JP3085792U - 移動機関用の物品固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】物品のサイズや形状に応じて該物品を移動機関
のプラットフォーム部に確実に固定し、前記移動機関の
移動中に前記物品が移動・転倒するのを防止することが
できる移動機関用の物品固定装置を提供しようとする。 【解決手段】本考案の移動機関用の物品固定装置は、縄
により物品を移動機関のプラットフォーム部に固定し、
前記移動機関の移動中に前記物品が移動・転倒するのを
防止する移動機関用の物品固定装置であって、前記移動
機関の前記プラットフォーム部に配設される平面状の基
体と、前記基体を前記プラットフォーム部に固定するた
めの固定手段と、前記基体の上面側に分散して配設され
て前記基体に固定された複数のリングとを備え、前記複
数のリングの中から適宜選択された前記リングに前記縄
を通し、該縄により前記物品を前記プラットフォーム部
に縛り付けるように構成されたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、交通機関（例えば自動車、トラック、船）及び運搬手段（例えば台車 ）などの移動機関用の物品固定装置に関し、特に縄により物品を前記のような移 動機関のプラットフォーム部に固定し、前記移動機関の移動中に起きる物品の移 動や転倒を防止することができる移動機関用の物品固定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

交通機関（例えば自動車、トラック、船）及び運搬手段（例えば台車）などの移 動機関には、通常、物品の運搬中に起きる物品の移動や転倒を防止するための物 品固定装置が設けられている。例えば、多くの自動車のトランク内の平面（以下 、プラットフォーム部と称す）の四隅にそれぞれ設置されているリングがそれで ある。このような物品固定装置に用いれば、図８に示すように、まず物品２を自 動車のトランク１内のプラットフォーム部上に載置したのち、縄２１で前記四隅 に設置されているリング１１を通し、物品２をプラットフォーム部に縛り付けて 物品２を固定することができる。しかしながら、リング１１の設置数及び設置箇 所はかなり制限されるため、物品のサイズや形状に応じた縛り方ができず、物品 を固定した状態が不安定なものになるという欠点がある。

【０００３】 また、図９は従来のトラックでの物品固定装置を示し、この物品固定装置は、 物品４を搭載する荷台３の周囲の塀板４１に複数のＬ字形鈎３１を設けて構成さ れ、縄４２をＬ字形鈎３１同士間に引っ掛け、塀板４１の間を往復させることに より、物品４を前記トラックの荷台３の前記プラットフォーム部上に固定するこ とができるようになっている。しかしながら、Ｌ字形鈎３１の設置はトラックの 荷台３の塀板４１のみに設けられているため、依然として、物品４のサイズや形 状に応じて物品を確実に縛ることができないという欠点がある。また、前記トラ ックの開放式の荷台３では、雨を防ぐためのカバーを荷台３に被せる必要がある が、該カバーの周辺のみが荷台３の塀板４１に固定されるので、前記カバーの中 央部が垂れ下がる等して前記カバーの固定状態が不十分、不安定になるという欠 点もあり、従来の移動機関用の物品固定装置はまだまだ理想的なものとはいえな かった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、まだ理想的でない前記移動機関上の物品固定装置に代えて、物品の サイズや形状に応じて物品を移動機関のプラットフォーム部に確実に固定し、前 記移動機関の移動中での物品の移動や転倒を防止することができる移動機関用の 物品固定装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案は、縄により物品を移動機関のプラットフォ ーム部に固定し、前記移動機関の移動中に前記物品が移動・転倒するのを防止す る移動機関用の物品固定装置であって、前記移動機関の前記プラットフォーム部 に配設される平面状の基体と、前記基体を前記プラットフォーム部に固定するた めの固定手段（止め金具）と、前記基体の上面側に分散して配設されて前記基体 に固定された複数のリングとを備え、前記複数のリングの中から適宜選択された 前記リングに前記縄を通し、該縄により前記物品を前記プラットフォーム部に縛 り付けるように構成されたことを特徴とする移動機関用の物品固定装置を提供す る。前記物品固定装置を使用する場合、例えば、まず前記基体を移動機関のプラ ットフォーム部に固定し、そして、物品を前記基体上に置いた後、縄で前記物品 の周りに位置する前記リングを選択的に通して縛ることにより、物品を移動機関 のプラットフォーム部に確実に固定することができる。即ち、本考案の物品固定 装置は、前記基体上に複数のリングを有するため、物品のサイズや形状に応じて 物品を確実に縛ることができるので、前記移動機関の移動中に物品が移動や転倒 するのを防止することができる。

【０００６】 また、ここで、移動機関とは、例えば自動車、トラック、船などの物品を運送 できる交通機関、または例えば台車などの物品を運搬できる運搬手段をいい、移 動機関のプラットフォーム部とは、自動車のトランク内の平面部分、または、ト ラックの荷台などの物品を置く箇所をいう。

【０００７】 また、前記基体は、折り畳み可能な可撓性材料からなることが好ましい。かか る構成を採用することにより、使用しない場合には、前記基体を折り畳んでコン パクト収納でき、使用する場合、収納部から取り出して広げれば良く、取扱が容 易になる。また、前記のように物品を縛り付けるのに利用されるのみならず、雨 を防ぐためのカバーとしても利用でき、そして、前記基体を物品の上から覆いて 固定し、前記縄を前記リングを通して物品を固定することもできる。

【０００８】 また、前記基体は折り畳み可能な可撓性材料からなるものである場合には、本 考案の移動機関用の物品固定装置は、前記基体の面上には、複数のベルトが固定 され、且つ、前記複数のリングは、前記複数のベルトの面上に固設されており、 また、前記複数のベルトの少なくとも一つは締結用ベルトであって、該締結用ベ ルトは、前記基体の面上に直線的に延伸するように固定されている固設部と、前 記固設部の端部側に付設される前記固定手段である止め金具とからなる構成にす ることができる。かかる構成によれば、前記締結用ベルトを、前記基体の前記プ ラットフォーム部への固定手段として使用できる。即ち、そして自由端部の端部 にある止め金具を移動機関のプラットフォーム部の周辺にあるリングやＬ字形鈎 などの固定手段に引っかけことにより、基体を固定することができる。

【０００９】 また、前記締結用ベルトは、前記固設部の両端からそれぞれに更に延伸され、 且つ、伸縮することができる一対の自由端部を備え、該自由端部の先端部に止め 金具が付設される構成にすることにより、移動機関のプラットフォーム部のサイ ズに応じて締結用ベルトの一対の自由端部の長さを調整でき、プラットフォーム 部のサイズに応じて基体を固定することができる。前記伸縮できる自由端部とし ては、例えば、自由端部をばねやゴムなどの弾性材料で形成するものや、帯体の 長さ方向に複数の孔をあけ、いずれかの孔に係止ピンを差し込んで長度を調整す るもの等が考えられる。

【００１０】 また、二本の前記締結用ベルトを備え、これら二本の前記締結用ベルトの前記 固設部は、前記基体の面上に交叉して配されるのが好ましい。

【００１１】 そして、本考案の移動機関用の物品固定装置は、可撓性材料でない硬質の材料 からなっても良く、例えば、前記基体は、平板状であり、該平板状の基体の上面 に複数の凹溝を平行状に形成してあり、且つ、該複数の凹溝内に前記複数のリン グを収容固設し、前記基体に前記プラットフォームに固定するための固定具を通 す通孔を設けるように構成しても良い。このように構成すれば、前記固定具で前 記通孔を通すことにより、複数の前記リングを有する前記基体を移動機関のプラ ットフォーム部に固定することができる。また、前記複数のリングは前記複数の 凹溝に内蔵されているので、基台上に物品を載置するときにリングが邪魔になら ない。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の好ましい実施形態を詳しく説明する。なお、以下の説明におい ては、そのサイズに拘わらず、略同一の機能及び構成を有する要素については、 同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。

【００１３】 本考案の移動機関用の物品固定装置は、縄により物品を移動機関のプラットフ ォーム部に固定し、移動機関の移動中に起きる物品の移動や転倒を防止すること ができる移動機関用の物品固定装置である。図１は、本考案の移動機関用の物品 固定装置の第１の実施形態を示す。図２乃至図４は、この第１の実施形態の使用 例を示す。本考案の移動機関用の物品固定装置の第１の実施形態は、図１に示す ように、主として折り畳み自在な可撓性材料からなる平面四角状の基体５と、こ の基体５の面上に分散して固定されている複数のリング５１とからなる。更に詳 しく説明すると、基体５の面上には、複数のベルト５２が貼付により固定されて いる。複数のリング５１は、複数のベルト５２の面上に固設されて、該複数のベ ルト５２を介して基体５の面上に分散固定されている。また、複数のベルト５２ のうち基体５の対角線上に配設される二本のベルトは、締結用ベルト５３にされ ている。図示のように、該２本の締結用ベルト５３は、それぞれ、基体５の面上 に直線的に延伸するように貼付固定されている固設部５３１と、この固設部５５ １の両端からそれぞれに更に延伸して伸縮調整自在に構成された一対の自由端部 ５３２とからなる。即ち、二本の締結用ベルト５３の固設部５３１は、基体５の 面上に互いに交叉している。また、一対の自由端部５３２の端部には、止め金具 ５３３が付設されている。

【００１４】 第１の実施形態を自動車のトランク内に使用する場合、図２のように、まず 、自動車のトランク６内のプラットフォーム部のサイズに合わせて締結用ベルト ５３の自由端部５３２の長さを伸縮調整した後、四つの止め金具５３３をそれぞ れ自動車のトランク６内の四隅に設けられたリング６１に引っかけることにより 、物品固定装置をプラットフォーム部に固定する。そして、物品７を基体５上に 載置した後、複数のリング５１の内、物品７の周りに位置する適当なリング５１ を選んで該リング５１に縄７１を通すと共に、物品７の上面で縄７１が繰り返し 交叉するようにして物品７をプラットフォーム部の上に縛り付けて確実に固定す ることができる。

【００１５】 なお、第１の実施形態をトラックの荷台８に使用する場合にも、前記の使用 法はもちろん適用できるが、図３及び図４に示すように、雨を防ぐためのカバー を兼ねるように、基体５を物品の上から覆って固定し、そして縄７１でリング５ １を通して物品を固定することもできる。物品の上から覆った基体５を固定する 方式については、物品の高さが荷台８の周囲の塀板８１の高さより低いときには 、図３のように、自由端部５３２の端部にある止め金具５３３を荷台８内に設け られた複数のリング８２等の適当なものに引っかけて固定することが考えられ、 また、物品の高さが荷台８の周囲の塀板８１の高さより高いときには、図４のよ うに、荷台８の周囲の塀板８１に設けられた複数のＬ字形鈎８３等の適当なもの に止め金具５３３を引っかけて固定することができる。そして、基体５を物品の 上から覆って固定した後に、縄７１をリング５１に通して物品を固定する場合に は、縄７１を複数のＬ字形鈎８３又は／及び複数のリング８２のうちの適当なも のの間に引っかけて塀板８１の間を往復させても良い。なお、図３は塀板８１の 一部を切り欠いて第１の実施形態の使用方法を示している。

【００１６】 図５及び図６は、本考案の移動機関用の物品固定装置の第２の実施形態を示 す。図７は、この第２の実施例の使用例を示す。この実施形態においては、図５ のように、前記基体として、可撓性材料でない硬質の材料からなる平板状のもの を使用している。この平板状の基体９の面上には、複数の凹溝９１が平行に形成 してある。複数の凹溝９１内には、複数のリング９２が収容固設され、また、複 数のボルト等の固定具９３１を通すための通孔９３が穿設されている。そして、 図６のように、固定具９３１を通孔９３に通すことにより、複数のリング９２を 有する基体９を移動機関のプラットフォーム部に固定することができる。この第 ２の実施形態をトラックの荷台１０に使用する場合、図７に示すように、まず、 基体９を前記のようにトラックの荷台内のプラットフォーム部に固定した後、物 品２０を基体９上に載置し、物品２０の周りに位置するリング９２の中から適宜 選択されたリング９２に縄２０１を通して物品２０を縛り付けることにより、物 品２０をトラックのプラットフォーム部、即ち荷台１０内のプラットフォーム部 上に確実に固定することができる。また、複数のリング９２は複数の凹溝９１に 内蔵されているので、物品２０を基台９上に載置するときにリング９２によって 邪魔されることはない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の移動機関用の物品固定装置は、物品のサイズや形状に応じて物品を移 動機関のプラットフォーム部に確実に固定することができるので、前記移動機関 の移動中に起きる物品の移動や転倒を防止することができる。

【００１８】 以上説明した実施の形態は、あくまでも本考案の技術的内容を明らかにする意 図のものにおいてなされたものであり、本考案はそうした具体例に限定して狭義 に解釈されるものではなく、本考案の精神とクレームに述べられた範囲で、いろ いろと変更して実施できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図1】本考案の移動機関用の物品固定装置の第１の実
施形態を示す平面図である。

【図２】前記第１の実施形態の第１の使用例を示す斜視
図である。

【図３】前記第１の実施形態の第２の使用例を示す斜視
図である。

【図４】前記第１の実施形態の第３の使用例を示す斜視
図である。

【図５】本考案の移動機関用の物品固定装置の第２の実
施形態を示す平面図である。

【図６】前記第２の実施形態を示す一部断面図である。

【図７】前記第２の実施形態の使用例を示す斜視図であ
る。

【図８】従来の自動車用の物品固定装置を示す斜視図で
ある。

【図９】従来のトラック用の物品固定装置を示す斜視図
である。

【符号の説明】

５，９．．．基体 ５１，９２．．．リング ７１，２０１．．．縄 ７，２０．．．物品 ５２．．．ベルト ５３．．．締結用ベルト ５３１．．．固設部 ５３２．．．自由端部 ５３３．．．止め金具 ９１．．．凹溝 ９３１．．．固定具 ９３．．．通孔

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 縄により物品を移動機関のプラットフォ
   ーム部に固定し、前記移動機関の移動中に前記物品が移
   動・転倒するのを防止する移動機関用の物品固定装置で
   あって、 前記移動機関の前記プラットフォーム部に配設される平
   面状の基体と、 前記基体を前記プラットフォーム部に固定するための固
   定手段と、 前記基体の上面側に分散して配設されて前記基体に固定
   された複数のリングとを備え、 前記複数のリングの中から適宜選択された前記リングに
   前記縄を通し、該縄により前記物品を前記プラットフォ
   ーム部に縛り付けるように構成されたことを特徴とする
   移動機関用の物品固定装置。
2. 【請求項２】前記基体は、折り畳み可能な可撓性材料か
   らなることを特徴とする請求項１に記載の移動機関用の
   物品固定装置。
3. 【請求項３】 前記基体の面上には、複数のベルトが固
   定され、且つ、前記複数のリングは、前記複数のベルト
   の面上に固設されており、また、前記複数のベルトの少
   なくとも一つは締結用ベルトであって、該締結用ベルト
   は、前記基体の面上に直線的に延伸するように固定され
   ている固設部と、前記固設部の端部側に付設される前記
   固定手段である止め金具とからなることを特徴とする請
   求項１又は２に記載の移動機関用の物品固定装置。
4. 【請求項４】 前記締結用ベルトは、前記固設部の両端
   からそれぞれに更に延伸され、且つ、伸縮することがで
   きる一対の自由端部を備え、該自由端部の先端部に止め
   金具が付設されていることを特徴とする請求項３に記載
   の移動機関用の物品固定装置。
5. 【請求項５】 二本の前記締結用ベルトを備え、これら
   二本の前記締結用ベルトの前記固設部は、前記基体の面
   上に交叉して配されていることを特徴とする請求項３又
   は４に記載の移動機関用の物品固定装置。
6. 【請求項６】 前記基体は、平板状であり、該平板状の
   基体の上面に複数の凹溝を平行状に形成してあり、且
   つ、該複数の凹溝内に前記複数のリングを収容固設し、
   前記基体に前記プラットフォームに固定するための固定
   具を通す通孔を設けてあることを特徴とする請求項１に
   記載の移動機関用の物品固定装置。