JP3079211B2 - 治療用π中間子照射方法 - Google Patents
治療用π中間子照射方法Info
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- JP3079211B2 JP3079211B2 JP03358250A JP35825091A JP3079211B2 JP 3079211 B2 JP3079211 B2 JP 3079211B2 JP 03358250 A JP03358250 A JP 03358250A JP 35825091 A JP35825091 A JP 35825091A JP 3079211 B2 JP3079211 B2 JP 3079211B2
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- Japan
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- pion
- irradiation
- magnetic field
- absorption peak
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、癌等の疾患部の放射
線による治療の技術分野に属する。
線による治療の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、市民生活が向上し、健康促
進が図られ、国民の平均寿命も伸びる傾向にあるが、更
なる医療の進歩が強く望まれており、さまざまな研究開
発がなされ、種々の技術が開発されている。
進が図られ、国民の平均寿命も伸びる傾向にあるが、更
なる医療の進歩が強く望まれており、さまざまな研究開
発がなされ、種々の技術が開発されている。
【0003】かかる医療技術の中で原因究明と治療と一
層の研究開発が望まれているものの中に癌等の疾患部に
対する治療があり、近時、π中間子やベーター線等の放
射線を用いた最新技術の応用の実用化が図られていきて
いる。
層の研究開発が望まれているものの中に癌等の疾患部に
対する治療があり、近時、π中間子やベーター線等の放
射線を用いた最新技術の応用の実用化が図られていきて
いる。
【0004】かかる放射線は癌等の疾患部に集中的に照
射することにより癌細胞破壊を行うようにされている。
射することにより癌細胞破壊を行うようにされている。
【0005】しかしながら、該種放射線治療においては
患者のみならず治療関係者も放射線被爆により正常細胞
破壊を生じることから平面領域は勿論のこと、表面から
の所定深さ領域に於ける疾患部に対する集中的な放射線
の照射が限定的に行わねばならないものである。
患者のみならず治療関係者も放射線被爆により正常細胞
破壊を生じることから平面領域は勿論のこと、表面から
の所定深さ領域に於ける疾患部に対する集中的な放射線
の照射が限定的に行わねばならないものである。
【0006】而して、これまで開発されているπ中間子
や重イオンによる放射線治療にあっては、不必要部分の
放射線被爆による正常細胞の破壊を避けるべく深さ方向
に集中的に照射を行うことには次のような問題があっ
た。
や重イオンによる放射線治療にあっては、不必要部分の
放射線被爆による正常細胞の破壊を避けるべく深さ方向
に集中的に照射を行うことには次のような問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】即ち、かかるπ中間子
や重イオンの疾患部に対する照射ゾーンに於いて2次荷
電粒子の発生を伴い、該2次荷電粒子発生部位に於ける
癌細胞破壊が行われるエネルギー吸収の吸収ピークが低
下してしまう不都合さがある。
や重イオンの疾患部に対する照射ゾーンに於いて2次荷
電粒子の発生を伴い、該2次荷電粒子発生部位に於ける
癌細胞破壊が行われるエネルギー吸収の吸収ピークが低
下してしまう不都合さがある。
【0008】したがって、π中間子や重イオンそのもの
は癌治療効果はあるものの、2次荷電粒子の広がりによ
り吸収ピークが薄れて集中的に疾患部に照射させること
が出来難い難点があり、疾患部以外の不必要部分に放射
線被爆が発生し、正常細胞破壊が生じてしまう欠点があ
った。
は癌治療効果はあるものの、2次荷電粒子の広がりによ
り吸収ピークが薄れて集中的に疾患部に照射させること
が出来難い難点があり、疾患部以外の不必要部分に放射
線被爆が発生し、正常細胞破壊が生じてしまう欠点があ
った。
【0009】図3に示す実験データからも分るように、
横軸に照射深さ(cm)を、又、縦軸に放射線照射の吸
収エネルギー(mR)をとると、さまざまなデータ(当
該図3では3つ)においても吸収ピークがシャープにな
り得ず、即ち、疾患部に集中的に吸収ピークが表れない
ことが作業上のネックとなっていた。
横軸に照射深さ(cm)を、又、縦軸に放射線照射の吸
収エネルギー(mR)をとると、さまざまなデータ(当
該図3では3つ)においても吸収ピークがシャープにな
り得ず、即ち、疾患部に集中的に吸収ピークが表れない
ことが作業上のネックとなっていた。
【0010】ところで、π中間子と重イオンを癌疾患部
等の治療に用いる場合に上記吸収ピークについて比較す
ると、重イオンについては鋭いものの、π中間子では重
イオンに比べて劣り、これに対し、ピーク付近での吸収
割合は重イオンに比し、π中間子の方が大きく、又、施
設等現実問題としての設備上での加速器の建設費につい
てはπ中間子の場合は重イオンの場合に比し数分の1で
済み、したがって、吸収ピークについて以外はπ中間子
の方が重イオンよりも実使用性に富んでいることが分
り、この点からしてπ中間子の本来的な採用が望まれる
にもかかわらず、2次荷電粒子発生による吸収ピークの
ぼけがネックとなっていた。
等の治療に用いる場合に上記吸収ピークについて比較す
ると、重イオンについては鋭いものの、π中間子では重
イオンに比べて劣り、これに対し、ピーク付近での吸収
割合は重イオンに比し、π中間子の方が大きく、又、施
設等現実問題としての設備上での加速器の建設費につい
てはπ中間子の場合は重イオンの場合に比し数分の1で
済み、したがって、吸収ピークについて以外はπ中間子
の方が重イオンよりも実使用性に富んでいることが分
り、この点からしてπ中間子の本来的な採用が望まれる
にもかかわらず、2次荷電粒子発生による吸収ピークの
ぼけがネックとなっていた。
【0011】そして、図4に示す様に、電子ビームによ
り発生されたπ中間子を(ロ)の様に照射させた場合、
そのエネルギーが最大に吸収される部位で2次荷電粒子
が(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)の様に、発生し拡散するた
めに目的とする疾患部への照射方向の集中的なπ中間子
の照射が妨げられる現象が生じることが分っている。
り発生されたπ中間子を(ロ)の様に照射させた場合、
そのエネルギーが最大に吸収される部位で2次荷電粒子
が(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)の様に、発生し拡散するた
めに目的とする疾患部への照射方向の集中的なπ中間子
の照射が妨げられる現象が生じることが分っている。
【0012】出願人は自由電子レーザー等の技術開発に
伴って、放射線の治療技術も随伴的に研究する過程にお
いてπ中間子も荷電粒子であることから、その照射ゾー
ンに於いて発生する2次荷電粒子が磁力線に影響し得る
点に着目し、π中間子と2次荷電粒子との磁場における
相反する効果的な作用を用いて技術的に上述問題点を解
決し得ることが可能であることを解析し得たものであ
る。
伴って、放射線の治療技術も随伴的に研究する過程にお
いてπ中間子も荷電粒子であることから、その照射ゾー
ンに於いて発生する2次荷電粒子が磁力線に影響し得る
点に着目し、π中間子と2次荷電粒子との磁場における
相反する効果的な作用を用いて技術的に上述問題点を解
決し得ることが可能であることを解析し得たものであ
る。
【0013】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づくπ中間子の癌疾患部への照射による放射線治療の
問題点を解決すべき技術的課題とし、疾患部へのπ中間
子の照射を行いながら、照射ゾーンに於いて発生する2
次荷電粒子の存在を前提としながらも、該2次荷電粒子
を磁場に於いて抑制し、吸収ピークをシャープにし得る
ようにし、π中間子の疾患部の対象部に於ける細胞破壊
を集中的に行えるようにして医療産業における放射線技
術利用分野に益する優れた治療用π中間子照射方法を提
供せんとするものである。
基づくπ中間子の癌疾患部への照射による放射線治療の
問題点を解決すべき技術的課題とし、疾患部へのπ中間
子の照射を行いながら、照射ゾーンに於いて発生する2
次荷電粒子の存在を前提としながらも、該2次荷電粒子
を磁場に於いて抑制し、吸収ピークをシャープにし得る
ようにし、π中間子の疾患部の対象部に於ける細胞破壊
を集中的に行えるようにして医療産業における放射線技
術利用分野に益する優れた治療用π中間子照射方法を提
供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、施設的に加速器の建造
費が安く、照射ゾーンに於ける吸収ピーク付近での吸収
割合が大きく、癌等の疾患部に対する放射線治療効果が
大きく期待出来る治療用のπ中間子照射において、癌等
の疾患部に対し加速器からの電子ビームにより発生され
たπ中間子が当該疾患部の対象部に照射されるに際し、
その照射ゾーンに該照射方向に沿う磁場、即ち、照射方
向に直角に交叉する磁力線を発生させ、したがって、磁
場に沿う方向に照射されるπ中間子はほとんど磁力線に
より影響を受けず、これに対し照射方向で発生する2次
荷電粒子は磁力線に拘束されて拡散を抑えられ磁場に巻
き付くようにされ、したがって、2次荷電粒子の拡散が
抑えられて吸収ピークがシャープになり、疾患部の対象
部に集中的に照射され、又、照射方向に銅やアルミニウ
ム等の吸収体を介装させてπ中間子の深さ方向の制御を
行い、集中的に疾患部にπ中間子を照射して結果的に癌
細胞破壊等を行うようにし必要部分以外の放射線被爆に
よる正常細胞破壊を防止することが出来るようにした技
術的手段を講じたものである。
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、施設的に加速器の建造
費が安く、照射ゾーンに於ける吸収ピーク付近での吸収
割合が大きく、癌等の疾患部に対する放射線治療効果が
大きく期待出来る治療用のπ中間子照射において、癌等
の疾患部に対し加速器からの電子ビームにより発生され
たπ中間子が当該疾患部の対象部に照射されるに際し、
その照射ゾーンに該照射方向に沿う磁場、即ち、照射方
向に直角に交叉する磁力線を発生させ、したがって、磁
場に沿う方向に照射されるπ中間子はほとんど磁力線に
より影響を受けず、これに対し照射方向で発生する2次
荷電粒子は磁力線に拘束されて拡散を抑えられ磁場に巻
き付くようにされ、したがって、2次荷電粒子の拡散が
抑えられて吸収ピークがシャープになり、疾患部の対象
部に集中的に照射され、又、照射方向に銅やアルミニウ
ム等の吸収体を介装させてπ中間子の深さ方向の制御を
行い、集中的に疾患部にπ中間子を照射して結果的に癌
細胞破壊等を行うようにし必要部分以外の放射線被爆に
よる正常細胞破壊を防止することが出来るようにした技
術的手段を講じたものである。
【0015】
【実施例】次に、この出願の発明の1実施例を図1,図
2に従って説明すれば以下の通りである。
2に従って説明すれば以下の通りである。
【0016】尚、図4と同一態様部分は同一符号を用い
て説明するものとする。
て説明するものとする。
【0017】図1に示す態様においては、1はこの出願
の発明の治療用π中間子照射方法に直接使用する装置で
あって図示するものは原理的な態様である。
の発明の治療用π中間子照射方法に直接使用する装置で
あって図示するものは原理的な態様である。
【0018】そして、2は永久磁石,電磁石等の磁石で
あり、癌等の疾患部を有する患者3の疾患部の前後に対
向して磁極4,4' がセットされるようにされており、
当該磁極4,4' は磁束が疾患部の対象部に集中し易い
ように図示する如く、対向部がテーパーコーン円錐台形
状に形成されており、又、患者3の疾患部の対象部にセ
ットされるN極側にはπ中間子(ロ)が通過するポート
状のスリット6が形成され、N極からS極に向う磁場に
平行にπ中間子(ロ)を照射することが出来るようにさ
れている(磁場の極性は逆でも良い)。
あり、癌等の疾患部を有する患者3の疾患部の前後に対
向して磁極4,4' がセットされるようにされており、
当該磁極4,4' は磁束が疾患部の対象部に集中し易い
ように図示する如く、対向部がテーパーコーン円錐台形
状に形成されており、又、患者3の疾患部の対象部にセ
ットされるN極側にはπ中間子(ロ)が通過するポート
状のスリット6が形成され、N極からS極に向う磁場に
平行にπ中間子(ロ)を照射することが出来るようにさ
れている(磁場の極性は逆でも良い)。
【0019】而して、π中間子(ロ)の照射ゾーンに於
いてはπ中間子(ロ)の患者3の疾患部の対象部に対す
る照射深さをコントロールする銅やアルミニウム等の所
定の吸収体5がコントロール能の大きさを決める所定厚
さにされてセット,リセット自在にされている。
いてはπ中間子(ロ)の患者3の疾患部の対象部に対す
る照射深さをコントロールする銅やアルミニウム等の所
定の吸収体5がコントロール能の大きさを決める所定厚
さにされてセット,リセット自在にされている。
【0020】そして、π中間子(ロ)は図示しない加速
器により入射された電子ビームによりターゲットを介し
放射されて収束されて在来態様同様に集中的にπ中間子
ビームとされて磁極4のスリット6に同心的に入射され
て患者3の照射対象部の疾患部に入射されていく。
器により入射された電子ビームによりターゲットを介し
放射されて収束されて在来態様同様に集中的にπ中間子
ビームとされて磁極4のスリット6に同心的に入射され
て患者3の照射対象部の疾患部に入射されていく。
【0021】而して、前述した如く、照射されるπ中間
子(ロ)は磁場に平行に沿って照射され、即ち、磁力線
はこれに交叉する方向に調整されるために、磁束に沿っ
て照射され、不可避的に発生する2次荷電粒子は磁力線
にフレミングの法則により偏向力を受けて図4に示す様
には拡散せず、図2に示す様に、偏向力を受けて磁場に
取り込まれるようになり、その結果、前述した如く吸収
ピークは弱められず、磁場に取り込まれ、吸収ピークは
シャープになり、最も吸収エネルギーを失い易い照射ゾ
ーンが対象部の疾患部であるように位置決めして患者3
をセットすることにより、又、吸収体5の照射方向1、
及び、その厚みを最適にすることによりシャープな吸収
ピークが現出されて疾患部に対し効果的な細胞破壊を行
い、不必要部分の放射線被爆による正常細胞破壊が阻止
される。
子(ロ)は磁場に平行に沿って照射され、即ち、磁力線
はこれに交叉する方向に調整されるために、磁束に沿っ
て照射され、不可避的に発生する2次荷電粒子は磁力線
にフレミングの法則により偏向力を受けて図4に示す様
には拡散せず、図2に示す様に、偏向力を受けて磁場に
取り込まれるようになり、その結果、前述した如く吸収
ピークは弱められず、磁場に取り込まれ、吸収ピークは
シャープになり、最も吸収エネルギーを失い易い照射ゾ
ーンが対象部の疾患部であるように位置決めして患者3
をセットすることにより、又、吸収体5の照射方向1、
及び、その厚みを最適にすることによりシャープな吸収
ピークが現出されて疾患部に対し効果的な細胞破壊を行
い、不必要部分の放射線被爆による正常細胞破壊が阻止
される。
【0022】而して、磁石2の磁場の強さは患者3に対
する影響の大きさ等が心配されるような大きさのもので
ある必要はなく、例えば、1〜2キロガウス程度で良
く、したがって、施設的にも大がかりにならずに済むも
のである。
する影響の大きさ等が心配されるような大きさのもので
ある必要はなく、例えば、1〜2キロガウス程度で良
く、したがって、施設的にも大がかりにならずに済むも
のである。
【0023】そして、上述の如く、π中間子(ロ)は一
方の磁極4から他方の磁極4' に向けて全ての磁力線に
沿う方向に照射されることから、その照射にはほとんど
影響がなく、これに対し発生する2次荷電粒子は磁力線
に直角に交叉する方向であるためにその拘束力を確実に
受けて偏向し、図2に示す様に、旋回して磁場に確実に
取り込まれ、周辺に対する拡散が防止され、吸収ピーク
の低下が防がれ吸収ピークがシャープになるものであ
る。
方の磁極4から他方の磁極4' に向けて全ての磁力線に
沿う方向に照射されることから、その照射にはほとんど
影響がなく、これに対し発生する2次荷電粒子は磁力線
に直角に交叉する方向であるためにその拘束力を確実に
受けて偏向し、図2に示す様に、旋回して磁場に確実に
取り込まれ、周辺に対する拡散が防止され、吸収ピーク
の低下が防がれ吸収ピークがシャープになるものであ
る。
【0024】又、図3に示す様に、吸収体5の対象部の
疾患部に対する距離(横軸)、及び、厚みを変えること
により適宜吸収の最大値はコントロール出来、磁場にお
ける磁力線の疾患部に対する最適位置決めは磁石2と患
者3の相対移動により決められ深さ方向は吸収体5の位
置と厚みによりコントロール出来、したがって、癌等の
疾患部に対するπ中間子(ロ)集中的な最適照射が行え
る。
疾患部に対する距離(横軸)、及び、厚みを変えること
により適宜吸収の最大値はコントロール出来、磁場にお
ける磁力線の疾患部に対する最適位置決めは磁石2と患
者3の相対移動により決められ深さ方向は吸収体5の位
置と厚みによりコントロール出来、したがって、癌等の
疾患部に対するπ中間子(ロ)集中的な最適照射が行え
る。
【0025】このようにして、この出願の発明において
は、癌等の疾患部に対するπ中間子を集中的にスポット
的に照射して癌細胞破壊を行い、重イオンに比し吸収ピ
ークの点で重イオンに劣る部分のみを磁場の形成により
カバーし、ピーク付近での吸収割合が高く、加速器建設
費が易くて済む利点を加味して全体的に重イオンに対し
て優れた治療施設とすることが出来、確実な放射線治療
を行うことが出来る。
は、癌等の疾患部に対するπ中間子を集中的にスポット
的に照射して癌細胞破壊を行い、重イオンに比し吸収ピ
ークの点で重イオンに劣る部分のみを磁場の形成により
カバーし、ピーク付近での吸収割合が高く、加速器建設
費が易くて済む利点を加味して全体的に重イオンに対し
て優れた治療施設とすることが出来、確実な放射線治療
を行うことが出来る。
【0026】この場合、磁石の磁極4,4' について図
示する様に、円錐台形状等に形成することにより磁束の
密度を高めることが出来る。
示する様に、円錐台形状等に形成することにより磁束の
密度を高めることが出来る。
【0027】尚、この出願の発明の実施態様は上述各実
施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、π中
間子ビームの断面積を広くしたり、細くしたりすること
は慣用技術であるために実使用に際しての適宜設計事項
として取り入れする等種々の態様が採用可能である。
施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、π中
間子ビームの断面積を広くしたり、細くしたりすること
は慣用技術であるために実使用に際しての適宜設計事項
として取り入れする等種々の態様が採用可能である。
【0028】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に国民の健康にとって大きなネックであり、克服すべき
残された重要な問題である癌治療等にとって従来から有
力な治療方法である放射線治療においてピーク付近での
吸収割合が比較的大きく電子加速器等の建造費が安くて
済むという実用性において優れたπ中間子を疾患部に照
射することによるネックとなっていた2次荷電粒子発生
によるスターフォーメーション形成による吸収ピーク低
下等の点がπ中間子の照射ゾーンに於いて磁場を付与す
ることにより照射ゾーンで発生する2次荷電粒子の拡散
を抑制して磁場に取り込んで吸収ピークのシャープ化が
確実に現出され、π中間子照射による癌等の疾患部付近
の正常細胞破壊が行われるという優れた効果が奏され
る。
に国民の健康にとって大きなネックであり、克服すべき
残された重要な問題である癌治療等にとって従来から有
力な治療方法である放射線治療においてピーク付近での
吸収割合が比較的大きく電子加速器等の建造費が安くて
済むという実用性において優れたπ中間子を疾患部に照
射することによるネックとなっていた2次荷電粒子発生
によるスターフォーメーション形成による吸収ピーク低
下等の点がπ中間子の照射ゾーンに於いて磁場を付与す
ることにより照射ゾーンで発生する2次荷電粒子の拡散
を抑制して磁場に取り込んで吸収ピークのシャープ化が
確実に現出され、π中間子照射による癌等の疾患部付近
の正常細胞破壊が行われるという優れた効果が奏され
る。
【0029】又、吸収ピークのシャープ化が行われ、
又、疾患部の対象部の手前に銅,アルミニウム等の吸収
体をセットすることによるπ中間子照射の深さコントロ
ールが出来ることと相俟って、疾患部にスポット的に集
中的にπ中間子を照射させることが出来るという効果が
ある。
又、疾患部の対象部の手前に銅,アルミニウム等の吸収
体をセットすることによるπ中間子照射の深さコントロ
ールが出来ることと相俟って、疾患部にスポット的に集
中的にπ中間子を照射させることが出来るという効果が
ある。
【0030】そして、前述した如く重イオン照射等に比
し電子加速器建造費が著しく安いことから実使用性が高
められるという利点もある。
し電子加速器建造費が著しく安いことから実使用性が高
められるという利点もある。
【0031】そして、吸収ピークがシャープ化されるこ
とにより疾患部以外の正常細胞破壊が防止され、放射線
被爆のデメリットが防がれるという効果もある。
とにより疾患部以外の正常細胞破壊が防止され、放射線
被爆のデメリットが防がれるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の模式平面図であ
る。
る。
【図2】照射π中間子における2次荷電粒子の磁場への
取り込み模式図である。
取り込み模式図である。
【図3】π中間子の照射における深さ方向に対する吸収
ピークの変化状態を示す実験データグラフ図である。
ピークの変化状態を示す実験データグラフ図である。
【図4】磁場のないπ中間子照射における2次荷電粒子
の拡散模式図である。
の拡散模式図である。
3 患者 2 磁石 (ロ) π中間子 (ハ)(ニ)(ホ)(ヘ) 2次荷電粒子 (イ) 吸収ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大脇 清人 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石技術研究所内 審査官 中塚 直樹 (56)参考文献 特開 昭61−294749(JP,A) 特開 昭48−78399(JP,A) 特開 昭55−151300(JP,A) 特開 平1−131675(JP,A) 特開 昭58−171687(JP,A) 特開 昭60−105982(JP,A) 実開 昭59−107473(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 5/04 A61N 5/10 JICSTファイル(JOIS)
Claims (4)
- 【請求項1】疾患部に対するπ中間子の照射を照射プロ
セスでの深さ方向吸収ピークを制御して行うようにする
治療用π中間子照射方法において、上記π中間子の照射
ゾーンに磁場を形成させるようにすることを特徴とする
治療用のπ中間子照射方法。 - 【請求項2】上記磁場の磁力線の方向をπ中間子の照射
方向に交叉させるようにすることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の治療用π中間子照射方法。 - 【請求項3】上記磁場の磁束を対向する磁極間に集中さ
せるようにすることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の治療用π中間子照射方法。 - 【請求項4】疾患部に対するπ中間子の照射を照射プロ
セスでの深さ方向吸収ピークを制御して行うようにする
治療用π中間子照射方法において、上記π中間子の照射
ゾーンに磁場を形成させ、併せてπ中間子の照射方向に
吸収体を介装させるようにすることを特徴とする治療用
のπ中間子照射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03358250A JP3079211B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 治療用π中間子照射方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03358250A JP3079211B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 治療用π中間子照射方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06258499A JPH06258499A (ja) | 1994-09-16 |
JP3079211B2 true JP3079211B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=18458312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03358250A Expired - Lifetime JP3079211B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 治療用π中間子照射方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3079211B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11281797A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-10-15 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電粒子線照射装置 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP03358250A patent/JP3079211B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06258499A (ja) | 1994-09-16 |
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