JP3082885B2 - 電子顕微鏡観察用試料の作成方法及び電子顕微鏡観察用試料の固定装置 - Google Patents

電子顕微鏡観察用試料の作成方法及び電子顕微鏡観察用試料の固定装置

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JP3082885B2
JP3082885B2 JP04302952A JP30295292A JP3082885B2 JP 3082885 B2 JP3082885 B2 JP 3082885B2 JP 04302952 A JP04302952 A JP 04302952A JP 30295292 A JP30295292 A JP 30295292A JP 3082885 B2 JP3082885 B2 JP 3082885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子顕微鏡観察用試料
(以下、単に『試料』とする。)を作成する方法に関
し、特に非常に小さな特定領域を同一試料で断面と平面
との両方向から観察できるようにした試料の作成方法
と、観察時にこの試料を傾斜させて固定することができ
る電子顕微鏡観察用試料の固定装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子顕微鏡観察用試料の作成方法
として、本出願人は、特願平04年019447号、或
いは特願平04年072764号を出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電子顕微鏡観察用試料の作成方法は、試料の特
定領域を異なる複数の方向から観察することができな
い。このため、特定領域を例えば断面方向からと、平面
方向とから観察する場合には、特定領域の断面方向から
観察する試料と、平面方向から観察する試料との2つの
別個の試料を準備しなければならない。
【0004】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
で、非常に高い位置合わせ精度を有しながら、特定領域
を電子顕微鏡による異なる複数の方向から観察すること
ができる試料の作成方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】また、1つの試料を複数の方向から観察す
ることができ、しかもそれに伴う試料の損傷が生じない
電子顕微鏡観察用試料の固定装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る電子顕
微鏡観察用試料の作成方法は、同一観察用試料の特定領
域を断面と平面との両方向から観察可能な電子顕微鏡観
察用試料を作成する方法であって、電子顕微鏡観察を必
要とする材料に対して、電子顕微鏡に装着可能な幅に前
記材料を切断する工程と、特定の場所に刻印を施す工程
と、前記電子顕微鏡に装着可能な幅に切り出された材料
が凹字形状或いはL字形状を有する形状になり、且つ、
上記特定領域が凹字形状の場合は底面に、また、L字形
状の場合はいずれかの面に位置するように加工する工程
と、収束荷電粒子ビームによるエッチングにより、上記
特定領域が位置する面の幅と厚さを上記電子顕微鏡の電
子線が上記観察用試料の特定領域を通過できる幅と厚さ
にまで薄膜化する工程とを有している。
【0007】また、第2の発明に係る電子顕微鏡観察用
試料の固定装置は、特定領域を複数の方向から観察可能
な電子顕微鏡観察用試料を固定する電子顕微鏡観察用試
料の固定装置であって、電子顕微鏡観察用試料を観察す
べき角度に対応した段差が設けられた試料台と、前記電
子顕微鏡観察用試料が取り付けられる試料保持板と、こ
の試料保持板を試料台に固定する試料押さえとを具備し
ており、前記試料保持板は前記段差に対応した形状に形
成されているとともに、特定領域の断面と平面とを観察
する際の電子顕微鏡の電子線が透過する貫通孔が形成さ
れている。
【0008】
【実施例】図1は第1の発明の一実施例に係る電子顕微
鏡観察用試料の作成方法を示す説明図、図2はこの電子
顕微鏡観察用試料の作成方法で作成された試料を電子顕
微鏡で観察している状態を示す説明図、図3はこの電子
顕微鏡観察用試料の作成方法で作成した試料の斜視図、
図4はこの電子顕微鏡観察用試料の作成方法で作成した
他の形状の試料の斜視図、図5及び図6は電子顕微鏡観
察用試料の固定装置の斜視図、図7は第2の発明の一実
施例に係る電子顕微鏡観察用試料の固定装置の概略的斜
視図、図8は他の電子顕微鏡観察用試料の固定装置の概
略的斜視図、図9は試料を2つの方向から観察する場合
の説明図、図10は第2の発明の他の実施例に係る電子
顕微鏡観察用試料の固定装置の概略的斜視図、図11は
第2の発明の他の実施例に係る電子顕微鏡観察用試料の
固定装置の概略的斜視図、図12は矩形に劈開された試
料のエッジ部を観察する場合の説明図である。
【0009】まず、第1の発明の一実施例に係る電子顕
微鏡観察用試料の作成方法について説明する。図1
(A)に示すように、観察を必要とする特定領域11
(図面では『+』で示している)を中心として、収束荷
電粒子ビーム装置、レーザビーム加工装置或いはマイク
ロメスを用いて刻印12(図面では『・』で示してい
る)を4〜10個程度形成する(図面では4個の刻印1
2が形成されている。)。この刻印12は、高速回転外
周刃加工装置での切り出し、切削や、収束荷電粒子ビー
ム装置での薄片化加工の際の加工目標となる。
【0010】シリコンウエハ200に形成された加工ラ
イン14に沿って高速回転外周刃加工装置の刃13を走
らせ、特定領域11を含む試料1をシリコンウエハ20
0から切り出す。試料1は図1(B)に示すように、幅
寸法をa、高さ寸法をbとする。なお、実施例では、a
を70μm 程度とした。また、bはシリコンウエハ20
0の厚さ寸法と等しくなる。
【0011】試料1の天地を裏返し、両側からサポート
15によってステージ (図示省略)に固定する(図1
(C)参照)。このサポート15は、高速回転外周刃加
工装置による切削の際に、試料1が動かないように固定
するものであって、例えばシリコン片が用いられる。な
お、このサポート15は、試料1の切り出しと同時にシ
リコンウエハ200から切り出しておくことができ、そ
のようにすると、試料1と高さ寸法bが等しくなるとと
もに、同質であるので試料1の切削作業を安定して行う
ことができるという利点がある。また、このサポート1
5による固定には、熱溶解性のワックスを使用すると、
切削作業後の取り外しも容易である。
【0012】サポート15で固定された試料1を背面
側、すなわち特定領域11を含む面と対向する面側より
高速回転外周刃加工装置によって切削する(図1(D)
参照)。この切削は、図1(D)に示すように、試料1
の残し厚さ寸法をc、切削の深さ寸法をd、切削幅寸法
をeとする。なお、高速回転外周刃加工装置の刃13の
厚みをtとする。一般に、刃13の厚みtは、数十μm
であるので、1回の切削が完了するたびに、刃13を厚
さt以内の量だけ、X軸方向にスライドさせることによ
り、切削幅寸法eにわたって試料1を切削する。なお、
刃13の厚さtを試料1の幅寸法aより厚いものを選択
すれば、スライドを行うことなく1回の切削で切削深さ
dで加工を行うことも可能である。実施例では、刃13
を30000rpm、送り速度を1mm/min で行ってい
る。試料1の残し厚さ寸法cは、電子顕微鏡に装着可能
で、かつ取扱し易い強度を考慮して決定する必要があ
り、実施例では70μm とした。
【0013】さらに、試料1を凹字形状に形成する(図
1(E)参照)。この工程は、厚さt′の高速回転外周
刃加工装置の刃13′によって行われる。最終加工厚さ
fを20μm 、凹字形状試料側壁の幅寸法gを20μm
としている。従って、切削深さhは50μm となる。な
お、最終加工厚さf、幅寸法gは、その後のピンセット
等の扱いによって破損しない程度の厚さを選択すること
は勿論である。ここでは、試料1はシリコンであるの
で、それぞれを20μm とした。刃13′には厚さt′
が30μm 程度のものを使用する。
【0014】試料1を凹字形状に形成する際に使用する
高速回転外周刃加工装置は、高い位置合わせ精度が要求
されるが、本願出願人が出願した特願平03−1194
1号に記載されたものを使用すれば、高い位置合わせ精
度が充足される。この際には、刃13′を30000r
pmで回転させ、刃13′の送り速度を0.1mm/min
とすることが望ましい。
【0015】凹字形状に形成された試料1をステージか
ら取り外すが、2つのサポート15は熱溶解性のワック
スで固定されているのでステージを加熱する。試料1に
付着したワックスは、溶媒で洗浄する。
【0016】次に、試料1に対して収束荷電粒子ビーム
加工装置による薄片化を行う。まず、図1(F)に示す
ように、特定領域11に対して垂直な方向から収束荷電
粒子ビーム16を照射し、特定領域11を含んだ橋梁状
の橋梁部111を形成する。この橋梁部111は、収束
荷電粒子ビーム16を特定領域11を含んだ面の長手方
向縁部に照射し、特定領域11を含んだ加工残し幅寸法
iのエリアを残して加工領域17、17′(図1(F)
に斜線で示された部分)を収束荷電粒子ビームエッチン
グで除去することによって形成される。なお、この実施
例では、加工残し幅寸法iを1〜0.1μm とする。
【0017】次に、図1(G)に示すように、試料1の
特定領域11に対して水平な方向から収束荷電粒子ビー
ム16′を照射する。すなわち、橋梁部111の側面側
から裏面側に対して収束荷電粒子ビーム16′を照射
し、橋梁部111の裏面側18を収束荷電粒子ビームエ
ッチングで除去する。この時、加工残し寸法jは1〜
0.1μm とする。なお、加工残し寸法i、jは、電子
顕微鏡による観察の目的によって適宜選択すべきことは
勿論である。
【0018】ここで、試料1がシリコンであり、高分解
能観察を必要とする場合には、加工残し寸法i、jを
0.1μm 程度にまで薄片化する必要がある。その場合
に、両方を0.1μm にまで薄片化すると、強度的に弱
くなる。また、橋梁部111は四角柱状にならず、非常
に細い円柱状になってしまう場合もあるので、高分解能
観察が困難になる。従って、実際には、加工残し寸法
i、jの一方を0.1μmに薄片化した場合には、他方
を1μm 程度にして強度を確保するとともに、高分解能
観察が可能なようにした。
【0019】このようにして得られた試料1は、図2に
示すようにして観察される。すなわち、試料1の断面方
向の観察を行う場合には、試料1を横倒し、すなわち特
定領域11を含む面が横向きになるようにして電子顕微
鏡観察試料保持用の金属製の試料保持板20(一般に、
メッシュ又はグリッドと呼ばれる)の上に接着剤で接着
固定する。また、試料1の平面方向の観察を行う場合に
は試料保持板20に、特定領域11を含む面が上向きに
なるようにして試料保持板20の上に接着剤で接着固定
する。なお、図面中19は、電子線を示している。
【0020】この試料1が接着固定された試料保持板2
0は、図5に示すような電子顕微鏡観察用試料の固定装
置によって固定される。すなわち、円筒形状の試料台2
2の上に略リング状の試料保持板20を載置し、当該試
料保持板20の上にキャップ状の試料押さえ23を被せ
ることによって試料1を固定するのである。試料押さえ
23は、試料台22に外嵌めされるようになっており、
試料保持板20を押さえ込むようになっている。当該試
料押さえ23は、試料台22に対して負の嵌め合いとな
るように設定されており、なおかつ試料押さえ23の側
面には、一対の割込231が形成されている。この割込
231のために試料押さえ23は、試料台22にバネ力
をもって嵌め込まれるようになるのである。
【0021】また、図6に示すような電子顕微鏡観察用
試料の固定装置を用いることも可能である。この電子顕
微鏡観察用試料の固定装置は、上面に壁部241が形成
された略円筒形状の試料台24と、前記壁部241の内
側に嵌め込まれる略C字形状の試料押さえ25とを有し
ている。試料台24の壁部241は、一部が切り欠かれ
ている。さらに、試料押さえ25は、バネとして機能す
るようになっており、爪部251の間を縮めることによ
って壁部241の内側に嵌まり込むようになっている。
従って、爪部251が壁部241の切り欠き部分に当接
した状態で試料保持板20が試料台24に固定されるこ
とになる。
【0022】上述した実施例では、電子顕微鏡観察用試
料の作成方法で形成される試料1は、図3で示したよう
な形状を例としたが、本発明がこれに限定されるわけで
はなく、図4(A)〜(C)に示すような形状であって
もよい。このような形状の試料1は、図1(A)に示し
た工程において、試料1の表面側から切削深さhだけ切
削を行い、図1(D)に示す工程に以降することで得る
ことができる。
【0023】次に、第2の発明の一実施例に係る電子顕
微鏡観察用試料の固定装置について図7〜図11を参照
しつつ説明する。上述した電子顕微鏡観察用試料の固定
装置では、特定領域11を複数の方向、例えば断面方向
と平面方向とから観察するには、試料保持板20に接着
固定された試料1を一旦外す必要があるので、試料1が
破損する恐れがある。
【0024】そこで、本実施例に係る電子顕微鏡観察用
試料の固定装置は、このように破損の恐れがないように
構成されている。すなわち、この電子顕微鏡観察用試料
の固定装置は、図7に示すように、特定領域11を断面
方向及び平面方向の2つの方向から観察可能な試料1を
固定する電子顕微鏡観察用試料の固定装置であって、試
料1を観察すべき角度に対応した段差261が設けられ
た資料台26と、前記試料1が取り付けられる試料保持
板21と、この試料保持板21を資料台26に固定する
試料押さえ23とを備えており、前記試料保持板21は
前記段差261に対応した形状に形成されているととも
に、特定領域11の断面と平面とを観察する際の電子顕
微鏡の電子線が透過する貫通孔262が形成されてい
る。
【0025】図7に示す電子顕微鏡観察用試料の固定装
置は、特定領域11を互いに直交する2つの方向から観
察するためのものである。たのため、試料台26の上面
には直角に切り落とされた段差261が形成されてい
る。そして、この試料台26は円筒形状であり、中心が
電子顕微鏡の電子線が透過する貫通孔262となってい
る。そして、試料保持板21には、前記段差261に対
応するように直角に折曲形成されている。その他のも
の、すなわち試料押さえ23は、図5に示したものと同
一のものである。
【0026】このように構成された電子顕微鏡観察用試
料の固定装置の使用方法について説明する。まず、試料
1を試料保持板21に接着固定する。この際、図9
(A)及び(B)に示すように、試料保持板21の直交
する2面(以下、説明のために、斜線で示されている部
分を第1面211、点々で示されている部分を第2面2
12とする。)に、試料1の外面が密着するようにす
る。
【0027】そして、特定領域11の断面方向の観察を
行う場合には、第2面212が試料台26の段差261
の上面部261aに、第1面211が段差261の垂直
面部261bにそれぞれ密着するように試料保持板21
をセットする。そして、キャップ状の試料押さえ23を
試料台26に嵌め込んで、試料保持板21を試料台26
に固定する。そして、図9(A)に示すようにして特定
領域11の断面方向からの観察を行う。
【0028】特定領域11を平面方向から観察する場合
には、第1面211が段差261の上面部261aに、
第2面212が段差261の垂直面部261bにそれぞ
れ密着するように試料保持板21をセットする。そし
て、試料押さえ23によって試料保持板21を試料台2
6に固定する。そして、図9(B)に示すようにして特
定領域11の平面方向からの観察を行う。なお、この観
察の際の電子顕微鏡の電子線は前記貫通孔262を透過
するようになっている。
【0029】図9(C)及び(D)は、図3に示すよう
な形状の試料1に対して断面方向と平面方向とからの観
察を説明する図面である。これも、同図(A)及び
(B)の場合とまったく同様である。
【0030】次に、他の実施例に係る電子顕微鏡観察用
試料の固定装置について図8を参照しつつ説明する。こ
の電子顕微鏡観察用試料の固定装置は、図6に示された
ものを改良したものであって、上面に壁部271か形成
された略円筒形状の試料台27と、前記壁部271の内
側に嵌め込まれる略C字形状の試料押さえ28とを有し
ている。略円筒形状の前記試料台27は、中心が電子顕
微鏡の電子線が透過する貫通孔273となっている。
の固定装置が図6に示されたものと異なる点は、垂直に
切り落とされた段差272が試料台27に設けられてい
る点である。このため、試料押さえ28には、前記段差
272に対応した壁282が形成されている。試料台2
7の段差272に試料保持板21を保持させ、試料押さ
え28で固定する。試料1の観察方向の変更は、図7に
示されたものと同様にして行う。
【0031】図7及び図8に示した電子顕微鏡観察用試
料の固定装置は、試料1の特定領域11を互いに直交す
る2つの方向から観察する際に使用されるものであっ
た。しかし、以下に説明するように、試料台の段差の部
分を変更すれば、任意の角度から試料1を観察すること
ができるようになる。
【0032】すなわち、図10に示すように、45°の
段差291を有し、貫通孔292が貫通された略円筒形
状の試料台29と、この試料台29に試料保持板30を
固定するキャップ状の試料押さえ23(図5に示したも
のと同一)とを有する電子顕微鏡観察用試料の固定装置
であれば、試料1の特定領域11を45°傾いた方向か
ら観察することができる。なお、試料保持板30は、段
差291に対応した45°に折曲されていることは勿論
である。
【0033】また、図11に示すように、略C字形状の
試料押さえ31を用いた固定装置でも、図10に示した
ものと同様に貫通孔322が開設されて略円筒形状の
料台32の段差321を45°とすることも可能であ
る。
【0034】また、図12に示すように、矩形に劈開さ
れた試料1のエッジ部のごく先端部を観察するような場
合に、前記試料保持板30が有効である。
【0035】なお、上述した実施例では、試料台の段差
について直角のものと、45°のものとの2つを挙げて
説明したのみであるが、段差の角度を適宜変更すること
によって、試料1の観察方向を任意に変更することがで
きる。また、この電子顕微鏡観察用試料の固定装置を用
いると、試料傾斜装置を有しない電子顕微鏡でも試料の
角度傾斜を任意に行うことができる。
【0036】
【発明の効果】第1の発明に係る電子顕微鏡観察用試料
の作成方法は、同一観察用試料の特定領域を断面と平面
との両方向から観察可能な電子顕微鏡観察用試料を作成
する方法であって、電子顕微鏡観察を必要とする材料に
対して、電子顕微鏡に装着可能な幅に前記材料を切断す
る工程と、特定の場所に刻印を施す工程と、前記電子顕
微鏡に装着可能な幅に切り出された材料が凹字形状或い
はL字形状を有する形状になり、且つ、上記特定領域が
凹字形状の場合は底面に、また、L字形状の場合はいず
れかの面に位置するように加工する工程と、収束荷電粒
子ビームによるエッチングにより、上記特定領域が位置
する面の幅と厚さを上記電子顕微鏡の電子線が上記観察
用試料の特定領域を通過できる幅と厚さにまで薄膜化す
る工程とを有している。
【0037】従って、この電子顕微鏡観察用試料の作成
方法により形成された試料によると、特定領域を断面と
平面との両方向から観察可能となる。このため、シリコ
ン中に発生した結晶欠陥の一種である転位線を断面、平
面の両面から観察することができるので、立体的な結晶
欠陥形成状態を確認できる。
【0038】また、第2の発明に係る電子顕微鏡観察用
試料の固定装置は、特定領域を複数の方向から観察可能
な電子顕微鏡観察用試料を固定する電子顕微鏡観察用試
料の固定装置であって、電子顕微鏡観察用試料を観察す
べき角度に対応した段差が設けられた試料台と、前記電
子顕微鏡観察用試料が取り付けられる試料保持板と、こ
の試料保持板を試料台に固定する試料押さえとを具備し
ており、前記試料保持板は前記段差に対応した形状に形
成されているとともに、特定領域の断面と平面とを観察
する際の電子顕微鏡の電子線が透過する貫通孔が形成さ
れている。
【0039】従って、試料保持板を入れ換えることによ
って試料の特定領域を複数の方向から観察することがで
き、これに伴った試料の破損も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例に係る電子顕微鏡観察用
試料の作成方法を示す説明図である。
【図2】この電子顕微鏡観察用試料の作成方法で作成さ
れた試料を電子顕微鏡で観察している状態を示す説明図
である。
【図3】この電子顕微鏡観察用試料の作成方法で作成し
た試料の斜視図である。
【図4】この電子顕微鏡観察用試料の作成方法で作成し
た他の形状の試料の斜視図である。
【図5】電子顕微鏡観察用試料の固定装置の斜視図であ
る。
【図6】電子顕微鏡観察用試料の固定装置の斜視図であ
る。
【図7】第2の発明の一実施例に係る電子顕微鏡観察用
試料の固定装置の概略的斜視図である。
【図8】他の電子顕微鏡観察用試料の固定装置の概略的
斜視図である。
【図9】試料を2つの方向から観察する場合の説明図で
ある。
【図10】第2の発明の他の実施例に係る電子顕微鏡観
察用試料の固定装置の概略的斜視図である。
【図11】第2の発明の他の実施例に係る電子顕微鏡観
察用試料の固定装置の概略的斜視図である。
【図12】矩形に劈開された試料のエッジ部を観察する
場合の説明図である。
【符号の説明】
1 試料 11 特定領域 12 刻印 21 試料保持板 23 試料押さえ 26 試料台 261段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 1/28 W

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一観察用試料の特定領域を断面と平面
    との両方向から観察可能な電子顕微鏡観察用試料を作成
    する方法において、 電子顕微鏡観察を必要とする材料に対して、電子顕微鏡
    に装着可能な幅に前記材料を切断する工程と、 特定の場所に刻印を施す工程と、 前記電子顕微鏡に装着可能な幅に切り出された材料が凹
    字形状或いはL字形状を有する形状になり、且つ、上記
    特定領域が凹字形状の場合は底面に、また、L字形状の
    場合はいずれかの面に位置するように加工する工程と、 収束荷電粒子ビームによるエッチングにより、上記特定
    領域が位置する面の幅と厚さを上記電子顕微鏡の電子線
    が上記観察用試料の特定領域を通過できる幅と厚さにま
    で薄膜化する工程とを具備したことを特徴とする電子顕
    微鏡観察用試料の作成方法。
  2. 【請求項2】 前記刻印はマイクロメス、レーザビーム
    加工装置或いは収束荷電粒子ビーム装置により施すもの
    であることを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡観察
    用試料の作成方法。
  3. 【請求項3】 特定領域を複数の方向から観察可能な電
    子顕微鏡観察用試料を固定する電子顕微鏡観察用試料の
    固定装置において、 電子顕微鏡観察用試料を観察すべき角度に対応した段差
    が設けられた試料台と、前記電子顕微鏡観察用試料が取
    り付けられる試料保持板と、この試料保持板を試料台に
    固定する試料押さえとを具備しており、前記試料保持板
    は前記段差に対応した形状に形成されているとともに、
    特定領域の断面と平面とを観察する際の電子顕微鏡の電
    子線が透過する貫通孔が形成されていることを特徴とす
    電子顕微鏡観察用試料の固定装置。
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