JP3085138B2 - 摺動性組成物、成形品、及びコネクター用インシュレーター - Google Patents

摺動性組成物、成形品、及びコネクター用インシュレーター

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JP3085138B2
JP3085138B2 JP07098074A JP9807495A JP3085138B2 JP 3085138 B2 JP3085138 B2 JP 3085138B2 JP 07098074 A JP07098074 A JP 07098074A JP 9807495 A JP9807495 A JP 9807495A JP 3085138 B2 JP3085138 B2 JP 3085138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動性に優れた組成物、
成形品、及びコネクター用インシュレーターに関し、さ
らに詳しくは動摩擦係数が小さく摺動性に優れた組成
物、それから成る摺動性に優れた成形品、温度0〜10
0℃で周波数103〜1012Hzでの誘電正接が0.0
01以下、誘電率が2.5以下という好ましい電気特性
を有し、摺動性に優れたコネクター用インシュレーター
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、耐熱
性、耐湿性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、光学特性、
電気特性などに優れ、光学材料、電気絶縁材料、医療用
材料など、さまざまな分野で使用されはじめている。
【0003】例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、
1MHz〜10GHzでの誘電正接が0.0004以下
と小さく、また、誘電率も2.3以下と小さいため、高
周波用コネクターのインシュレータの成形材料として必
要な基礎的性能を有している。また、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂は射出成形などで寸法精度のよい成形品が得
られ、また、電気特性も安定している。しかし、従来か
らこの分野で使用されているフッ素樹脂やオレフィン樹
脂などの結晶性樹脂に比べると、摺動性に劣り、接続と
開放を繰り返すとインシュレーターが削れて変形し、コ
ネクターが外れやすくなるという問題があった。
【0004】このように熱可塑性ノルボルネン系樹脂の
摺動性が問題となることがあるため、改良する試みが以
前からなされている。例えば、グラファイト粉末やフッ
素樹脂粉末などの摺動性付与剤とエチレン系重合体を加
えて組成物とする方法(特開平3−215541号)、
シリコーンオイルを加えて組成物とする方法(特開平4
−136062号)などが知られている。
【0005】しかし、これらの摺動性を有する組成物を
高周波用コネクターのインシュレーターとして使用する
場合は、それぞれに問題がある。前者はエチレン系重合
体を加えるが、エチレン系重合体は誘電率が大きく、ま
たそれが変動しやすいという電気特性の問題がある。そ
のため、それを含有する組成物も電気特性が変化しやす
く、摺動性付与剤のみを加えると機械的強度に劣るため
に実際には用い難いという問題があった。一方、後者は
シリコーンオイルがブリードすることがある。ブリード
したシリコーンオイルが周囲の電極などの部品の電気特
性に悪影響を与えることがあり、実際に使用するのは問
題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、充分な
強度、寸法精度、摺動性を有し、ブリードのない成形品
の材料となる熱可塑性ノルボルネン系樹脂の開発を目的
として、鋭意研究の結果、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
にシリコーン変性ポリオレフィンを配合した組成物を成
形することにより、目的の成形品が得られることを見い
出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】
【課題を解決する手段】かくして、本発明によれば、熱
可塑性ノルボルネン系樹脂に摺動性付与剤としてシリコ
ーン変性ポリオレフィンを配合してなることを特徴とす
る摺動性組成物、該組成物を成形してなる成形品、およ
び該組成物を成形してなるコネクター用インシュレータ
ーが提供される。
【0008】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)熱可塑性
ノルボルネン系樹脂は、特開平1−168725号公
報、特開平1−190726号公報、特開平3−148
82号公報、特開平3−122137号公報、特開平4
−63807号公報、特開平6−298956号公報な
どで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボルネン系単
量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体の
付加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付
加型重合体などが挙げられる。
【0009】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号公報、特開平2−276842号
公報、特開平6−80792号公報などで公知の単量体
であって、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アル
キリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非
置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基
等の極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メ
チル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノル
ボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル
−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−
シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシ
カルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノ
ルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボル
ネン、5−ヘキシル−2−ノルボエルネン、5−オクチ
ル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボ
ルネン等; ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジ
エンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体や置換
体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−2,3−シク
ロペンタジエノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロナフタレン、6−メチル−1,4:5,
8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−
トリメタノ−2,3−シクロペンタジエノ−1,2,
3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a
−ドデカヒドロアントラセン等; シクロペンタジエン
がディールス・アルダー反応によって多量化した多環構
造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例え
ば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロ
ペンタジエン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロ
インデン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換
体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,
5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8
−メタノ−2,3−シクロペンタジエノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;
等が挙げられる。
【0010】本発明においては、熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の数平均分子量は、トルエン溶媒によるGPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)法で測
定したポリスチレン換算値で、10,000以上、好ま
しくは15,000以上、より好ましくは20,000
以上、200,000以下、好ましくは100,000
以下、より好ましくは50,000以下のものである。
分子量が小さすぎると機械的強度が低く、大きすぎると
成形が困難になる。なお、ノルボルネン系単量体の開環
重合体のように主鎖構造に不飽和結合を有する場合は、
水素添加することにより、主鎖構造を飽和させることが
好ましい。水素添加する場合は、主鎖構造の水素添加率
が、90%以上にすることが好ましく、95%以上にす
ることがより好ましく、99%以上にすることが特に好
ましい。水素添加率が低く、主鎖構造中の不飽和結合が
多いと、耐熱劣化性等に劣り、長期間の安定した使用が
困難となる場合がある。
【0011】また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラ
ス転移温度(以下、Tgという)は、110℃以上のも
のが好ましく、120℃以上のものがより好ましく、1
30℃以上のものが特に好ましい。Tgが低すぎると耐
熱性が低下する。
【0012】(シリコーン変性ポリオレフィン)本発明
のシリコーン変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンブ
ロックとポリシロキサンブロックからなる重合体であれ
ば、特に限定されない。
【0013】ポリオレフィンブロックは、数平均分子量
がGPC法で測定したポリスチレン換算値で通常10,
000以上、好ましくは15,000以上、より好まし
くは20,000以上、通常200,000以下、好ま
しくは100,000以下、より好ましくは50,00
0以下のものである。分子量が小さいと本発明の成形品
の強度や摺動性に問題を生じ、大きすぎると熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂中に均一に分散しにくくなる。エチレ
ン、プロピレン、スチレンなどのオレフィン類に由来す
る繰り返し構造単位を50重量%以上、好ましくは70
重量%以上、より好ましくは90重量%以上含有してい
るものであり、分岐構造を有しているものであっても構
わないが、一般には直鎖状のものが好ましい。分岐構造
を有したり、オレフィン類に由来する繰り返し構造単位
が少なすぎると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂中に均一
に分散できない場合がある。
【0014】ポリオレフィンブロック一つに対し、一つ
以上結合しているポリシロキサンブロックは、数平均分
子量がGPC法で測定したポリスチレン換算値で通常
3,000以上、好ましくは5,000以上、より好ま
しくは7,000以上、通常200,000以下、好ま
しくは100,000以下、より好ましくは50,00
0以下のものである。分子量が小さいと本発明の成形品
の摺動性に問題を生じ、大きすぎると熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂中に均一に分散しにくくなる。重合に用いら
れるモノマーとしては、オクタメチルテトラシロキサ
ン、オクタエチルテトラシロキサン、オクタプロピルテ
トラシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、ヘキサ
エチルトリシロキサン、ヘキサプロピルトリシロキサン
などが挙げられる。
【0015】シリコーン変性ポリオレフィンは、ポリオ
レフィンブロック100重量部に対し、ポリシロキサン
ブロックが1重量部以上、好ましくは5重量部以上、よ
り好ましくは10重量部以上、200重量部以下、好ま
しくは180重量部以下、より好ましくは160重量部
以下の割合で結合している。ポリオレフィンブロック一
つに対し、ポリシロキサンブロックが2つ以上結合して
いてもよい。ポリシロキサン量が少なすぎると本発明の
成形品の摺動性が劣り、多すぎると製造が困難であり生
産性に劣る。また、本発明において用いるシリコーン変
性ポリオレフィンは数平均分子量がGPC法で測定した
ポリスチレン換算値で好ましくは20,000以上、よ
り好ましくは30,000以上、特に好ましくは40,
000以上、好ましくは400,000以下、より好ま
しくは200,000以下、特に好ましくは100,0
00以下である。分子量が小さいと本発明の成形品の摺
動性に問題を生じ、大きすぎると熱可塑性ノルボルネン
系樹脂中に均一に分散しにくくなる。
【0016】シリコーン変性ポリオレフィンは、予めポ
リオレフィンを製造しておいて、別に製造しておいたポ
リシロキサンブロックをグラフト結合させても、ポリオ
レフィンの存在下にシロキサンモノマーをグラフト重合
させたものでもよい。また、末端にオレフィン類と共重
合可能な構造を有するポリシロキサンブロックを高分子
コモノマーとしてポリオレフィンを重合したものでもよ
い。前者の場合、ポリオレフィンのシリコーンブロック
と結合する部分には、結合できる構造が必要であり、一
般的には極性基が導入される。導入する方法は特に限定
されず、末端変性などの変性、極性基を有するコモノマ
ーを使用するなどの方法による。また、後者の場合は、
例えば、シロキサンモノマーをリビングアニオン重合法
で重合し、末端にシリルブロミドなどを結合し高分子コ
モノマーとし、ポリオレフィンと共重合すればよい。
【0017】シリコーン変性ポリオレフィンとしては、
市販のシリコーン変性ポリオレフィン、例えば、スミカ
センSP300、スミカセンSP310(両者共住友化
学製シリコーン変性ポリオレフィン)なども好適に使用
できる。
【0018】(組成物)本発明の組成物は、熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂100重量部に対して、シリコーン変
性ポリオレフィン0.5重量部以上、好ましくは1重量
部以上、より好ましくは5重量部以上、50重量部以
下、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重
量部以下配合したものである。配合量が少なすぎると、
摺動性が劣り、配合量が多すぎると電気特性が低下する
という問題を生じる。
【0019】さらに、用途に応じて本発明の組成物の特
性を失わない範囲で、各種添加剤を添加してもよい。例
えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の場合、フェノール
系やリン系等の老化防止剤; フェノール系等の熱劣化
防止剤; ベンゾフェノン系等の紫外線安定剤; アミ
ン系等の帯電防止剤; 脂肪族アルコールのエステル、
多価アルコールの部分エステル及び部分エーテル等の滑
剤; 等の各種添加剤を添加してもよい。また、用途に
応じて本発明の組成物の特性を失わない範囲で、エチレ
ン系重合体などの樹脂やゴム質重合体を添加してもよ
く、グラファイト、フッ素系樹脂粉末などの摺動性付与
剤を添加してもよい。
【0020】(成形方法)本発明の組成物のを成形する
方法は、特に限定されず、一般の熱可塑性樹脂を成形す
る方法、射出成形、押し出し成形、圧空成形、真空成
形、熱プレス成形などが用いられる。中でも射出成形が
容易であり、また、寸法精度に優れたものが得られる。
【0021】(成形品)本発明の成形品は上記の組成物
を成形したものであり、動摩擦係数が0.3以下、好ま
しくは0.27以下、摩耗容積が0.009cm3
下、好ましくは0.008cm3以下と摺動性に優れ、
ヤング率が15000kgf/cm2以上、17000
kgf/cm2以下、引張強度が500kgf/cm2
上、好ましくは550kgf/cm2以上、特に好まし
くは600kgf/cm2以上、750kgf/cm2
下、好ましくは700kgf/cm2以下、特に好まし
くは650kgf/cm2以下と機械的強度に優れ、ま
た、成形品表面にブリードなどが生じにくく、外観が良
好である。
【0022】(インシュレーター)本発明の成形品の代
表例のひとつであるコネクター用インシュレーターの形
状はコネクターの形状、目的性能に合わせて選択され
る。同軸ケーブル用コネクターは、同軸ケーブルの導線
にそれぞれ接続された外部導体および中心導体と、その
中心導体の固定し、中心導体と外部導体を絶縁するイン
シュレーター、さらに全体を絶縁するガスケットから成
るものが最も一般的である。
【0023】最も好ましい同軸ケーブル用コネクターの
場合、インシュレーターは通常、円柱、または径の異な
る円柱を中心軸を揃えて組み合わせた形状であり、その
中心部に中心導体を固定するための貫通孔が開いてい
る。同軸ケーブル用コネクターの場合は、インシュレー
ターの外周は、直径が好ましくは2mm以上、より好ま
しくは3mm以上、特に好ましくは5mm以上、40m
m以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは25
mm以下である。特に高周波数の帯域での特性をよくす
るために、空隙を設けてもよい。空隙は一般に中心の貫
通孔と平行な貫通孔であり、断面が円であることが好ま
しい。また、貫通孔の外周同士の間、貫通孔とインシュ
レーターの外周の間に、好ましくは1mm以上、より好
ましくは2mm以上の間隔を開ける。
【0024】インシュレーターは、通常、断面積が大き
いほど、また、高周波数のものほど接続部位への入力波
に対して反射波が大きくなため、伝送ロスが大きくな
る。そのため、同軸ケーブル用コネクターは、特に高周
波用のものは、直径が小さいものが好ましいが、小さす
ぎると機械的強度が劣り、また、持ちにくいなど使用し
にくい原因となる。また、空隙を除くと同じ大きさ、同
じ形状のインシュレーターでは、一般に、インシュレー
ターの空隙を含む体積に対して空隙の割合が大きいほど
高周波での電圧定在波比が小さくなり、より高周波数の
帯域でも使用できるようになる。しかし、空隙を開けす
ぎるとインシュレーターの強度が低下し、ケーブルの接
続などの際に破損しやすくなる。そのため、空隙と空隙
の間には十分な厚さを設ける必要があり、また、空隙の
形状、配置についても、強度を保ちやすいように決める
必要がある。
【0025】同軸ケーブル用コネクターには、オスとメ
ス、またはプラグとジャックの2種類があり、それぞれ
形状が異なり、一般に、オス側の中心導体はインシュレ
ーターから突出しており、メス側の中心導体はインシュ
レーター中央の貫通孔の奥にあり、メス側の貫通孔にオ
ス側の中心導体を挿入することにより、中心導体同士が
接触し、また、オス側中心導体がメス側のインシュレー
ターによって固定され、オスとメスが固定される。この
時に、外部導体同士も接触する。外部導体同士の接触
は、メス側のインシュレーターの側面を覆う外部導体の
外周をオス側外部導体が覆うようにして接触させてもよ
い。同軸ケーブル用コネクターの具体例としては、JI
S C 5410、C 5411、C 5412などに
記載されているものが例示され、例えば、C01形コネ
クター、C02形コネクターなどが挙げられる。また、
中心導体や外部導体の材質についても特に限定されない
が、上記のJISに記載されているものが例示され、例
えば、銀メッキした黄銅、ニッケルメッキした黄銅、銀
メッキしたリン青銅、銀メッキしたペリリウム銅、金メ
ッキしたペリリウム銅などが挙げられる。
【0026】コネクターとしては、そのほかにも、例え
ば、多数の導体を一括して接続するためのコネクターと
して、パーソナル・コンピューターのRC232Cコネ
クターのような形状のものや、画像情報の入出力に用い
られるS端子のような形状のものも用途によっては使用
される。これらは、前記のコネクターの外部導体の内側
に、中心導体にあたる導体端子を複数有しているもので
ある。また、導線は必ずしもケーブルの導体に接続され
ているとは限らず、配線板の回路に接続されることがあ
り、コネクター自体が配線板上に固定されている場合も
ある。
【0027】(コネクター)本発明のコネクターは、目
的に応じた形状、大きさの絶縁体に目的に応じた形状、
大きさの電極が固定されている。電極は一つとは限ら
ず、目的に応じて、一極型、二極型、三極型などがあ
る。一般にコネクターにはオスとメスの対応する2種類
を用いて、回路の接続をするが、オスとメスの接続部位
を合わせると互いに固定しあい、対応する電極同士が接
触するようになっている。一部に、両端に接続部位を有
する電極を有し、導線が存在しないコネクターも存在す
るが、通常は、電極には導線が接続され、その導線の先
には別のコネクター、電気回路、アンテナなどが接続さ
れている。
【0028】本発明のコネクターは、絶縁体が本発明の
樹脂組成物からなっており、摺動性に優れ、摩擦が少な
いため、コネクターの接続が容易であり、また、寸法精
度に優れることからしっかり接続でき、接続後は、意図
的に分離しない限り、容易に接続されたままとなる。
【0029】また、温度0℃〜100℃で周波数103
〜1012Hzでの誘電率は2.5以下、誘電正接は0.
001以下である。この範囲では誘電率は温度の影響を
実質的に受けず、同じ周波数であれば、通常、小数点以
下第2位まで一定の値を示す。誘電正接は温度の影響を
受けるが、通常、0.0002以上の変化は認められな
い。
【0030】(態様)本発明の態様としては、(1)
熱可塑性ノルボルネン系樹脂とシリコーン変性ポリオレ
フィンからなる組成物、(2) シリコーン変性ポリオ
レフィンが、ポリオレフィンブロック100重量部に対
してそれに結合したポリシロキサン・ブロックが1〜2
00重量部である(1)記載の組成物、(3) シリコ
ーン変性ポリオレフィンのポリオレフィンブロックのG
PC法で測定したポリスチレン換算値で10,000〜
200,000である(1)〜(2)記載の組成物、
(4) シリコーン変性ポリオレフィンのポリオレフィ
ンブロックに結合したポリシロキサン・ブロックがGP
C法で測定したポリスチレン換算値で3,000〜20
0,000である(1)〜(3)記載の組成物、(5)
シリコーン変性ポリオレフィンがGPC法で測定した
ポリスチレン換算値で20,000〜400,000で
ある(1)〜(4)記載の組成物、(6) 熱可塑性ノ
ルボルネン径樹脂がノルボルネン系単量体の開環重合体
水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノ
ルボルネン系単量体とオレフィンの付加型重合体から選
ばれたものである(1)〜(5)記載の組成物、(7)
熱可塑性ノルボルネン系樹脂が、トルエン溶媒による
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ法で測定し
たポリスチレン換算値で数平均分子量が10,000〜
200,000である(1)〜(6)記載の組成物、
(8) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂がガラス転移温度
が110℃以上のものである(1)〜(7)記載の組成
物、(9) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部
とシリコーン変性ポリオレフィン0.5〜50重量部か
ら成る(1)〜(8)記載の組成物、(10) (1)
〜(9)記載の組成物から成る成形品、(11) 射出
成形して成る(10)記載の成形品、(12) 動摩擦
係数が0.3以下である(10)〜(11)記載の成形
品、(13) 摩耗容積が0.009cm3以下である
(10)〜(12)記載の成形品、(14) ヤング率
が15000〜17000kgf/cm2である(1
0)〜(13)記載の成形品、(15) 引張強度が5
00〜750kgf/cm2である(10)〜(14)
記載の成形品、(16) (1)〜(9)記載の組成物
から成るコネクター用インシュレーター、(17) 直
径2〜400mmである同軸ケーブル用である(16)
記載のインシュレーター、などが例示される。
【0031】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、動摩擦係数はASTM D 1
894、摩耗容積はASTM D 1242に従って、
ヤング率と引張強度はJIS K 7113に従って、
誘電率と誘電正接はJISK 6911に従って測定し
た。
【0032】実施例1 熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン株式会社製、
ZEONEX 280、ノルボルネン系単量体の開環重
合体水素添加物、ゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフィによるポリスチレン換算値で数平均分子量28,
000、水素添加率99.7%以上、Tg約140℃)
100重量部にシリコーン変性ポリエチレン(住友化学
工業株式会社製、スミカセンSP310、低密度ポリエ
チレンにポリシロキサンをグラフトしたもの、低密度ポ
リエチレン40重量%、ポリシロキサン60重量%)1
0重量部を添加し、二軸混練押出機(東芝機械株式会社
製、TEM−35B)を用いて、240℃で溶融押し出
しを行い、ペレットを得た。このペレットは本発明の組
成物から成るものである。
【0033】実施例2 実施例1で得たペレットを下記の条件で射出成形して、
厚さ3mm、縦90mm×横55mmの板状の試験片5
枚を得た。 成形機: 東芝機械株式会社製、IS−350FB
−19A 型締め圧: 80t 樹脂温度: 280℃ 金型温度: 固定側可動側共100℃
【0034】各試験片5枚について、横方向の縁からそ
れぞれ17.5mm、27.5mm、37.5mmの位
置の縦方向に縁から10mmを除いた70mmの直線上
で、動摩擦係数を測定したところ、平均約0.2であっ
た。また、摩耗容積は0.004cm3、ヤング率は1
5,100kgf/cm2、引張強度は600kgf/
cm2であり、摺動性に優れ、機械的強度にも優れてい
た。また、試験片の外観は良好であり、誘電率は2.3
5、誘電正接は0.0004であった。
【0035】実施例3 シリコーン変性ポリエチレン(スミカセン SP31
0)を5重量部にする以外は実施例1と同様にして本発
明の組成物から成るペレットを得た。実施例1で得たペ
レットの代わりにこのペレットを用いる以外は実施例2
と同様に試験片を得、測定した動摩擦係数は、平均約
0.25であった。また、摩耗容積は0.007c
3、ヤング率は16,800kgf/cm2、引張強度
は630kgf/cm2であり、摺動性に優れ、機械的
強度にも優れていた。また、試験片の外観は良好であ
り、誘電率は2.35、誘電正接は0.0004であっ
た。
【0036】比較例1 実施例1で得たペレットの代わりに熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂(ZEONEX 280)のペレットを用いる
以外は実施例2と同様に試験片を得、測定した動摩擦係
数は、平均約0.37、摩耗容積は0.018cm3
ヤング率は18,200kgf/cm2、引張強度は6
30kgf/cm2であり、機械的強度には優れていた
が、削れて変形しやすく、摺動性に問題があった。試験
片の外観は良好であり、誘電率は2.35、誘電正接は
0.0004であった。
【0037】比較例2 シリコーン変性ポリエチレンの代わりにフッ素樹脂粉末
(ポリテトラフルオロエチレン、ルブロン L−5、ダ
イキン工業製、粒径0.5〜5μm)10重量部にする
以外は実施例1と同様にして本発明の組成物から成るペ
レットを得た。実施例1で得たペレットの代わりにこの
ペレットを用いる以外は実施例2と同様に試験片を得、
測定した動摩擦係数は、平均約0.35であった。ま
た、摩耗容積は0.007cm3、ヤング率は18,0
00kgf/cm2、引張強度は580kgf/cm2
あり、摺動性には問題があった。試験片の外観は良好で
あり、誘電率は2.35、誘電正接は0.0004であ
った。
【0038】比較例3 シリコーン変性ポリエチレンの代わりにフッ素樹脂粉末
(ルブロン L−5)を20重量部にする以外は実施例
1と同様にして本発明の組成物から成るペレットを得
た。実施例1で得たペレットの代わりにこのペレットを
用いる以外は実施例2と同様に試験片を得、測定した動
摩擦係数は、平均約0.3であった。また、摩耗容積は
0.010cm3、ヤング率は17,700kgf/c
2、引張強度は530kgf/cm2であり、削れて変
形しやすいため摺動性に問題があり、機械的強度に少し
問題があった。試験片の外観は良好であり、誘電率は
2.35、誘電正接は0.0004であった。
【0039】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、摺動性に優れ、
機械的強度に優れ、ブリードができ難く、寸法精度に優
れている。また、電気特性に優れ、本発明の樹脂組成物
を成形したコネクター用インシュレーターは、周波数1
3〜1012Hzの高周波帯においても、温度0〜10
0℃の範囲で誘電率は2.5以下、誘電正接0.001
以下と優れており、また温度変化による寸法精度が小さ
く、これを用いたコネクターは電気特性に優れ、また、
滑らかに接続でき、接続と開放を繰り返しても、インシ
ュレーターが削れたり、変形しにくい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−136062(JP,A) 特開 平3−215541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂に摺動性付
    与剤としてシリコーン変性ポリオレフィンを配合してな
    ることを特徴とする摺動性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物を成形してなる成
    形品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の組成物を成形してなるコ
    ネクター用インシュレーター。
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