JP3078178U - 水位調節器具 - Google Patents

水位調節器具

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清蔵 乗富
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株式会社乗富鉄工所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯水部の最高水位を調節可能な水位調節器具
を提供する。 【解決手段】 貯水部Pの周壁に貫通固定させ、貯水部
P内に略水平に伸延させた配管基部2と、同配管基部2
の終端部2aに始端部4aを回動自在に連通連結すると共
に、上方へ伸延させた終端部5aにオーバーフロー口5Aを
形成したオーバーフロー配管3とを具備する水位調節器
具1とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、貯水部の水位調節器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、屋外に設けられた庭園の観賞用池等においては、雨等によって非計 画的に増水する可能性があり、排水システムを設けていないと、水嵩が増して水 位が池の側壁の最高位よりも上昇した場合は、水が溢れ出て周囲が水浸しになっ てしまっていた。
【0003】 特に、観賞用池のように中で鯉や金魚等の生物を飼育している場合には、溢水 によって同飼育生物やその飼も流れ出てしまい、溢水による被害が大きくなって いた。
【0004】 そこで、池などの貯水部中に一定高さのオーバーフロー配管を立設固定し、同 オーバーフロー配管のオーバーフロー口の位置にまで及んだ水を、同オーバーフ ロー口から自動的に排水するようにし、貯水部の水位がオーバーフロー口の位置 よりも高くならないようにしたものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の排水システムでは、オーバーフロー配管が一定高さで 固定されてしまっていたので、オーバーフロー口の位置も固定されてしまい、同 オーバーフロー口の位置によって決定される貯水部の最高水位も固定されてしま っていた。
【0006】 従って、貯水部の最高水位を上下に変動させることができず、貯水部の状況に 合致した水位に調節することができなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案では、貯水部の周壁に貫通固定させ、貯水部内に略水平に伸延 させた配管基部と、同配管基部の終端部に始端部を回動自在に連通連結すると共 に、上方へ伸延させた終端部にオーバーフロー口を形成したオーバーフロー配管 とを具備することを特徴とする水位調節器具を提供せんとするものである。
【0008】 また、本考案は、以下の点にも特徴を有する。 (1)オーバーフロー口は、オーバーフロー配管の終端部を斜めに切断開口する と共に、開口面を上方に向けて形成したこと。 (2)オーバーフロー配管は、始端部側の湾曲管部と、終端部側の直管部とから なり、湾曲管部の終端部を上方へ伸延させて、同終端部に直管部の始端部を回動 自在に連通連結したこと。 (3)オーバーフロー口の周囲をごみ防除枠で囲繞したこと。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案に係る水位調節器具は、貯水部の水位が一定高さより大きくならないよ うに調節するものである。なお、貯水部とは、庭園の観賞用池や、その他の溜池 のことである。
【0010】 すなわち、水位調節器具は、貯水部である池等の周壁に配管基部を貫通固定し 、同配管基部の終端部にオーバーフロー配管の始端部を連通連結させており、貯 水部内の水がオーバーフロー配管の終端部に設けたオーバーフロー口の位置まで 上昇した場合には、自動的にオーバーフロー口に水が流入し、オーバーフロー配 管、配管基部の内部を順次流れて、最終的に下水道等に排水されるように構成し ている。
【0011】 本水位調節器具では、前記配管基部を貯水部内に略水平に伸延させると共に、 同配管基部に対してオーバーフロー配管を回動自在に連通連結し、しかも、オー バーフロー口を設けたオーバーフロー配管の終端部を、上方にむかって伸延させ ている。
【0012】 従って、オーバーフロー配管を回動させると、同オーバーフロー配管の始端部 は、配管基部に介設した状態のまま配管基部の円周方向に回動するが、オーバー フロー配管の終端部は、配管基部を回転軸として円を描くように回動することと なり、同終端部は、回動によって位置が上下に変動することとなる。すなわち、 同終端部に設けたオーバーフロー口の位置も上下に変動させることが可能となり 、貯水部の最高水位を調節することができる。
【0013】 また、上記構成に加えて、オーバーフロー配管の終端部を斜めに切断開口して オーバーフロー口とし、同オーバーフロー口の開口面が上方を向くように配設す ると、オーバーフロー配管の水面上に突出する部分を減少させることができ、水 位調節器具の存在を目立たなくすることができる。特に、貯水部が庭園に設けら れた人工池のように観賞用である場合には、その美観を損ねることなく最高水位 の調節を行うことができる。
【0014】 なお、上記オーバーフロー口とした場合は、オーバーフロー配管を回動させて オーバーフロー配管の終端部の上下位置を変動させると、それに連動してオーバ ーフロー口の開口面の向きも変動するので、オーバーフロー配管を、同一の始端 部側をなす湾曲管部と、同一の終端部側をなす直管部との2部構成とし、上方へ 伸延させた湾曲管部終端部に直管部の始端部を回動自在に連通連結するようにし 、オーバーフロー配管を回動させたときにオーバーフロー口の向きが変動しても 、適宜、直管部を回動させることで、オーバーフロー口の開口面が常に上方を向 くように調節可能としている。
【0015】 また、オーバーフロー口の周囲をごみ防除枠で囲繞するようにすると、貯水部 の水面付近に浮遊するごみを同ごみ防除枠でせき止めて、オーバーフロー口の周 囲にごみが浮遊するのを防止することができ、ごみがオーバーフロー口に水と一 緒に流入し、各配管部が詰まるのを防止することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案に係る水位調節器具1を図面に基づき説明する。
【0017】 図1は本考案にかかる水位調節器具1の斜視図、図2はオーバーフロー配管3 の回動状態を示す説明図、図3は本考案に係る水位調節器具1の使用状態を示す 説明図である。
【0018】 図1,図2に示すように、本水位調節器具1は、貯水部Pの側壁に貫通固定す る配管基部2と、同配管基部2の終端部2aに始端部4aを回動自在に連通連結する と共に、上方へ伸延させた終端部5aにオーバーフロー口5Aを配設したオーバーフ ロー配管3と、前記オーバーフロー口5Aの周囲を囲繞するごみ防除枠6とからな る。
【0019】 上記オーバーフロー配管3は一本の配管により単一的に構成することもできる が、本実施例では、始端部4a側を構成する湾曲管部4と、終端部5a側を構成する 直管部5との2部構成としており、湾曲管部4の始端部4aをオーバーフロー配管 3の始端部4aと同一にすると共に、直管部5の終端部5aをオーバーフロー配管3 の終端部5aと同一にしている。
【0020】 オーバーフロー配管3の終端部5a側を構成する直管部5は、略円筒状に形成し て、その終端部5aを開口させてオーバーフロー口5Aとすると共に、同オーバーフ ロー口5Aが貯水部Pの水面S上に開口するように配設している。
【0021】 そして、オーバーフロー口5Aの位置にまで及んだ水は、同オーバーフロー口5A から自動的に排水されるようにしており、貯水部Pの水位がオーバーフロー口5A の位置よりも高くならないように調節可能としている。
【0022】 特に、直管部5の終端部5aを斜めに切断して、開口面積が大きいオーバーフロ ー口5Aを形成すると共に、かかる切断開口面が上方を向くように直管部5を配設 しているので、同直管部5の水面S上に突出する部分を減少させることができ、 水位調節器具1の存在を目立たなくすることが可能となっている。
【0023】 また、オーバーフロー配管3の始端部4a側を構成する湾曲管部4は、終端部4b を上方へ伸延させて湾曲円筒状としており、同終端部4bを前記直管部5の始端部 5bに挿入することによって、両部4,5を連通連結させている。
【0024】 また、配管基部2は、略円筒状に形成して貯水部Pの側壁に略水平に固定して おり、同配管基部2の終端部2aに上記オーバーフロー配管3の始端部4aを挿入す ることによって、両者2,3を連通連結させている。
【0025】 すなわち、直管部5の始端部5bに、湾曲管部4の終端部4bを挿入すると共に、 同湾曲管部4の始端部4aを配管基部2の終端部2aに挿入しており、このようにし て3つの配管部2,4,5を連通連結させているので、オーバーフロー口5Aに流 入した水は、直管部5と湾曲管部4と配管基部2とを順次通過することができ、 最終的に、配管基部2から下水道等に排水可能となっている。
【0026】 また、図2に示すように、貯水部Pの側壁に固定された配管基部2に対して、 オーバーフロー配管3を構成する湾曲管部4と直管部5とはそれぞれ回動自在と しており、終端部4bを上方に伸延させて湾曲状とした湾曲管部4を回動させた場 合に、同湾曲管部4の始端部4aは、配管基部2に介設した状態のまま配管基部2 の円周方向に回動し、湾曲管部4の終端部4bは、配管基部2を回転軸として円を 描くように回動するようにしている。
【0027】 従って、湾曲管部4の終端部4bは、回動によって位置が上下に変動することと なり、同終端部4bに介設された直管部5も、かかる湾曲管部4の回動に連動して 上下方向に変動するので、湾曲管部4を回動させることによって、オーバーフロ ー口5Aとなる直管部5の終端部5aの位置も上下に変動させることができ、貯水部 Pの最高水位を調節することができる。
【0028】 また、湾曲管部4を回動させて直管部5の上下位置を変動させると、図2に示 すように、それに連動して直管部5の終端部5aに設けたオーバーフロー口5Aの向 きも変動するので、湾曲管部4を回動させる場合は、適宜、直管部5も回動させ て、オーバーフロー口5Aが上方に向かって開口するように調節している。
【0029】 また、オーバーフロー口5Aの周囲を囲繞するごみ防除枠6は、図1に示すよう に、略矩形筒状の枠本体6aと、同枠本体6aを支持する脚体6bとからなり、枠本体 6aでオーバーフロー口5Aの四方を取り囲むことによって、貯水部Pの水面S付近 に浮遊するごみを同枠本体6aでせき止めて、オーバーフロー口5Aの周囲にごみが 浮遊するのを防止することができ、ごみが水と一緒にオーバーフロー口5Aに流入 し、各配管部2,4,5が詰まるのを防止することができる。
【0030】 特に、ごみ防除枠6は貯水部P内に載置するようにしており可動なので、オー バーフロー口5Aの位置を変動させる場合は、ごみ防除枠6の位置も適宜変動させ て、オーバーフロー口5Aがごみ防除枠6内からはみ出ないようにすることができ る。
【0031】 上記した水位調節器具1を配設する貯水部Pとしては、庭園の観賞用池P1や、 治水用池や、消防用水池や、農業用水池や、噴水設備のように、主に屋外に配設 される貯水部Pから、飼育用水槽や、観賞用水槽や、工業用水槽のように、主に 屋内に配設される貯水部Pまで、様々な貯水部Pが考えられる。
【0032】 例えば、図3に示すような観賞用池P1に本水位調節器具1を配設した場合には 、観賞用池P1の水位が一定高さより大きくならないように調節することができる だけでなく、本水位調節器具1の水面S上に現れる部分がわずかなので、観賞用 池P1の美観を損ねることがなく、また、本水位調節器具1は簡単な構成よりなる ので、安価かつ簡単に取り付けを行うことができる。
【0033】 さらに、観賞用池P1等の貯水部Pに既に配管基部2が設置されている場合には 、かかる既存の配管基部2に本オーバーフロー配管3を連通連結させることもで き、その場合は、配管基部2の配設を省略することができるので、更に安価かつ 簡単に本水位調節器具1を取り付けることができる。
【0034】 なお、既存の配管基部2の終端部2aが略水平でない場合、例えば、既存の配管 基部2が貯水部Pの底面に略垂直に配設されている場合には、かかる既存の配管 基部2に略逆L字状に形成した配管基部2を新たに連通連結し、配管基部2の端 部2aが略水平になるように構成する。これにより、同配管基部2に回動自在に連 通連結するオーバーフロー配管3の終端部5aが、上下に変動可能となる。
【0035】
【考案の効果】
請求項1に記載の本考案によれば、貯水部の周壁に貫通固定させ、貯水部内に 略水平に伸延させた配管基部と、同配管基部の終端部に始端部を回動自在に連通 連結すると共に、上方へ伸延させた終端部にオーバーフロー口を形成したオーバ ーフロー配管とを具備する水位調節器具としたことによって、オーバーフロー配 管を回動させると、同オーバーフロー配管の始端部は、配管基部に介設した状態 のまま配管基部の円周方向に回動するが、オーバーフロー配管の終端部は、配管 基部を回転軸として円を描くように回動することとなり、同終端部は、回動によ って位置が上下に変動することとなる。すなわち、同終端部に形成したオーバー フロー口の位置も上下に変動させることが可能となり、貯水部の最高水位を調節 することができる。
【0036】 請求項2に記載の本考案によれば、オーバーフロー口は、オーバーフロー配管 の終端部を斜めに切断開口すると共に、開口面を上方に向けて形成したことによ って、直管部の水面上に突出する部分を減少させることができ、水位調節器具の 存在を目立たなくすることができる。特に、貯水部が庭園に設けられた人工池の ように観賞用である場合には、その美観を損ねることなく最高水位の調節を行う ことができる。
【0037】 請求項3に記載の本考案によれば、オーバーフロー配管は、始端部側の湾曲管 部と、終端部側の直管部とからなり、湾曲管部の終端部を上方へ伸延させて、同 終端部に直管部の始端部を回動自在に連通連結したことによって、湾曲管部を回 動させて同湾曲管部の終端部の上下位置を変動させた際に、それに連動してオー バーフロー口の開口面の向きが変動しても、適宜、直管部を回動させて、オーバ ーフロー口の開口面が上方を向くように調節することができる。
【0038】 請求項4に記載の本考案によれば、オーバーフロー口の周囲をごみ防除枠で囲 繞したことによって、貯水部の水面付近に浮遊するごみを同ごみ防除枠でせき止 めて、オーバーフロー口の周囲にごみが浮遊するのを防止することができ、ごみ がオーバーフロー口に水と一緒に流入し、各配管部が詰まるのを防止することが できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る水位調節器具の斜視図。
【図2】オーバーフロー配管の回動状態を示す説明図。
【図3】本考案に係る水位調節器具の使用状態を示す説
明図。
【符号の説明】
1 水位調節器具 2 配管基部 3 オーバーフロー配管 4 湾曲管部 5 直管部 6 ごみ防除枠 P 貯水部 S 水面

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水部(P)の周壁に貫通固定させ、貯水
    部(P)内に略水平に伸延させた配管基部(2)と、同配管
    基部(2)の終端部(2a)に始端部(4a)を回動自在に連通連
    結すると共に、上方へ伸延させた終端部(5a)にオーバー
    フロー口(5A)を形成したオーバーフロー配管(3)とを具
    備することを特徴とする水位調節器具。
  2. 【請求項2】 オーバーフロー口(5A)は、オーバーフロ
    ー配管(3)の終端部(5a)を斜めに切断開口すると共に、
    開口面を上方に向けて形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の水位調節器具。
  3. 【請求項3】 オーバーフロー配管(3)は、始端部(4a)
    側の湾曲管部(4)と、終端部(5a)側の直管部(5)とから
    なり、湾曲管部(4)の終端部(4b)を上方へ伸延させて、
    同終端部(4b)に直管部(5)の始端部(5b)を回動自在に連
    通連結したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の水位調節器具。
  4. 【請求項4】 オーバーフロー口(5A)の周囲をごみ防除
    枠(6)で囲繞したことを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の水位調節器具。
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