JP3085437B2 - 自動車用ブレーキドラムの材料 - Google Patents

自動車用ブレーキドラムの材料

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JP3085437B2 JP06035564A JP3556494A JP3085437B2 JP 3085437 B2 JP3085437 B2 JP 3085437B2 JP 06035564 A JP06035564 A JP 06035564A JP 3556494 A JP3556494 A JP 3556494A JP 3085437 B2 JP3085437 B2 JP 3085437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳鉄製の自動車用ブレ
ーキドラムの材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大型トラックのブレーキ装置には
ドラムブレーキが広く使用され、そのドラムブレーキの
ブレーキドラムには、例えば図13に示すように、黒鉛
Dが断面にて線状に分散している片状黒鉛鋳鉄がその材
料として用いられてきた。そして、それは片状黒鉛鋳鉄
が熱伝導がよくブレーキ発熱のために制動力が減退する
のを防止するのに有効である事は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、片状黒
鉛鋳鉄はその黒鉛の形状が線状であるために黒鉛先端に
応力集中を起こし、ブレーキ作動時の熱応力に弱く、熱
亀裂が生じやすいという問題があり、ブレーキドラムの
寿命が短く、そのためにブレーキドラムの交換を頻繁に
行う事が必要で、信頼性と共にコストの問題が生じてい
た。
【0004】したがって、本発明は、耐熱亀裂性および
耐久性がよく、片状黒鉛鋳鉄と同等の熱伝導率を有する
球状黒鉛鋳鉄製の自動車用ブレーキドラムの材料を提供
することを目的としている。
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車用ブレー
キの材料によれば、自動車用ブレーキ装置に使用する鋳
鉄製ブレーキドラムの材料において、炭素が重量比で
3.2〜4.2%、硅素が重量比で1.5〜2.5%、
Ni、Mo,Tiの内から一種以上の強化合金元素が重
量比で0.5〜2.0%を含む鋳鉄であり、球状の黒鉛
粒子を有し、その黒鉛粒子の数は1平方ミリメータ当り
200〜250個、黒鉛粒子の粒径は30〜60μm、
黒鉛球状化率が20〜80%となっている。
【0007】
【作用効果の説明】本発明は上記のように構成されてお
り、球状黒鉛鋳鉄は亀裂に対して強く、黒鉛粒子を球状
化するためにはマグネシウム(Mg)を0.1%前後添
加すればよいことは知られている。そこで本発明者は、
ブレーキドラム用の鋳鉄として球状黒鉛鋳鉄に不足して
いる特性である熱伝導性がよい球状黒鉛鋳鉄を得るため
に種々実験を繰返して下記の結果を得た。
【0008】炭素(C)が3.2重量%以下では現用の
片状黒鉛鋳鉄の熱伝導率(0.45J/cm)以下とな
り好ましくない。一方でCが4.2重量%以上となると
熱伝導率はよいが、材料強度が低下しブレーキドラムと
して使用に耐えない。
【0009】硅素(Si)は熱伝導率がよいのは添加量
が、1.5〜2.5重量%の範囲で現用の片状黒鉛鋳鉄
と同等以上の熱伝導率となる。
【0010】また、鋳鉄中の熱伝導率は黒鉛の影響が大
で、片状黒鉛に比して球状黒鉛は伝導率が3/4で、こ
れを防ぐために黒鉛間の間隔を詰めることが必要で、1
平方ミリメータ当り200〜250個で前記の片状黒鉛
鋳鉄と同じ熱伝導率となる。
【0011】そして、黒鉛の粒径についてはこれが粗大
化すると強度が低下するので、ブレーキドラムとして実
用可能な範囲は30〜60μmであることが判った。
【0012】さらに、黒鉛球状化率については、片状黒
鉛の先端部の応力緩和と熱伝導性とを考慮すると20〜
80%がよく、黒鉛球状化のためにMgは0.025〜
0.032重量%添加するのがよいことが判った。
【0013】そして、黒鉛粒数を増加する事は強度を低
下する原因となるので、鋳鉄の生地を強化するために、
本明細書でいう強化合金元素としてNi、Mo、Tiの
内から一種以上の元素を添加すると効果がある。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。
【0015】図1において、フロントアクスル1にはナ
ックル2および図示しないベアリングを介してフロント
ハブ3が回転自在に取付けられ、そのフロントハブ3に
はハブボルト10でブレーキドラム4が固着されてい
る。そして、そのブレーキドラム4の内側には、ブレー
キライニング6を有するブレーキシュー5が図示しない
ピンに回動自在に取付けられている。
【0016】ここで、符号7はナックルアーム、符号8
はタイロッドアーム、符号9はタイロッド、符号11は
ホイルナットをそれぞれ示している。
【0017】そして、前記ブレーキドラム4は、以下に
説明するブレーキドラム用材料で構成されている。
【0018】図2は試料の特性を示すものに、図2の右
側に1〜4で示す試料を準備した。そして図3〜図9に
実験結果を示す。Cの含有率は、図3および図4から解
る通り、熱伝導率は片状黒鉛鋳鉄と同等である0.45
J/cmが要求レベルであり、試料No.2が該当し、
引張り強さは300MPaが要求レベルであるので試料
No.4が該当している。したがって、Cの含有率は
3.2〜4.2重量%がよいという結果が得られた。
【0019】次いで、Siに付いても同様に、図2と図
5から解るように、熱伝導率の要求レベルから1.5〜
2.5重量%という結果が得られた。
【0020】また、強度を低下させないためには黒鉛の
間隔が小であることが好ましく、そのために、平方ミリ
当たりの黒鉛の粒数は大である事が好ましいが、図6か
ら解るように熱伝導率の要求レベルも満足するものとし
て、1平方ミリメータ当り200〜250個とした。そ
して、黒鉛粒数を増加することは強度低下になるので、
鋳鉄の生地を強化するためにNi、Mo、Tiの内の一
種類以上を強化合金元素として0.5〜2.0重量%添
加することが好ましい。
【0021】さらに、黒鉛の平均粒径に付いては、図7
から解る通り、引張り強さの要求レベルから60μm以
上では要求レベルを満足せず、30μm以下では熱伝導
率が低いので満足できない。
【0022】黒鉛球状化率は、図8から解る通り、80
%以上では熱伝導率が要求レベルより低くなり、20%
以下では、図9から解る通り、引張り強さが要求レベル
を満足しない。したがって、黒鉛球状化率は20〜80
%がよいという結果となった。
【0023】そして、黒鉛球状化のためにMgの添加量
は、図2から解る通り、0.025〜0.032であれ
ば、重要特性である熱伝導率および引張り強さがクリア
できる。
【0024】図10は黒鉛球状化率の測定例を示し、倍
率100倍で撮影した写真面の両対角線を中心として幅
3mmの間隔で直線を引き、その間に挾まれる両対角線
帯の上にのる黒鉛粒を対象とし、黒鉛粒数と形状係数か
ら次式により算出する。
【0025】黒鉛球状化率=(0×n1+0.3×n2
+0.3×n3+0.9×n4+1.0×n5/n1+
n2+n3+n4+n5)×100% 黒鉛粒径の算出は、対角線帯に乗った黒鉛の粒径を測定
し、その平均値を算出する。
【0026】また、図11は黒鉛粒数の算出例で、倍率
100倍の写真に任意に1辺が50mmの正方形を描
き、その内側にある黒鉛数を数え、その数を4倍して黒
鉛粒数とする。
【0027】図12は熱伝導率の測定試験の概要を示
し、試験片Tの両側面に熱電対C1、C2を取付け、一
方の側面からレーザー光線Lを照射し熱電対C1、C2
をそれぞれ温度計に接続して測定する。
【0028】以上のように本発明によれば、丈夫で熱伝
導率のよい鋳鉄製のブレーキドラムを得ることができ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、以下の優れた効果を奏する。
【0030】(1)耐熱亀裂性に優れ、熱伝導率を改善
した球状黒鉛鋳鉄をブレーキドラムとして使用するの
で、ブレーキ性能を損なうことなくドラムの寿命が向上
する。
【0031】(2)現行品より強度が高い球状黒鉛鋳鉄
を使用でき、ブレーキドラムの薄肉化が可能となり、ブ
レーキドラムの軽量化が可能となる。
【0032】(3)ブレーキドラムの交換の頻度が減少
し、走行費が低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す高熱伝導率黒鉛鋳鉄の
ブレーキドラムの側面図。
【図2】ブレーキ用材料の実験結果の例を示すチャート
図。
【図3】熱伝導率と炭素含有量との関係の実験結果を示
す図。
【図4】引張り強さと炭素含有量との関係の実験結果を
示す図。
【図5】熱伝導率と硅素含有量との関係の実験結果を示
す図。
【図6】熱伝導率と黒鉛粒数との関係の実験結果を示す
図。
【図7】引張り強さと黒鉛平均粒径との関係の実験結果
を示す図。
【図8】熱伝導率と黒鉛球状化率との関係の実験結果を
示す図。
【図9】引張り強さと黒鉛球状化率との関係の実験結果
を示す図。
【図10】黒鉛球状化率の測定方法の例を示す図。
【図11】黒鉛粒数の測定方法の例を示す図。
【図12】熱伝導率測定試験の概要を示す図。
【図13】従来の片状黒鉛鋳鉄の黒鉛分布状態の例を示
す図。
【符号の説明】
1…フロントアクスル 2…ナックル 3…フロントハブ 4…ブレーキドラム 5…ブレーキシュー 6…ブレーキライニング 7ナックルアーム 8…タイロッドアーム 9…タイロッド 10…ハブボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−21432(JP,A) 特開 平4−175524(JP,A) 特開 昭60−215737(JP,A) 特開 昭60−248864(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 49/00 - 71/04 C22C 37/00 - 37/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用ブレーキ装置に使用する鋳鉄製
    ブレーキドラムの材料において、炭素が重量比で3.2
    〜4.2%、硅素が重量比で1.5〜2.5%、Ni、
    Mo,Tiの内から一種以上の強化合金元素が重量比で
    0.5〜2.0%を含む鋳鉄であり、球状の黒鉛粒子を
    有し、その黒鉛粒子の数は1平方ミリメータ当り200
    〜250個、黒鉛粒子の粒径は30〜60μm、黒鉛球
    状化率が20〜80%としたことを特徴とする自動車用
    ブレーキドラムの材料。
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JP6285201B2 (ja) * 2014-02-17 2018-02-28 新日鐵住金株式会社 機関車制輪子用球状黒鉛鋳鉄および機関車用制輪子

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