JP3083871U - スパイク固定ピン着脱機におけるシャフトならびに該シャフト取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】スパイク固定ピンのかしめまたは抜き取りの作
業時に、シャフト下端のポンチとピン加工部との位置合
わせを容易かつ適確にし、ポンチずれを解消して固定ピ
ン着脱作業の作業時間の短縮をはかり、作業効率を向上
する。 【解決手段】スパイク固定ピン着脱機のシャフト５にお
いて、下部にスパイク固定ピン着脱ポンチ１２をセット
ボルト１１によりシャフト下端より突出させて固定する
と共に、ポンチの突出部外周にガイドホルダー８を延設
し、該ガイドホルダー内部に圧縮ばね１０を介設してガ
イドホルダー下面中央部にガイド９を圧縮ばね１０によ
り上下動可能に貫挿した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は野球用シューズ等におけるスパイク固定ピンを着脱するスパイク固定 ピン着脱機に係り、特に、同着脱機において前記固定ピンを着脱するポンチを内 包するシャフトならびに該シャフトの取付機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

野球用シューズ等において、底面に種々の形状のスパイクが取り付けられてい ることは周知であるが、このスパイクをシューズ底面に取り付けあるいは長期使 用によってスパイクが摩損したとき新スパイクと交換するにあたってはスパイク を固定している固定ピンをかしめ、あるいは抜き取ることがおこなわれており、 スパイクかしめ機で知られるスパイク固定ピン着脱機が用いられている。

【０００３】 図１は上記スパイク固定ピン着脱機の概要であり、テーブル１上面略中央部に 支持部２を介してシューズを保持するシューズ保持台２Ａが立設されていると共 に、周囲に立設された支柱３を介してテーブル１上部にシャフト保持板４が設け られ、該保持板４に、その略中央部を貫通して固定ピン着脱ポンチを内蔵するシ ャフト５が前記シューズ保持台２Ａ前端部のピン加工部２Ｂに対応して挿通され ていて、シャフト保持板４に対し摺動し、下部のシューズ保持台２Ａに被せられ たシューズのピン着脱部位置と、ピン加工部２Ａの位置を合わせてシャフト５上 部にハンマー等で打撃を加えることによってシャフト５の下降に伴うポンチの上 下動により固定ピンの着脱をおこなうようになっている。

【０００４】 ところで、現在使用されているスパイク固定ピン着脱機のピン着脱をおこなう シャフト構造では、ピンを固定するポンチと、固定ピンを抜き取るポンチの形状 の違いはあっても、ポンチ周囲のガイドが固定されたままで、ポンチ自体が上下 動して下部に配設された固定ピンを叩き、固定又は抜き取りを行っている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記の如くガイドが固定のままでポンチが上下動するときは、ポンチ が往々にして中心線よりずれ易く、そのためずれによるガタを生ずることが屡々 あった。 特にシャフト上部の打撃は人為操作で行われるためポンチの中心線よりのずれ は位置合わせの視認もあって一般に避け難い状況であった。

【０００６】 本考案は上述の如き実状に対処し、特にシャフトをシャフト保持板に一時的に 止着させると共に、シャフト内の構成としてポンチを固定し、ガイドを上下動さ せることを見出すことにより、前記シャフトの位置合わせを容易にし、シャフト の下降に伴うポンチのずれを解消して固定ピン着脱作業の作業効率を向上せしめ ることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的を達成するための本考案は、先ず１つは下部にスパイク固定ピ ン着脱ポンチを取り付けたスパイク固定ピン着脱機におけるシャフトであって、 下部に前記スパイク固定ピン着脱ポンチがセットボルトにより下部をシャフト下 端より突出させて固定されていると共に、該ポンチの突出部外周にガイドホルダ ーが延設されており、該ガイドホルダーには内部に圧縮ばねが介設されてガイド がガイドホルダー下面中央部に上下動可能に貫挿されている構成からなる。

【０００８】 また、本考案の他の特徴は、上記のシャフトをスパイク固定ピン着脱機に取り 付けるシャフト取付装置であり、テーブルの上面に支持部を介してシューズ保持 台が立設されていると共に、周囲に立設された支柱によりシャフト保持板がテー ブル上部に配設され、該シャフト保持板の保持孔を通じて請求項１記載のシャフ トがシューズ保持台のピン加工部上方に対応して貫挿されているスパイク固定ピ ン着脱機において、前記シャフト保持孔外周上面にシャフトの仮停止位置を調整 する調整ねじを備えた当板を当着し、シャフトを仮停止位置で一旦、停止させる と共に、更に上部からの叩打圧により下方のピン加工部に向かって下降させ、固 定ピンを着脱させるようにしたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

上記本考案によるスパイク固定ピン着脱機を用いて固定ピン着脱を行うには、 先ず新しいスパイクに対し固定ピンをかしめて固着するにあたっては、当該スパ イクを装着しようとするシューズを、シューズ保持台に所要の個所を合わせてか ぶせ、ピン加工部に磁石板を配設して、その上に固定ピンを先端を上方に向け、 シューズの皮革部及びスパイクの金属部等を貫通させて設置し、該固定ピン上端 に止着金具を挿入して上方より上部のシャフト保持板で仮止めされているシャフ ト上端を押し、その下端を固定ピンの位置に合わせ、更にハンマー等で叩き、打 撃を与える。このとき、内部のポンチはシャフト下部に固定されており、周囲の ガイドが圧縮ばねに抗して上方に摺動することにより、これが案内の役目を果た してポンチ下端をピン加工部に設置されている固定ピン及び止着金具上に確実に 下降させ、固定ピンを圧着してかしめ、固定ピンを固着する。 この操作をスパイクの所要の固定ピンの数に合わせて複数個、繰り返すことに よりスパイクをシューズの裏面に強固に固着する。

【００１０】 次に、使用し摩損したスパイクを取り替えのため、固定ピンを抜く際には、上 記かしめ用のポンチと異なり、下端がピン径に合うように細く形成されている図 ５に示すようなピン抜き用ポンチを用いて、スパイクの付設されているシューズ をシューズ保持台にかぶせ、前述と同様に上記シャフトを下降させ、ポンチを固 定ピンに位置を合わせて叩打するとポンチ下端により固定ピンは落下させられて ピン抜きが行われる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下更に添付図面に基づいて本考案の具体的な実施の形態を説明する。

【００１２】 図１は前述の如く従来のスパイクの固定ピン着脱機の全体概要を示しているが 、本考案にあっては特にテーブル１上部に支柱３を介して支持されているシャフ ト保持板４のシャフト保持孔外周に当着された当板６に、側方より調整ねじ７が 挿着され、丸味を有するねじ先端のシャフト保持孔への突出度合により該孔に貫 挿されているシャフト５の一時的な仮停止位置が適宜調整可能となっている。 従って、シャフト５は所定の位置で一旦、停止状態でシャフト保持板４に保持 され、着脱操作時、その状態よりハンマー等による叩打に先立ち、一旦、固定ピ ンの位置に対応するよう押し下げられ、その後、叩打により打撃が加えられる。

【００１３】 図３は上記スパイク固定ピン着脱機に使用される本考案シャフトの構成例であ り、シャフト５の下部にポンチ１２がセットボルト１１により下半部をシャフト 下端より突出させて固定されており、該ポンチ突出部外周に該ポンチを取り巻く ようにガイドホルダー８が前記シャフト５下端に延設されている。 そして、このガイドホルダー８は下面中央部にガイド９が貫設されていると共 に、その内部は空洞となって、圧縮ばね１０が前記ガイド９を上下動可能ならし めるよう収設されている。 この場合、通常時においてはガイド９は常に圧縮ばね１０で押さえられていて シャフトを下方へ押し付け、固定ピンの位置を決め、更に上部より叩打するとガ イド９が上方へ上がり、ポンチ１２が固定ピンに当たり、かしめ、あるいは抜く ことができる。

【００１４】 図中、１５はシューズ保持台２Ａのピン加工部２Ｂに埋設された受け部材であ り、固定ピンかしめ時には図４に示すように磁石板１６が上面に装着され、固定 ピンの頭部を安定保持し得るようになっていると共に、抜くときには図５の如く 中空状態で抜いた固定ピンが自由に落下し得るようになっている。

【００１５】 図４及び図５は上記固定ピン着脱時の態様を示し、図４は固定ピンかしめ時、 図５は固定ピン抜き取り時である。

【００１６】 図４においてはシューズ保持台のピン加工部に埋設されている受け部材１５の 上端部に磁石板１６を層着し、該磁石板１６に頭部面を磁着させて固定ピン１４ を先端を上方に向けて設置し、シューズＭをかぶせてシューズＭ内面より緩衝用 発泡樹脂材ｃ，皮革剤ｂ，スパイク金具材ａを順次貫通させると共に、止着金具 １３をその先端に被せて、上方よりポンチ１２を押し下げ、位置合わせをして更 にハンマー等により叩打して図３に示すガイド９の上昇によってポンチ１２が固 定ピン上端を押圧し、固定ピン１４をかしめる。 このとき、ポンチ１２は下端が固定ピン上端と止着金具１３にわたり平均した 圧力をかけ得るよう棒状のものとなっている。

【００１７】 これに対し、図５においてはポンチ１２′として下端が固定ピン１４の径にあ わせて小径化されたものが用いられ、前記かしめと同様にポンチ１２′を押し下 げ更に叩打すると止着金具１３の芯部にある固定ピン１４がその圧力により下方 へ引き抜かれ、中空となっている受け部材１５側へ落下する。

【００１８】 以上のように本考案においては下端形状の異なるポンチ１２，１２′を使い分 けるだけで、スパイク固定ピンの着脱が同じスパイク固定ピン着脱機を用いて行 うことができ、極めて効率的にスパイク固定ピンをかしめ又は抜き取り交換する ことができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、スパイク固定ピン着脱機のシャフトにおいて、 該シャフト下部に固定ピン着脱用ポンチをセットボルトによりシャフト下端より 突出させて固定すると共に、ポンチ突出部外周にガイドホルダーを延設し、該ガ イドホルダーには内部に圧縮ばねを介設してガイドをガイドホルダー下面中央部 より上下動可能に貫挿させたものであり、従来のシャフトにおいてはガイドが固 定し、芯部となるポンチが上下動していたため、押し下げ時、ポンチ中心線が固 定しようとするピンの中心線からずれ易く、手動操作時の位置合わせが難しく、 作業時間遅延の原因となり、作業効率の低下を来していたが、本考案のシャフト ではポンチが固定し、ガイドが上下動するためポンチがガイドに伴って正確に固 定ピンの位置に案内され、中心線からのずれが解消され、固定ピン着脱操作を容 易かつ正確ならしめ、作業時間を短縮し、作業効率を大幅に向上せしめる顕著な 効果が期待される。 しかも、本考案はシャフトをシャフト保持板に調整ねじにより当接具合を調整 して貫挿しているため、一旦、押し下げて固定ピンとの位置合わせを行い易く、 一層中心線よりずれることなく適確な位置合わせの下に固定ピンの着脱を効率よ く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用されるスパイク固定ピン着脱機の
構成を示す概要図である。

【図２】シャフト保持板に貫挿したシャフトの調整部を
示す図で、（イ）は平面図、（ロ）は断面図である。

【図３】本考案に係るシャフト下部のポンチ部断面図で
ある。

【図４】固定ピンかしめ時におけるポンチ部の状態図で
ある。

【図５】固定ピン抜き取り時におけるポンチ部状態図で
ある。

【符号の説明】

１ テーブル ２ 支持部 ２Ａ シューズ保持台 ２Ｂ ピン加工部 ３ 支柱 ４ シャフト保持板 ５ シャフト ６ 当板 ７ 調整ねじ ８ ガイドホルダー ９ ガイド １０ 圧縮ばね １１ セットボルト １２ ポンチ（かしめ用） １２′ ポンチ（抜き用） １３ 止着金具 １４ 固定ピン １５ 受け部材 １６ 磁石板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部にスパイク固定ピン着脱ポンチを取り
   付けたスパイク固定ピン着脱機におけるシャフトであっ
   て、該シャフトはその下部に前記スパイク固定ピン着脱
   ポンチがセットボルトにより下部をシャフト下端より突
   出させて固定されていると共に、該ポンチの突出部外周
   にはガイドホルダーが延設されており、該ガイドホルダ
   ーには内部に圧縮ばねが介設されてガイドがガイドホル
   ダー下面中央部に上下動可能に貫挿されていることを特
   徴とするスパイク固定ピン着脱機におけるシャフト。
2. 【請求項２】テーブルの上面に支持部を介してシューズ
   保持台が立設されていると共に、周囲に立設された支柱
   によりシャフト保持板がテーブル上部に配設され、該シ
   ャフト保持板の保持孔を通じて請求項１記載のシャフト
   がシューズ保持台のピン加工部上方に対応して貫挿され
   ているスパイク固定ピン着脱機であって、前記シャフト
   保持孔外周上面にシャフトの仮停止位置を調整する調整
   ねじを備えた当板が当着され、シャフトを仮停止位置で
   一旦、停止させると共に、上部からの叩打圧により下方
   のピン加工部に向かって下降させ、固定ピン着脱を行う
   ようにしたことを特徴とするスパイク固定ピン着脱機に
   おけるシャフト取付装置。