JP3076995B2 - 圧縮成形装置 - Google Patents

圧縮成形装置

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JP3076995B2
JP3076995B2 JP2264591A JP2264591A JP3076995B2 JP 3076995 B2 JP3076995 B2 JP 3076995B2 JP 2264591 A JP2264591 A JP 2264591A JP 2264591 A JP2264591 A JP 2264591A JP 3076995 B2 JP3076995 B2 JP 3076995B2
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裕児 叶野
建夫 久保
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器蓋の合成樹脂製把
持体を成形すると同時に容器蓋本体の連結用突出片に一
体に連結するための成形装置に関する。
【0002】特開昭57−1787730号公報には、
簡易開封型容器蓋の好適例として、金属製容器蓋本体と
合成樹脂製把持体とを具備する容器蓋が開示されてい
る。アルミニウム基合金薄板の如き適宜の金属薄板から
形成される容器蓋本体は、円形天面壁、この円形天面壁
の周縁から垂下するスカート壁、及びスカート壁の下端
から突出する連結用突出片を有する。ポリエチレン或い
はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から成形される
合成樹脂製把持体は、容器蓋本体の連結用突出片の少な
くとも自由端部を囲繞する連結基部、及びこの連結基部
からリング状に延出するリング部を有する。
【0003】一方、特開昭63−302010号公報に
は、合成樹脂製把持体を成形すると同時に容器蓋本体の
連結用突出片に一体に連結するための圧縮成形装置が開
示されている。かかる圧縮成形装置は所定開閉動方向に
相対的に移動せしめられて開閉動せしめられる第一の成
形型部と第二の成形型部とから成る成形型を具備する。
第一の成形型部は収容空間と第一の成形凹部とを有す
る。第二の成形型部は第二の成形凹部とこの第二の成形
凹部から所定方向に延びる貫通導入孔とを有し、貫通導
入孔には圧縮ロッドが滑動自在に挿通せしめられてい
る。第一の成形凹部と第二の成形凹部とは協働して成形
空間を規定する。第一の成形型部の収容空間に容器蓋本
体が収容され、かかる容器蓋本体の連結用突出片の少な
くとも自由端部は成形空間内に突出せしめられる。第二
の成形型部の貫通導入孔に加熱溶融状態の合成樹脂が供
給され、かかる合成樹脂が圧縮ロッドによって圧縮され
て成形空間に対応した形状の把持体に圧縮成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】而して、上述した従来
の圧縮成形装置には次の通りの解決すべき課題がある。
第一に、合成樹脂製把持体を圧縮成形した後に成形型を
開動せしめると、成形された把持体は第二の成形型部か
ら離隔されて容器蓋本体と共に第一の成形型部上に位置
せしめられる。従って、成形型の開動に続いて第一の成
形型部から容器蓋本体と共に成形された把持体を排出す
ることが必要である。然るに、成形型の開動時点におい
ては、第一の成形型部における第一の成形凹部に把持体
が部分的に埋め込まれた状態である故に、第一の成形型
部から容器蓋本体と共に把持体を迅速に排出ことは容易
ではない。また、本発明者等の経験によれば、第一の成
形型部から排出する際に把持体に望ましくない変形を生
成せしめてしまうことも少なくない。
【0005】第二に、本発明者等の経験によれば、第二
の成形型部の貫通導入孔から成形空間に流動せしめられ
る合成樹脂が容器蓋本体の連結用突出片の片面に衝突し
てこれを押圧し、連結用突出片を第一の成形凹部の底面
に押し付け、これに起因して連結用突出片の他面側に合
成樹脂が充分に流動せず、連結用突出片の上記他面を覆
う合成樹脂が著しく薄くなり或いは連結用突出片の上記
他面が局部的に露呈してしまう傾向がある。かような自
体が発生すると、容器蓋本体に対する把持体の連結強度
が低下すると共に、容器蓋の外観が劣化したものにな
り、製品として許容されない不良容器蓋が製作されるこ
とになる。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、その主たる技術的解決課題は、成形型の開動の後
に容器蓋本体と共にその連結用突出片に一体に連結され
ている把持体を、望ましくない変形を生成せしめること
なく充分迅速に第一の成形型部から排出することができ
る、合成樹脂製把持体を圧縮成形すると同時に容器蓋本
体の連結用突出片に一体に連結するための改良された圧
縮成形装置を提供することである。本発明の他の技術的
解決課題は、更に、容器蓋本体の連結用突出片の上記他
面側に合成樹脂を充分に流動せしめることができ、従っ
て不良容器蓋の発生を確実に回避できる、合成樹脂製把
持体を圧縮成形すると同時に容器蓋本体の連結用突出片
に一体に連結するための改良された圧縮成形装置を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記主たる技術的解決課
題を達成するために、本発明においては、(1)第一の
成形型部には開閉動方向に成形位置と離隔位置との間を
移動自在に可動部材を配設し、容器蓋本体のスカート壁
の少なくとも一部を支持する支持面を可動部材に形成
し、(2)第一の成形型部の可動部材を成形位置と離隔
位置とに選択的に位置付けるための可動部材移動機構を
配設し、(3)第一の成形型部の可動部材が成形位置に
位置せしめられている間に把持体の圧縮成形を遂行し、
第一の成形型部と第二の成形型部との相対的開動と同時
に或いはこれに引き続いて可動部材を離隔位置に移動せ
しめる。
【0008】即ち、本発明によれば、所定開閉動方向に
相対的に移動せしめられて開閉動せしめられる第一の成
形型部と第二の成形型部とから成る成形型を具備し、該
第一の成形型部は収容空間と第一の成形凹部とを有し、
該第二の成形型部は第二の成形凹部と該第二の成形凹部
から所定方向に延びる貫通導入孔とを有し、該貫通導入
孔には圧縮ロッドが滑動自在に挿通せしめられており、
該第一の成形凹部と該第二の成形凹部とは協働して、合
成樹脂製把持体を成形するための成形空間を規定し、該
第一の成形型部の該収容空間には円形天面壁、該天面壁
の周縁から垂下する円筒状スカート壁及び該スカート壁
の下端から突出する連結用突出片を有する金属製容器蓋
本体が収容され、該容器蓋本体の該連結用突出片の少な
くとも自由端部は該成形空間内に突出せしめられ、該第
二の成形型部の該貫通導入孔に合成樹脂が供給され、か
かる合成樹脂が該圧縮ロッドによって圧縮されて該成形
空間に対応した形状の把持体に圧縮成形される、合成樹
脂製把持体を圧縮成形すると同時に容器蓋本体の連結用
突出片に一体に連結するための圧縮成形装置において、
該第一の成形型部は該第一の成形凹部が形成されている
型部材と該開閉動方向に成形位置と離隔位置との間を移
動自在に装着された可動部材とから構成され、該可動部
材には該容器蓋本体の該スカート壁の少なくとも一部を
支持する支持面が形成されており、該第一の成形型部の
該可動部材を該成形位置と該離隔位置とに選択的に位置
付けるための可動部材移動機構が配設されており、該第
一の成形型部の該可動部材が該成形位置に位置せしめら
れている間に該把持体の圧縮成形が遂行され、該第一の
成形型部と該第二の成形型部との相対的開動と同時に或
いはこれに引き続いて該可動部材が該離隔位置に移動せ
しめられ、これによって圧縮成形された把持体が該第一
の成形凹部から離隔せしめられる、ことを特徴とする圧
縮成形装置が提供される。該可動部材には該成形位置に
おいても該第一の成形凹部に突出して該容器蓋本体の該
連結用突起片を支持し該第一の成形凹部の底面から離隔
せしめる支持突起も形成されているのが好適である。
【0009】
【作用】本発明の圧縮成形装置においては、成形型の開
動と同時に或いはこれに引き続いて第一の成形型部の可
動部材が離隔位置に移動せしめられ、これによって圧縮
成形された把持体が第一の成形凹部から離隔せしめら
れ、それ故に第一の成形凹部に把持体が埋設された状態
が消失され、かくして第一の成形型部から容器蓋本体と
共にその連結用突出片に一体に連結された把持体を充分
容易に且つ迅速に排出することができる。可動部材は成
形された把持体ではなくて容器蓋本体に作用する故に、
把持体に望ましくない変形が生成されることはない。
【0010】また、本発明の圧縮成形装置の好適形態
おいては、成形空間内に突出せしめられた連結用突出片
が第一の成形凹部の底面に押し付けられることが、第一
の成形型部の可動部材に形成された支持突起によって確
実に阻止され、従って第一の成形凹部の底面と連結用突
出片との間に合成樹脂流動間隙が確実に維持され、かく
して連結用突出片の上記他面側にも合成樹脂が充分に流
動せしめられ、所要通りの良好な把持体が圧縮成形され
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明に従って構成された成形装置の
好適実施例について詳細に説明する。
【0012】成形装置を含むシステムの概要 図1には本発明に従って改良された成形装置の好適実施
例を含む成形システムの一部が簡略に図示されている。
このシステムは、一部を示す穿孔装置2及び回転式容器
蓋本体搬送装置4と共に、本発明に従って改良された成
形装置6を含んでいる。
【0013】図2及び図3は穿孔装置2から容器蓋搬送
装置4を介して成形装置6に搬入される容器蓋本体8の
一例を示している。アルミニウム基合金薄板、クロム酸
処理鋼薄板或いはブリキ薄板の如き適宜の金属薄板から
形成することができる容器蓋本体8は、円形天面壁1
0、この天面壁10の周縁から垂下する円筒状スカート
壁12、及びスカート壁12の下端から突出する連結用
突出片14を有する。突出片14はスカート壁12の下
端から下方に突出し、次いで15乃至60度でよい傾斜
角度αで下方に傾斜して半径方向外方に突出しているの
が好都合である。突出片14の傾斜して延在している部
分には、後述する把持体の連結強度を増大せしめるため
に複数個(図示の場合は3個)の孔18が形成されてい
る。かかる孔18は穿孔装置2において穿孔される。穿
孔装置2自体の構成は、例えば特開昭64−15237
号公報に開示されているもの或いは本出願人の出願にか
かる特願平1−121361号(出願日:平成1年5月
17日、発明の名称:穿孔装置)の明細書及び図に開示
されているものでよく、その詳細な説明はこれらの開示
に委ね、本明細書においては省略する。図示の容器蓋本
体8においては、更に、突出片14の基端両側において
スカート壁12に略三角形状の切欠20が形成され、そ
してかかる切欠20から上方に延びる破断ライン22が
形成されている。また、突出片14の周方向中央から周
方向両側に略90度の角度間隔をおいた部位の各々にお
いても、スカート壁12の下端から上方に延びる破断ラ
イン24が形成されている。破断ライン22及び24は
所謂スコア又はスリットでよい。天面壁10の周縁部は
上方に隆起せしめられており、かかる隆起部の内面には
合成樹脂製環状ライナ26が配設されている。
【0014】図1を参照して説明を続けると、回転式容
器蓋本体搬送装置4は矢印28で示す方向に連続的に回
転せしめられる回転支持体30を有する。この支持体3
0には周方向に間隔をおいて複数個の容器蓋本体受け部
32が配設されている。番号34で示す容器蓋本体受取
域において、突出片14に孔18が穿孔された容器蓋本
体8がその天面壁10を半径方向内側に向けて且つその
突出片14を上方に向けて、支持体30の容器蓋本体受
け部32の各々に搬入される。かかる容器蓋本体8は支
持体30の回転に付随して上記容器蓋受取域34から番
号38で示す容器蓋本体受渡域に搬送され、かかる容器
蓋本体受渡域38において容器蓋本体搬送装置4から成
形装置6に移送される。容器蓋本体搬送装置4自体の構
成は、本出願人の出願にかかる特願平2−235592
号(出願日:平成2年9月7日、発明の名称:回転式容
器蓋搬送装置)の明細書及び図に開示されているもので
よく、その詳細な説明はかかる明細書及び図の開示に委
ね、本明細書においては省略する。
【0015】図1を参照して説明すると、図示の成形装
置6は、回転式圧縮成形手段40、樹脂素材供給手段4
2及び排出手段44を具備している。圧縮成形手段40
は実質上鉛直に延びる静止支持軸46とこの支持軸46
に回転自在に装着された回転支持体48を含んでいる。
回転支持体48には周方向に間隔をおいて複数個の成形
型50(かかる成形型50については後に更に詳細に説
明する)が配設されている。圧縮成形手段40の回転支
持体48は矢印52で示す方向に連続的に回転せしめら
れ、これによって成形型50の各々は容器蓋本体受入域
54、樹脂素材受入域56、圧縮成形域58及び排出域
60を順次に通して搬送せしめられる。上記回転式容器
蓋搬送装置4の容器蓋本体受渡域38に対応する容器蓋
本体受入域54においては、成形型50の各々に容器蓋
本体8が搬入される。樹脂素材受入域56においては、
樹脂素材供給手段42から成形型50の各々に加熱溶融
状態の合成樹脂素材が供給される(合成樹脂素材供給手
段42から成形型50の各々への合成樹脂素材の供給に
ついては後に更に言及する)。成形型50が圧縮成形域
58を通して移動される間には、合成樹脂素材が所要把
持体に圧縮成形されると共に、容器蓋本体8の突出片1
4に一体に連結せしめられる。そして、排出域60にお
いては、合成樹脂製把持体を備えた容器蓋が成形型50
から排出される。排出手段44は矢印61で示す方向に
駆動せしめられる無端搬送ベルト62を含む搬送ベルト
機構から構成されている。無端搬送ベルト62の上方に
は、実線で示す非作用位置と2点鎖線で示す作用位置と
に選択的に位置付けられる切替えレバー64が配設され
ている。所要通りに製造された容器蓋が成形型50から
無端搬送ベルト62上に排出される場合には、切替えレ
バー64は実線で示す非作用位置に位置付けられる。こ
の場合には、無端搬送ベルト62上に排出された容器蓋
は無端搬送ベルト62によって所要域(例えば検査・計
数・包装域)に搬送される。一方、成形型50から排出
される容器蓋が不完全な不良品である場合には、切替え
レバー64は2点鎖線で示す作用位置に位置付られる。
この場合には、無端搬送ベルト62上に排出された容器
蓋は、無端搬送ベルト上を搬送されることなく、切替え
レバー64の作用によって回収箱66内に導入される。
【0016】図4及び図5は圧縮成形手段40において
所要通りに成形された合成樹脂製把持体68を有する容
器蓋70を図示している。ポリプロピレン又はポリエチ
レンの如き適宜の合成樹脂から圧縮成形される把持体6
8は、連結基部72とこの連結基部72からリング状に
延在するリング部74とを有する。把持体68の連結基
部72は容器蓋本体8の突出片14の先端部を囲繞し、
これに一体に連結されている。把持体68に成形される
合成樹脂素材は、容器蓋本体8の突出片14に形成され
ている孔18内にも流動して硬化せしめられ、かくして
把持体68が容器蓋本体8の突出片14に充分強固に連
結される。
【0017】成形装置 次に、本発明に従って改良された成形装置6、特にその
圧縮成形手段40について詳細に説明する。
【0018】図6を参照して説明すると、成形装置6に
おける上記回転式圧縮成形手段40は略円板形状の静止
支持ブロック78を備え、この静止支持ブロック78に
上記静止支持軸46が固定されている。支持軸46の下
端部には環状フランジ80が形成されており、かかるフ
ランジ80は支持ブロック78の上面に形成されている
凹部82内に挿入され、締結ボルト84によって支持ブ
ロック78に固定されている。上記回転支持体48は支
持軸46を囲繞する略円筒形状であり、支持ブロック7
8及びこれに固定された支持軸46から成る支持構造体
に上部軸受86及び下部軸受88を介して回転自在に装
着されている。回転支持体48の下端部には入力歯車9
0が固定されており、かかる入力歯車90は適宜の伝動
機構(図示していない)を介して電動モータでよい駆動
源92に駆動連結されている。かくして、駆動源92が
付勢されると、回転支持体48が図1に矢印52で示す
方向に所定速度で回転駆動せしめられる。
【0019】上記回転支持体48には、上記成形型50
が周方向に等間隔をおいて複数個(図示の実施例におい
ては図1に図示する如く12個)装着されている。かか
る成形型50の各々は、第一の成形型部94と第二の成
形型部96とを具備している。更に詳述すると、上記回
転支持体48の下部には環状支持フランジ98が形成さ
れており、かかる環状支持フランジ98の上面に成形型
50の各々の第一の成形型部94が固定されている。図
8及び図9を参照して説明すると、第一の成形型部94
の各々は支持部材95、型部材97及び可動部材99か
ら構成されている。支持部材95には鉛直に貫通する円
形孔101が形成され、型部材97には上記円形孔10
1に整合して鉛直に貫通するねじ孔103が形成されて
おり、円形孔101を通してねじ孔103に締結ボルト
105を螺合することによって支持部材95に型部材9
7が固定されている。支持部材95自体は、回転支持体
48の上記環状支持フランジ98を通して支持部材95
に締結ボルト(図示していない)を螺合することによっ
て、環状支持フランジ98の所要位置に固定される。第
一の成形型部94における型部材95の上面には実質上
水平に延在する水平部106とこの水平部106から半
径方向外方に向かって幾分下方に傾斜する傾斜部108
とが存在する。そして、傾斜部108から水平部106
に向かってリング形状に延在する第一の成形凹部110
が形成されている。支持部材95の上面には第一の成形
凹部110の周方向両側において実質上鉛直に上方に突
出する一対の短軸118も設けられている。
【0020】図8及び図9を参照して説明を続けると、
第一の成形型部94における上記支持部材95の前面即
ち外周面には、実質上水平に円弧状に延びる溝102が
形成されている。また、支持部材95の外周面における
周方向中央部には、上記可動部材99を装着するための
没入部が形成されている。この没入部の半径方向深さは
上記溝102の半径方向深さよりも大きい。可動部材9
9の前面には下方受部107と上方拘束部89が配設さ
れており、下方受部107には上方に向いた円弧状支持
面109が形成されており、上方拘束部89には周方向
に間隔をおいて相互に対向する一対の円弧状拘束面11
1が形成されている。支持面109及び拘束面111の
曲率は容器蓋本体8のスカート壁12の曲率に対応せし
められている。支持面109及び拘束面111は容器蓋
本体8を受け入れる収容空間93を規定する。下部受部
107と上部拘束部89との上下方向中間領域において
は、半径方向内方に後退せしめられている。中間領域に
おける後退表面は、上記支持部材95に形成されている
上記溝102の半径方向底面と半径方向に実質上整合或
いはこれよりも幾分半径方向内方に位置せしめられてい
る。可動部材99の上面中央部には実質上鉛直に上方に
突出する支持突起115が形成されている。また、可動
部材99の下面中央部には実質上鉛直に下方に突出する
垂下片119が形成されている。他方、上記型部材97
の前面部には鉛直方向に延びる貫通孔121が形成され
ている。図8及び図9に明確に図示する如く、可動部材
99は、その支持突起115を型部材97に形成されて
いる貫通孔121に挿入しその垂下片119を支持部材
95よりも前方に位置せしめて、支持部材95に形成さ
れている没入部に装着される。かかる可動部材99は図
8及び図9に実線で示す成形位置と図9に2点鎖線で示
す離隔位置との間を鉛直方向(従って成形型50におけ
る第一の成形型部94と第二の成形型部96との開閉動
方向)に移動自在に装着されている。可動部材99の上
面に形成されている上記支持突起115は、可動部材9
9が上記成形位置に位置せしめられている時にも、型部
材97の上面を越えて、従ってそこに形成されている第
一の成形凹部110の底面を越えて上方に突出せしめら
れていることが重要である。図9に図示する如く、可動
部材99の後部には、上面から下方に延びる盲孔123
が形成されており、かかる盲孔123には圧縮コイルば
ねでよい弾性偏倚手段125が収容されている。この弾
性偏倚手段125の上端は型部材97の下面に当接せし
められており、弾性偏倚手段125は型部材97に対し
て可動部材99を下方に、従って図8及び図9に実線で
示す成形位置に弾性的に偏倚する。第一の成形型部94
の各々における可動部材99に関連せしめてカム機構1
27が配設されている。かかるカム機構127は上記弾
性偏倚手段125と共に可動部材移動機構を構成する。
図8及び図9を参照して説明を続けると、回転支持体4
8の上記環状支持フランジ98には、可動部材99の上
記垂下片119に整合せしめられて鉛直方向に延びる貫
通孔129が形成されている。そして、可動部材99の
垂下片119はこの貫通孔129に挿入されている。環
状支持フランジ98に形成されている貫通孔129に
は、カムロッド131も挿入せしめられている。このカ
ムロッド131は環状支持フランジ98の下面を越えて
下方に突出せしめられており、その下端部には水平短軸
133が固定され、この短軸133にカムローラ135
が回転自在に装着されている。一方、環状支持フランジ
98の下方には環状静止カム部材137が配設されてい
る。この静止カム部材137は適宜の支持部材(図示し
ていない)を介して上記支持ブロック78(図6)に固
定されている。静止カム部材137の外周面には環状カ
ム溝139が形成されており、上記カムローラ135が
このカム溝139内に収容されている。通常状態におい
ては、図8及び図9に実線で示す通り、カムロッド13
1の上端は可動部材99の垂下片119の下端よりも若
干下方に位置せしめられており、従って可動部材99は
弾性偏倚手段125の弾性偏倚作用によって上記成形位
置に位置せしめられている。他方、後に更に言及する如
く、第一の成形型部94から容器蓋本体8と共に成形さ
れた把持体68を排出する際には、カムロッド131が
上昇せしめられ、弾性偏倚手段125の弾性偏倚作用に
抗して可動部材99が図9に2点鎖線で示す離隔位置に
上昇せしめられる(図17も参照されたい)。上記容器
蓋本体受入域54において成形型50に容器蓋本体8が
供給される際には可動部材99は成形位置に戻されてお
り、図8及び図9に2点鎖線で示す如く、容器蓋本体8
はその天面壁10を半径方向外方に且つその連結用突出
片14を上方に向けた状態で、スカート壁12を上記支
持面109上に載置して上記収容空間93に収容され
る。上記拘束面111はスカート壁12の外周面に近接
乃至接触せしめられる。容器蓋本体8の連結用突出片1
4は型部材97の上面に形成されている第一の成形凹部
110上に延出し、可動部材99の上記支持突起115
に支持される。型部材97の上面を越えて上方に突出す
る支持突起115は容器蓋本体8の連結用支持突出片1
4を支持してこれを第一の成形凹部110の底面から上
方に離隔せしめた状態に維持する。第一の成形型部94
の収容空間93に収容された容器蓋本体8の半径方向外
方への移動は、第一の成形型部94の外周面に隣接して
円弧状に延びる静止ガイド116(図1)によって防止
される。
【0021】図6を参照して説明を続けると、上記回転
支持体48の上部には、比較的厚い支持フランジ120
が形成されている。そして、この支持フランジ120に
は、周方向に等間隔を置いて複数個(図示の場合は12
個)の実質上鉛直に延びる溝122が形成されている。
かかる溝122の各々は、上記第一の成形型部94の各
々に対して鉛直方向に実質上整合して位置する。溝12
2の各々は矩形断面形状を有し、その外面は開放されて
いる。支持フランジ120の外周面には上記溝122の
各々に対応して板状部材124が固定されている。板状
部材124の各々は溝122の外面を閉ざす。板状部材
124の各々の外面にも実質上鉛直に延びる溝126が
形成されている。かかる溝126も矩形断面形状を有
し、その外面は開放されている。そして更に、板状部材
124の外面には溝126の外面を閉ざす板状部材12
8が固定されている。溝122と溝126とは半径方向
に整合せしめて配置されている。溝122には主昇降部
材130が昇降自在に収容されており、溝126には副
昇降部材132が昇降自在に収容されている。主昇降部
材130及び副昇降部材132の各々は支持フランジ1
20を越えて上方に延出しており、その上端部には実質
上水平に延びる軸134及び136が固定されている。
そして軸134にはローラ138及び140が回転自在
に装着され、軸136にはローラ142が回転自在に装
着されている。ローラ138及び140並びに142は
カム従動節を構成する。他方、上記静止支持軸46の上
端部には略円筒形状のカムブロック144が固定されて
おり、かかるカムブロック144の外周面にはカム溝1
46及び148が形成されている。主昇降部材130に
配設された上記ローラ138及び140は、夫々、カム
溝146の下面及び上面の作用を受け、副昇降部材13
2に配設されたローラ142はカム溝148の上面及び
下面の作用を受け、回転支持体48が図1に矢印52で
示す方向に回転されると、主昇降部材130及び副昇降
部材132が所要通りに昇降動せしめられる。
【0022】図6と共に図7を参照して説明を続ける
と、上記主昇降部材130の下端には懸下軸150が固
定されている。詳述すると、主昇降部材130にはその
下端から上方に延びる雌ねじ孔152が形成されてお
り、懸下軸150の上部には雄ねじが形成されている。
懸下軸150の雄ねじを上記雌ねじ孔152に螺合し、
そして緩み止めナット154を懸下軸150の雄ねじに
螺着することによって、懸下軸150が主昇降部材13
0に固定される。かかる懸下軸150の下部には、連結
部材156が装着されている。連結部材156は水平上
壁部158、鉛直壁部160及び水平下壁部162を有
する。水平上壁部158には鉛直方向に延びる貫通孔1
64が形成されており、かかる貫通孔164に上記懸下
軸150の下部が滑動自在に挿通される。懸下軸150
の下端部には雄ねじが形成され、この雄ねじにナット1
66及び168が螺着され、かくして懸下軸150から
連結部材156が脱落することが阻止される。懸下軸1
50の上下方向中間部には張出フランジ170が一体に
形成されており、かかるフランジ170と連結部材15
6の水平上壁部158の上面との間には複数枚の皿ばね
172が配設されている。かかる皿ばね172は連結部
材156を下方に弾性的に偏倚して、その水平上壁部1
58の下面がナット166に当接する図示の位置に弾性
的に保持する。
【0023】上記連結部材156の水平下壁部162の
下面には、上記第二の成形型部96が固定されている。
かかる固定は、連結部材156の水平下壁部162を貫
通せしめて、第二の成形型部96の上面から下方に延び
る雌ねじ孔174(図12)に締結ボルト(図示してい
ない)を螺合せしめることによって遂行される。図7と
共に図10乃至図12を参照して説明すると、第二の成
形型部96は略扇形状である。第二の成形型部96の下
面には実質上水平に延在する主部176とこの主部17
6から半径方向外方に向って幾分下方に傾斜する傾斜部
178とが存在する。かかる主部176及び傾斜部17
8は、夫々、上記第一の成形型部94の上面における主
部106及び傾斜部108に対応する。第二の成形型部
96のかかる下面には、リング状に延在する第二の成形
凹部180が形成されている。後述する通りにして第二
の成形型部96が下降されて、第二の成形型部96の下
面が上記第一の成形型部94の上面に密接せしめられる
と、上記第二の成形型部96に形成されている第二の成
形凹部180が上記第一の成形型部94に形成されてい
る第一の成形凹部110と協働して成形空間を規定す
る。第一の成形型部94に供給される容器蓋本体8の連
結用突出片14は、かかる成形空間に半径方向外側から
進入する。第二の成形型部96には、更に、上記第二の
成形凹部180の半径方向外側部から実質上鉛直に延び
る貫通導入孔182が形成されている。図11及び図1
2に明確に図示する通り、貫通導入孔182の断面形状
は略台形であり、その半径方向内側辺(台形の底辺)の
中央部には弧状凸部184が存在する。従って、貫通導
入孔182は、第二の成形型部96の矢印52で示す搬
送方向に見て中間部に、半径方向寸法即ち幅が最小(W
2 )になる最小幅部位を有する。図10に明確に図示す
る如く、第二の成形型部96の外周面には比較的大きい
切欠186が形成されている。かかる切欠186は、全
体として略L字形状であり、第二の成形型部96の外周
面をその周方向全体に渡って延びる全周切欠部188
と、この全周切欠部188の下方において第二の成形型
部96の外周面の搬送方向前側半部のみに存在する半周
切欠部190とを有する。上記全周切欠部188は上記
貫通導入孔182の全周を開放せしめる。上記半周切欠
部190は上記貫通導入孔182の搬送方向前側半部を
開放する。貫通導入孔182におけるこの部分、即ち半
周切欠部190によって搬送方向前側部が開放された部
分は、後に詳細に言及する如くして加熱軟化状態の合成
樹脂を受入る樹脂受入部192を構成する。図10及び
図11と共に図7を参照することによって理解される如
く、第二の成形型部96には、更に、その下面に形成さ
れている上記第二の成形凹部180の周方向両側におい
てその下面の上記主部176から実質上鉛直に上方に延
びる一対の孔194が形成されており、かかる孔194
の各々には金属製ブッシュ196が圧入されている。図
7に図示する通り、一対の金属製ブッシュ196には、
上記第一の成形型部94に設けられている一対の短軸1
18が挿入され、かくして相互に協働する第一の成形型
部94と第二の成形型部96とが所要通りに相互位置付
けされる。
【0024】図6及び図7を参照して説明を続けると、
上記副昇降部材132の下端には、調節機構198を介
して懸下部材200が連結されている。詳述すると、副
昇降部材132にはその下面から上方に延びる雌ねじ孔
202が形成され、懸下部材200にはその上面から下
方に延びる雌ねじ孔204が形成されている。雌ねじ孔
202には右ねじが形成され、雌ねじ孔204には左ね
じが形成されている。上下方向中間部に六角形状のフラ
ンジ部206が一体に形成されている軸部材208に
は、その上半分に右雄ねじが形成され、その下半分には
左雄ねじが形成されている。軸部材208の上半分は、
副昇降部材132の雌ねじ孔202に螺合されて、緩み
止めナット210によって締結され、軸部材208の下
半分は、懸下部材200の雌ねじ孔204に螺合され
て、緩み止めナット212によって締結されている。緩
み止めナット210及び212を緩めて軸部材208を
右ねじ方向に回転せしめると、副昇降部材132に対し
て懸下部材200(従って、後述する圧縮ロッド21
6)が上昇され、逆に軸部材208を左ねじ方向に回転
せしめると、副昇降部材132に対して懸下部材200
(従って、後述する圧縮ロッド216)が下降される。
上記懸下部材200の半径方向内側下部には下方に開放
されている切欠214が形成されており、かかる切欠2
14には圧縮ロッド216の拡大頭部218が収容され
ている。上記切欠214内には実質上鉛直に垂下する軸
部を有する案内ピン220が固定されており、一方圧縮
ロッド216の拡大頭部218には鉛直方向に延びる貫
通被案内孔222が形成されており、貫通被案内孔22
2に案内ピン220の軸部が滑動自在に挿通されてい
る。案内ピン220の軸部の周囲には複数枚の皿ばね2
24が配置されている。かかる皿ばね224は圧縮ロッ
ド216を下方に弾性的に偏倚する。懸下部材200の
下面には圧縮ロッド216の拡大頭部218の下方に位
置する止め板226がボルト228によって固定されて
おり、圧縮ロッド216の拡大頭部218の下面がこの
止め板226に当接されることによって、圧縮ロッド2
16の下降が制限されている。圧縮ロッド216は上記
止め板226を越えて下方に延びるロッド主部230を
有し、かかるロッド主部230は上記貫通導入孔182
内に挿通せしめられる。図11に図示する通り、圧縮ロ
ッド216のロッド主部230の断面形状は、貫通導入
孔182の断面形状と実質上同一にせしめられている。
【0025】図1と共に図13及び図14を参照して説
明すると、上記樹脂素材受入域56に関連せしめて配設
された上記樹脂素材供給手段42は、押出機本体232
とこの押出機本体232の先端に固定された押出ブロッ
ク234とを具備している。押出ブロック234は、実
質上鉛直に延在する基部236とかかる基部236の上
端から実質上水平に延在する突出部238とを有する。
基部236の下部を通して締結ボルト240が押出機本
体232の先端面に螺着され、これによって押出機本体
232の先端に押出ブロック234が固定される。押出
ブロック234の突出部238は実質上水平に延在する
下面242を有する。押出ブロック234には、押出機
本体232に形成されている押出路244の下流端に接
続された入口端から上記突出部238内を延びる押出路
246が形成されている。かかる押出路246は、上記
入口端から上記突出部238内を実質上水平に先端部ま
で延び、次いで下方へ下面242まで延びて下面242
に開口している。下面242に開口する押出路246の
押出口248は、上記第二の成形型部96の搬送方向、
即ち矢印52で示す方向に細長く延在すると共に、上記
搬送方向に見て下流に向って漸次幅広にせしめられてい
る。
【0026】樹脂素材受入域56における作用を説明す
ると、樹脂素材受入域56を通過する際には、成形型5
0の構成要素は図14に図示する位置にある。即ち、主
昇降部材130に装着された第二の成形型部96は、第
一の成形型部94から上方に離隔した上昇位置にあり、
副昇降部材132に装着された圧縮ロッド216は、そ
のロッド主部230の下端が第二の成形型部96に形成
されている全周切欠部188よりも上方に位置するよう
に上昇されている。図14と共に図13を参照すること
によって理解される如く、樹脂素材供給手段42におけ
る押出ブロック234の突出部238は、第二の成形型
部96の外周面に形成されている全周切欠部188内に
突出し、押出口248が形成されている下面242は、
貫通導入孔182の樹脂受入部192の上面に接触乃至
近接して位置する。回転支持体48の回転によって貫通
導入孔182の樹脂受入部192が矢印52で示す方向
に移動してくると、押出ブロック234の押出口248
から下方に押出された樹脂素材250は、樹脂受入部1
92の開放された搬送方向前側半部を通して樹脂受入部
192内に受入られる。樹脂受入部192が更に矢印5
2で示す方向に更に移動せしめられると、押出ブロック
234の突出部238の下面242と樹脂受入部192
の上面との協働による切断作用によって、樹脂受入部1
92に受入られた樹脂素材250が切断され、かくして
樹脂素材250が樹脂受入部192内に供給され樹脂受
入部192と共に移動せしめられるようになる。
【0027】図1及び図6と共に図15及び図16を参
照して説明を続けると、圧縮成形手段40の成形型50
が圧縮成形域58を通る際には、主昇降部材130及び
副昇降部材132が適宜に下降せしめられる。図15に
示す状態においては、主昇降部材130の下降によって
第二の成形型部96が下降され、第二の成形型部96の
下面が第一の成形型部94の上面に密接せしめられて、
第一の成形型部94と第二の成形型部96との協働によ
ってリング状に延在する成形空間が規定されている。一
方、圧縮ロッド216のロッド主部230の下端は、貫
通導入孔182における樹脂受入部192(かかる樹脂
受入部192には既に樹脂素材250が受け入れられて
いる)よりも上方に位置している。副昇降部材132は
更に下降され続け、圧縮ロッド216が図16で示す位
置まで下降される。この際には、圧縮ロッド216のロ
ッド主部230が樹脂受入部192内に存在している樹
脂素材250に作用し、かかる樹脂素材250を貫通導
入孔182を通して上記成形空間に強制して圧縮する。
かくして、樹脂素材250が成形空間に対応した形状、
即ち図4及び図5に示す通りの把持体68に成形され
る。同時に、容器蓋本体8の突出片14が成形空間内に
突出せしめられている故に、成形された把持体68の連
結基部72は突出片14の先端部を囲繞し、これによっ
て把持体68が突出片14に一体に連結される。当業者
には周知の如く、樹脂受入部192に供給される樹脂素
材250の量を精密に所定値に制御することは不可能で
はないにしても著しく困難であり、樹脂素材250の量
には幾分かの誤差が存在する。図示の実施例において
は、供給される樹脂素材250の量は若干過剰に設定さ
れ、そして樹脂素材250の過剰分は圧縮成形の最終時
において圧縮ロッド216が皿ばね224の弾性偏倚作
用に抗して若干上昇することによって補償される。
【0028】図15及び図16を参照することによって
容易に理解される如く、圧縮ロッド216のロッド主部
230の作用によって樹脂素材250が貫通導入孔18
2から成形空間に強制される際には、容器蓋本体8にお
ける成形空間内に突出している突出片14の上面に樹脂
素材250が衝突し、従って突出片14にはこれを下方
に強制せんとする圧力が作用する。然るに、本発明に従
って改良された圧縮成形装置6においては、第一の成形
型部94の可動部材99に形成されている支持突起11
5が第一の成形凹部110の底面から上方に突出せしめ
られており、容器蓋本体8の突出片14はかかる支持突
起115に支持されている。従って、樹脂素材250か
ら突出片14に加えられる圧力によって突出片14が下
方に強制されて第一の成形凹部110の底面に接触乃至
近接せしめられることが確実に阻止され、突出片14が
第一の成形凹部110の底面から離隔した状態に確実に
維持され続ける。それ故に、貫通導入孔182から成形
空間に強制される樹脂素材250は突出片14の下面側
にも充分に流動せしめられて突出片14を充分に囲繞
し、所要通りの良好な把持体68に成形される。但し、
突出片14は支持突起115に支持され続ける故に、図
5に明確に図示する通り、成形された把持体68の連結
基部72の下面側には突出片14まで至る盲孔76が生
成される。一方、第一の成形型部94の可動部材99に
支持突起115が配設されていない場合には、成形空間
に流入する樹脂素材250から突出片14に加えられる
圧力によって突出片14が下方に強制されて第一の成形
凹部110の底面に接触乃至近接せしめられ、それ故に
突出片14の下面側に充分に樹脂素材250が流動せ
ず、突出片14の下面側を覆う合成樹脂が過少である或
いは突出片14の下面が局部的に露呈している不良品が
発生する虞が少なくない。
【0029】図1、図8及び図9と共に図17を参照し
て説明を続けると、成形型50が圧縮成形域58から排
出域60まで移動せしめられる際には、主昇降部材13
0及び副昇降部材132(図7)が上昇されて第二の成
形型部96及び圧縮ロッド216が第一の成形型部94
から上方に離隔され、成形型50が開かれる(容器蓋本
体8及び圧縮成形された把持体68は第一の成形型部9
4上に存在する)。そしてまた、第一の成形型部94に
おいては、カム機構127の作用によって可動部材99
が図9に2点鎖線で示し図17に実線で示す離隔位置に
上昇せしめられる。かくすると、可動部材99の支持面
109が容器蓋本体8のスカート壁12に作用し、そし
てまた支持突起115が容器蓋本体8の突出片14に作
用して、容器蓋本体8を幾分上昇せしめる。かかる上昇
によって圧縮成形された把持体68も第一の成形型部9
4における第一の成形凹部110から上昇せしめられて
上方に離隔せしめられ、かくして容器蓋本体8及び成形
された把持体68を第一の成形型部94から充分容易に
排出することができる状態が確立される。
【0030】図17に2点鎖線で示す通り、第一の成形
型部94から容器蓋本体8が半径方向外方に脱落するの
を防止するための静止ガイド116の下流端は排出域6
0の上流側に位置せしめられており、排出域60におい
ては静止ガイド116が存在しない。一方、排出域60
には静止排出部材252が配設されている。この排出部
材252の案内面は、第一の成形型部94の支持部材9
5に形成されている溝102及び可動部材99における
下方受部107と上方拘束部89との間の後退部内に位
置せしめられる上流端から漸次半径方向外方に延びてい
る。成形型50が排出域60を通過する際には、排出部
材252の案内面の作用によって容器蓋本体8は第一の
成形型部94から漸次半径方向外方に強制され、かくし
て容器蓋本体8とその突出片14に一体に連結された把
持片68を有する容器蓋70が無端搬送ベルト62(図
1)上に排出される。
【0031】以上、本発明に従って構成された圧縮成形
装置の一実施例について詳細に説明したが、本発明はか
かる実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲か
ら逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であるこ
とは多言を要しない。
【0032】本発明に従って改良された圧縮成形装置に
おいては、第一の成形型部から容器蓋を排出するのに先
立って、第一の成形型部の可動部材が成形位置から離隔
位置に移動せしめられることによって容器蓋本体が所要
方向に移動せしめられ、圧縮成形された把持体が第一の
成形凹部から離隔せしめられる。従って、容器蓋本体及
びこれに一体に連結された把持体を有する容器蓋を第一
の成形型部から充分容易に且つ迅速に排出することがで
きる。可動部材は圧縮成形された把持体ではなくて容器
蓋本体に作用する故に、圧縮成形された把持体に望まし
くない変形等が生成されることはない。
【0033】本発明に従って構成された圧縮成形装置に
おいては、成形空間内に突出せしめられている容器蓋本
体の突出片が第一の成形型部の可動部材に形成されてい
る支持突起によって支持される。従って、突出片の片面
側から成形空間内に流動する樹脂素材から突出片に加え
られる圧力によって突出片の他面側が第一の成形凹部の
底面に接触乃至近接せしめられることが確実に阻止さ
れ、突出片は第一の成形凹部の底面から離隔した状態に
維持される。それ故に、突出片の他面側にも樹脂素材が
充分に流入し、所要通りの良好な把持体が圧縮成形され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された圧縮成形装置の一実
施例を含む圧縮成形システムを示す簡略平面図。
【図2】図1の圧縮成形システムにおいて処理される容
器蓋本体を示す斜面図。
【図3】図2の容器蓋本体の断面図。
【図4】圧縮成形されると共に容器蓋本体の突出片に一
体に連結された把持体を有する容器蓋を示す斜面図。
【図5】図4の容器蓋の断面図。
【図6】図1の圧縮成形システムにおける圧縮成形装置
の回転式圧縮成形手段を示す断面図。
【図7】図6の圧縮成形手段における成形型及びその関
連構成を示す断面図。
【図8】図6の圧縮成形手段における成形型の第一の成
形型部を示す斜面図。
【図9】図8の第一の成形型部の断面図。
【図10】図6の圧縮成形手段における成形型の第二の
成形型部を示す斜面図。
【図11】図7の線A−Aに沿った断面図。
【図12】図7の線B−Bに沿った断面図。
【図13】図1の圧縮成形システムにおける圧縮成形装
置の樹脂素材受入域を示す部分斜面図。
【図14】図1の圧縮成形システムにおける圧縮成形装
置の樹脂素材受入域を示す部分断面図。
【図15】図1の圧縮成形システムにおける圧縮成形装
置の圧縮成形域上流端における状態を示す部分断面図。
【図16】図6の圧縮成形手段における成形型を、樹脂
素材を所要把持体に圧縮成形した状態で示す部分断面
図。
【図17】図8の第一の成形型部を、容器蓋を排出せん
とする状態で示す部分斜面図。
【符号の説明】
2:穿孔装置 4:回転式容器蓋本体搬送装置 6:圧縮成形装置 8:容器蓋本体 10:容器蓋本体の天面壁 12:容器蓋本体のスカート壁 14:容器蓋本体の連結用突出片 40:回転式圧縮成形装置 42:樹脂素材供給装置 44:排出装置 48:回転支持体 50:成形型 68:把持体 70:容器蓋(容器蓋本体及び把持体) 72:把持体の連結基部 74:把持体のリング部 93:収容空間 94:第一の成形型部 95:第一の成形型部の支持部材 96:第二の成形型部 97:第一の成形型部の型部材 99:第一の成形型部の可動部材 109:可動部材の支持面 110:第一の成形凹部 115:可動部材の支持突起 125:弾性偏倚手段(可動部材移動機構) 127:カム機構(可動部材移動機構) 131:カムロッド 135:カムローラ 137:環状静止カム部材 139:カム溝 180:第二の成形凹部 182:貫通導入孔 216:圧縮ロッド 250:合成樹脂素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 浩 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラ ウンコルク株式会社 平塚工場内 (56)参考文献 特開 平2−127016(JP,A) 実開 昭63−170218(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 B29C 33/00 - 33/76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定開閉動方向に相対的に移動せしめら
    れて開閉動せしめられる第一の成形型部と第二の成形型
    部とから成る成形型を具備し、 該第一の成形型部は収容空間と第一の成形凹部とを有
    し、 該第二の成形型部は第二の成形凹部と該第二の成形凹部
    から所定方向に延びる貫通導入孔とを有し、該貫通導入
    孔には圧縮ロッドが滑動自在に挿通せしめられており、 該第一の成形凹部と該第二の成形凹部とは協働して、合
    成樹脂製把持体を成形するための成形空間を規定し、 該第一の成形型部の該収容空間には円形天面壁、該天面
    壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁及び該スカート
    壁の下端から突出する連結用突出片を有する金属製容器
    蓋本体が収容され、該容器蓋本体の該連結用突出片の少
    なくとも自由端部は該成形空間内に突出せしめられ、 該第二の成形型部の該貫通導入孔に合成樹脂が供給さ
    れ、かかる合成樹脂が該圧縮ロッドによって圧縮されて
    該成形空間に対応した形状の把持体に圧縮成形される、 合成樹脂製把持体を圧縮成形すると同時に容器蓋本体の
    連結用突出片に一体に連結するための圧縮成形装置にお
    いて、 該第一の成形型部は該第一の成形凹部が形成されている
    型部材と該開閉動方向に成形位置と離隔位置との間を移
    動自在に装着された可動部材とから構成され、該可動部
    材には該容器蓋本体の該スカート壁の少なくとも一部を
    支持する支持面が形成されており、 該第一の成形型部の該可動部材を該成形位置と該離隔位
    置とに選択的に位置付けるための可動部材移動機構が配
    設されており、 該第一の成形型部の該可動部材が該成形位置に位置せし
    められている間に該把持体の圧縮成形が遂行され、該第
    一の成形型部と該第二の成形型部との相対的開動と同時
    に或いはこれに引き続いて該可動部材が該離隔位置に移
    動せしめられ、これによって圧縮成形された把持体が該
    第一の成形凹部から離隔せしめられる、ことを特徴とす
    る圧縮成形装置。
  2. 【請求項2】 該可動部材には該成形位置においても該
    第一の成形凹部に突出して該容器蓋本体の該連結用突起
    片を支持し該第一の成形凹部の底面から離隔せしめる支
    持突起も形成されている、請求項1記載の圧縮成形装
    置。
  3. 【請求項3】 該可動部材移動機構は該可動部材を該成
    形位置に弾性的に偏倚する弾性偏倚手段と、該弾性偏倚
    手段の弾性偏倚作用に抗して該可動部材を該離隔位置に
    強制せしめるカム機構から構成されている、請求項1
    は2記載の圧縮成形装置。
  4. 【請求項4】 所定方向に回転せしめられる回転支持体
    を具備し、該成形型は周方向に間隔をおいて該回転支持
    体に複数個配設されており、該カム機構は該回転支持体
    に沿って延在する静止カム部材を含む、請求項記載の
    圧縮成形装置。
  5. 【請求項5】 該把持体は該容器蓋本体の該連結用突出
    片の少なくとも自由端部を囲繞する連結基部、及び該連
    結基部からリング状に延在するリング部を有する、請求
    項1からまでのいずれかに記載の圧縮成形装置。
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