JP3078279U - 歯科用チェックライト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 握り部の先に電球を取り付けた懐中電灯形式
の歯科用チェックライトにおいて、患者の口腔内に挿入
した状態で電球が破損することを防止し、電球の熱で患
者が火傷するおそれもなく、電球からの光が３６０度の
方向に飛び散ることもなく目的の部位にのみ光を当てる
ことができ、口腔内に挿入した部分の洗浄・消毒も簡単
に行える。 【解決手段】 内部に電池６を収納する握り部１の先端
に電球４を配設し、該電球４の周囲を筒状のカバー体２
で覆い、該カバー体２の先端の開口に光ファイバー３を
用いた線材状の照射体を着脱自在に取り付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、歯の検査や治療を行う際に使用する歯科用チェックライトに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

歯科医院において歯科医師が患者の口腔内の歯を検診する場合には、照明器具 からの光で患者の口腔内を照射するが、口腔内の奥に位置する歯の患部まではこ の光がうまく届かないことが多い。また、歯科用ミラーの使用で、例えば、前記 光を歯科用ミラーに反射させて照らすようにすることもあるが、場合によっては 、歯科医師の頭部が障害となるなど光が歯科用ミラーに届かないため照らすこと ができないという不都合があった。

【０００３】 これに対して、口腔内を隅々まで確実に照らすために、従来、図５に示すよう な歯科用チェックライトが存在する。

【０００４】 これは、ホルダーとして内部に電池を収納する筒状の握り部１の先端に金属製 のシャフト10を突設し、該シャフト10の先端を電球４を配設したトップランプ４ ａとして構成した懐中電灯形式のものである。図中５はトップランプ４ａをオン オフするために握り部１の後端に設けたロータリースイッチである。

【０００５】 また、握り部１は内部の電池交換で開閉するために本体１ａに蓋体１ｂが螺合 し、この蓋体１ｂに前記シャフト10が連結している。

【０００６】 使用に際しては、握り部１を手で握り、シャフト10を患者の口腔内に挿入し先 端のトップランプ４ａを患部に近づけて照射する。

【０００７】

【考案が解決しようする課題】 電球４はシャフト10の先端に取り付けてあるため、この電球４が隣在歯やその 他硬いものにぶつかると割れるおそれがあり、口腔内で割れるとガラスなどが飛 散して非常に危険である。

【０００８】 また、先端の電球４が患者の口唇や口角に触れると、患者が熱さを感じ、火傷 のおそれもある。

【０００９】 さらに歯科医師の照らしたい患部だけに光が届かず、電球４から３６０度の方 向に光が飛散して、特に歯科用ミラーの同時使用時にはかえって見えにくくなる ことがある。

【００１０】 シャフト10は直線状であり、これに加えて口腔内への挿入角度が制限されるた め、目的の部位を照射できないこともある。

【００１１】 衛生管理上の要請で、特に近年問題となっているエイズウィルスその他の病原 菌の感染等を防止するため、口腔内に挿入したシャフト10や電球４の部分を握り 部１から分離して洗浄・消毒する必要がある。この場合、電球４はシャフト10に 対して接着剤で固定してあり、シャフト10は蓋体１ｂと一体のため、本体１ａか ら蓋体１ｂおよびこれと一体のシャフト10を分離し、細部にいたるまで洗浄・消 毒する。

【００１２】 この洗浄・消毒の際、電球４はシャフト10に対して電気的接続部分を有し、接 着剤で固定してあるだけなので、煮沸や消毒薬・洗浄水等の液体での洗浄には適 さず、洗浄・消毒が故障の原因となるおそれがある。

【００１３】 本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、握り部の先に電球を取り付けた 懐中電灯形式の歯科用チェックライトにおいて、患者の口腔内に挿入した状態で 電球が破損することを防止し、電球の熱で患者が火傷するおそれもなく、電球か らの光が３６０度の方向に飛び散ることもなく目的の部位にのみ光を当てること ができ、口腔内に挿入した部分の洗浄・消毒も簡単に行える歯科用チェックライ トを提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、第１に、内部に電池を収納する握り部の先 端に電球を配設し、該電球の周囲を筒状のカバー体で覆い、該カバー体の先端の 開口に光ファイバーを用いた線材状の照射体を着脱自在に取り付けたことを要旨 とするものである。

【００１５】 第２に、内部に電池を収納する握り部の先端に電球を配設し、該電球の周囲を 筒状のカバー体で覆い、該カバー体の先端の開口に光ファイバーを用いた線材状 の照射体を摩擦抵抗により着脱自在に取り付けたことを要旨とするものである。

【００１６】 第３に、内部に電池を収納する握り部の先端に電球を配設し、該電球の周囲を 筒状のカバー体で覆い、該カバー体の先端の開口に、直線状または任意の形状に 曲成した光ファイバーを用いた線材状の照射体を摩擦抵抗により着脱自在に取り 付けたことを要旨とするものである。

【００１７】 請求項１記載の本考案によれば、線材状の光ファイバーの部分が患者の口腔内 に挿入されるから、電球が口腔内で破損したり、患者の口唇などに接触して火傷 などを負う危険がない。また、電球から発する光は光ファイバーを通して発する から、電球から直接発する光のように３６０度の方向に飛び散らず、目的の部位 にのみ集中的に照射できる。また、光ファイバーをカバー体から分離することで 、この光ファイバーのみを容易に洗浄・消毒できる。

【００１８】 請求項２記載の本考案によれば、線材状の光ファイバーの部分が患者の口腔内 に挿入されるから、電球が口腔内で破損したり、患者の口唇などに接触して火傷 などを負う危険がない。また、電球から発する光は光ファイバーを通して発する から、電球から直接発する光のように３６０度の方向に飛び散らないから、目的 の部位にのみ集中的に照射できる。また、光ファイバーをカバー体から分離する ことで、この光ファイバーのみを容易に洗浄・消毒できる。

【００１９】 そして、光ファイバーは摩擦抵抗を利用してカバー体の開口に挿入してあるか ら、ここから引き抜くだけで簡単に分離できる。よって、光ファイバーの洗浄・ 消毒の作業が容易になる。また、光ファイバーは安価であるから、これを使い捨 てとすることもできる。

【００２０】 請求項３記載の本考案によれば、線材状の光ファイバーの部分が患者の口腔内 に挿入されるから、電球が口腔内で破損したり、患者の口唇などに接触して火傷 などを負う危険がない。また、電球から発する光は光ファイバーを通して発する から、電球から直接発する光のように３６０度の方向に飛び散らないから、目的 の部位にのみ集中的に照射できる。また、光ファイバーをカバー体から分離する ことで、この光ファイバーのみを容易に洗浄・消毒できる。

【００２１】 そして、光ファイバーは摩擦抵抗を利用してカバー体の開口に挿入してあるか ら、ここから引き抜くだけで簡単に分離できる。よって、光ファイバーの洗浄・ 消毒の作業が容易になる。また、光ファイバーは安価であるから、これを使い捨 てとすることもできる。

【００２２】 さらに、光ファイバーは直線状または熱することにより任意の形状に自由自在 に曲成することで、照射したい患部の位置によってその長さだけでなく、折り曲 げ角度などを調節できる。

【００２３】

【考案の実施の形態】

以下、図面について本考案の実施の形態を詳細に説明する。図１は本考案の歯 科用チェックライトの実施の形態を示す側面図、図２は同上分解側面図、図３は 同上縦断側面図で、懐中電灯方式のチェックライトである点では基本構成は図５ に示した従来例と同様である。

【００２４】 すなわち、ホルダーとして内部に電池を収納する筒状の握り部１を本体１ａと その先端に螺合する蓋体１ｂとで構成し、本体１ａの後端には、ロータリースイ ッチ５を設けた。

【００２５】 前記蓋体１ｂの先端に電球４を配設し、該電球４を囲むようにしてカバー体２ を蓋体１ｂの先端に螺合する。このカバー体２は、基部を円筒形状に、先端を先 細りの略円錐形状に形成したもので、基部の中心部に形成した孔部２ａ内に前記 電球４が挿入され、先端の中心部に形成した孔部２ｂに光ファイバー３を用いた 線材状の照射体の基端部が挿入される。

【００２６】 孔部２ｂの径は、光ファイバー３が摩擦抵抗によって該孔部２ｂに係止される ような大きさに形成する。

【００２７】 光ファイバー３は、図１〜図３に示すように直線形状のものや、図４に示すよ うに先端を９０度に折り曲げた形状などが考えられるが、その他、光ファイバー ３は熱っすることによって自由自在に折り曲げ可能な性質を備えることを利用し て任意の形状に折り曲げることができる。

【００２８】 使用に際しては、患者の口腔内の照射を必要する部位を照射できるような角度 、長さに光ファイバー３を調節し、該光ファイバー３をカバー体２の先端の孔部 ２ｂに差し込んで、握り部１を手で持つ。そして、ロータリースイッチ５を回動 して電球４を点灯させれば、この電球４からの光は光ファイバー３に伝達され、 該光ファイバー３が輝く。

【００２９】 よって、光ファイバー３の部分を口腔中に挿入し、患部などの照射したい部位 に向ければ、光ファイバー３から発する光によって所望の部位を確実に照射でき る。

【００３０】 この場合、口腔内に挿入されるのは光ファイバー３の部分であり、電球４は口 腔内に直接挿入されず、カバー体２で覆われているから、電球４が口腔内で破損 したり、患者の口唇などに接触して火傷などを負う危険がない。そして、光ファ イバー３は口腔内で隣在歯や硬いものにぶつかっても電球のように破損すること はない。

【００３１】 また、電球４から発する光は光ファイバー３を通して発するから、電球４から 直接発する光のように３６０度の方向に飛び散らず、目的の部位にのみ集中的に 照射できる。

【００３２】 使用後の光ファイバー３は、カバー体２から抜き取って、洗浄・消毒する。こ の抜き取りは摩擦抵抗に抗して孔部２ｂから引き抜くだけでよいから簡単に行え る。なお、光ファイバー３は安価であるから、使い捨てとすることもできる。

【００３３】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の歯科用チェックライトは、握り部の先に電球を取り 付けた懐中電灯形式の歯科用チェックライトにおいて、患者の口腔内に挿入した 状態で電球が破損することを防止し、電球の熱で患者が火傷するおそれもなく、 電球からの光が３６０度の方向に飛び散ることもなく目的の部位にのみ光を当て ることができ、口腔内に挿入した部分の洗浄・消毒も簡単に行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の歯科用チェックライトの実施の形態を
示す側面図である。

【図２】本考案の歯科用チェックライトの実施の形態を
示す分解側面図である。

【図３】本考案の歯科用チェックライトの実施の形態を
示す縦断側面図である。

【図４】本考案の歯科用チェックライトで使用する光フ
ァイバーの他の例の側面図である。

【図５】従来の歯科用チェックライトの側面図である。

【符号の説明】

１…握り部 １ａ…本体 １ｂ…蓋体 ２…カバー体 ２ａ，２ｂ…孔部 ３…光ファイバー ４…電球 ４ａ…トップランプ ５…ロータリースイッチ ６…電池 10…シャフト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に電池を収納する握り部の先端に電
   球を配設し、該電球の周囲を筒状のカバー体で覆い、該
   カバー体の先端の開口に光ファイバーを用いた線材状の
   照射体を着脱自在に取り付けたことを特徴とする歯科用
   チェックライト。
2. 【請求項２】 内部に電池を収納する握り部の先端に電
   球を配設し、該電球の周囲を筒状のカバー体で覆い、該
   カバー体の先端の開口に光ファイバーを用いた線材状の
   照射体を摩擦抵抗により着脱自在に取り付けたことを特
   徴とする歯科用チェックライト。
3. 【請求項３】 内部に電池を収納する握り部の先端に電
   球を配設し、該電球の周囲を筒状のカバー体で覆い、該
   カバー体の先端の開口に、直線状または任意の形状に曲
   成した光ファイバーを用いた線材状の照射体を摩擦抵抗
   により着脱自在に取り付けたことを特徴とする歯科用チ
   ェックライト。