JP3085237U - 網目状不織布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、熱接着された長繊維不織布やスパ
ンボンド不織布の各単繊維を損傷することなく表面に多
数本の針状突起を取り付けたローラーに接圧し回転しな
がら多数の穴を穿孔し、各単繊維にタルミを与え、網目
状の不織布としたものである。これによりファスナー用
ループ素材としてはフックの先端を不織布の内部に潜入
しやすくし、各単繊維との絡みを良くしたものである。
又、掃除用シート素材としてはゴミや毛類が網目状の穴
の中まで入り込み、各単繊維と絡み合って付着させるこ
とが出来る。各単繊維は部分的に熱接着されており、寸
法安定性が良く、長繊維であることから、抜け毛が起こ
らないのも特長である。 【構成】 熱接着された長繊維不織布やスパンボンド不
織布に各単繊維が出来るだけ損傷されないように多数の
穴を穿孔したもので、強力等の性能を低下させることな
く網目状の不織布としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案の不織布はファスナー用ループ素材に適したものである。即ち、フ ァスナー用ループ素材としての要求品質の係合性、剥離耐久性に優れ、且つ 安価に製造することが出来るので、使い捨て商品への利用が有効であり、特 に衛生用品への活用が期待出来る。又、掃除用シートとしても有効利用出来 る。本考案の不織布は、不織布全体に多数の穴が穿孔されており、柔軟性も 付与されるので、ゴミや髪毛のような毛類がよく絡み、吸着される。更に、 熱接着された長繊維不織布であり、寸法安定性がよく、繊維の抜け毛が起こ らないので、衛生的な掃除用シートとして活用出来る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の繊維によるファスナーは、フック部分にモノフィラメントの先端を カギ状にしたものや、プラスチックを成型して種々の突起を片面に付与して 用いている。一方、ループ素材は、長繊維を織物や編物等として起毛するこ とによりループを発生させる方法等がある。その他、ニードルパンチ機によ り不織布にループやタルミを発生させ、これを熱処理固定する方法等や、短 繊維を熱接着した不織布も利用されているが、これは、寸法安定性に欠けて いる。又、一般に掃除用シートは、主として短繊維を用いた不織布が利用さ れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題点】

前項のファスナー用ループ素材は、製造方法が繁雑で手間が掛かり、生産 性が上がらず、価格的にも限界がある。特に、使い捨て商品等に使用するこ とは不利益である。本考案によれば、熱接着された長繊維不織布やスパンボ ンド不織布に効率的に無数の穴を穿孔するものであり、工程が極めて簡略で あり、低価格での生産が可能となった。複数枚重ね合わせての加工は、更に 効率的である。品質については、不織布に穴を開けることにより、フック材 の突起の潜入を良くし、繊維との絡みを良くすることが出来るので、係合性 、剥離耐久性の優れた性能が得られた。尚、長繊維であることから、短繊維 に比べて引抜けが起こりにくく、剥離耐久性に効果を発揮する。 又、掃除用シートの品質については、ゴミや毛類の付着を良くすることが 重要である。本考案による不織布は、各単繊維の細いものを用いて、針状突 起により穴をあけ、各単繊維の損傷を極力おさえ、ふくらみを持たせるとと もに、柔軟性を付与し、更に穴をあけるので、ゴミや毛類を付着しやすくし 、絡ませることが出来る。尚、基本的には熱接着された不織布であり、寸法 安定性が良く、長繊維であることから、抜け毛がないことも特長である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、熱接着された長繊維不織布やスパンボンド不織布を基布として 用い、これに先端が鋭利な針状突起を取り付けたローラーを用いて各単繊維 が出来るだけ損傷されないように多数の穴を穿孔し、不織布の強力を極力低 下させないでやわらかくし、ふくらみを持たせるものである。このことによ りファスナー用ループ素材としてはフックの引っかかりを良くし、係合性、 剥離耐久性を良くしたものである。 又、掃除用シートとしては、ゴミや毛類の付着についてもファスナー用ル ープ素材と同様、各単繊維が細く、柔軟性があり、多数の穴があいているの で、ゴミの吸着が良く、毛類のからみが良いので、効果が大きい。尚、熱接 着された長繊維の不織布が基本であり、寸法安定性が良く、抜け毛がないの も大きな特長である。 加工機としては、表面に多数本の針状突起を取り付けたローラーに接圧し て回転し多数の穴を穿孔するもので生産効率が極めて高く、価格的に有利で ある。更に生産性を上げるため複数枚重ね合わせるか、又上記ローラーを多 数本用いることにより効果は増大する。

【０００５】

【実施例】

以下、実施例について詳細に説明する。 第１実施例は次の通りである。 ポリエステルスパンボンド不織布４０ｇ／ｍ^２を表面に直径が２ｍ／ｍで 長さが３ｍ／ｍの針状突起を３ｍ／ｍの間隔で取り付けたローラーに接圧し 、ローラーを回転させながら多数の穴を穿孔した。図１、図２のような網目 状の不織布が得られ、係合性、剥離耐久性の優れたファスナー用ループ素材 を得ることができた。 第２実施例は次の通りである。 ポリプロピレンスパンボンド不織布４０ｇ／ｍ^２を表面に直径が２ｍ／ｍ で長さが３ｍ／ｍの針状突起を３ｍ／ｍの間隔で取り付けたローラーに接圧 し、ローラーを回転させながら多数の穴を穿孔した。図１、図２のような網 目状の不織布が得られた。柔軟性があり、抜け毛が起こらない、ゴミや毛類 の付着に優れた不織布を得ることができた。

【０００６】

【考案の効果】

熱接着された長繊維不織布やスパンボンド不織布を用いて各単繊維を出来 るだけ損傷されないようにして、強度を保ちながら多数の穴を穿孔すること により、図のような網目状の不織布とし、ファスナー用ループ素材としては フックの突起のからみを良くし、係合性、剥離耐久性の優れたものを得るこ とが出来た。又、掃除用シートについては、ゴミや毛類の付着が良く、寸法 安定性が良く、抜け毛の出ない良好な不織布を得ることが出来た。尚、加工 工程が高速簡略で、生産コストが低いことが特長であり、水切りシート等の 使い捨て商品にも効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】網目状不織布の表面の状態についての概要図

【図２】網目状不織布の側面の穿孔された穴の部分の断
面図

【符号の説明】

（１）は熱接着された長繊維不織布 （２）は（１）に穿孔された穴部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱接着された熱可塑性繊維の長繊維不織布
   及びスパンボンド不織布を、表面に多数本の針状突起を
   取り付けたローラーに接圧し回転させながら多数の穴を
   穿孔し全体を網目状としたことを特長とする不織布