JP3084593U - 吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造 - Google Patents
吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 走行チェーンが進行方向に移動する状態とな
った場合、駆動装置においてこれを抑制できるような伝
達構造を提供する。 【解決手段】 駆動力伝達部14は、駆動チェーン13
から外向きに突出し、走行体7の軸支部77付近に到達
する突出部9と、この突出部先端で走行体の軸支部と連
結体との間に係入する係入突起93と、この係入突起が
上記係入するとき走行体の本体両側に設けられているそ
れぞれの転動部材73,74の走行方向側表面近傍に位
置されるように配設された走行体ストッパ95,96と
を備える。走行体ストッパは、走行体が駆動力によらず
進行するとき、この走行体の本体両側の転動部材にそれ
ぞれ当接するものである。
った場合、駆動装置においてこれを抑制できるような伝
達構造を提供する。 【解決手段】 駆動力伝達部14は、駆動チェーン13
から外向きに突出し、走行体7の軸支部77付近に到達
する突出部9と、この突出部先端で走行体の軸支部と連
結体との間に係入する係入突起93と、この係入突起が
上記係入するとき走行体の本体両側に設けられているそ
れぞれの転動部材73,74の走行方向側表面近傍に位
置されるように配設された走行体ストッパ95,96と
を備える。走行体ストッパは、走行体が駆動力によらず
進行するとき、この走行体の本体両側の転動部材にそれ
ぞれ当接するものである。
Description
【0001】
本考案は、吊り下げ搬送装置において、搬送経路に沿って移動する走行チェー ンに対し、駆動力を伝達する部分の構造に関するものである。
【0002】
従来の吊り下げ搬送装置にあっては、天井に設けられた搬送経路に沿って走行 チェーンが移動するように構成され、この走行チェーンに吊り下げられるアーム の下端付近にトレイを設けることにより、このトレイに搬送すべき材料や部品等 の物品を載せて搬送可能にしていた。そして、上記搬送経路は、筒状のレールに よって構成されており、走行チェーンは、上記レール内を移動するものであり、 二種類の部材が交互に連結されてチェーン状に形成され、これをエンドレスに連 続させて大きな環状を構成させていた。この走行チェーンに対して駆動力を付与 するため、環状の途中において駆動装置が設置され、この駆動装置が当該走行チ ェーンの一部を引っ張る方向へ駆動することにより、走行チェーン全体に対して 引張力による駆動を与えていた。
【0003】 上記の走行チェーンを構成する二種類の部材は、一方が走行体であり、他方が 連結体であって、この走行体は、略水平な軸によって軸支された車輪状の転動部 材を備えており、連結体は、前後の走行体を連結する連結構造を有しているとと もに、略鉛直方向の軸によって軸支された制御部材を備えていた。上記走行体の 転動部材は、走行チェーンに作用する重量を支持しつつ、筒状レールの内側表面 上を転動し、連結体の制御部材は、筒状レールが湾曲または折曲する場合、走行 チェーンが当該湾曲または折曲する部分の内側に押圧される際、当該部分のレー ル内側表面に当接して、走行チェーンが直接レールと接触することを防ぐもので あった。
【0004】 また、上記駆動装置から走行チェーンへの駆動力の伝達は、駆動スプロケット と従動スプロケットに懸架された駆動チェーンの回転によって行われており、こ の駆動チェーンに設けられる駆動力伝達部が、上記走行チェーンの走行体に係合 して駆動力を伝達していた。上記の駆動チェーンは、駆動力伝達部と連結部材と が交互に連結されてチェーンを構成しており、従って、当該駆動力伝達部は、走 行チェーンの走行体と同じ間隔で設けられ、走行体と順次係合できるようになっ ていた。
【0005】
上記のような吊り下げ搬送装置では、走行チェーンは、吊り下げる搬送荷物の 重量や摩擦抵抗等の負荷を受け、駆動力を付与されなければ移動できないことを 前提としたものであるが、走行チェーンに吊り下げられる搬送荷物の状態などに よっては、駆動装置による駆動力によらず、走行チェーンが自ら進行方向に移動 する場合があった。これは、搬送経路を構成しているレールが均一な高さに配置 されるものではなく、搬送すべき位置や設置個所の状況等に応じて高さを変化さ せるものであり、上記レールの高さの変化により、当該レールの一部が下がり傾 斜となる部分または上り傾斜となる部分が存在することが要因であって、搬送レ ールが下り傾斜になっている部分に集中して搬送荷物が吊り下げられている場合 、下り傾斜方向に搬送荷物の重量が作用することとなり、この重量により走行チ ェーンが進行方向へ移動することとなるのである。
【0006】 なお、上記のような現象は、走行チェーンに吊り下げられるトレイに平均して 搬送荷物が積載されている状態(通常の搬送状態)では、発生しないものであっ た。その理由は、走行チェーンは、大きな環状を構成するように設けられている ため、下り傾斜となっている部分が存在すれば、逆に上り傾斜となっている部分 も存在することから、搬送荷物の重量が均衡するためであって、しかも、このよ うに重量のバランスに配慮して事前に搬送レールの配置が設計されているための である。
【0007】 しかし、現実に搬送装置を使用する際には、上記のような通常の搬送状態であ る場合に限られるものではなく、例えば、走行チェーンに吊り下げられるトレイ のうち、特定のトレイにのみ搬送荷物を載せて使用する場合、または、重量の異 なる搬送荷物を搬送する場合などにおいて、当該搬送荷物を載せた特定のトレイ のみが下り傾斜に位置する状態となった場合、走行チェーンが下り傾斜に沿って 進行方向へ引っ張られる結果となっていた。
【0008】 このように、走行チェーンが進行方向へ移動する際、走行チェーンとこれに係 合する駆動力伝達部との間に存在する遊びの部分だけ当該走行チェーンが瞬間的 に移動することとなり、走行チェーンの状態によっては、当該走行チェーンに緩 みが生じ、走行チェーンを構成している二種類の部材の連結状態に不具合を生じ る場合があった。このような連結状態の不具合は、すぐに解消する場合もあるも のの走行部材が転動不可能になる場合、または、連結部材が筒状レールとの間隔 を制御できない場合があった。
【0009】 そこで、本考案は、上記諸点にかんがみ、走行チェーンが進行方向に移動する 状態となった場合、駆動装置においてこの移動を抑制できるような伝達構造を提 供することを目的とする。
【0010】
本考案は、搬送経路を構成する搬送レールと、上記搬送レール内を移動する走 行チェーンと、この走行チェーンに駆動力を付与する駆動手段とを備え、上記走 行チェーンは、転動部材を有する多数の走行体と、これらの走行体を連結する連 結部材とで構成され、駆動手段には、走行チェーンに係合する駆動力伝達部が設 けられ、上記走行チェーンに適宜間隔でアームを垂下させてなる吊り下げ搬送装 置において、上記駆動力伝達部は、走行チェーンの内方に到達する突出部と、走 行体の進行方向側表面の近傍に配置される走行体ストッパとが一体的に構成され てなり、この走行体ストッパは、走行体が駆動力によらず進行するとき、走行体 の一部に当接するように設けてなることを特徴とする吊り下げ搬送装置における 駆動力伝達構造を要旨とする。
【0011】 また、本考案は、搬送経路を構成する筒状の搬送レールと、この搬送レール内 を走行する走行チェーンと、上記走行チェーンに駆動力を付与する駆動手段とを 備え、走行チェーンは、多数の走行体と、これらの走行体を連結する連結体とで 構成され、該走行体は、その本体両側に設けられた転動部材と、この転動部材を 回動自在に軸支しつつ上記本体に貫設された軸支部とを有し、上記駆動手段は、 駆動スプロケットと従動スプロケットとの間に懸架された駆動チェーンと、この 駆動チェーンの外周上に所定ピッチで設けられた駆動力伝達部とを備え、上記走 行チェーンに適宜間隔でアームを垂下させてなる吊り下げ搬送装置において、上 記駆動力伝達部は、駆動チェーンから外向きに突出し、走行体の軸支部付近に到 達する突出部と、この突出部先端で走行体の軸支部と連結体との間に係入する係 入突起と、この係入突起が上記係入するとき走行体の本体両側に設けられている それぞれの転動部材の走行方向側表面近傍に位置されるように配設された走行体 ストッパとを備え、走行体ストッパは、走行体が駆動力によらず進行するとき、 この走行体の本体両側の転動部材にそれぞれ当接するストッパであることを特徴 とする吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造をも要旨とするものである。
【0012】 そして、前記駆動チェーンに設けられる駆動力伝達部のうち、複数の駆動力伝 達部の各突出部が、複数の走行体に同時に係合し、上記突出部のいずれかが走行 体に駆動力を伝達するとともに、上記駆動力伝達部に設けられる走行体ストッパ のいずれかが走行体の転動部材に近接してなり、走行体が駆動力によらず進行す るとき、該走行ストッパによって走行体の進行が制限されるように突出部および 走行体ストッパを各配置してなることが好ましい。このとき、走行体の転動部材 に最も接近する前記走行体ストッパが、走行体に駆動力を伝達する駆動力伝達部 よりも後方に位置する駆動力伝達部に設けられた走行体ストッパであることが好 ましい。また、前記走行体ストッパは、走行体に当接する側面形状を弧状の切欠 き形状にしてなることが好ましい。
【0013】
【考案の実施の形態】 以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、図1に示 すような吊り下げ搬送装置Aに関するものである。この搬送装置Aは、組み立て 工場などにおいて各工程作業場間の搬送に使用するものであって、走行チェーン 2が搬送レール3の内部を走行することより、走行チェーン2に吊り下げられる 搬送荷物5を搬送するものである。搬送レール3は、通常、工場等の天井付近に 固定されるものである。従って、走行チェーン2は、天井付近を走行することと なり、また、この走行チェーン2から吊り下げられるアーム4の下端には、十分 な面積を維持してなるトレイ6が設けられ、このトレイ6に搬送荷物5を積載す ることによって、走行チェーン2よりも下方において搬送荷物5が搬送される構 成となっている。そして、このトレイ6は、各工程作業の際に積み下ろしがなさ れることとなり、その際の積み下ろしが容易となるように高さが調整されるもの である。走行チェーン2に吊り下げられるアーム4の長さは一定であることから 、搬送レール3の高さを変化させて、トレイ6の高さを調整している。その結果 、搬送レール3には、下り傾斜部分と上り傾斜部分とが存在するものとなってい る。また、工場等の構造などに応じて、1階と2階とに分かれて作業する場合も あり、このような場合にも、トレイ6の高さを大きく変更することとなり、長い 距離の下り傾斜部分と上り傾斜部分とを有することとなる。
【0014】 ここで、上記走行チェーン2に対する駆動は、図2に示すように、駆動装置1 によって行われている。この駆動装置1による駆動力伝達構造は、駆動スプロケ ット11と従動スプロケット12との間に懸架される駆動チェーン13が回転す ることによって、駆動力を走行チェーン2に付与するものである。この駆動チェ ーン13は、駆動力伝達部14と連結部材15とで構成されており、連結部材1 5が駆動力伝達部14を連結することによってチェーン状を構成しているもので ある。従って、駆動力伝達部14は、所定の間隔(連結部材15の存在する間隔 )に配置され、この駆動力伝達部14が走行チェーン2に係合しつつ駆動力を伝 達するようになっている。
【0015】 一方、走行チェーン2は、図3に示すように、走行体7と連結体8とが交互に 連結されてチェーンを構成しているとともに、これがエンドレスに連結されるこ とによって所定の範囲に及ぶ大きな環状を構成しているものである。
【0016】 この走行チェーン2の走行体7は、板状に成形される2枚の本体71,72と 、その両側に回動自在に軸支された転動部材73,74とを備えており、この転 動部材73,74が、搬送レール3の内部表面上を転動し移動可能になっている 。また、走行体本体71,72は、その前後において連結ピン75,76が設け られ、2枚の走行体本体71,72を一体的に構成するとともに、連結体8との 連結部を構成している。
【0017】 連結体8は、円環状の本体81と、その本体81の中空内部のほぼ中央におい て円盤状の制御部82が軸線方向略鉛直の軸によって軸支され、水平面において 回動自在に設けられている。さらに、上記本体81は、平行な側部83,84と 、その両側の弧状部85,86とによって、細長い円環が形成されており、弧状 部85,86が、前述の走行体7の連結ピン75,76の内側に配置されて、走 行体7と連結できるようになっている。また、上記制御部82は、搬送レール3 (図1)の内部において、その左右の壁面に当接可能となっており、走行チェー ン2が当該搬送レール3の内部で壁面方向に押圧されるとき、この制御部82が 当該壁面の表面を転動して、搬送レール3の湾曲等に沿って円滑に走行チェーン 2が移動できるようになっている。
【0018】 次に、本実施形態にける駆動力伝達構造の詳細について説明する。本実施形態 では、図4および図5に示すように、駆動力伝達部14が走行体7に係合して駆 動力を伝達している。そこで、駆動力伝達部14は、走行体7と係合するための 突出部9が設けられている。この突出部9は、駆動力伝達部14を構成している 2枚の伝達部本体16,17の中間に設けられており、ちょうど走行体7の本体 71,72(図3)の間隙から進入して軸支部77の付近まで到達できるように 構成されている。さらに、この突出部9の先端91には、係入突起93が構成さ れており、この係入突起93が走行体7の連結ピン75と軸支部77との間に係 入するとともに、連結ピン75の内側に配置されている連結体8の弧状部85の 端部に当接できるようになっている。また、上記突出部9の先端91には、凹部 92が構成されており、当該突出部9が走行体7と係合するとき、当該先端91 が走行体7の軸支部77に接触しないようになっている。なお、この凹部92を 挟んで係入突起93と同様の形状の突起94が構成されているが、この突起94 は設けなければならない要素ではなく、これを取り除くことにより、上記凹部9 2を切欠き形状にしてもよい。
【0019】 駆動チェーン13および駆動力伝達部14は、上記のような構造であるから、 走行チェーン2が駆動装置1に到達したとき、走行チェーン2を構成している各 走行体7が、当該駆動チェーン13の各駆動力伝達部14と1対1で係合するの である。従って、駆動力伝達部14が連結されている間隔は、走行チェーン2が 緊張した状態における走行体7の間隔と一致させている。また、駆動チェーン1 3の駆動力伝達部14は、駆動スプロケット11によって順次送られる構造にな っていることから、走行チェーン2に対向する部分は、略直線状に整列すること となり、走行チェーン2に対して3ないし5個の駆動力伝達部14が対向するよ うに構成され、これらのうち、1ないし3個の駆動力伝達部14が走行体7に常 時係合するものである。
【0020】 ここで、駆動装置1には、図2に示すように、駆動チェーン13を外向きに押 圧する押圧体18が設けられ、駆動チェーン13の駆動力伝達部14を走行チェ ーン2に向かって押圧している。この押圧体18によって、駆動力伝達部14の 突出部先端91が走行体7の本体71,72の内方に侵入することを補助し、係 入突起93が連結体8の弧状部85に当接できるに十分な位置まで駆動力伝達部 14の全体を押圧することとなる。そして、係入突起93が十分な位置まで係入 した状態で駆動力伝達部14が移動することにより、この係入突起93が連結体 8の弧状部85の後端を押すことができ、この押しによって、連結ピン75を解 して走行体7に駆動力を伝達するのである。
【0021】 また、上記押圧体18による押圧は、駆動チェーン13を緩やかな弧状を描い て押圧するようになっており、押圧される数個の駆動力伝達部14の各係入突起 93が同時に走行体7内方に係入することとなるが、このときの係入状態はそれ ぞれ若干異なることとなるため、最も連結体8に近接する係入突起93が単体で 駆動力を伝達することとなる。なお、このように、単体での駆動力伝達で十分で あるが、複数の係入突起93が同時に駆動力を伝達するように構成するものであ ってもよい。
【0022】 さらに、本実施形態における駆動力伝達部14の伝達部本体16,17には、 上記突出部9と同様の方向に突出する走行体ストッパ95,96が突設されてい る。この走行体ストッパ95,96は、走行体7の本体71,72の外方両側に 設けられている転動部材73,74に同時に当接するように構成されている。即 ち、伝達部本体16,17は、走行体7の本体71,72が有する間隙よりも広 くなるような間隔で配置されており、ちょうど転動部材73,74の間隔とほぼ 同程度となっており、駆動力伝達部14が走行体7に係合するとき、走行体スト ッパ95,96が、走行体7の本体71,72の外方を通って転動部材73,7 4の表面付近に到達するようになっているのである。
【0023】 また、この走行体ストッパ95,96の転動部材側表面には、弧状の切欠き形 状が形成されており(図5参照)、既述のとおり、駆動チェーン13が押圧体1 8によって弧を描きながら走行チェーン2に係合するのであるが、この際、上記 走行体ストッパ95,96が転動部材73,74に接触することを回避している 。即ち、正常な駆動力の伝達状態の下では、走行体ストッパ95,96は転動部 材73,74に接触して上記係合を阻害することがないように構成されているの である。また、同時に当該弧状切欠き部のいずれかの部位が、転動部材に近接す るようになっており、駆動力伝達部14が走行体7との係合を開始した状態から 、走行体ストッパ95,96の切欠き部表面は、転動部材73,74の表面に非 常に接近した状態を維持するのである。
【0024】 次に、走行体ストッパ95,96の作動態様について説明する。既述のとおり 、走行チェーン2に対しては、駆動装置1によらず進行方向(図4中矢印方向) へ移動する力が作用する場合があり、その際、走行体7に対して駆動力を伝達し ている係入突起93は、連結体8の後端と当接できなくなる。本来であれば、こ の係入突起93が走行体の軸支部77に当接して上記走行チェーン2の進行を停 止することとなるのであるが、連結体8の後端と走行体7の軸支部77との間に は遊びが存在するため、走行チェーン2は大きく進行することとなり、また、係 入突起93と軸支部77とが衝突することとなるのである。そこで、走行体スト ッパ95,96が、走行体7の転動部材73,74に当接することによって、転 動部材73,74の移動を制限し、これにより走行体7の移動を制限するもので ある。しかも、走行体7の両側に配置される転動部材73,74をほぼ同時に両 ストッパ95,96が当接することとなるため、進行を制御すべき走行体7を安 定して制動することができるのである。ここでいう安定とは、走行体7の向きが 変化することなく、駆動力伝達部14との係合を維持することができる状態であ る。
【0025】 ここで、既に図2において示したように、駆動力伝達部14と走行体7とは、 同時に複数個が係合するように構成されているため、各駆動力伝達部14の各走 行体ストッパ95のうち、いずれか1個が最も近接する走行体7の転動部材73 ,74の移動を制御するものであれば十分である。そして、好ましくは、図4に 示すように、係入突起93が駆動力を伝達している駆動力伝達部14よりも進行 方向に対して後方に位置する駆動力伝達部14の走行体ストッパ95,96が転 動部材73,74に最も近接することが望ましい。このように構成すれば、通常 の駆動力が伝達される状態と、走行体ストッパ95,96が走行体7を制動する 状態とで、走行チェーン2の緊張状態に差異がなくなるのである。
【0026】 即ち、通常状態では、駆動力伝達部14により、当該駆動力伝達部14よりも 後方の走行チェーン2を緊張することとなり、一方、駆動力によらない状態では 、走行体ストッパ95,96が走行チェーン2を逆向きに緊張することとなるの である。このように、駆動力が付与される走行体7と、走行体ストッパ95,9 6によって制動される走行体7との間の緊張状態は、いずれも同様であることか ら、各駆動力伝達部14と各走行体7との係合状態を一定に維持できるのである 。
【0027】 なお、駆動力伝達部14の係合突起93が、連結体8の後端と走行体7の軸支 部77との間で、遊びを有することは、両者の係合を円滑にするために設けられ たものである。また、走行チェーン2の移動を抑止するために、走行体7ではな く連結体8に対して、その進行を制限する方法も考えられるが、走行体7のほぼ 中央において一個所で制動する場合、走行体7が安定した状態で制動させること が難しく、また、走行体7と連結体8との連結は、図3において示したとおり、 単に、連結体8の円環状本体81の弧状部85,86が走行体本体71,72の 連結ピン75,76の内側に配置されているのみであり、連結状態は非常に緩や かであることから、仮に連結体8に対して進行を停止させるとしても、連結体本 体81の弧状部85,86を効率よく停止させることは、構造を複雑化する原因 となるものである。
【0028】 以上のとおり、本考案の実施形態を説明したが、本考案の趣旨を逸脱しない範 囲で種々の変更を加えることは可能である。例えば、駆動装置1における駆動力 伝達のために、駆動チェーン13を使用することとしたが、駆動スプロケット1 1の歯形を駆動力伝達部14と類似の形状に構成し、走行チェーン2の走行体7 に噛合させることもできる。また、吊り下げアーム4やトレイ6の構成は、本考 案の趣旨を左右するものではないため、その構造・形状等を変更するものであっ てもよい。
【0029】
以上のように、本考案は、走行チェーンの走行体に当接できる走行体ストッパ を、駆動力伝達部に設けているので、駆動力を伝達するために駆動力伝達部を係 合させつつ、当該係合により、駆動力によらずして走行チェーンが進行方向へ移 動する場合、この方向へ走行チェーンが移動することを回避できる。
【0030】 また、上記のような移動がないことから、駆動力伝達部と走行体との係合状態 を維持することができる。さらに、走行体の両側に配設される転動部材に対して 同時に走行体ストッパが当接するので、当該走行体ストッパによって移動を制限 された走行体は、その向き等を変えることなく、安定した状態で制動されること となる。従って、走行チェーンの連結状態または駆動力の伝達状態等に支障を来 たすことがないものである。
【図1】本発明にかかる吊り下げ搬送装置の斜視図であ
る。
る。
【図2】駆動力伝達機構の概略を示す説明図である。
【図3】走行チェーンの説明図である。
【図4】駆動力伝達機構を示す説明図である。
【図5】駆動力伝達部の斜視図である。
1 駆動装置 2 走行チェーン 3 レール 4 アーム 5 搬送荷物 6 トレイ 7 走行体 8 連結体 9 突出部 11 駆動スプロケット 12 従動スプロケット 13 駆動チェーン 14 駆動力伝達部 15 連結部材 16,17 伝達部本体 18 押圧体 71,72 走行体本体 73,74 転動部材 75,76 連結ピン 77 軸支部 81 連結体本体 82 制御部 83,84 側部 85,86 弧状部 91 突出部先端 92 凹部 93 係入突起 94 突起 95,96 走行体ストッパ A 吊り下げ搬送装置
Claims (5)
- 【請求項1】 搬送経路を構成する搬送レールと、上記
搬送レール内を移動する走行チェーンと、この走行チェ
ーンに駆動力を付与する駆動手段とを備え、 上記走行チェーンは、転動部材を有する多数の走行体
と、これらの走行体を連結する連結部材とで構成され、 駆動手段には、走行チェーンに係合する駆動力伝達部が
設けられ、 上記走行チェーンに適宜間隔でアームを垂下させてなる
吊り下げ搬送装置において、 上記駆動力伝達部は、走行チェーンの内方に到達する突
出部と、走行体の進行方向側表面の近傍に配置される走
行体ストッパとが一体的に構成されてなり、この走行体
ストッパは、走行体が駆動力によらず進行するとき、走
行体の一部に当接するように設けてなることを特徴とす
る吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造。 - 【請求項2】 搬送経路を構成する筒状の搬送レール
と、この搬送レール内を走行する走行チェーンと、上記
走行チェーンに駆動力を付与する駆動手段とを備え、 走行チェーンは、多数の走行体と、これらの走行体を連
結する連結体とで構成され、該走行体は、その本体両側
に設けられた転動部材と、この転動部材を回動自在に軸
支しつつ上記本体に貫設された軸支部とを有し、 上記駆動手段は、駆動スプロケットと従動スプロケット
との間に懸架された駆動チェーンと、この駆動チェーン
の外周上に所定ピッチで設けられた駆動力伝達部とを備
え、 上記走行チェーンに適宜間隔でアームを垂下させてなる
吊り下げ搬送装置において、 上記駆動力伝達部は、駆動チェーンから外向きに突出
し、走行体の軸支部付近に到達する突出部と、この突出
部先端で走行体の軸支部と連結体との間に係入する係入
突起と、この係入突起が上記係入するとき走行体の本体
両側に設けられているそれぞれの転動部材の走行方向側
表面近傍に位置されるように配設された走行体ストッパ
とを備え、走行体ストッパは、走行体が駆動力によらず
進行するとき、この走行体の本体両側の転動部材にそれ
ぞれ当接するストッパであることを特徴とする吊り下げ
搬送装置における駆動力伝達構造。 - 【請求項3】 前記駆動チェーンに設けられる駆動力伝
達部のうち、複数の駆動力伝達部の各突出部が、複数の
走行体に同時に係合し、上記突出部のいずれかが走行体
に駆動力を伝達するとともに、上記駆動力伝達部に設け
られる走行体ストッパのいずれかが走行体の転動部材に
近接してなり、走行体が駆動力によらず進行するとき、
該走行ストッパによって走行体の進行が制限されるよう
に突出部および走行体ストッパを各配置してなることを
特徴とする請求項2記載の吊り下げ搬送装置における駆
動力伝達構造。 - 【請求項4】 走行体の転動部材に最も接近する前記走
行体ストッパが、走行体に駆動力を伝達する駆動力伝達
部よりも後方に位置する駆動力伝達部に設けられた走行
体ストッパであることを特徴とする請求項3記載の吊り
下げ搬送装置における駆動力伝達構造。 - 【請求項5】 前記走行体ストッパは、走行体に当接す
る側面形状を弧状の切欠き形状にしてなることを特徴と
する請求項1ないし4のいずれかに記載の吊り下げ搬送
装置における駆動力伝達構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005953U JP3084593U (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005953U JP3084593U (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=43236060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001005953U Expired - Lifetime JP3084593U (ja) | 2001-09-07 | 2001-09-07 | 吊り下げ搬送装置における駆動力伝達構造 |
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JP (1) | JP3084593U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019112806A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 日精株式会社 | 駐車装置 |
CN111703813A (zh) * | 2020-06-06 | 2020-09-25 | 新乡市合众鑫辉车业有限公司 | 一种电动车车架电泳方法和装置 |
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2001
- 2001-09-07 JP JP2001005953U patent/JP3084593U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019112806A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 日精株式会社 | 駐車装置 |
JP7057123B2 (ja) | 2017-12-22 | 2022-04-19 | 日精株式会社 | 駐車装置 |
CN111703813A (zh) * | 2020-06-06 | 2020-09-25 | 新乡市合众鑫辉车业有限公司 | 一种电动车车架电泳方法和装置 |
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