JP3083281U - 電子チューナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省スペースであり、高周波ノイズによる影響
が抑えられ、安価に製造可能である、複数の周波数を受
信可能な電子チューナを提供する。 【解決手段】 電子チューナ１は、２台のチューナユニ
ット２ａ、２ｂと半田付けにより接続され、入力コネク
タ５からの高周波信号を２台のチューナユニット２ａ、
２ｂに分配する接続ピン１２をさらに備えている。さら
に、隣接する２台のチューナユニット２ａ、２ｂのケー
ス枠体４が対向する側部に設けられる内側面板６が共有
されている。内側面板６は、接続ピン１２が連通する穴
６ａと縁部に爪６ｂとを有し、爪６ｂにより２台のチュ
ーナユニット２ａ、２ｂを接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、電子チューナ、特に、同時に複数の周波数を受信可能な電子チュー ナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

複数種類のチャンネルを表示するテレビでは、放送信号から複数種類のチャン ネル、すなわち複数の周波数を受信可能な電子チューナを用いている。また、Ｖ ＣＲ内蔵のテレビ、いわゆるテレビデオでは、２種類のチャンネルを受信可能な 電子チューナを用いることにより、ＶＣＲに目的のチャンネルを録画しながら、 テレビで別のチャンネルの番組を見ることができる。このようなテレビデオに用 いられる複数種類のチャンネルを受信可能な電子チューナは、１種類のチャンネ ルを受信するチューナユニットを複数台有しており、放送信号入力を各チューナ ユニットに分配することにより、複数種類のチャンネルを同時に受信することが 可能である。

【０００３】 放送信号入力を各チューナユニットに分配するためには、分配器に放送信号入 力を入力し、分配された信号を出力してケーブルなどにより他のチューナユニッ トに入力することが必要となるこのため、分配された信号を伝送するためにチュ ーナユニット同士を接続する必要がある。このため、ケーブルを接続する行程が 必要になるため、電子チューナの製造コストの上昇を招いていた。また、これら の電子チューナでは、複数のチューナユニットを別個に備えることが多いため、 電子チューナのサイズが大きくなり、省スペース化を図れなかった。

【０００４】 そこで、特開平１１−３１７６８７号公報に記載の電子チューナでは、２個の チューナユニットを同一プリント基板に装着することにより、チューナ間の接続 の省略化および省スペース化を図っている。また、特開平１１−３４１３７４号 公報に記載の電子チューナでは、特開平１１−３１７６８７号公報に記載の発明 に加え、２台のチューナユニットを取り付ける親プリント基板を経て放送信号を もう１台のチューナユニットへ伝送することにより、チューナユニット間の接続 の省略化を図っている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、特開平１１−３１７６８７号公報に記載の電子チューナでは、２個の チューナユニットが同一プリント基板上に装着されているため、従来のチューナ ユニットと異なる電子チューナを製造する必要が生じる。このため、複数種類の チャンネルを受信可能な電子チューナの製造量が少ないとコスト高になる恐れが ある。また、同一プリント基板上に２個のチューナユニットが設けられているた め、互いに高周波ノイズによる影響を及ぼしあう可能性がある。

【０００６】 また、特開平１１−３４１３７４号公報に記載の電子チューナでは、親プリン ト基板を経て他方のチューナユニットへ放送信号を伝送しているため、高周波ノ イズとして周囲に影響する恐れがある。 本考案の課題は、省スペースであり、高周波ノイズによる影響が抑えられ、安 価に製造可能である、複数の周波数を受信可能な電子チューナを提供することに ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の電子チューナは、プリント基板とプリント基板を囲み高周波 シールドするケース枠体とを有しており、高周波信号から目的の周波数を選択す る、並列して配置される２台のチューナユニットと、２台のチューナユニットの うちの１台に設けられる高周波信号入力用の入力コネクタと、を有する電子チュ ーナである。また、電子チューナは、２台のチューナユニットと半田付けにより 接続され、入力コネクタからの高周波信号を２台のチューナユニットに分配する 接続ピンをさらに備えている。さらに、隣接する２台のチューナユニットにおい てケース枠体の対向する側部に設けられる側面板が共有されており、側面板は接 続ピンが連通する穴と縁部に爪とを有し、爪により隣接する２台のチューナユニ ットを接合する。

【０００８】 この電子チューナでは、２台のチューナユニットのうちの１台に設けられた入 力コネクタに外部から高周波信号が入力される。入力コネクタに入力された高周 波信号は、各チューナユニットを接続する接続ピンを介して各チューナユニット に分配される。そして、各チューナユニットでは、高周波信号から目的の１種類 の周波数が選択される。

【０００９】 ここでは、各チューナユニットを構成するケース枠体の一部である側面板が共 有化されて電子チューナが一体化されているので、各チューナユニットを別々に 設けた場合に比べて省スペース化が図れる。また、各チューナユニットの間に設 けられた側面板が高周波シールドとして機能するため、一方のチューナユニット での高周波信号が他方のチューナユニットに高周波ノイズとして影響を与えるこ とが抑えられる。

【００１０】 また、本考案の電子チューナを構成する複数のチューナユニット自体は通常の チューナを流用可能である。このため、特殊なチューナユニットを用いる必要が ない。さらに、側面板は縁部に爪を有しているため、各チューナユニットを容易 に接合可能である。加えて、接続ピンがチューナユニットに半田付けされている ため、接続ピンとチューナユニットとの接続が容易である。これらにより、電子 チューナの製造コストを抑えることができる。

【００１１】 請求項２に記載の電子チューナは、複数のチューナユニットと入力コネクタと 接続ピンとを備える。複数のチューナユニットは、プリント基板とプリント基板 を囲み高周波をシールドするケース枠体とを有し、高周波信号から目的の周波数 を選択するものであり、並列して配置される。入力コネクタは、高周波信号入力 用であり、複数のチューナユニットのうちの１台に設けられる。接続ピンは、複 数のチューナユニットを接続し、入力コネクタからの高周波信号を複数のチュー ナユニットに分配する。そして、隣接する複数のチューナユニットにおいてケー ス枠体の対向する側部に設けられる側面板が共有されており、側面板は接続ピン が連通する穴を有する。

【００１２】 この電子チューナでは、チューナユニットのうちの１台に設けられた入力コネ クタに外部から高周波信号が入力される。入力コネクタに入力された高周波信号 は、各チューナユニットを接続する接続ピンを介して各チューナユニットに分配 される。そして、各チューナユニットでは、高周波信号から目的の１種類の周波 数が選択される。

【００１３】 ここでは、各チューナユニットを構成するケース枠体の一部である側面板が共 有化されて電子チューナが一体化されているので、各チューナユニットを別々に 設けた場合に比べて省スペース化が図れる。また、各チューナユニットの間に設 けられた側面板が高周波シールドとして機能するため、一方のチューナユニット での高周波信号が他方のチューナユニットに高周波ノイズとして影響を与えるこ とが抑えられる。また、本考案の電子チューナを構成する複数のチューナユニッ ト自体は通常のチューナを流用可能である。このため、特殊なチューナユニット を用いる必要がなく、製造コストを抑えることができる。

【００１４】 請求項３に記載の電子チューナは、請求項２に記載の電子チューナであって、 側面板は、縁部に爪を有しており、爪により隣接する複数のチューナユニットを 接合する。 ここでは、側面板の縁部に爪があり、この爪により隣接する複数のチューナユ ニットを接合している。このため、側面板によりチューナユニットが容易に接合 可能となる。これにより、電子チューナの製造の省力化を図ることができる。

【００１５】 請求項４に記載の電子チューナは、請求項２または３に記載の電子チューナで あって、複数のチューナユニットは２台である。 ここでは、チューナユニットの数量が２台であるため、省スペースであり且つ ２種類の周波数を選択可能な電子チューナとすることができる。 請求項５に記載の電子チューナは、請求項２から４のいずれかに記載の電子チ ューナであって、接続ピンは複数のチューナユニットと半田付けにより接続され る。

【００１６】 ここでは、接続ピンがチューナユニットに半田付けされているため、接続が容 易である。これにより、電子チューナの製造を省力化できる。 請求項６に記載の電子チューナは、請求項２から４のいずれかに記載の電子チ ューナであって、接続ピンは複数のチューナユニットとコネクタにより接続され る。

【００１７】 ここでは、接続ピンがチューナユニットにコネクタにより接続されているため 、接続が容易である。これにより、電子チューナの製造を省力化できる。

【００１８】

【考案の実施の形態】

本考案に係る電子チューナ１を図１（ａ）に示す。電子チューナ１は、入力さ れた放送信号から２種類のチャンネルを受信して、そのチャンネルの信号をそれ ぞれ図示しない信号処理部に出力するものである。 ＜全体の構成＞ 電子チューナ１は、第１及び第２チューナユニット２ａ、２ｂから構成されて いる。各チューナユニット２ａ、２ｂは入力された放送信号からそれぞれ１種類 のチャンネルを受信する受信処理部である。

【００１９】 各チューナユニット２ａ、２ｂは、図２（ａ）に示されるように、第１及び第 ２プリント基板３ａ、３ｂとケース枠体４とを有している。また、各チューナユ ニット２ａ、２ｂのうち１台に入力コネクタ５を有している。 各プリント基板３ａ、３ｂは放送信号から１種類のチャンネルの受信処理を行 う回路（図示せず）が装着されている。各プリント基板３ａ、３ｂは、入力部１ ０、分配部１１、帯域切替部３０、高周波増幅部３１、高周波同調部３２、混合 増幅部３３、及び発信回路３４を有している。内部回路ブロック図を図３に示す 。入力部１０は、後述する入力コネクタ５からの放送信号を受ける部分である。 また分配部１１は、入力部に隣接した部分に設けられており、入力部１０で受け た放送信号を後述する接続ピン１２に分配する、あるいは接続ピン１２からの放 送信号を受ける部分である。

【００２０】 第１チューナユニット２ａの第１プリント基板３ａの入力部１０は入力コネク タ５と接続されている。一方、第２チューナユニット２ｂには、入力コネクタ５ が備えられていないため、第２チューナユニット２ｂの第２プリント基板３ｂの 入力部１０は使用されていない。 電子チューナ１の内部には接続ピン１２が備えられており、この接続ピン１２ は２台のチューナユニット２ａ、２ｂを接続して、第１チューナユニット２ａに 供給された放送信号を分配するものである。接続ピン１２は、図２（ａ）に示さ れているように、側面板６の穴６ｂを介して、各プリント基板３ａ、３ｂの分配 部１１と半田付けにより接続されている。入力コネクタ５からの放送信号は、第 １プリント基板３ａの入力部１０から分配部１１において分配され、接続ピン１ ２を経て第２プリント基板３ｂの分配部１１に供給される。

【００２１】 ケース枠体４は、プリント基板３ａ、３ｂを保持し、且つプリント基板３ａ、 ３ｂで処理される高周波信号である放送信号を外部に漏れることを防ぎ、さらに ノイズとなる高周波信号が外部からチューナユニット２ａ、２ｂに侵入すること を防ぐものである。ケース枠体４は、内側面板６、外側面板７、及び枠部８から なる。内側面板６は、図１（ｂ）に示されるように、各チューナユニット２ａ、 ２ｂが隣接するケース枠体４の側部に設けられている。内側面板６がチューナユ ニット２ａ、２ｂ同士の間に設けられており、高周波シールドとしての役割を果 たす。内側面板６は、縁部に設けられる爪６ａにより隣接する２台のチューナユ ニット２ａ、２ｂを接合する。また、側面板６には接続ピン１０を通すための穴 ６ｂが設けられている。外側面板７は、各チューナユニット２ａ、２ｂに対して 内側面板６と反対側に設けられている。また、外側面板７は、内側面板６と同様 に縁部に爪７ａが設けられている。枠体８は、プリント基板３ａ、３ｂの縁部を 囲むように設けられる。また、枠体８の下部には、図２（ｂ）に示されているよ うに、脚部２０と端子２１とが設けられている。脚部２０が図示しない親プリン ト基板に接続することによりケース枠体４が接地することができる。これにより 、ケース枠体４によるシールド効果が向上し、電子チューナ１を外部からのノイ ズからさらに守ることができる。端子２１は、電子チューナ１を図示しない親プ リント基板に接続した際に、プリント基板３ａ、３ｂへの入力及び出力を行うた めの端子である。出力端子２１ａは、チューナユニット２ａ、２ｂにおいて受信 されたチャンネルの信号を図示しない信号処理部へ出力する端子である。

【００２２】 ＜動作＞ 電子チューナ１へ入力される放送信号が、電子チューナ１により受信されて出 力されるまでについて以下に述べる。 まず放送信号は、図示しないアンテナ入力から電子チューナ１の入力コネクタ ５に入力される。入力コネクタ５に入力された放送信号は、第１プリント基板３ ａの分配部１３において分配される。分配された放送信号の一方は第１チューナ ユニット２ａで受信処理がなされる。他方の放送信号は、接続ピン１０を介して 第２チューナユニット２ｂの分配部１３に送られ、第２チューナユニット２ｂで 受信処理がなされる。すなわち、各チューナユニット３ａ、３ｂではそれぞれ放 送信号から目的の１種類の周波数が選択される。分配部１３で分配された放送信 号は、帯域切替部３０でＶＨＦ−Ｌ、ＶＨＦ−Ｈ、ＵＨＦの各周波数帯域に分離 される。分離された放送信号は続いて高周波増幅部３１で増幅を受け、高周波同 調部３２で指定のチャンネルに同調される。その後、ＰＬＬ回路を内蔵する混合 増幅部３３を経て希望のチャンネルの放送信号が出力端子２１ａから出力される 。

【００２３】 ＜効果＞ 電子チューナ１は２台のチューナユニット２ａ、２ｂを有しているため、２種 類のチャンネルを選択可能である。その際、各チューナユニット２ａ、２ｂには 共有する内側面板６があるため、隣接する一方のプリント基板３ａ又は３ｂの回 路に他方のプリント基板３ｂ又は３ａからの信号が高周波ノイズとして影響する ことが防止される。また、内側面板６の爪６ａにより２台のチューナユニット２ ａ、２ｂが接合されるため、電子チューナ１を容易に接合することができ、電子 チューナ１の製造を省力化できる。

【００２４】 ＜他の実施例＞ 上記の実施形態では、第１チューナユニット２ａと第２チューナユニット２ｂ とを接続する接続ピン１０とそれぞれ半田付けにより接続されているが、それぞ れのチューナユニット２ａ、２ｂにコネクタ、例えばＲＣＡピンジャックなどを 分配部に設けると、接続ピンとの接続が容易になる。これにより、さらに製造コ ストの削減を図ることができる。

【００２５】

【考案の効果】

本考案に係る電子チューナでは、チューナユニットを複数備えており、複数の 周波数を選択可能である。また、チューナユニット間には接続ピンが連通する穴 を有する側面板が共有されているため、各チューナユニットからの高周波ノイズ による影響が抑制されると共に、チューナユニットが隣接して接合されるため、 電子チューナのサイズが抑えられ、省スペース化が図られる。さらに、チューナ ユニットは通常のチューナを用いることが可能であるため、製造コストを抑える ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電子チューナの斜視図。（ａ）外
観。（ｂ）側面板の斜視図。

【図２】本考案に係る電子チューナの模式図。（ａ）上
面透視図。（ｂ）側面図。

【図３】電子チューナの回路ブロック図。

【符号の説明】

１ 電子チューナ ２ａ 第１チューナユニット ２ｂ 第２チューナユニット ３ａ 第１プリント基板 ３ｂ 第２プリント基板 ４ ケース枠体 ５ 入力コネクタ ６ 内側面板 ６ａ 爪 ６ｂ 穴 １０ 入力部 １１ 分配部 １２ 接続ピン

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板と前記プリント基板を囲み高
   周波シールドするケース枠体とを有しており、高周波信
   号から目的の周波数を選択する、並列して配置される２
   台のチューナユニットと、 前記２台のチューナユニットのうちの１台に設けられる
   高周波信号入力用の入力コネクタと、を有する電子チュ
   ーナにおいて、 前記２台のチューナユニットと半田付けにより接続さ
   れ、前記入力コネクタからの高周波信号を前記２台のチ
   ューナユニットに分配する接続ピンをさらに備え、 隣接する前記２台のチューナユニットにおいて前記ケー
   ス枠体の対向する側部に設けられる側面板が共有されて
   おり、前記側面板は前記接続ピンが連通する穴と縁部に
   爪とを有し、前記爪により隣接する前記２台のチューナ
   ユニットを接合する、電子チューナ。
2. 【請求項２】プリント基板と前記プリント基板を囲み高
   周波をシールドするケース枠体とを有し、高周波信号か
   ら目的の周波数を選択する、並列して配置される複数の
   チューナユニットと、 前記複数のチューナユニットのうちの１台に設けられる
   高周波信号入力用の入力コネクタと、 前記複数のチューナユニットを接続し、前記入力コネク
   タからの高周波信号を前記複数のチューナユニットに分
   配する接続ピンと、を備え、 隣接する前記複数のチューナユニットにおいて前記ケー
   ス枠体の対向する側部に設けられる側面板が共有されて
   おり、前記側面板は前記接続ピンが連通する穴を有す
   る、電子チューナ。
3. 【請求項３】前記側面板は、縁部に爪を有し、前記爪に
   より隣接する前記複数のチューナユニットを接合する、
   請求項２に記載の電子チューナ。
4. 【請求項４】前記複数のチューナユニットは２台であ
   る、請求項２または３に記載の電子チューナ。
5. 【請求項５】前記接続ピンは、前記複数のチューナユニ
   ットと半田付けにより接続される、請求項２から４のい
   ずれかに記載の電子チューナ。
6. 【請求項６】前記接続ピンは、前記複数のチューナユニ
   ットとコネクタにより接続される、請求項２から４のい
   ずれかに記載の電子チューナ。