JP3079278B2 - 携帯用電話機のためのホイップアンテナ - Google Patents

携帯用電話機のためのホイップアンテナ

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JP3079278B2
JP3079278B2 JP02108338A JP10833890A JP3079278B2 JP 3079278 B2 JP3079278 B2 JP 3079278B2 JP 02108338 A JP02108338 A JP 02108338A JP 10833890 A JP10833890 A JP 10833890A JP 3079278 B2 JP3079278 B2 JP 3079278B2
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Tokin Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、携帯用通信機器等に使用されるホイップア
ンテナの構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種のアンテナはほとんどのものがピアノ線
などによる鋼線で製造される。しかしながら、携帯無線
機のもつ機動性の高さや、携帯電話機のように一般家庭
で使用され幼児が玩具的に弄ぶことなどが多く、ホイッ
プアンテナは知らず知らずのうちに曲がったり、時とし
て折損することもある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はこれらの欠点を除去するため、携帯用電話機
のためのホイップアンテナにおいて、従来のアンテナ素
子の芯材として使われていた鋼線に代え、チタン−ニッ
ケル合金からなる超弾性線材を使用することで、仮にア
ンテナが応力を受けて曲がったとしても、応力を除去す
ることで容易にもとの形に復することができ、折損事故
をなくすこととした。
しかし、単に、芯材をチタン−ニッケル合金に置き換
えると、アンテナ素子の抵抗が高くなり、放射効率特性
も悪化し、結果として、利得の低下を招くことになる。
そこで、本発明は、折損事故を防ぐと共に、アンテナ
の利得低下をも防ぐことの可能な携帯用電話機のための
ホイップアンテナを提供することを目的とする。
ロ.発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、上述した課題を解決するための手段とし
て、次のような携帯用電話機のためのホイップアンテナ
を提供する。
すなわち、本発明によれば、携帯用電話機のためのホ
イップアンテナにおいて、アンテナ芯線に、超弾性を有
するチタン−ニッケル合金の線材を使用し、該アンテナ
芯線である前記チタン−ニッケル合金の線材の表面に
は、銅メッキが施されてなることを特徴とする携帯用電
話機のためのホイップアンテナが得られる。
従来の鋼線のアンテナでも多少の曲げ応力に対しては
元の形に復するが、弾性限度を越えた応力を受けた時は
曲がったままとなり、甚だしい時には折損に至る。
チタン−ニッケル合金の形状記憶線材を用いた場合
は、弾性限度を越える変形を受けても、加熱すると容易
に元の形に復することができる。これは換言すれば、変
形したアンテナは毎回加熱しなければならないことを意
味し、常用においては使用上の難点を有していると云わ
ざるを得ない。
本発明は、これらの問題点を解決するために、ホイッ
プアンテナにおいて、チタン−ニッケル合金からなる超
弾性を有する線材を使用することで、破損・変形や加熱
による矯正の煩わしさを解決することとした。即ち、本
発明におけるアンテナ素子の芯材は、単なる形状記憶線
材というだけでは不十分であり、超弾性を有することが
必要とされる。さもなければ、上記段落における形状記
憶線材を用いた場合の使用上の難点を解決し得ないから
である。
更に、超弾性を持つチタン−ニッケル合金は、電気抵
抗が約100μΩcmと通常の金属と比べて極めて大きいた
め、そのままアンテナに使用した時は表面抵抗が高くな
り、放射効率特性も低下し、結果として、利得が低下す
るなど、携帯用電話機用途としては、不都合の生ずる恐
れもある。そこで、本発明では、チタン−ニッケル合金
等からなる超弾性の芯材の表面に金属メッキ、特に銅メ
ッキを施すことでアンテナの放射効率特性の低下を防ぐ
こととした。
携帯電話機などで用いられる無線周波数は数百メガヘ
ルツにも及ぶため、アンテナで受信した信号は、極く表
面しか通らない。従って、チタン−ニッケル合金等の電
気抵抗の大きい点も極く表面のメッキ層の良導体(例え
ば、銅の良導体)で実用上は解決できる。
〔作用〕
チタン−ニッケル合金の超弾性を用いてホイップアン
テナの変形折損をなくし、且つ、表面に金属膜、特に銅
膜をメッキすることにより素材線の電気抵抗の大きい点
を補い、良好な放射効率特性を得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例を図面を用いて説明する。
第1図に示す携帯電話機は、一般家庭から工事現場用
などまで幅広い用途に使用され、一般家庭では幼児に玩
具的に弄ばれたり、工事現場では相当に激しい取り扱い
を受けて他の物と衝突することも度々ある。かかる場合
には、特に突起となっているホイップアンテナ1が一番
被害を被ることとなり、アンテナ素子11が曲がったり、
時として折れてしまうこともある。
これは、大抵のアンテナにおいては、アンテナ素子11
の材質として、ピアノ線などの鋼線を用いることから、
弾性限度以上の応力が加わると塑性変形してしまうため
である。一旦、塑性変形してしまうと、該変形した部分
を元の形に戻そうとしても、完全に戻すことは困難であ
り、しかも、強度が弱くなる欠点がある。
第2図のホイップアンテナ1の構造を示す外観正面図
からわかるように、アンテナ素子11の先端には、通常、
先の曲がりをなくす保護用のキャップ12が取り付けら
れ、根元には、接続用の接栓13が取り付けられている。
ここで、従来のアンテナと本発明のアンテナとの違い
は、アンテナ素子11の芯材としてNi−Cr超弾性合金の線
材を用い、その表面には銅メッキを施すことである。
アンテナ素子には、形状記憶合金の線材が用いられる
ことがあるが、外部応力を受けて変形したアンテナ素子
を元の直線状の形状に戻すには形状記憶合金を変態温度
以上の温度に加熱せねばならず、加熱せぬと変形したま
まになっているという欠点があった。
本発明に係る、携帯用電話機のホイップアンテナは、
芯材として超弾性合金を用いることにより、このような
欠点を除いたもので、どのような変形応力を受けても、
その応力が除去されると元の直線状の形状に容易に復す
ることができるものであり、アンテナ素子を折ってしま
うこともなくなる。
更に、本発明によれば、アンテナ芯材の表面に表面抵
抗を減ずるための金属メッキを施すことにより、アンテ
ナ芯材として超弾性合金を用いた場合の、アンテナの放
射効率特性の劣化を防ぐことができる。この点につい
て、以下に第3図を用いて説明する。
第3図は、ダイポール受信アンテナの電界指向性(放
射効率)測定値である。特性線イは、チタン−ニッケル
の超弾性合金線材をダイポール受信アンテナ素子に用い
た時の放射効率の測定値を示し、特性線ロは、この超弾
性素子の表面に厚さ50μmの銅メッキを施した時の放射
効率測定値である。特性線ハは、標準ダイポール受信ア
ンテナ素子での放射効率測定値である。
この測定には、送信側にログペリオディックアンテナ
を使用し、周波数900MHZ、電界強度100dpμvの信号を
送信した。送信アンテナと受信アンテナの距離は、10m
である。受信アンテナで受信した信号は、妨害波強度計
で測定した。
ダイポール受信アンテナは、それぞれについて、送信
アンテナに対して水平方向に360度回転させ測定してい
る。
特性線イに示すチタン−ニッケルの超弾性合金線材を
ダイポール受信アンテナ素子に用いたものの放射効率特
性は、特性線ハに示す標準ダイポールアンテナ素子に比
べて劣っている。これは、チタン−ニッケルなど超弾性
合金の電気抵抗が大きいためである。従って、玩具的用
途などでは有用であるが、用途的に限定されることにな
る。
特性線ロに示すチタン−ニッケル超弾性合金線材に銅
メッキを施したものの放射効率特性は、標準ダイポール
アンテナ素子と同等の値を示す。これは、電気信号が高
周波になるに従い、電流が導体の極く表面のみを流れる
という性質によっており、メッキによって材料表面の電
気抵抗を減じたためである。
このようにアンテナ素子の電気抵抗が高くとも、表面
にメッキを施すことで欠点を補うことができ、有用なア
ンテナを得ることができる。
表面に施すメッキの金属は、銅に限らずクロム、ニッ
ケル等でも同等の効果を得ることができる。
ハ.発明の効果 〔発明の効果〕 以上のように、本発明は、変形・破損が少なく、且
つ、良好な放射効率特性を呈する、実用に優れたホイッ
プアンテナを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一般的な携帯電話機におけるホイップアンテ
ナ使用状態を示す外観斜視図。 第2図は、ホイップアンテナ外観正面図である。 第3図は、各アンテナ素子によるダイポールアンテナで
の放射効率測定値である。(周波数900MHZで比較したも
のである。) イ……チタン−ニッケル超弾性合金線材をダイポールア
ンテナ素子にした時の特性線。 ロ……チタン−ニッケル超弾性合金線材の表面に厚さ50
μmの銅メッキを施してダイポールアンテナ素子にした
時の特性線。 ハ……標準ダイポールアンテナ素子の時の特性線。 1……ホイップアンテナ、11……アンテナ素子、12……
キャップ、13……接栓、2……携帯電話機。
フロントページの続き (72)発明者 手嶋 信 宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 鈴木 仁 宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号 株式会社トーキン内 (56)参考文献 特開 平3−16402(JP,A) 特開 昭60−111501(JP,A) 特開 昭51−5239(JP,A) 実開 昭59−132207(JP,U) 実開 昭63−68207(JP,U) 実開 昭59−29807(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】携帯用電話機のためのホイップアンテナに
    おいて、アンテナ芯線に、超弾性を有するチタン−ニッ
    ケル合金の線材を使用し、該アンテナ芯線である前記チ
    タン−ニッケル合金の線材の表面には、銅メッキが施さ
    れてなることを特徴とする携帯用電話機のためのホイッ
    プアンテナ。
JP02108338A 1990-04-24 1990-04-24 携帯用電話機のためのホイップアンテナ Expired - Lifetime JP3079278B2 (ja)

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