JP3078361B2 - ワイヤ放電加工方法 - Google Patents

ワイヤ放電加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,ワイヤ電極と工
作物との間に極間電圧を印加して前記ワイヤ電極と前記
工作物との間に発生する放電エネルギーによってプログ
ラミングされた輪郭に沿って前記工作物の上面から下面
に達するスリットを前記工作物に加工するワイヤ放電加
工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金型を製作するに当たって,従来からワ
イヤ放電加工機が広く用いられており,特に,プレス金
型を構成するダイを製作するには,ワイヤ放電加工機は
不可欠のものになっている。
【0003】一般に,プレス成型機は,図5に示すよう
に,パンチ50,パンチ50を保持するパンチホルダ5
1,パンチ50を案内するストリッパー52等から構成
されている。プレス金型を構成するダイ53は開口54
を有しており,その開口54において上面55に切刃部
56が形成され,下面57に逃げ部58が形成されてい
る。パンチ50の断面形状はダイ53の開口54の輪郭
と同じ形状をしている。このダイ53の上にプレス加工
しようとする板材59を載せ,その板材59をパンチ5
0で打ち抜くことにより,切刃部56の輪郭の形状を持
った製品部品が製作される。即ち,ダイ53の上面55
に形成された切刃部56によって板材59が切断され,
切断された板材59は逃げ部58の働きでダイ53から
円滑に分離される。
【0004】従来,ワイヤ放電加工方法は,プレス金型
のダイを製作する場合に,図6,図7,図8及び図9に
示すような方法が一般的に用いられている。まず,最初
にダイ53の母材即ち工作物53にスタートホール60
と称する孔を貫通させておき,そのスタートホール60
にワイヤ電極61を挿通し,ワイヤ電極61と工作物5
3との間で放電を繰り返しながら,所定のプログラミン
グされた順路即ち予め決められた加工軌跡62に従って
加工を進行させる。これにより工作物53には,工作物
53の上面55から下面57に達する加工スリット65
が加工される(図8及び図9参照)。そして,加工終端
70が加工始端63に近づいた位置即ちプログラミング
された順路が閉じる位置に近づいたら,その直前で工作
物53に対する加工を停止させている。従って,工作物
53と加工片67とは,上面55から下面57にかけて
未加工の連結部分75(図6及び図7における斜線部
分)を残した状態で加工が停止される。その連結部分7
5の幅Lは,加工片67の大きさや要求される加工精度
にもよるが,例えば,0.3〜0.5mm程度である。
その後,ワイヤ電極61を切断し,工作物53で不用と
なる中子即ち加工片67を軽く叩いて落下させる。加工
片67を工作物53から叩き落とした後には,工作物5
3の連結部分75であった部分にバリができるので,セ
カンドカット,サードカット等の方法を用いて該部分の
仕上加工を実施し,例えば,切刃部56,逃げ部58等
の面を形成することにより,ダイ53は製作される。
【0005】このように,従来の放電加工方法において
は,加工片67とダイ53とがわずかに連結している連
結部分75を残した状態で放電加工を停止させ,これに
より,放電加工中に加工片67が自然落下しないように
している。加工片67の自然落下を防止する理由は,加
工片67の自然落下に伴って加工された工作物53に損
傷を与えたり,下部ワイヤガイド76が損傷するおそれ
があるからである。また,連結部分75を余り残さない
状態にまで加工を進行させ,連結部分75の幅Lをどん
どん小さくしていくと,最終的には加工片67が傾いて
ワイヤ電極61と工作物53との短絡現象が発生する。
また,工作物53に複数箇所の加工を施す場合,加工片
67を自然落下させた場合には,該加工片67が障害と
なってワイヤ電極61を供給できなくなり,ワイヤ電極
自動供給装置を作動させることができなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
放電加工方法では,工作物から加工片が自然落下するの
を防ぐために,図6に示すように,ワイヤ電極61を垂
直に保ったままテーブルを移動させて工作物53を加工
し,加工の終点即ち加工終端近傍に達した時に,工作物
53から加工片67を完全に切り離すことなく,連結部
分75を残した状態で放電加工を停止するようにしてい
るので,加工された工作物53,例えば,ダイの切刃部
56(図5参照)に相当する部分が加工片67と連結し
ている。従って,加工片67を軽く叩き落とすとは言
え,その時に,例えば,最も重要な切刃部56に致命的
な損傷を与えるおそれがある。例えば,ダイの逃げ部に
少々の損傷が発生するのはあまり問題にはならないが,
切刃部56の損傷はダイにとって致命的な問題である。
【0007】また,加工片67を叩き落とした後にバリ
が残った部分は,セカンドカットあるいはサードカット
等の加工方法で仕上加工される。しかし,加工精度をあ
まり要求されない下級品のプレス金型であっても,この
ようなバリが残っていると,それなりの仕上加工を余儀
なくされ,強いてはプレス金型のコストアップ要因とな
る。
【0008】従って,ワイヤ放電加工時において,加工
片67の自然落下を防ぐと共に,少なくともダイの切刃
部56には連結部分75を残さないようにするという課
題を解決する必要がある。また,ダイの加工に限らず,
一般に工作物と加工片の連結部分をできるだけ少なくす
ることによって仕上加工の負担を軽減することも必要で
ある。
【0009】この発明の目的は,上記の課題を解決する
ことであり,放電加工した複数個の工作物に対する仕上
加工をできるだけ少なくし,ダイ等の切刃部等の高精度
を要求される部分の加工を放電加工で加工精度を確保
し,加工コストの低減を図ることができるワイヤ放電加
工方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は,ワイヤ電極
と工作物との間に極間電圧を印加して前記ワイヤ電極と
前記工作物との間に発生する放電エネルギーによってプ
ログラミングされた加工形状に沿って前記工作物の上面
から下面へと加工スリットを前記工作物に加工するワイ
ヤ放電加工方法において,前記工作物が重ね合わせた複
数個の工作物から成り,前記工作物に対する加工終了時
に,少なくとも一個の前記工作物について前記加工スリ
ットの加工終端が前記工作物の一方の側で少なくとも一
部で前記加工形状の前記加工スリットの加工始端に接続
し,前記工作物の他側で少なくとも一部で前記加工スリ
ットの前記加工終端が前記加工始端に接続していない状
態に加工を行うことを特徴とするワイヤ放電加工方法に
関する。
【0011】また,このワイヤ放電加工方法は,前記加
工スリットの加工先端が前記工作物の前記加工始端に達
する手前で,前記工作物を搭載するテーブルを停止さ
せ,上部ワイヤガイドのテーパ加工装置,又は下部ワイ
ヤガイドのテーパ加工装置のいずれか一方を作動させる
ことにより,前記加工スリットの前記加工終端がいずれ
かの前記工作物の一部で接続しているものである。
【0012】このワイヤ放電加工方法は,上記のように
構成されているので,複数個のうち一個の工作物と加工
片とは工作物の一側の少なくとも一部だけで連結され
る。従って,複数個の加工された前記工作物から前記加
工片の自然落下を防ぐことができる上に,前記工作物の
加工された部分,例えば,ダイの切刃部には連結部分が
残らないので,加工精度を大幅に向上させることができ
る。即ち,このワイヤ放電加工方法は,工作物を重ね合
わせた複数個の工作物から構成し,前記加工スリットの
加工先端が一方の側の工作物の少なくとも一部で前記加
工スリットに接続し,他側の工作物の少なくとも一部で
前記加工スリットに接続していないので,たとえ最下層
の工作物の上に載っている別の工作物の加工片が切り離
された状態になっても,少なくとも最下層の工作物の加
工片はその工作物に連結された状態になる。従って,最
下層の工作物の上に載っている別の工作物の加工片は自
然落下しない。また,上に載った工作物は加工片が完全
に切り離された状態にすることも可能であり,その場合
には,例えば,ダイの切刃部には連結部分が全く残らな
いようにすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
によるワイヤ放電加工方法の実施例を説明する。図1は
この発明によるワイヤ放電加工方法の一実施例を説明す
る概略説明図,図2は図1の加工スリットを示す側面
図,及び図3はこのワイヤ放電加工方法を実施するため
の一実施例を示す処理フロー図である。このワイヤ放電
加工方法によって工作物1に形成される加工スリット5
は,放電加工の進行にともなって徐々に形成されるが,
この実施例では「加工スリット5の加工先端9」は加工
が進行する最先端を表し,「加工スリット5の加工始端
7」は加工形状即ち加工軌跡4の最初の位置を表し,ま
た「加工スリット5の加工終端」は加工軌跡4の終了の
位置を表すこととする。
【0014】この発明によるワイヤ放電加工方法が適用
されるワイヤ放電加工機について簡単に説明する。一般
に,ワイヤ放電加工機では,テーブルの工作物取付台に
対して工作物1を取り付け,工作物取付台は水平方向に
移動できるように構成されている。即ち,工作物1を取
り付けている工作物取付台は,NC装置からの指令で工
作物1の加工状況に応じてX方向及びY方向に移動し,
ワイヤヘッドに供給されたワイヤ電極2との間でサーボ
モータにより駆動されるサーボ送り機構によってサーボ
移動を繰り返し進行し,両者の移動が合成された相対的
運動によって工作物1は所定の加工形状に放電加工され
る。更に,工作物1に対して上下にワイヤヘッドが設け
られ,これらのワイヤヘッドは,給電子,給電子押さえ
部材,ダイスガイド,加工液噴射ノズル等からなる。自
動ワイヤ供給装置等からローラガイド等を介して送り込
まれたワイヤ電極2は,上部ワイヤヘッドにおける内側
筒体内に設置されたダイスガイド即ち上部ワイヤガイド
12を通り,工作物1を放電加工した後に下部ワイヤヘ
ッドにおける内側筒体内に設置されたダイスガイド即ち
下部ワイヤガイド13を通って巻取リール,使用済ワイ
ヤ溜部等に排出される。
【0015】上記のワイヤ放電加工機における軸につい
て説明すると,図1に示すように,工作物1を搭載する
テーブルの送り軸は,X軸とこの軸に直交するY軸とで
構成され,この2軸の単独の運動あるいは合成運動で工
作物1に自由な加工を施すことができる。一方,上部ワ
イヤヘッドを配置している上部ワイヤガイド12のテー
パ加工装置には2軸の送り軸,即ち,U軸およびV軸が
あり,U軸はX軸と並行に,V軸はY軸と並行にそれぞ
れ配置されている。
【0016】この発明によるワイヤ放電加工方法を上記
のようなワイヤ放電加工機によって実施する場合につい
て,図1,図2及び図3を参照して,このワイヤ放電加
工方法の基本的な原理について以下に説明する。
【0017】基本的原理を説明するワイヤ放電加工方法
は,ワイヤ放電加工機によって金型を加工する例を参考
にして説明する。ダイの母材となる工作物1には,スタ
ートホール3が形成されている。ワイヤ放電加工機にお
けるワイヤ自動供給装置を作動して工作物1に形成した
スタートホール3にワイヤ電極2を挿通する(ステップ
21)。ワイヤ放電加工機のNC装置の作動によって工
作物1とワイヤ電極2との間に極間電圧が印加され,工
作物1とワイヤ電極2間で放電を繰り返しながら(ステ
ップ22),所定のプログラミングされた順路に従って
テーブル即ち工作物1が移動する(ステップ23)。ワ
イヤ電極2が工作物1に対して相対的に描く加工軌跡4
は図1に矢印で示しているが,実際には工作物1を搭載
したテーブルがNC装置で制御され,矢印と逆方向に移
動することによって加工軌跡4が描かれる。工作物1に
対して放電加工が行われた後には,工作物1にはスリッ
ト5が形成される。
【0018】ワイヤ電極2が工作物1に対する加工終端
近傍に到達したか否かの判断を行い(ステップ24),
加工終端近傍に到達していない場合には,所定のプログ
ラミングされた順路に従ってテーブルが移動し続ける。
ワイヤ電極2が加工の終端近傍6に到達した場合には,
テーブルの移動を停止する(ステップ25)。図1では
Y軸方向への送りを停止する。次いで,上部ワイヤガイ
ド12のテーパ加工装置の移動を開始する(ステップ2
6)。この時,下部ワイヤガイド13のテーパ加工装置
は停止したままである。図1ではワイヤ電極2を工作物
1に対してV軸方向に移動させることになる。ワイヤ電
極2は下部ワイヤヘッドに組み込まれるダイスガイド即
ち下部ワイヤガイド13と,上部ワイヤヘッドに組み込
まれるダイスガイド即ち上部ワイヤガイド12との間で
保持されているから,V軸が作動することにより,ワイ
ヤ電極2が傾き,結果として工作物1に対してテーパ加
工が実施されることになる。上部ワイヤガイド12のテ
ーパ加工装置の移動開始後は,工作物1の上面10で加
工スリット5の加工先端9が加工スリット5の加工始端
7に接続したか否かの判断を繰り返し行い(ステップ2
7),加工スリット5の加工先端9が加工スリット5の
加工始端7に接続するまで上部ワイヤガイド12のテー
パ加工装置は移動し続ける。工作物1の上面10でスリ
ット5がつながった時,実際には加工スリット5の加工
先端9が加工始端7に接続した地点を通過して所定距離
1 だけ上部ワイヤガイド12のテーパ加工装置が移動
した時に,上部ワイヤガイド12のテーパ加工装置の移
動は停止され(ステップ28),ワイヤ放電加工機の工
作物1とワイヤ電極2間での放電も停止され(ステップ
29),工作物1に対する加工スリット5は加工終端に
到達することになる。
【0019】上記のワイヤ放電加工方法によって,加工
が終了した加工終端では,工作物1の上面10では加工
スリット5の加工先端9が加工始端7に接続しており,
工作物1の下面11では加工スリット5の加工先端9は
加工始端7に接続していない。即ち,図1及び図2の斜
線で示した連結部分20だけで工作物1と加工片8は連
結している。ワイヤ電極2を切断し,工作物1で不用と
なる加工片8即ち中子を軽く叩いて落下させ,その後,
接続していない連結部分20をセカンドカット,サード
カット等の加工方法を用いて,仕上加工を実施する。工
作物1の上面10の開口部は,加工スリット5は傾斜し
たテーパ加工となっているので,例えば,切刃部となる
部分は放電加工が施されており,該切刃部を中子を叩き
落とす際に傷つけることがなく,加工軌跡は高精度に加
工されることになる。一方,工作物1と加工片8の連結
部分20はダイ1の逃げ部とすればよいので,高精度の
仕上加工を必要としない。
【0020】上記のワイヤ放電加工方法では,プレス金
型を構成するダイを製作する場合,即ち,工作物の上部
又は下部のいずれか一方の部分において加工精度が要求
される場合に適用される方法であるが,工作物の両方の
部分で加工精度が要求されるような場合には,以下に示
すような別のワイヤ放電加工方法によって工作物を加工
することが好ましい。
【0021】この発明によるワイヤ放電加工方法の一実
施例を図4を参照して説明する。図4は,この発明によ
るワイヤ放電加工方法の一実施例を説明する概略説明図
である。このワイヤ放電加工方法は,複数個,例えば,
2個の工作物1A,1Bを重ね合わせ,プログラミング
された順路に沿ってワイヤ放電加工を行う時に形成され
る加工スリット5が,少なくとも下側の工作物1Bの下
部で接続していないように加工する方法である。即ち,
加工スリット5が少なくとも下側の工作物1Bの上下面
で接続する手前で,工作物1A,1Bを搭載するテーブ
ルの送り軸を停止し,上部ワイヤヘッドを配置している
上部ワイヤガイド12のテーパ加工装置を作動させる方
法である。
【0022】この実施例は,図1に示すものと比較し
て,工作物を複数個(図4では2個)重ねてワイヤ放電
加工する点が相違している。また,この実施例の工程
は,図3の処理フロー図に示す工程と同じである。加工
終了時に,工作物1Bと加工片8との連結部分20,即
ち図4の斜線で示した三角形の連結部分20が下側の工
作物1Bだけに存在するように,ステップ25における
テーブルの移動が停止する位置,及びステップ28にお
ける上部ワイヤガイド12のテーパ加工装置の移動が停
止する距離を設定すれば,上側の工作物1Aについて
は,上部と下部とが共に放電加工によって加工された状
態にすることができる。従って,上側の工作物1Aにつ
いては,連結部20で発生するバリとり等の仕上加工を
する必要がない。しかも下側の工作物1Bについては,
加工片8Bと連結部分20で連結しているので,上側の
工作物1Aの加工片8Aが完全に分離しても,下側の加
工片8Bで上側の加工片8Aを支持することができるの
で,上側の加工片8Aが自然落下することはない。
【0023】上記の実施例では,代表的なワイヤ放電加
工方法を説明したものであり,必ずしもこれらに限定さ
れるものではない。上記実施例では,加工の軌跡がX軸
・Y軸に対して,それぞれを並行に記載しているが,加
工の軌跡が曲線を描く場合(X軸・Y軸の合成送り)
は,テーパ加工装置駆動軸(U軸・V軸)も合成した送
りを与えればよいことになる。また,上記実施例では,
テーパ加工に際して上部ワイヤガイド12のテーパ加工
装置を移動させ,下部ワイヤガイド13のテーパ加工装
置を停止させているが,これとは逆に上部ワイヤガイド
12のテーパ加工装置を停止させ,下部ワイヤガイド1
3のテーパ加工装置を移動させることも可能である。
【0024】
【発明の効果】この発明によるワイヤ放電加工方法は,
上記のように構成されているので,工作物に加工片が一
部分で連結した状態になっており,ワイヤ放電加工が完
了しても加工片が工作物から自然落下することはなく,
加工片が傾いて異常放電を起こすことがなく,加工面を
傷つけることがない。また,加工片の自然落下に伴う工
作物及び下部ワイヤガイド等の損傷という問題は発生し
なくなる。また,工作物の一方の側の部分において加工
スリットは完全に接続した状態になるので,加工精度を
要求される部分,例えば,ダイの切刃部を高精度に加工
することができ,不用となる加工片を工作物から軽く叩
き落としたとき,金型を構成するダイの切刃部を傷つけ
るようなことはない。更に,工作物の一方の面において
スリットは完全につながった状態になるので,ワイヤ放
電加工だけでダイの切刃部の加工精度を十分確保するこ
とができ,金型の仕上加工は最小限で済み,加工コスト
の低減を図ることができる。
【0025】特に,このワイヤ放電加工方法は,プログ
ラミングされた輪郭に沿って工作物に該工作物の上面か
ら下面に達する加工スリットを形成していくワイヤ放電
加工において,前記工作物を層状に重ね合わせた複数個
の板材から構成し,前記加工スリットの加工先端が最上
層の工作物の少なくとも上部で前記加工スリットの加工
始端に接続し,最下層の工作物の少なくとも下部で前記
加工スリットに接続しないようにしたので,最下層の工
作物の上に載っている工作物の加工片が切り離された状
態になっても,最下層の工作物の加工片が工作物に少な
くとも連結された状態になる。従って,最下層の工作物
の上に載っている工作物の加工片は自然落下することは
ない。また,上に載った工作物の加工片が完全に切り離
された状態にすることも可能であり,その場合にはワイ
ヤ放電加工だけで十分に精度が得られ,特に仕上加工を
しなくても済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるワイヤ放電加工方法の原理を説
明するための概略説明図である。
【図2】図1の工作物に形成した加工スリットを示す側
面図である。
【図3】この発明によるワイヤ放電加工方法の原理の処
理工程を説明するための処理フロー図である。
【図4】この発明によるワイヤ放電加工方法の一実施例
を説明するための概略説明図である。
【図5】プレス加工機の一例を示す断面図である。
【図6】従来のワイヤ放電加工方法の一例を説明するた
めの概略説明図である。
【図7】図6の工作物に形成した加工スリットを示す側
面図である。
【図8】図6の工作物に形成した加工スリットを示す平
面図である。
【図9】図8の一部拡大平面図である。
【符号の説明】
1 工作物 2 ワイヤ電極 3 スタートホール 5 加工スリット 7 加工始端 8 加工片(中子) 9 加工先端 10 工作物の上面 11 工作物の下面 12 上部ワイヤガイド 13 下部ワイヤガイド 20 連結部分

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極と工作物との間に極間電圧を
    印加して前記ワイヤ電極と前記工作物との間に発生する
    放電エネルギーによってプログラミングされた加工形状
    に沿って前記工作物の上面から下面へと加工スリットを
    前記工作物に加工するワイヤ放電加工方法において,
    記工作物が重ね合わせた複数個の工作物から成り,前記
    工作物に対する加工終了時に,少なくとも一個の前記工
    作物について前記加工スリットの加工終端が前記工作物
    の一方の側で少なくとも一部で前記加工形状の前記加工
    スリットの加工始端に接続し,前記工作物の他側で少な
    くとも一部で前記加工スリットの前記加工終端が前記
    工始端に接続していない状態に加工を行うことを特徴と
    するワイヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加工スリットの加工先端が前記工作
    物の前記加工始端に達する手前で,前記工作物を搭載す
    るテーブルを停止させ,上部ワイヤガイドのテーパ加工
    装置,又は下部ワイヤガイドのテーパ加工装置のいずれ
    か一方を作動させることにより,前記加工スリットの
    加工終端がいずれかの前記工作物の一部で接続してい
    ることを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工方
    法。
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