JP3079272U - コマ玩具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】相手が他のコマ玩具にぶつかったときに生じる
反発力によってゲーム盤から弾き出されてリングアウト
しにくいコマ玩具。 【解決手段】以下の要件を備えたこと。 （イ）複数の部材１、２、３を層状に取り付けて成るこ
と （ロ）最上部の上層部材には羽根部材１５が放射状に取
り付けられていること （ハ）上記羽根部材１５は回転方向に対して傾斜する傾
斜面１８を有し、回転時には上記傾斜面１８に沿って流
れる気流によりコマ玩具を下方に押し付けるように設け
られること

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は回転軸に接地効果の高いコマ玩具に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

従来よりコマ玩具は子供の遊びにおいて非常にポピュラーであり、友達どうし でおたがいのコマ玩具をぶつけあって、相手のコマ玩具を倒したり、決められた ゲームスペース（ゲーム盤）から弾き出したりして勝負を争う遊びがよく行なわ れている。

【０００３】 現在ではこのようなコマゲームにもいろいろな趣向が凝らされたものが多数実 施されており、例えばコマ玩具を分解可能に構成し、パーツを交換して回転特性 を変えて勝負に有利にチューンアップするものが提案されている。このように、 従来のものはコマ玩具の回転を安定にするものや、回転を早くするものなど、回 転を重視したものが多い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、おたがいのコマ玩具をぶつけあったときに、両コマ玩具がその 衝突によって簡単に倒れてしまうのを防ぐような機構のものはなく、この点の改 良が望まれていた。

【０００５】 本考案は上記問題点を解消し、相手のコマ玩具によって弾かれたときに、弾き 飛ばされないように接地効果を高めたコマ玩具を提供することをその課題とする 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案に係るコマ玩具は、以下の要件を備えたこと を特徴とする。 （イ）複数の部材を層状に取り付けて成ること （ロ）最上部の上層部材には羽根部材が放射状に取り付けられていること （ハ）上記羽根部材は回転方向に対して傾斜する傾斜面を有し、回転時には上記 傾斜面に沿って流れる気流によりコマ玩具を下方に押し付けるように設けられる こと

【０００７】 なお、前記複数の部材のうち少なくとも１つは、重錘部材とするのが好ましい 。

【０００８】 また、前記最上部の上層部材はそれ自体を回転させることにより飛ばすことが 可能であるようにするのが望ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図１において符号Ａはコマ玩具を示す。このコマ玩具Ａは、最下層のベース部 材１と、ベース部材１の上部に配置された中層部材２と、中層部材２の上部に配 置された上層部材３とから層状に取り付けられている。

【００１０】 ベース部材１は、図２に示すように、下面が倒立円錐状に形成され、その頂部 には回転軸５が形成されている。また、ベース部材１の上面には、中層部材２及 び上層部材３の取付部として円柱形状の取付台６が設けられている。この取付台 ６の上部には１対の切欠き部７が対向形成されている。各切欠き部７の下部の周 面には、平面から見て反時計方向に、互いに他の切欠き部７の近傍まで続く取付 溝８が形成されている。また、取付台６の両側には１対の凸部９が立設されてい る。

【００１１】 中層部材２は中央が開口した円板状（多角形状でもよい）に形成され、内縁部 １０には内側に突出する１対の張り出し片１１が対向形成され、各張り出し片１ １の中央には係合溝１２が形成されている。上記張り出し片１１間の間隔は上記 取付台６の直径よりも少し大きくなるように設定されている。なお、中層部材２ は他の部材に比べて重量の大きい重錘部材とし、通常は金属から構成するのが好 ましい。

【００１２】 上層部材３は同心円状の内外側リング１３、１４の間に羽根部材１５を放射状 に取り付けるとともに、内側リング１３の内側には１対の張り出し片１６が対向 形成され、各張り出し片１６の内縁部は円弧状で、上記ベース部材１の取付台６ に嵌り合う大きさに設定されている。上記張り出し片１６の内縁部の中央には係 止片１７が突出形成されている。そして、両側の係止片１７間の距離は、上記取 付台６の切欠き部７間の距離と略等しくなるように設定されている。

【００１３】 ところで、上記羽根部材１５は回転方向に対して傾斜する傾斜面１８を有する ように形成されている。

【００１４】 次に、上記構成の３部材を組み立てるときは、まず、図２のようにベース部材 １上に中層部材２を重ね、その凸部９と中層部材２の張り出し片１１の係合溝１ ２とを係合させる。そして、中層部材２上に上層部材３を重ね、上層部材３の係 止片１７とベース部材１の取付台６の切欠き部７とを合致するように位置決めし て、上層部材３を下方に押し込む。これにより、上層部材３の張り出し部は取付 台６の突片９上に支持され、係止片１７は取付溝８に臨む。そこで、図３のよう に上層部材３を回転させて上記係止片１７をベース部材１の取付溝８に沿って反 時計回りにその端部まで摺動させて上層部材３をベース部材１に装着する。上層 部材３の装着によって中層部材２はベース部材１に押圧固定される。以上により 、ベース部材１の上に中層部材２と上層部材３が層状に配置されたコマ玩具Ａが 完成する。

【００１５】 逆に、上記コマ玩具を分解するときは、上層部材３を上述と逆方向（時計方向 ）に回転して上層部材３の係止片１７とベース部材１の取付台６の切欠き部７と を合致させた後、上層部材３を上方に抜き出す。中層部材２も上方に引き出して 凸部９との係合を解除する。これにより、簡単に３部材は分解される。

【００１６】 上記構成のコマ玩具は公知のシューターによって回転させることができる。そ して、それ自体で通常の駒と同じように、回転させたり、回転時に上層部材３同 士を他のコマ玩具とぶつけて倒すというような遊びをすることができるが、コマ 玩具Ａは羽根部材１５を有し、羽根部材１５は回転方向に対して傾斜する傾斜面 １８を有するように形成されているので、回転時には図４に示されるように上記 傾斜面１８に沿って流れる気流（実線で示す）によりコマ玩具Ａは点線で示すよ うに下方に押し付けられる。このため、コマ玩具Ａの接地力は高まるから、他の コマ玩具との衝突時の反発力によっても弾き出されにくい。

【００１７】 なお、上層部材はコマ玩具とは別にそれ自体を、上述とは逆方向に回転させる ことにより浮揚力が得られるから、空中に飛ばすことが可能である。この場合の 回転もシューターによって行なえばよい。

【００１８】 なお、中層部材２を重錘部材として構成するときは、重量が重くなるから安定 性と耐衝撃性に優れる。

【００１９】 さらに、コマ玩具は上述の例のような３層構造のものに限定されない。２層で も、あるいは４層以上の構造であってもよい。

【００２０】

【考案の作用、効果】

請求項１に係る考案によれば、コマ玩具は羽根部材を有し、羽根部材は回転方 向に対して傾斜する傾斜面を有するように形成されているので、回転時には上記 傾斜面に沿って流れる気流によりコマ玩具は下方に押し付けられる。このため、 コマ玩具の接地力は高まるから、他のコマ玩具との衝突時の反発力によっても弾 き出されにくい。

【００２１】 請求項２に係る考案によれば、複数の部材のうち、少なくとも１つは重錘部材 であるから、コマ玩具としての優れた安定な回転特性を得ることができる。

【００２２】 請求項３に係る考案によれば、最上部の部材はそれ自体としても空中に飛ばし て遊ぶことができるので、遊びに幅ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るコマ玩具の斜視図

【図２】上記コマ玩具の分解斜視図

【図３】上記上層部材を約９０°回転させて取り付けた
状態の平面図

【図４】コマ玩具回転時の気流の作用を示す説明図

【符号の説明】

１ ベース部材 ２ 中層部材 ３ 上層部材 １５ 羽根部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 以下の要件を備えたことを特徴とするコ
   マ玩具。 （イ）複数の部材を層状に取り付けて成ること （ロ）最上部の上層部材には羽根部材が放射状に取り付
   けられていること （ハ）上記羽根部材は回転方向に対して傾斜する傾斜面
   を有し、回転時には上記傾斜面に沿って流れる気流によ
   りコマ玩具を下方に押し付けるように設けられること
2. 【請求項２】 前記複数の部材のうち少なくとも１つ
   は、重錘部材である、請求項１記載のコマ玩具。
3. 【請求項３】 前記最上部の上層部材はそれ自体を回転
   させることにより飛ばすことが可能である、請求項１記
   載のコマ玩具。