JP3085029U - ブレーキシューストリッパー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【解決手段】油圧或いは空圧等の駆動手段によって昇降
するラム部２と、ラム部２の下方に位置する作業台６
と、ラム部２に取付けたストリッパーパンチ装置１１
と、作業台６のストリッパーパンチ装置１１に対応する
位置に載置セットされたダイス７と、ブレーキシューＢ
Ｓを所定の位置に支持するブレーキシュー受装置３とか
らなる。ブレーキシュー受装置３は、ブレーキシューＢ
Ｓを支持する支持台３Ａと、この支持台３Ａを上下動自
在に支持するシリンダーユニット４と、支持台３Ａごと
シリンダーユニット４を前後方向に移動せしめるスライ
ドユニット５とからなる。 【効果】ブレーキシューを移動させながらリベットの位
置をストリッパーパンチの先端に合わせる作業を容易に
することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として、ブレーキシューとブレーキライナーとを固着しているリ ベットを取り去り、工具を変更することでリベット加締も行えるブレーキシュー ストリッパーに係り、ブレーキシューの扱いを容易にしたブレーキシューストリ ッパーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の大型車のタイヤは、左右対称又は上下対称に一対配設された略半月形状 のブレーキシューの外周表面に石綿等にてなるブレーキライナーをリベットによ り固着してあるため、そのブレーキライナーが磨り減って交換する際は、ブレー キシューとブレーキライナーとの間に適宜削取刃を強引に差し込んで各リベット を切断しながらブレーキライナーをブレーキシューの外表面から削りはぎ取った 後、ブレーキシュー側の各リベットをハンマー等により叩き抜いていた。

【０００３】 ところが、このように各リベットを切断しながらブレーキライナーをブレーキ シューの外表面から削りはぎ取る際に、ブレーキシューとブレーキライナーとの 間に適宜削取刃を強引に差し込まなければならないことや、各リベットを切断し なければならないこと、あるいは、ブレーキシュー側の各リベットをハンマー等 により叩き抜かなければならないことなどから、ブレーキライナーの交換が極め て困難且つ確実にできず、又、このような作業にあっては、ブレーキシューの外 表面が損傷する虞もあった。

【０００４】 そこで、ブレーキシューとブレーキライナーとを固着しているリベットを極め て簡単にセットして確実に取り去ることができ、又、工具を変更することでリベ ット加締も行えるようにするため、本考案者は、先に実用新案登録第３０１３１ ００号のブレーキシューストリッパーを考案している。

【０００５】 この装置は、ブレーキシューストリッパーは、油圧或いは空圧等の駆動手段に よって昇降するラム部と、ラム部の下方に位置する作業台と、ラム部に取付けた ストリッパーパンチ装置と、作業台のストリッパーパンチ装置に対応する位置に 載置セットされたパンチ受装置とからなる。そして、パンチ受装置は、リベット の中間筒部が通過できるだけの大きさの透孔が開穿されているダイスと、このダ イスを挟んで対峙した位置に縦に配した 2枚の略円形のブレーキシュー保持板と にてなり、このブレーキシュー保持板は、近接することでブレーキシューを挟着 支持可能に形成すると共に、その挟着支持状態で軸線を中心に回転し且つその軸 線方向に移動可能に形成したものである。

【考案が解決しようとする課題】

当考案者が先に提案したブレーキシューストリッパーにより、リベットを極め て簡単且つ、確実に取り去ることができ、又、工具を変更することでリベット加 締も行えるようになった。ところが、このブレーキシューストリッパーを更に改 良すべき構成として、ブレーキシュー保持板によるブレーキシューの支持能力に 着目した。

【０００６】 すなわち、ブレーキシューの自重は、重いもので１５ｋｇ程度もある。しかも ブレーキシューに打ち込まれているリベットの数が多いので、このブレーキシュ ーを移動させながらリベットの位置をストリッパーパンチの先端に合わせる作業 がことのほか重労働になっていた。また、ブレーキシューは、いくつかのサイズ 別に形成されているので、サイズが異なると、ブレーキシュー保持板に支持した ブレーキシューのリベットの高さも変わることになる。したがって、このような サイズ別の位置補正に費やす作業を軽減することが今後の課題として残されてい た。

【０００７】 そこで本考案は、上述した課題を解消すべく改良したもので、ブレーキシュー を移動させながらリベットの位置をストリッパーパンチの先端に合わせる作業を 容易にすることができるブレーキシューストリッパーの提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成すべく本考案は、油圧或いは空圧等の駆動手段によって昇降 するラム部と、ラム部の下方に位置する作業台と、ラム部に取付けられ、加締パ ンチを取付け可能に形成したストリッパーパンチ装置と、作業台のストリッパー パンチ装置に対応する位置に載置セットされたダイスと、ブレーキシューを支持 するブレーキシュー受装置とからなるブレーキシューストリッパーにおいて、ブ レーキシュー受装置は、ブレーキシューを支持する支持台と、この支持台を上下 動自在に支持するシリンダーユニットと、支持台ごとシリンダーユニットを前後 方向に移動せしめるものである。

【０００９】 第２の手段は、ブレーキシュー受装置の支持台は、断面略Ｖ字形状を成し、前 記パンチ受装置のダイス上にリベットの位置を合わせるブレーキシューのアンカ ーピンを支持台で支持するように形成したことにある。

【００１０】 第３の手段は、前記ストリッパーパンチ装置は、ラム部に付設した作動装置に よってストリッパーパンチの先端からガイドピンを或いはストリッパーパンチそ のものを出没可能に形成し、前記ダイスは、リベットの中間筒部が通過できるだ けの大きさの透孔が開穿されたことを課題解消のための手段とする。

【００１１】 本考案によると、ブレーキシュー受装置の支持台が、ブレーキシューの一端部 を支持し、他端部をパンチ受装置側に配してダイス上にリベットの位置を合わせ る。このとき、シリンダーユニットが支持台の高さを調整し、レールユニットに 沿って支持台の前後の位置を調整するものである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明すると次の通りである。

【００１３】 すなわち、図に示す符号１は装置本体であり、油圧或いは空圧等の駆動手段に よって昇降するラム部２と、ラム部２の下方に位置する作業台６と、ラム部２に 取付けたストリッパーパンチ装置１１と、作業台６のストリッパーパンチ装置１ １に対応する位置に載置セットされたダイス７と、ブレーキシューＢＳを所定の 位置に支持するブレーキシュー受装置３とからなる（図１参照）。

【００１４】 ブレーキシュー受装置３は、ブレーキシューＢＳを支持する支持台３Ａと、こ の支持台３Ａを上下動自在に支持するシリンダーユニット４と、支持台３Ａごと シリンダーユニット４を前後方向に移動せしめるスライドユニット５とからなる （図２参照）。

【００１５】 ブレーキシュー受装置３の支持台３Ａは、断面略Ｖ字形状を成し、前記ダイス ７上にリベットの位置を合わせたブレーキシューＢＳの端部を支持台で位置調整 自在に支持する。この支持台３Ａは、特にブレーキシューＢＳの端部に装着され ているアンカーピンＰを支持するようにしてあり、アンカーピンＰが支持台３Ａ 内部で支持されることで安定した支持が可能になる（図２参照）。

【００１６】 シリンダーユニット４は、支持台３Ａを上下動自在に調整支持する装置で、図 示例では左右一対のエアシリンダー４Ａと、このエアシリンダー４Ａを補助する 補助シリンダー４Ｂとからなる（図２、図３参照）。これらのシリンダーユニッ ト４は、フットペダルスイッチ（図示せず）等の操作にて、任意の高さに調整す る。

【００１７】 スライドユニット５は、支持台３Ａごとシリンダーユニット４を前後方向に移 動せしめるユニットで、作業台６の左右に装着した一対のレール５Ａに沿ってシ リンダーユニット４を移動する（図２、図４参照）。図示のスライドユニット５ は、レール５Ａに沿って移動する移動装置５Ｂを前記シリンダーユニット４に装 着している（図２参照）。この移動装置５Ｂは、手動によって移動させるものを 示しているが、電動で移動するように設けることも可能である。

【００１８】 そして、ブレーキシューＢＳのリベットが、ダイス７の真上に位置するように 調整しておき、鉛直下方へのストロークが与えられたストリッパーパンチ１２が ブレーキシューＢＳに当接した時点から、その下降に伴ってリベットの抜き取り が行われる。

【００１９】 ストリッパーパンチ装置１１は、ラム部２に付設した作動装置（図示せず）に よってストリッパーパンチ１２の先端からガイドピン１３を或いはストリッパー パンチ（図示のガイドピン１３をストリッパーパンチとして使用する）そのもの を出没可能に形成する。

【００２０】 ストリッパーパンチ装置１１の具体的構造は、図５に示すように、パンチケー ス１４内に、作動棒１５を配してその先端のガイドピン１３を出没させるもので あり、ラム部２に固定されている保持体１８により作動棒保持筒１９を下降させ て、その下降により作動棒１５も下降するが、その作動棒保持筒１９の下降で最 初に衝撃吸収スプリング１７が縮められ作動棒保持筒１９が衝撃吸収スプリング １７の収納体に当接するとこの収納体が下降してスプリング１６を縮め作動棒１ ５がガイドピン１３を押して突出させ、それらの作動が解除されると前記 2つの スプリング１６，１７の弾撥力によってガイドピン１３は没入するように形成さ れているものである。符号２０は当接鍔体、２１はストリッパーパンチ１２の抜 止体である。一方、パンチ受装置３は、リベットの中間筒部が通過できるだけの 大きさの透孔が開穿されているダイス７を設けている。

【００２１】 一方、ストリッパーパンチ装置３の先端には、加締パンチを取付け可能に形成 してあり、それによって、リベット加締を行えるように形成されている。

【００２２】 又、ラム部２の作動は、一度停止した後再度の指示で更なる下降をしたり、リ ベット加締状態まで単に下降すべく切替操作可能に形成してあるものである。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、上述の如く構成したことにより、当初の目的を達成する。

【００２４】 すなわち、ブレーキシューＢＳを支持する支持台３Ａと、この支持台３Ａを上 下動自在に支持するシリンダーユニット４と、支持台３Ａごとシリンダーユニッ ト４を前後方向に移動せしめるスライドユニット５とによりブレーキシュー受装 置３を設けたことで、ブレーキシューＢＳの位置調整が自在になり、ブレーキシ ューＢＳを移動させながらリベットの位置をストリッパーパンチの先端に合わせ る作業を容易にすることができる

【００２５】 また、ブレーキシュー受装置３の支持台３Ａは、断面略Ｖ字形状を成し、前記 ダイス７上にリベットの位置を合わせたブレーキシューＢＳの端部を支持台で位 置調整自在に支持するから、ブレーキシューＢＳを安定した状態で支持すること ができ、リベットの抜き取り作業を安全に行なうことができる。

【００２６】 ストリッパーパンチ装置１１は、ラム部２に付設した作動装置によってストリ ッパーパンチ１２の先端からガイドピン１３を或いはストリッパーパンチ１２そ のものを出没可能に形成し、前記ダイス７は、リベットの中間筒部が通過できる だけの大きさの透孔が開穿されているから、ダイス７とストリッパーパンチ装置 １１のストリッパーパンチ１２とによりリベットを取り除くことができる。又、 工具を変更することでリベット加締も行えるものである。

【００２７】 このように、本考案によると、ブレーキライナーが磨り減った際に交換するブ レーキシューストリッパーにおいて、ブレーキシューを移動させながらリベット の位置をストリッパーパンチの先端に合わせる作業を容易にすることができるな どの実用上有益な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の一実施例を示す概略側面図である。

【図３】本考案の一実施例を示す概略正面図である。

【図４】本考案のスライドユニットを示す概略平面図で
ある。

【図５】本考案のストリッパーパンチ装置の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ ラム部 ３ ブレーキシュー受装置 ３Ａ 支持台 ４ シリンダーユニット ４Ａ エアシリンダー ４Ｂ 補助シリンダー ５ スライドユニット ５Ａ レール ５Ｂ 移動装置 ６ 作業台 ７ ダイス １１ ストリッパーパンチ装置 １２ ストリッパーパンチ １３ ガイドピン １４ パンチケース １５ 作動棒 １６ スプリング １７ 衝撃吸収スプリング １８ 保持体 １９ 作動棒保持筒 Ｐ アンカーピン ＢＳ ブレーキシュー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧或いは空圧等の駆動手段によって昇
   降するラム部と、ラム部の下方に位置する作業台と、ラ
   ム部に取付けられ、加締パンチを取付け可能に形成した
   ストリッパーパンチ装置と、作業台のストリッパーパン
   チ装置に対応する位置に載置セットされたダイスと、ブ
   レーキシューを支持するブレーキシュー受装置とからな
   るブレーキシューストリッパーにおいて、ブレーキシュ
   ー受装置は、ブレーキシューを支持する支持台と、この
   支持台を上下動自在に支持するシリンダーユニットと、
   支持台ごとシリンダーユニットを前後方向に移動せしめ
   るスライドユニットとからなることを特徴とするブレー
   キシューストリッパー。
2. 【請求項２】 前記ブレーキシュー受装置の支持台は、
   断面略Ｖ字形状を成し、前記パンチ受装置のダイス上に
   リベットの位置を合わせるブレーキシューのアンカーピ
   ンを支持台で支持するように形成した請求項１記載のブ
   レーキシューストリッパー。
3. 【請求項３】 前記ストリッパーパンチ装置は、ラム部
   に付設した作動装置によってストリッパーパンチの先端
   からガイドピンを或いはストリッパーパンチそのものを
   出没可能に形成し、前記ダイスは、リベットの中間筒部
   が通過できるだけの大きさの透孔が開穿されている請求
   項１記載のブレーキシューストリッパー。