JPH11281797A - 荷電粒子線照射装置 - Google Patents

荷電粒子線照射装置

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JPH11281797A
JPH11281797A JP10085415A JP8541598A JPH11281797A JP H11281797 A JPH11281797 A JP H11281797A JP 10085415 A JP10085415 A JP 10085415A JP 8541598 A JP8541598 A JP 8541598A JP H11281797 A JPH11281797 A JP H11281797A
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JP
Japan
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charged particle
particle beam
magnetic field
irradiation
range
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JP10085415A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kanematsu
伸幸 兼松
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の荷電粒子線照射装置では、荷電粒子ビ
ームが、荷電粒子線照射装置を構成する各装置、及び患
者の体内を経ることにより、ビーム拡散装置や飛程変調
装置での調整に加えて更なる散乱効果が加えられ、その
照射野の境界があいまいになっていた。このため、患者
の患部以外の部分に荷電粒子線が照射されるという問題
があった。 【解決手段】 荷電粒子線を射出する照射部と、上記荷
電粒子線の調整を行う調整部と、この調整された荷電粒
子線に平行な磁場を発生させる磁場発生部と、上記磁場
を経た荷電粒子線が照射される被照射体の被照射部とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は荷電粒子線を被照
射体に照射する荷電粒子線照射装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】このような荷電粒子線照射装置の例とし
ては、被照射体をがんを患う患者とし、被照射部を治療
が必要な患部とした荷電粒子線治療装置に応用されてい
る。この荷電粒子線治療装置の例としては、図6に示し
たものがある。この図6は、従来の荷電粒子線治療装置
の構成を示す構成図である。
【0003】図6において、1は荷電粒子ビームであ
る。2はビーム拡大装置であり、荷電粒子ビーム1が入
射される。3は飛程変調装置であり、ビーム拡大装置2
から射出された荷電粒子ビーム1が入射される。4は飛
程調整装置であり、飛程変調装置3から射出された荷電
粒子ビーム1が入射される。6は飛程補償装置であり、
飛程調整装置4から射出された荷電粒子ビーム1が、照
射野限定装置5を経て、入射される。7は被照射体であ
る患者であり、飛程補償装置6から射出された荷電粒子
ビーム1が入射される。8は被照射部である患部であ
り、患者7に入射された荷電粒子ビーム1が照射され
る。
【0004】次に、図6に示す従来の荷電粒子線治療装
置の動作について説明する。まず、照射機器から荷電粒
子線である荷電粒子ビーム1が射出される。なお、この
荷電粒子ビーム1は単一エネルギーのものである。そし
て、この荷電粒子ビーム1は、ビーム拡大装置2に入射
される。そして、この荷電粒子ビーム1は拡大され出力
される。次に、ビーム拡大装置2から出力された荷電粒
子ビーム1は、飛程変調装置3に入射される。この飛程
変調装置3は、入射された荷電粒子ビーム1を患部8の
厚さに則した体内飛程分布を有するように調整し出力す
る。なお、患部8の厚さは、患部8に関する図6中のz
軸方向の所定の幅を指す。
【0005】そして、飛程変調装置3から出力された荷
電粒子ビーム1は、飛程調整装置4に入射される。この
飛程調整装置4は、飛程調整装置3で調整された荷電粒
子ビーム1の体内飛程分布が、患部8全体の位置と適合
するように調整する。この飛程調整装置4の例としては
レンジシフタがある。そして、飛程調整装置3から出力
された荷電粒子ビーム1は、照射野限定装置5により、
その照射野が設定される。この照射野とは、患部8のx
−y二次元投影形状に合わせて設定されるものであり、
この照射野限定装置5の例としてはコリメータがある。
照射野限定装置5を経た荷電粒子ビーム1は、飛程補償
装置6に入射される。この飛程補償装置6は、患部8の
三次元形状に合わせて荷電粒子ビーム1の体内飛程分布
を調整し、患部8以外への照射を抑制する。この飛程補
償装置6の例としてはボーラスがある。この飛程補償装
置6を経て出力された荷電粒子ビーム1は、患者7の患
部8を照射する。
【0006】また、荷電粒子線照射装置の例としては、
被照射体を通過した荷電粒子線を検出し、この検出結果
に基づく被照射体の投影画像を作成する荷電粒子線撮像
装置に応用されている。この荷電粒子撮像装置の例とし
ては、図7に示したものがある。この図7は、従来の荷
電粒子線撮像装置の構成を示す構成図である。図7にお
いて、9は粒子検出器であり、照射機器から射出された
荷電粒子ビーム1が患者7の患部8を通過して入射され
る。粒子検出器9は、患者7の患部8を経て入射された
荷電粒子に関する位置、速度、エネルギー、残飛程等を
検出し、患者7を経て入射された荷電粒子のエネルギー
損失が算出され、当該荷電粒子が粒子検出器9に到るま
でに通過した患者7の物質厚が求められ、荷電粒子線投
影画像(以下、ラジオグラフィーと称する。)が得られ
る。なお、図7において、図6に示す従来例と同一又は
相当の部分には同一符号を付してその説明を省略し、図
6と相違する部分について説明した。
【0007】次に、図7に示す従来の荷電粒子線撮像装
置の動作について説明する。照射機器から射出された荷
電粒子ビーム1は、患者7を通過して粒子検出器9に入
射される。荷電粒子ビーム1が入射された粒子検出器9
は、入射された荷電粒子に関する位置、速度、エネルギ
ー、残飛程等を検出し、荷電粒子のエネルギー損失を算
出し、当該荷電粒子が粒子検出器9に到るまでに通過し
た患者7の物質厚が求められる。そして、この粒子検出
器9により、当該患者7に関する荷電粒子線ラジオグラ
フィーが得られる。なお、図7において、図6に示す従
来例と同一又は相当の部分には同一符号を付してその説
明を省略し、図6と相違する部分について説明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような荷電粒
子線照射装置においては、各種装置や患者7の体内を経
るごとに荷電粒子ビーム1が拡散し、荷電粒子ビームの
照射野の境界があいまいになる。これは、荷電粒子ビー
ム1が、荷電粒子線照射装置を構成する各装置、及び患
者7の体内を経ることにより、ビーム拡散装置2や飛程
変調装置3での調整に加えて更なる散乱効果が加えられ
るためである。このように、更なる散乱効果が加えられ
た荷電粒子ビーム1は、患者7に照射される時点で、ビ
ーム軸に対する直交方向の運動量成分を有することが多
くなる。なお、ビーム軸とは、荷電粒子ビーム1がビー
ム拡大装置2に入射する際の方向軸とする。このため、
患部8以外の不必要な部分に荷電粒子線の照射が行われ
る問題がある。
【0009】また、荷電粒子線撮像装置においては、荷
電粒子ビーム1が拡散して荷電粒子ビームの照射野の境
界があいまいになるため、得られる画像の解像度が低い
という問題がある。
【0010】本発明は、これらの問題に鑑みなされたも
のであり、荷電粒子ビーム1の拡散を抑え、荷電粒子ビ
ーム1の照射野の境界を明確にする荷電粒子線照射装置
を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる荷電粒
子線装置は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子
線の調整を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に
平行な磁場を発生させる磁場発生部と、磁場を経た荷電
粒子線が照射される被照射体の被照射部とを有するもの
である。
【0012】また、この発明にかかる荷電粒子線装置
は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子線の調整
を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に平行な磁
場を発生させる磁場発生部と、磁場の中に載置され、磁
場により進行方向が修正された荷電粒子線が照射される
被照射体の被照射部とを有するを有するものである。
【0013】さらに、この発明にかかる荷電粒子線装置
は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子線の調整
を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に平行な磁
場を発生させる磁場発生部と、磁場を経て調整された荷
電粒子線が照射される被照射体と、被照射体を経た荷電
粒子線が入射される検出部とを有するものである。
【0014】また、この発明にかかる荷電粒子線装置
は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子線の調整
を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に平行な磁
場を発生させる磁場発生部と、磁場の中に載置され、磁
場により進行方向が修正された荷電粒子線が照射される
被照射体と被照射体を経た荷電粒子線が入射される検出
部とを有するものである。
【0015】さらに、この発明にかかる荷電粒子線装置
は、調整部が入射された荷電粒子線の幅、飛程、照射
野、及び照射位置を調整するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明における荷
電粒子治療装置の一実施形態を図1について用いて説明
する。図1は実施形態1の荷電粒子治療装置の断面を示
す断面図である。図1において、荷電粒子ビーム1は、
照射機器から射出され、ビーム拡大装置2及び飛程変調
装置3を経て出力される。10は磁石であり、スリット
状の空間11を有する。
【0017】飛程変調装置3から出力された荷電粒子ビ
ーム1は、この磁石10の空間11を通過し、飛程調整
装置4に入射する。そして、飛程調整装置4から出力さ
れた荷電粒子ビーム1は、照射野限定装置5によりその
照射野が形成され、飛程補償装置6に入射する。この飛
程補償体6から出力された荷電粒子ビーム1は、患者7
の患部8を照射する。なお、患部8を有する患者7は、
磁石10により発生した平行磁場の中に載置される。つ
まり、患者7が受ける磁場の方向と、ビーム拡大装置2
に入射される荷電粒子ビーム1のビーム軸の方向とは、
ほぼ平行である。
【0018】また、磁石10の設けられる位置は、飛程
変調装置3と飛程調整装置4との間以外でもよい。つま
り、飛程調整装置4と照射野限定装置5との間や、照射
野限定装置5と飛程補償装置6との間や、飛程補償装置
6の下流で飛程補償装置6から出力された荷電粒子ビー
ム1が平行磁場の中を通過して患者7に照射されるよう
にしてもよい。さらに、磁石10による磁場の発生原理
や磁石10の形状等は問わない。例えば、U字型やコの
字型の磁石10の2端間に患者7を載置する。
【0019】また、磁石10による磁場の強度は一様で
なくてもよく、患者7が載置される照射領域内において
所定の磁場強度が得られればよい。この磁石10として
は、例えば永久磁石や電磁石が用いられる。さらに、空
間11は開放していても、密閉していてもよい。空間1
1を密閉する場合は、その密閉した空間11にヘリウム
ガスを充填したり、真空にしてもよい。なお、空間11
を密閉してヘリウムガスを充填したり真空にすることに
より、通過する荷電粒子ビーム1の散乱を抑えることが
できる。
【0020】以下に、本実施形態の荷電粒子線治療装置
の動作を説明する。ビーム軸に対して直交方向の運動量
成分を有する荷電粒子を含む荷電粒子ビーム1が、ビー
ム拡大装置2、飛程変調装置3、飛程調整装置4、照射
野限定装置5、及び飛程補償装置6を経ることにより出
力される。なお、ビーム軸とは、荷電粒子ビーム1がビ
ーム拡大装置2に入射する際の方向軸とする。なお、こ
のビーム軸に対して直交方向を拡散方向とする。このビ
ーム軸に対して直交方向の運動量成分を有する荷電粒子
を含む荷電粒子ビーム1は、患者7に入射する前に、磁
石10による上述のビーム軸に平行な磁場の中を通過す
る。
【0021】この荷電粒子が有するビーム軸に対して直
交方向の運動量成分は、磁石10の磁場によるローレン
ツ力により曲げられる。このように、荷電粒子のビーム
軸に対する直交方向の運動量成分が曲げられることによ
り、荷電粒子は螺旋運動をしながら上述のビーム軸にほ
ぼ平行に進行する。このように、荷電粒子が上述の磁場
の中を通過することにより、荷電粒子は上述のビーム軸
とほぼ平行に進行するように矯正されるため、荷電粒子
の拡散が抑えられる。なお、上述の磁石10による磁場
の方向と、上述のビーム軸とは平行である。
【0022】なお、荷電粒子が描く螺旋の大きさは、磁
場の強さBと、荷電粒子の垂直方向運動量Ptとによっ
て決まり、その螺旋の半径rの大きさは、以下の式によ
り求められる。なお、荷電粒子の垂直方向運動量Pt
は、磁場方向を基準とした荷電粒子の運動量の垂直成分
である。また、運動量の単位はMeV/c、磁場の単位
はT、長さの単位はcmとする。r=Pt/(3B)
【0023】次に、所定の磁場の中を所定の運動量成分
を有する荷電粒子が進行することにより得られる効果に
ついて、図2(a)及び(b)を用いて説明する。なお、所
定の運動量成分を有する荷電粒子とは、荷電粒子ビーム
1がビーム拡大装置2に入射する際の方向をビーム軸と
したそのビーム軸に対して直交成分の運動量成分を有し
た荷電粒子である。また、所定の磁場とは、荷電粒子ビ
ーム1がビーム拡大装置2に入射する際の方向をビーム
軸としたそのビーム軸に平行方向にかかる磁場である。
【0024】図2(a)及び(b)は、荷電粒子として電子
を用いた電子線治療装置において、電離効果、クーロン
散乱、制動輻射、コンプトン散乱、光電効果、対生成等
の物理過程が考慮されたモンテカルロシミュレーション
のシミュレーション結果である。このシミュレーション
結果には、運動エネルギーが30MeVの電子線の水中
で通過したその軌跡が示される。なお、水中に電子線を
通過させるのは、水中を患者7の体内とみなしたためで
ある。
【0025】図2(a)は、磁場の加えられていない水中
へ、5個の電子が射出された場合の各電子の飛跡のシミ
ュレーション結果である。また、図2(b)は、電子の射
出軸と平行な3Tの磁場がかけられた水中へ、5個の電
子が射出された場合の各電子の飛跡のシミュレーション
結果である。なお、これらの図2(a)及び(b)の中で示
された横軸zは、図1に示されたビーム拡大装置2から
飛程補償装置6への方向である深さ方向の位置座標であ
る。また、図2(a)及び(b)の中で示された縦軸xは、
上述の深さ方向に直交する横方向の位置座標を示したも
のである。
【0026】また、図2(a)及び(b)中の、実線は電子
あるいは陽電子の飛跡であり、点線は光子の飛跡であ
る。これら図2(a)及び(b)を比較することにより、図
2(b)に示された電子の拡散状況が、図2(a)に示され
た電子の拡散状況よりも抑えられていることがわかる。
なお、これら拡散状況は、図中の任意の2つの電子間の
縦軸x方向での広がり具合により判断される。
【0027】このように、電子の射出方向とほぼ平行な
磁場がかけられたところに射出された電子の拡散状況
は、磁場のかけられていないところに射出された電子の
拡散状況よりも抑えられ、磁場中を進行する各電子の進
行方向は上述の射出方向の延長線上に収束する。なお、
図示されていないが、x軸及びz軸に垂直なy軸につい
ても電子の拡散状況は同様である。また、荷電粒子線の
拡散が抑制できることから、本実施形態の荷電粒子線治
療装置は、荷電粒子線の照射野の境界を明確にすること
ができ、患部8以外の正常な組織への不要な照射を抑え
ることができ、荷電粒子線治療装置の照射精度が向上す
ると共に、治療精度も向上する。
【0028】実施の形態2.本発明における荷電粒子撮
像装置の一実施形態を図3について用いて説明する。図
3は実施形態2の荷電粒子撮像装置の断面を示す断面図
である。この図3に示した実施形態2の荷電粒子撮像装
置は、従来例に示した撮像装置に、実施形態1に示した
磁石10を設けたものであり、図7に示す従来例又は図
1に示す実施形態1と同一又は相当の部分には同一符号
を付してその説明を省略する。なお、本実施形態の荷電
粒子撮像装置と患者7とを相対的に回転させることで、
コンピュータライズドトモグラフィー(以下、CTと称
する。)装置と同様に患者7に関する三次元情報が得ら
れる。
【0029】次に、所定の磁場の中を所定の運動量成分
を有する荷電粒子が進行することにより得られる効果に
ついて、図4(a)及び(b)を用いて説明する。なお、所
定の運動量成分を有する荷電粒子とは、荷電粒子ビーム
1がビーム拡大装置2に入射する際の方向をビーム軸と
したそのビーム軸に対して直交成分の運動量成分を有し
た荷電粒子である。また、所定の磁場とは、荷電粒子ビ
ーム1がビーム拡大装置2に入射する際の方向をビーム
軸としたそのビーム軸に平行方向にかかる磁場である。
【0030】図4(a)及び(b)は、荷電粒子として電子
を用いた電子線撮像装置において、電離効果、クーロン
散乱、制動輻射、コンプトン散乱、光電効果、対生成等
の物理過程が考慮されたモンテカルロシミュレーション
のシミュレーション結果である。このシミュレーション
結果には、運動エネルギーが100MeVの電子線が患
者7にみなした厚さ30cmの水を通過し、さらに20
cm離された位置に載置された粒子検出器9に検出され
るまでの、電子線の軌跡が示される。
【0031】図4(a)は、磁場の加えられていない領域
へ、5個の電子が射出された場合の各電子の飛跡のシミ
ュレーション結果である。また、図4(b)は、電子の射
出軸と平行な3Tの磁場がかけられた領域へ、5個の電
子が射出された場合の各電子の飛跡のシミュレーション
結果である。なお、これらの図4(a)及び(b)の中で示
された横軸zは、図3に示されたビーム拡大装置2から
飛程補償装置6への方向である深さ方向の位置座標であ
る。また、図4(a)及び(b)の中で示された縦軸xは、
上述の深さ方向に直交する横方向の位置座標を示したも
のである。また、図4(a)及び(b)中の、実線は電子あ
るいは陽電子の飛跡であり、点線は光子の飛跡である。
【0032】これら図4(a)及び(b)を比較することに
より、図4(b)に示された電子の拡散状況が、図4(a)
に示された電子の拡散状況よりも抑えられていることが
わかる。なお、これら拡散状況は、図中の任意の2つの
電子間の縦軸x方向での広がり具合により判断される。
この効果は特に、荷電粒子が長距離の飛跡を描く場合に
大きな差が現われる。このように、電子の射出方向とほ
ぼ平行な磁場がかけられた領域に射出された電子の拡散
状況は、磁場のかけられていない領域に射出された電子
の拡散状況よりも抑えられ、磁場中を進行する各電子の
進行方向は上述の射出方向の延長線上に収束する。な
お、図示されていないが、x軸及びz軸に垂直なy軸に
ついても電子の拡散状況は同様である。
【0033】なお、図5は粒子検出器9で検出される荷
電粒子の分布状態を示す分布図である。図5中の実線は
所定の平行磁場3Tの中に荷電粒子ビーム1を照射した
場合のものであり、点線は磁場がかけられていない中に
荷電粒子ビーム1を照射した場合のものである。なお、
図5の横軸はx軸でもy軸でも同様の結果が得られる。
この図5の実線の描く形状により、平行磁場のかけられ
た領域内に射出された荷電粒子は、粒子検出器9上の所
定の位置であるビーム軸の近傍を中心に検出される。な
お、ビーム軸とは照射機器から射出された荷電粒子ビー
ム1の射出方向の延長線であり、平行磁場とは上述のビ
ーム軸に平行な方向にかけられた磁場である。
【0034】一方、図5の点線の描く形状により、磁場
のかけられていない領域内に射出された荷電粒子は、粒
子検出器9上の任意の位置で万遍なく検出される。この
図5の分布図から、荷電粒子の通過領域に平行磁場をか
けることにより荷電粒子の拡散が抑えられることがわか
る。なお、この図5では、荷電粒子の通過領域に平行磁
場をかけることにより、位置分解能(RMS)が1.5
cmにまで向上した。このように、荷電粒子線の拡散が
抑制できることから、本実施形態の荷電粒子線撮像装置
は、荷電粒子線の照射野の境界を明確にすることがで
き、撮像する画像の解像度を向上させることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる荷電粒
子線装置は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子
線の調整を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に
平行な磁場を発生させる磁場発生部と、磁場を経た荷電
粒子線が照射される被照射体の被照射部とを有するもの
であり、この荷電粒子線を構成する荷電粒子は、その拡
散方向の運動量成分が磁場によるローレンツ力を受け、
螺旋運動しながら磁場の方向に沿って進行し、荷電粒子
線の拡散が抑制される。そして、この荷電粒子線の拡散
を抑制できることから、荷電粒子線の照射野の境界を明
確にすることができ、荷電粒子線治療装置においては、
患部8以外の正常な組織へ不要な荷電粒子線の照射を抑
えることができ、荷電粒子線治療装置の照射精度が向上
すると共に、治療精度も向上する。
【0036】さらに、この発明にかかる荷電粒子線装置
は、荷電粒子線を射出する照射部と、荷電粒子線の調整
を行う調整部と、この調整された荷電粒子線に平行な磁
場を発生させる磁場発生部と、磁場を経て調整された荷
電粒子線が照射される被照射体と、被照射体を経た荷電
粒子線が入射される検出部とを有するものであり、この
荷電粒子線を構成する荷電粒子は、その拡散方向の運動
量成分が磁場によるローレンツ力を受け、螺旋運動しな
がら磁場の方向に沿って進行し、荷電粒子線の拡散が抑
制される。そして、この荷電粒子線の拡散を抑制できる
ことから、荷電粒子線の照射野の境界を明確にすること
ができ、荷電粒子線撮像装置においては、撮像する画像
の解像度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における実施形態1の荷電粒子治療装
置の断面を示す断面図である。
【図2】 本発明における実施形態1の荷電粒子撮像装
置で、荷電粒子が射出された場合の荷電粒子の飛跡に関
するシミュレーション結果である、(a)は磁場がかけら
れていない領域へ荷電粒子が射出された場合であり、
(b)は磁場のかけられた領域へ荷電粒子が射出された場
合である。
【図3】 本発明における実施形態2の荷電粒子撮像装
置の断面を示す断面図である。
【図4】 本発明における実施形態2の荷電粒子撮像装
置で、荷電粒子が射出された場合の荷電粒子の飛跡に関
するシミュレーション結果である、(a)は磁場がかけら
れていない領域へ荷電粒子が射出された場合であり、
(b)は磁場のかけられた領域へ荷電粒子が射出された場
合である。
【図5】 本発明における実施形態2の荷電粒子撮像装
置の粒子検出器9で検出される荷電粒子の分布状態を示
す分布図である。
【図6】 従来の荷電粒子線治療装置の構成を示す構成
図である。
【図7】 従来の荷電粒子線撮像装置の構成を示す構成
図である。
【符号の説明】
1 荷電粒子ビーム、2 ビーム拡大装置、3 飛程変
調装置、4 飛程調整装置、5 照射野限定装置、6
飛程補償装置、7 患者、8 患部、9 粒子検出器、
10 磁石、11 スリット状の空間。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子線を射出する照射部と、 上記荷電粒子線の調整を行う調整部と、 この調整された荷電粒子線に平行な磁場を発生させる磁
    場発生部と、 上記磁場を経た荷電粒子線が照射される被照射体の被照
    射部とを有することを特徴とする荷電粒子線照射装置。
  2. 【請求項2】荷電粒子線を射出する照射部と、 上記荷電粒子線の調整を行う調整部と、 この調整された荷電粒子線に平行な磁場を発生させる磁
    場発生部と、 上記磁場の中に載置され、上記磁場により進行方向が修
    正された荷電粒子線が照射される被照射体の被照射部と
    を有することを特徴とする荷電粒子線照射装置。
  3. 【請求項3】荷電粒子線を射出する照射部と、 上記荷電粒子線の調整を行う調整部と、 この調整された荷電粒子線に平行な磁場を発生させる磁
    場発生部と、 上記磁場を経て上記調整された荷電粒子線が照射される
    被照射体と、 上記被照射体を経た荷電粒子線が入射される検出部とを
    有することを特徴とする荷電粒子線照射装置。
  4. 【請求項4】荷電粒子線を射出する照射部と、 上記荷電粒子線の調整を行う調整部と、 この調整された荷電粒子線に平行な磁場を発生させる磁
    場発生部と、 上記磁場の中に載置され、上記磁場により進行方向が修
    正された荷電粒子線が照射される被照射体と上記被照射
    体を経た荷電粒子線が入射される検出部とを有すること
    を特徴とする荷電粒子線照射装置。
  5. 【請求項5】調整部は、入射された荷電粒子線の幅、飛
    程、照射野、及び照射位置を調整することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の荷電粒子線照射装置。
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