した状態で、隔壁内部にゴムチューブ等を挿入し、隔
壁の内側から圧力を付与して変形加工することができ、
これにより、上記構造において、固体電解質管と隔壁と
の間隙を所定の値に制御することが可能となった。更
に、本発明では、隔壁の下端の内周部に、ナトリウム容
器より小さな熱膨張係数を持った材料からなるリング状
部材をはめ込んだ構造とすることで、固体電解質管の破
損に伴うナトリウムと硫黄との直接反応により電池が異
常高温度になったときに、リング状部材とナトリウム容
器との間隙が閉塞し、固体電解質管へのナトリウムの供
給を断つことができ、電池の安全性をより一層向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るナトリウム−硫黄電池の一実施例
を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明に係るナトリウム−硫黄電池において、
下面が開口した有蓋筒状の固体電解質管と上面及び下面
が開口した筒状の隔壁とを組み合わせた状態を示す断面
図である。
【図4】本発明に係るナトリウム−硫黄電池の他の実施
例を示す断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】従来のナトリウム−硫黄電池の一例を示す断面
図である。
【図7】従来のナトリウム−硫黄電池の他の一例を示す
断面図である。
【図8】従来のナトリウム−硫黄電池の更に他の一例を
示す断面図である。
【図9】従来のナトリウム−硫黄電池において、上面が
開口した有底筒状の固体電解質管と上面が開口した有底
筒状の隔壁とを組み合わせた状態を示す断面図である。
【図10】下面が開口した有蓋筒状の固体電解質管と上
面が開口した有底筒状の隔壁とを組み合わせた状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…陽極容器、2…絶縁リング、3…陰極蓋、4…固体
電解質管、5…ナトリウム容器、6…小孔、7…陽極用
導電材、8…隔壁、9…リング状部材、10…変形許容
空間、R1…陰極室、R2…陽極室、Na…ナトリウ
ム、S…硫黄、G…不活性ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−266922(JP,A) 特開 平5−283101(JP,A) 特開 平5−54908(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/39

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面が開口した有蓋筒状の陽極容器内
    に、絶縁リングを介して下面が開口した有蓋筒状の固体
    電解質管を配設し、その固体電解質管の内側と外側に陰
    極室及び陽極室を形成し、陰極室となる固体電解質管の
    内側には、上面が陰極活物質としてのナトリウムが通過
    できるように開口し、下面も開口した筒状の隔壁を、固
    体電解質管との間に所定の間隙をもって配置し、更に隔
    壁の内側に、ナトリウムを収容したナトリウム容器を、
    隔壁との間に所定の間隙をもって配置し、隔壁の下端の
    外周部を絶縁リングと接合するとともに、隔壁の下端部
    に陰極蓋を取り付けて陰極室の下面を閉塞し、陽極室に
    は陽極活物質としての硫黄を収容し、陽極室の上部には
    陽極容器と固体電解質管との熱膨張率の差に基づく両者
    の変形量の相違を許容するための変形許容空間を設けた
    ことを特徴とするナトリウム−硫黄電池。
  2. 【請求項2】 ナトリウム容器が、絶縁リングよりも大
    きな熱膨張係数を持った材料からなる請求項1記載のナ
    トリウム−硫黄電池。
  3. 【請求項3】 隔壁の下端の内周部に、ナトリウム容器
    より小さな熱膨張係数を持った材料からなるリング状部
    材をはめ込んだ請求項1記載のナトリウム−硫黄電池。
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