JP3085014B2 - 映像データ群間の極大相関検出回路 - Google Patents

映像データ群間の極大相関検出回路

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JP3085014B2
JP3085014B2 JP05067152A JP6715293A JP3085014B2 JP 3085014 B2 JP3085014 B2 JP 3085014B2 JP 05067152 A JP05067152 A JP 05067152A JP 6715293 A JP6715293 A JP 6715293A JP 3085014 B2 JP3085014 B2 JP 3085014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動焦点カメラ等の光学
器械に適するそのイメージセンサによる映像データ群間
の極大相関検出回路,すなわち撮像対象の映像を互いに
異なる光路を介して受ける1対のイメージセンサによっ
て得られる1対の映像データ群を順次互いにシフトさせ
た時の両群間の極大相関ないしそれを示す映像データ群
の相互シフト量を検出するための回路に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のイメージセンサを用いるカメラ等
の自動焦点合わせ方式では、一次元のイメージセンサを
それに1対組み込んで対象の映像を互いに異なる光路を
介してそれぞれ捉え、両イメージセンサ上の映像の相対
的な位置からレンズシャッタ形カメラ用の外光三角測距
方式では対象までの距離を,一眼レフ形カメラやビデオ
カメラ等用の内光形のTTL方式では合焦状態からのず
れと方向をそれぞれ検出して自動焦点合わせに利用す
る。この際、両イメージセンサから得られる1対の映像
データ群を順次互いにシフトさせながら両群間の相関を
検定して行き、最大相関とそれに対応する両群間の相互
シフト量を検出するのが通例である。以下、図3を参照
してこの検出の要領を概要説明する。
【0003】図3(a) にイメージセンサおよび関連回路
を外光三角測距方式の場合について示す。対象1の映像
を左右1対の小レンズ2Lと2Rによって互いに異なる光路
Lを介してそれぞれn個, ふつう数十個の光センサから
なるイメージセンサ3Lと3Rの上にそれぞれ結像させ、そ
れらの各光センサが受ける光の強度を表すアナログな光
検出信号を並列に量子化回路4Lと4Rに与えてそれぞれ例
えば各1バイト構成の映像データにAD変換させる。そ
の下側に示された評価関数発生回路5は左右の量子化回
路4Lと4Rから映像データ群をそれぞれ受けて上述のよう
に両群を互いにシフトさせながら相関を検定して評価関
数fを発生する。
【0004】図3(b) にこの評価関数発生回路5による
評価関数fの発生要領を示す。図の上側に左右の映像デ
ータ群DLとDRが示されており、これらはそれぞれn個の
映像データVDからなる。その下側にこれら映像データ群
DLとDRからそれぞれ抽出した各m個の映像データVDから
なる部分群PLとPRの組み合わせが示されており、評価関
数発生回路5は映像データ群DLとDRからこれら部分群PL
とPRを抽出する範囲を図のように映像データVDの1個分
ずつ交互にシフトさせながら両部分群PLとPRの相関を表
す評価値を計算する。この際、部分群PLやPRの映像デー
タVDの個数mは映像データ群DLとDRの映像データVDの個
数nよりもちろん小さく, ふつう3分の2程度に選定さ
れ、かつ評価値は例えば左右の部分群PLとPR内の互いに
対応する映像データVDの差の絶対値のm個の和として図
では 0,1,2〜km(=2m-2n)によって示す各シフト数kごと
に計算される。
【0005】図3(c) にこのようにして各シフト数k=
1〜kmごとに計算された評価値からなる評価関数fの例
を示す。上述のように評価値を両部分群PLとPR内の対応
する映像データVDの差の絶対値の和で計算した場合、両
部分群PLとPR間の相関が高いほど評価値が低くなるか
ら、図のように評価関数fが最小値をとるシフト数koで
映像データ群DLとDR間の最大相関が検出されたことにな
り、このシフト数koから前述のように外光三角測距方式
ではカメラから対象1までの距離が,TTL方式ではカ
メラの合焦状態からのずれと方向がそれぞれ検出され
る。
【0006】しかし、図3(a) のイメージセンサ3Lや3R
内の光センサ数nには限りがあり、上述の最大相関に対
応するシフト数koの検出精度が光センサの配列ピッチに
より制約されるから、評価関数fがもつ形状から補間法
によりシフト数koを補正するのが望ましい。図3(d) に
この様子をk=ko付近の評価関数fの形状の拡大図によ
り示す。この図の横軸はx=k−koとしたときのxであ
り、xが0, すなわちk=koのとき評価関数fの評価値
が最小であるが、実際の最大相関はその近傍のx=xc,
すなわちkc=ko+xcのときである。補間法によりこの補
正シフト数kcを求める方法は例えば特開昭62-121005 号
公報に開示されている。評価関数fから最大相関に対応
するシフト数soないし補間によるその補正値scは例えば
カメラに組み込まれたマイクロプロセッサによって求め
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして評価
関数発生回路5により発生される評価関数fから1対の
映像データ群DLとDR間の最大相関やそれに対応するシフ
ト数soないし補正値scが検出されるが、従来からその検
出速度が必ずしも充分でない問題がある。これは評価関
数fを発生させてその数十個の評価値をマイクロプロセ
ッサ等に読み込むのにかなり時間を要するほか、最大相
関の検出のため, さらには補正値scを得るための補間計
算にそれぞれ時間が掛かるためである。
【0008】自動焦点カメラの普及に伴って最近では自
動焦点化速度の向上に対する要求が高まって来ている。
とくにビデオカメラでは視野をかなり急速に移動させな
がら撮像することがあり、この場合にも撮像対象以外の
対象に誤って焦点を合わせてしまうおそれが極力少なく
なるようカメラの自動焦点化速度を充分に高めるのは非
常に困難なのが実情である。
【0009】さらに、最近ではカメラの視野内に複数の
対象が存在する場合に各対象までの距離やそれへの合焦
状態からのずれの検出が要求されることがあり、かかる
場合にはさらに余分に時間が掛かったり誤検出が発生し
やすくなる問題が出て来る。図4を参照してこれを簡単
に説明する。同図(a) のようにカメラ8のファインダに
より狙った方向Aの近くに2個の対象1aと1bがある場合
の評価関数fの形状の例を同図(b) に示す。評価関数f
は対象1aと1bに対応するシフト数kaとkbでそれぞれ極大
相関を示す極小値をとるが、その他のシフト数kfでも誤
った極大相関が現れやすい。これは、前述のように評価
関数発生回路5により映像データ群DLとDRをシフトさせ
ながら評価値を計算して行く内に、例えば対象1aに対応
する映像データと対象1bに対応する映像データが重なっ
た際に生じる。
【0010】この図4(b) からわかるように2個の対象
1aと1bを評価関数fが極小値をとるシフト数kaとkbから
検出するともに、誤った極小値をとるシフト数kfを除外
する必要がある。シフト数kaとkbは前述のようにその近
傍の評価関数fの評価値から補正すればよいが、偽の極
小値を除外するには対象の映像を図3(a) のイメージセ
ンサ3Lや3Rに与える光学系の特性によっても異なるが、
例えばその近傍の評価関数fの形状やシフト数kfのシフ
ト数kaおよびkbに対する関係を含めて極小値の正否を判
断する必要がある。かかる偽ないし紛らわしい極小値は
対象が複数個の場合に必ずしも限らず、図3(c) の評価
関数fの形状中のFで示すように例えば対象とその背景
との関連から発生しやすい。
【0011】以上からわかるように、カメラ等の自動焦
点化装置の性能を向上するには評価関数発生回路5によ
り発生される評価関数f中の極大相関の検出に要する時
間を極力短縮し、さらには極大相関を示すシフト数を補
間法によって補正しあるいは評価関数fに含まれやすい
偽や紛らわしい極大相関を除外するため、極大相関を含
む近傍の評価値をそれ専用の回路やマイクロプロセッサ
に対し極大相関が検出されたつど極力早く与えるように
する必要がある。本発明はかかる問題点ないし必要性の
認識に立脚してイメージセンサが受ける対象の映像を表
す映像データ群から評価関数が発生される際にそれに並
行して評価関数中の極大相関を検出するとともに、極大
相関とその近傍を含めた複数の評価値を検出と同時に出
力できる極大相関検出回路を構成することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による極大相関検
出回路では、対象の映像を受けるイメージセンサ対によ
る1対の映像データ群を互いにシフトさせながら発生さ
せる評価関数中の極大相関を検出するため、評価関数の
各評価値の発生のつど順次にそれを受けて記憶する直列
接続された複数のレジスタをもつ第1のレジスタ群と,
それに対応して複数のレジスタをもつ第2のレジスタ群
と,両レジスタ群の対応するレジスタを直列に接続する
連結手段と,第1のレジスタ群の中央レジスタ内の評価
値をその前後のレジスタ内の評価値と比較しそれが極値
のとき極値検出信号を発する比較回路とを設け、極値検
出信号に応じて第1のレジスタ群のレジスタから評価値
を連結手段を介して第2のレジスタ群の対応するレジス
タに移し変えた上で、この第2のレジスタ群のレジスタ
から複数の評価値を一斉に出力させることによって上述
の目的を達成する。
【0013】なお、第1と第2のレジスタ群内のレジス
タの個数はそれぞれ奇数個,例えば5個とするのがよ
く、これらのレジスタには例えば評価値の記憶に適した
段数をもつシフトレジスタを用いることでよい。また、
連結手段には例えば通常の論理ゲートやトランスミッシ
ョンゲートを用い、本発明ではそれらをスイッチとして
用いるのがよい。かかる連結手段を介する評価値の第1
のレジスタ群のレジスタから第2のレジスタ群の対応す
るレジスタへの移し変えは第1のレジスタ群内で次段の
レジスタにそれを順次送ると同時に行なうのが有利であ
る。比較回路には第1のレジスタ群の中央のレジスタ内
の評価値をその前後各1個のレジスタ内の評価値と比較
させることでふつうは充分である。
【0014】
【作用】本発明は、評価関数の各評価値が発生したつど
複数のレジスタを直列接続した第1のレジスタ群内にそ
れを順次に記憶させ、その中央のレジスタ内の評価値が
最大相関を示す極値になった時これを比較回路に検出さ
せ、この極値検出のつど第1のレジスタ群の各レジスタ
内の評価値を第2のレジスタ群の対応レジスタに移し変
えた上で一斉に出力させることにより、評価関数の発生
が完了した時にはその中の各極大相関の検出とそのつど
の極大相関の近傍の複数の評価値の出力が実質上完了し
ているようにしたものである。
【0015】すなわち、本発明の最大相関検出回路では
前項の構成にいうよう、評価関数の各評価値が発生され
るつど順次それを記憶する直列接続された複数のレジス
タをもつ第1のレジスタ群,それに対応する複数レジス
タをもつ第2のレジスタ群,両群の対応レジスタを直列
に接続する連結手段,および第1のレジスタ群の中央レ
ジスタ内の評価値を前後のレジスタ内の評価値と比較し
てそれが極値,例えば極小値のときに極値検出信号を発
する比較回路を設け、極値検出信号が発生したつど第1
のレジスタ群のレジスタから評価値を連結手段を介して
第2のレジスタ群の対応するレジスタに移し変えてそれ
らから極大相関とその近傍を含む複数の評価値を一斉な
いし並列に出力させる。従って、本発明回路は評価関数
の発生と同時にそれに含まれる各極大相関を順次に検出
して行く機能を備え、この検出のつどその出力を受ける
プロセッサないし専用回路は複数の評価値に基づき前述
のような極大相関が検出されたシフト値の補間による補
正や検出された極大相関の真偽の検定を直ちに進めるこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1と図2に本発明の映像データ群間の最大相関
検出回路のそれぞれ異なる実施例を関連する回路ととも
に示す。なお、本発明の場合でも評価関数は前に説明し
た図3の要領で発生され、図4に示した複数の対象も本
発明回路により検出されるものとする。
【0017】図1の左上部に図3(a) と同様に対象1の
左右の小レンズ2Lと2Rによる映像を異なる光路Lを介し
て受ける1対のイメージセンサ3Lと3Rと, それらに対応
する量子化回路4Lと4Rと, それらから1対の映像データ
群DLとDRを受けて図3(b) で説明した要領により評価関
数fを構成する各評価値を順次発生する評価関数発生回
路5が示されている。その右側のプロセッサ6は例えば
カメラに組み込まれたマイクロコンピュータであり、量
子化回路4Lと4Rに動作開始指令Stを与えた後に映像デー
タ群DLとDRの発生と評価関数発生回路5への転送が終わ
ったときに動作完了信号Scを受け、それに基づき評価関
数発生回路5に図3(b) のk=0〜kmで示す各段に対応
する評価値を計算させる動作開始パルスPkを与えて各段
の計算が完了した時に計算完了パルスPcを受け、さらに
それに応じてクロックパルスCPを評価関数発生回路5に
与えて評価値を1ビットずつ出力させる。
【0018】本発明の最大相関検出回路は第1のレジス
タ群10と, 第2のレジスタ群20と,スイッチ手段30と,
比較回路40とからなる。この実施例の第1のレジスタ群
10は5個のレジスタ11〜15からなり、これらは互いに直
列に接続された例えばシフトレジスタであって、上述の
クロックパルスCPに同期して評価関数発生回路5から評
価値を先頭のレジスタ11に受けて記憶した後、後続の評
価値を順次受ける際にクロックパルスCPに同期してそれ
を後段のレジスタ12〜15に順次転送するようになってい
る。第2のレジスタ群20は第1のレジスタ群10のレジス
タ11〜15にそれぞれ対応して設けられた5個のレジスタ
21〜25を備える。なお、これらレジスタ11〜15および21
〜25には、評価値のビット数に応じてふつうは十数ビッ
ト程度の記憶容量がそれぞれ賦与される。
【0019】連結手段30は第1のレジスタ群10のレジス
タ11〜15を必要に応じて第2のレジスタ群20の対応する
レジスタ21〜25にそれぞれ接続するもので、この実施例
では5個のスイッチ動作をするゲート31〜35からなる。
これらゲート31〜35は例えば入力に応じ出力を駆動する
能力をもつトライステート動作のもので、後述の極値検
出信号DSを受けた時にのみオンし, 受けない間はオフ状
態を保っているいわばスイッチである。
【0020】比較回路40は第1のレジスタ群10の中央の
レジスタ13内の評価値が極大相関を示す極値,この実施
例では極小であることを検出するもので、この図1の例
では3個のレジスタ12〜14に移される評価値を入力して
中央レジスタ13内の評価値を前後のレジスタ12と14内の
評価値と比較していずれよりも小か否かを検定して、然
り, つまり極小のときに極値検出信号DSを発して連結手
段30とプロセッサ6に与える。この比較回路40による極
値検出信号DSはその発生後に引き続く評価値の転送の1
周期の間を通じて同じ出力状態が維持される。
【0021】なお、本発明回路全体の動作速度を高める
にはこの極値検出信号DSを評価値のレジスタ12〜14への
転送完了と同時に発生させるのがよく、このためには例
えば評価関数発生回路5から評価値を上位ビットを先頭
にして出力させ、比較回路40によりクロックパルスCP1
に同期して評価値を1ビットずつ比較して行くようにす
れば、評価値の転送完了時には中央レジスタ13の評価値
が極小か否かがすでに判明しているから極値検出信号DS
を直ちに発することができる。
【0022】比較回路40から極値検出信号DSが発せられ
たとき、それを受けて連結手段30のゲート31〜35がオン
状態になるので、第1のレジスタ群10のレジスタ11〜15
内に記憶されていた評価値がクロックパルスCPに同期し
て次のレジスタに移されると同時にゲート31〜35を介し
て第2のレジスタ群20内の対応するレジスタ21〜25に一
斉に転送されて記憶される。この状態ではレジスタ23内
に極大相関に対応する極小の評価値が記憶され、その前
後各2個の評価値がそれぞれレジスタ21, 22と24, 25内
に記憶されていることになる。
【0023】図1の右側に示す検定補正回路7はこれら
のレジスタ21〜25から極小値を含む5個の評価値を読み
込んで前述のような極大相関の真偽の検定や極大相関が
検出されたシフト値の補間法による補正を行なう専用回
路である。極値検出信号DSに基づいて5個の評価値がレ
ジスタ21〜25に上述のように転送された後、同じ極値検
出信号DSを受けていたプロセッサ6からこの転送が完了
するタイミングで読取指令RSが発せられるので、それに
応じ検定補正回路7は5個の評価値をクロックパルスCP
に同期して一斉に読み取った上で、それに基づき図3
(c) の紛らわしい極大相関Fや図4(b) のシフト数kfの
偽の極大相関を除外し、前述の図3(d) の要領で補正値
xcを計算した結果をデータDとして出力する。なお、こ
れを受けるプロセッサ6は前に極値検出信号DSを受けた
ときの図3(b) のkの値を記憶しているので、これを図
3(c) の極大相関に対応するシフト値koとして補間法に
より補正されたシフト値kcをkc=ko+xcで計算すればよ
いことになる。
【0024】以上の図1の実施例の動作からわかるよう
に本発明の極大相関検出回路では、評価関数発生回路5
により評価関数fの各評価値が順次発生されるのに並行
してその中の極大相関を検出してその評価値を前後の評
価値とともに一斉に出力して行くので、評価関数の発生
の完了と同時に極大相関の検出を完了させて従来より検
出速度を格段に高めるとともに、極大相関のほかその近
傍を含む複数の評価値から極大相関の真偽の検定や極大
相関が検出されたシフト値の補間による補正を従来より
正確に行ない、かつこれも評価関数の発生の完了時まで
にほぼ済ませることができる。さらに、本発明回路は図
4(a) のように検出すべき対象が複数個存在する場合に
も適用でき、かつそれらに対応する複数の極大相関を評
価関数の発生時間内に検出することができる。
【0025】図2に示す実施例では、評価関数発生回路
5により発生される評価関数f中の最大相関を1個だけ
検出する。この図2の前の図1に対応する部分に同じ符
号が付されているので重複部分の説明は適宜省略する。
第1のレジスタ群10と第2のレジスタ群20の対応するレ
ジスタを図1と同じ連結手段30で接続するが、図示のよ
うに第2のレジスタ群20の各レジスタ21〜25に対し出力
を入力側に循環させるゲート51〜55が設けられ、かつレ
ジスタ21〜25内の評価値を出力端子Toから取り出す際に
それらを直列に接続するゲート61〜65が設けられる。
【0026】この実施例の比較回路40は図1と同じであ
るが、もう一つ比較回路41を設けて第1のレジスタ群10
の中央レジスタ13に移される評価値と第2のレジスタ群
20の中央レジスタ23内の評価値を比較して前者が後者よ
り小なときハイを出力させ、両比較回路40と41の出力が
ともにハイの時, つまり中央レジスタ13内の評価値が極
小でかつ中央レジスタ23内の評価値より小さい時にアン
ドゲート42からハイの極値検出信号DSを発生させる。さ
らに、この実施例では第2のレジスタ群20から評価値を
受ける対象は補正専用の補間回路8であって、最大相関
の真偽の検定はカメラ等に組み込まれて出力端子Toから
出力される複数個の評価値を受ける図示しないマイクロ
コンピュータ等により行なわれるものとする。
【0027】以上のように構成された図2の回路では、
その動作開始に先立ちプロセッサ6から第2のレジスタ
群の中央レジスタ23に1のセットデータDsを与え、クロ
ックパルスCPによりこのレジスタ23に最高値を記憶させ
る。この動作開始時には極値検出信号DSがローなので連
結手段30のゲート31〜35はオフ状態にあるが、第2のレ
ジスタ20側ではゲート51〜55がオン状態にあるのでレジ
スタ21〜25はクロックパルスCPを受けたときに記憶値を
1ビットずつ循環させながら保持する。なお、ゲート61
〜65は出力指令Soを受けない限りオフ状態にある。
【0028】第1のレジスタ群10のレジスタ11〜15が評
価関数fを受けてその評価値を順次記憶して行く内、中
央レジスタ13内の評価値が前後のレジスタ12や14内の評
価値より小なことを比較回路40が検出しかつ第2のレジ
スタ群の中央レジスタ23内の評価値より小なことを比較
回路41が検出すると、極値検出信号DSがハイになってゲ
ート31〜35がオン, ゲート51〜55がオフするのでレジス
タ11〜15内の評価値がクロックパルスCPによりレジスタ
21〜25に一斉に転送される。
【0029】このように図2の実施例では、最大相関を
示す最小評価値が新しく検出されるつどそれを前後の評
価値とともに第1のレジスタ群10から第2のレジスタ群
20に移し変えて行くので、評価関数fの発生完了時には
第2のレジスタ群20内に更新された最大相関に対応する
最小評価値, つまり図3(c) の例ではko, 図4(b) の例
ではkaのシフト数とその近傍の評価値が記憶されてい
る。プロセッサ6は補間回路8に読取指令RSを発して複
数の評価値を一斉に読み取らせ、それらから計算された
補正値xcを受けた後に極値検出信号DSを最後に受けたと
き記憶したkの値である図3(c) でいえばkoにこのxcを
加えた補正シフト値kcを動作完了信号EDとともに例えば
前述のマイクロコンピュータに出力する。
【0030】マイクロコンピュータはこの補正シフト値
scに基づいてカメラの焦点合わせを行なうが、これが示
す最大相関の真偽を検定する場合は読出クロックパルス
Crをプロセッサ6に送る。プロセッサ6はこれに応じて
出力指令Soを発するとともに読出クロックパルスCrをク
ロックパルスCPとして出力する。出力指令Soによってゲ
ート51〜55がオフし, ゲート61〜65がオンするので、ク
ロックパルスCPに同期して第2のレジスタ群20のレジス
タ25〜21内の評価値がシリアルに読み出されて出力端子
Toからマイクロコンピュータに出力される。
【0031】以上説明した図1と図2の実施例に限ら
ず、本発明は種々の態様で実施をすることができる。例
えば、第2のレジスタ群20に対して評価値を第1のレジ
スタ群から転送する際やそれから評価値を出力する際に
のみクロックパルスCPを与えるようにすれば、図1の実
施例では連結手段30として図のゲート31〜35のかわりに
接続線を用い、さらに図2の実施例ではゲート51〜55を
省略して回路構成全体をかなり簡単化することができ
る。
【0032】最後に、本発明回路から出力される複数個
の評価値の利用例として極大相関の真偽の検定と補間法
によるシフト数の補正の要領の例を簡単に説明する。以
下の説明の都合上、図3(d) のxが -2,-1, 0, 1, 2 の
ときの評価関数fの評価値をそれぞれf-2, -1, 0,
1,2 により表すこととする。極大相関が真であるた
めには、(a) 極小評価値f0 が所定限界値より小さく,
(b) 極小評価値f0 とその前後のf-1やf1 との差が所
定限界値よりも大きいことが必要であり、この条件が満
たされない時は偽と判定するのが安全である。
【0033】さらに、図3(c) のFのような紛らわしい
極大相関も、(c) f-2がf-1よりも大で, かつf2 がf
1 よりも大なときに真とすれば、比較的容易に排除でき
る。2個の対象が存在する場合の図4(b) のシフト数kf
の偽の極大相関の排除も上の(a) 〜(c) の基準で可能で
あるが、正確を期したい場合は図1のレンズ2L, 2Rを含
む光学系やイメージセンサ3L, 3Rの特性に応じ正規の対
象に対応するkaやkbと一定の関係にある個所にkfが発生
しやすい点を利用してプロセッサ6側でこれらシフト値
の補正後の値を用いて真偽を検定できる。
【0034】補間法によるシフト数の補正には前掲の特
開昭62-121005 号公報の方法によるのが最も望ましい
が、より単純にはf-1とf0 とf1 の3点を通る抛物線
により評価関数fを近似して、公知の式 xc= (f-1−f1)/ 2(f-1−2 f0 +f1) により、除算を要するが補正量xcを比較的簡単に計算で
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明の極大相関検出回路では、対象の
映像を受けるイメージセンサ対による1対の映像データ
群間の相関を示す評価関数の各評価値が発生されるつど
それを第1のレジスタ群の直列接続された複数のレジス
タに順次受けて記憶させ、その間に中央レジスタ内の評
価値を比較回路によりその前後のレジスタ内の評価値と
比較してそれが極値のとき極値検出信号を発しさせ、こ
の極値検出信号に基づき第1のレジスタ群のレジスタか
ら評価値を連結手段を介して第2のレジスタ群の対応す
るレジスタに一斉に移し変えた上で、それらから複数個
の評価値を一斉に出力させることによって、次の効果を
上げることができる。
【0036】(a) 評価関数の各評価値が順次発生される
のに並行してそれらを受ける第1のレジスタ群の複数の
レジスタの評価値の記憶内容から比較回路により極大相
関を検出して行くので、評価関数の発生の完了時までに
その中の各極大相関の検出を完了させて検出速度を従来
より格段に高めることができる。 (b) 極大相関が検出されるつどに複数の評価値を第1の
レジスタ群から第2のレジスタ群に一斉に移し変え、か
つその直後に第2のレジスタ群から一斉に出力させるの
で、評価関数の発生完了時までに各極大相関に関連する
複数の評価値を出力も実質上完了させて検出速度を一層
高めることができる。
【0037】(c) 第1と第2のレジスタ群をそれぞれ複
数個のレジスタから構成して各極大相関のほかその近傍
を含む複数の評価値を出力するので、それらに基づいて
極大相関の真偽の検定および極大相関に対応するシフト
値の補間による補正を正確に行なうことができ、かつ評
価値の発生と並行して複数の評価値の出力をまとめて一
斉に行なうのでかかる検定や補正の動作を評価関数の発
生の完了時までにほぼ済ませることができる。
【0038】(d) カメラの撮像対象が複数個存在する場
合にもそれらを区別して複数の極大相関として検出で
き、かつ極大相関の検出のつどそれに関連する複数の評
価値を出力できるので、極大相関の真偽や対応するシフ
ト数の補正を評価関数の発生に並行して進めることがで
きる。 このように、本発明回路は極大相関の検出速度を高める
ことによってカメラの自動焦点化速度の従来からの問題
を解決し、とくに撮像視野が動きやすいビデオカメラ用
の自動焦点装置の実用性を高め得るものである。さら
に、撮像視野内に複数の対象が存在する場合にも合理的
な自動焦点合わせを可能にして、カメラの性能の高度化
に貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による映像データ群間の極大相関検出回
路の実施例を関連回路とともに示す回路図である
【図2】本発明回路の異なる実施例を関連回路とともに
示す回路図である。
【図3】本発明に関連する諸事項を示し、同図(a) は映
像データ群と評価関数の発生に関連する回路の回路図、
同図(b) は映像データ群間の相関を示す評価関数の発生
要領を説明する映像データの模式図、同図(c) は評価関
数の形状例を示す線図、同図(d) はその一部の拡大線図
である。
【図4】検出すべき対象が複数個存在する場合に関し、
同図(a) はカメラとその対象の関係図、同図(b) は評価
関数の形状例を示す線図である。
【符号の説明】
1 対象 3L 左側のイメージセンサ 3R 右側のイメージセンサ 4L 左側の映像データ群を発生する量子化回路 4R 右側の映像データ群を発生する量子化回路 5 評価関数発生回路 6 プロセッサ 7 検定補間回路 8 補間回路 10 第1のレジスタ群 11〜15 第1のレジスタ群のレジスタ 13 第1のレジスタ群の中央のレジスタ 20 第2のレジスタ群 21〜25 第2のレジスタ群のレジスタ 30 連結手段 31〜35 スイッチ用のゲート 40 比較回路 DL 左側の映像データ群 DR 右側の映像データ群 DS 極値検出信号 f 評価関数 L 対象からイメージセンサに至る光路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/34 G06T 7/00 G01C 3/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに異なる光路を介して対象の映像を受
    ける1対のイメージセンサによる1対の映像データ群を
    順次互いにシフトさせた時の極大相関を検出する回路で
    あって、1対の映像データ群間の相関を示す評価値が発
    生されるつどそれをシリアルに受けて順次記憶する直列
    に接続された複数のレジスタを備える第1のレジスタ群
    と、第1のレジスタ群のレジスタに対応する複数のレジ
    スタを備える第2のレジスタ群と、第1および第2のレ
    ジスタ群の対応するレジスタを直列接続する連結手段
    と、第1のレジスタ群の中央のレジスタ内の評価値をそ
    の前後のレジスタ内の評価値と比較してそれが極値のと
    きに極値検出信号を発する比較回路とを備え、極値検出
    信号に基づいて第1のレジスタ群の各レジスタから評価
    値を連結手段を介して第2のレジスタ群の対応するレジ
    スタに移し変えて、第2のレジスタ群のレジスタから複
    数の評価値を一斉に読み取り得るようにしたことを特徴
    とする映像データ群間の極大相関検出回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の回路において、評価値の
    第1のレジスタ群のレジスタから第2のレジスタ群のレ
    ジスタへの移し変えを第1のレジスタ群内で次段のレジ
    スタに評価値を送ると同時に行なうようにしたことを特
    徴とする映像データ群間の極大相関検出回路。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の回路において、第1と第
    2のレジスタ群内のレジスタの個数をそれぞれ奇数個と
    することを特徴とする映像データ群間の極大相関検出回
    路。
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