JP3075518B2 - 衝撃吸収材を備えた射出成形靴 - Google Patents

衝撃吸収材を備えた射出成形靴

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JP3075518B2
JP3075518B2 JP08353163A JP35316396A JP3075518B2 JP 3075518 B2 JP3075518 B2 JP 3075518B2 JP 08353163 A JP08353163 A JP 08353163A JP 35316396 A JP35316396 A JP 35316396A JP 3075518 B2 JP3075518 B2 JP 3075518B2
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形靴におい
て特に接地時等の衝撃吸収効果を高める衝撃吸収材の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歩行時又はランニング時等におい
て、足にかかる衝撃荷重を緩和するため、靴の本底と中
底の間の所定部に衝撃吸収材を介装したような射出成形
靴が知られている。このような衝撃吸収材は、材料費が
比較的高価なため、衝撃吸収に必要な箇所に限って設け
るのが効率的であり、例えば歩行の着地時等に最大衝撃
荷重がかかる踵部周辺に局部的に設けたり、又は足裏の
ほぼ全域に亘って層状に設けたりするのが一般的であ
る。そして踵部周辺に設ける場合は通常、直立時に体重
の約6割がかかるといわれる踵の荷重点を中心にして円
形に近い形状又は方形に近い形状等の衝撃吸収材が設け
られる。
【0003】また、衝撃吸収材を靴の所定位置に配設す
る手段として、例えば一定厚みの素材から切出された一
定形状の衝撃吸収材を中底裏面に貼り付けるような方法
が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者等
が歩行時等において足裏にかかる衝撃荷重を足裏圧測定
機で測定したところ、従来の衝撃吸収材の形状では衝撃
荷重域を完全にカバーすることが出来ず、衝撃吸収材の
位置を外れて荷重がかかる範囲が存在することを見出し
た。すなわち、図14は、歩行時の着地から踏出しまで
の荷重曲線を示し、実線が一方側の足裏にかかる荷重曲
線、破線が他方側の足裏にかかる荷重曲線であり、また
図15は図14の荷重曲線の最大の衝撃荷重(100
%)がかかる全荷重点Aを基準にして、その前段階の9
0%荷重点B、80%荷重点Cにおける足裏の荷重域を
示すものである。
【0005】この結果、踵中心部附近を略円形又は略方
形の衝撃吸収材でカバーする従来の方式は、90%荷
重、100%荷重に対しては荷重域が衝撃吸収材からは
みだすようになり、特に踵部中心附近から外甲ラインO
寄りに偏位して前方に延びる荷重域をカバー出来ず、衝
撃吸収効果が万全でないことを見出した。
【0006】また、従来のように一定形状で切出した衝
撃吸収材を中底の裏側に貼り付けるような方法は、貼り
付け部が剥がれて分離しやすく、位置ずれが起きやすい
という問題もある。そしてこのように位置ずれが生じる
と高荷重域から外れて衝撃吸収効果が損なわれるように
なる。
【0007】そこで、歩行時に高衝撃荷重域を衝撃吸収
材で完全にカバーすることで衝撃吸収特性を一層向上さ
せ、しかもこのような衝撃吸収材の位置ずれを生じさせ
ないような技術が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、請求項1において、本底の少なくとも踵部附
近に衝撃吸収材が一体成形された射出成形靴において、
踵部附近の衝撃吸収材の平面形状を、基端側が略半円弧
部で、先端側が靴の外甲ライン寄りに偏って前方に延出
した後先細りとなる歪曲楕円形状とするようにした。
【0009】すなわちこの形状は、足裏にかかる荷重が
全荷重(100%)に達するまでの荷重域を全てカバー
する範囲であり、この範囲に衝撃吸収材を設ければ、特
に衝撃力の強い高荷重を効果的に吸収出来る。ここで、
衝撃吸収材2aは、例えば衝撃吸収効果の高い熱可塑性
樹脂組成物を材料とし、また本底は、例えばPVC等の
熱可塑性樹脂を主成分とする材料とする。因みに、図1
4に示す全荷重点A以降については荷重は減少する傾向
を示すとともに、踵部にかかる荷重は逐次爪先側に移行
し、最後にD点で中足骨附近の踏出し推力となり、離地
する。(他方の逆足は、離地直前に着地荷重に移行)
【0010】そして、衝撃吸収材の具体的な形状とし
て、基端側の略半円弧部は、内踵から足長の15%の位
置が中心点となって、靴の外周ラインから所定のクリア
ランスが得られる半径で描かれる略半円弧を概ねの基本
とし、また、側方は、前記略半円弧部の外側接線が靴の
外甲ラインに添って略平行に延出する線と、前記略半円
弧部の内側接線が靴の内甲ラインに添って略平行に延出
する線と、前記外側接線が足長の50%ラインに交差す
る点と前記内側接線が足長の25〜30%ラインに交差
する点とを結ぶ線を概ねの基本とし、先端の先細り部
は、足長の40%附近で両方の側方線を曲線で結ぶ線を
概ねの基本にするようにした。
【0011】ここで、上記範囲は、本発明者等が測定し
た荷重域を解析して求めた具体的な数値範囲であり、こ
の範囲を越えて衝撃吸収材を設ければ、却って歩きづら
くなることもあり、しかも高価な衝撃吸収材を広面積に
設けることで製造コストもかかるようになる。
【0012】また、衝撃吸収材の厚みを、略半円弧部の
中心点附近で厚くし、途中から前方に向けて徐々に薄く
するようにしても良い。このように、厚みを変化させる
ことで、立体的に衝撃荷重を吸収分散するとともに、例
えばその後、本底を射出成形して衝撃吸収材と本底を一
体化する際、衝撃吸収材の前方から注入すれば、本底材
料の樹脂流れをスムーズにすることが出来る。更に、衝
撃吸収材料の削減が可能となる。
【0013】この際、衝撃吸収材を射出成形により成形
し、その後射出成形される本底と一体成形すれば好適で
ある。
【0014】このように衝撃吸収材を射出成形すれば、
定位置に配置固定することが出来、位置ずれを確実に防
止出来るようになるとともに、厚みに変化を持たせるこ
とも自由に行えるようになる。更に、例えば衝撃吸収材
の接地面側表面に、足にフィットさせるための足裏形状
に合致する形状(以下、アナトミー形状と呼ぶ)を付与
することも出来、足裏のフィット感を高めることが出来
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで図1は本発明に係る
射出成形靴の断面図、図2は衝撃吸収材の平面形状を示
す説明図、図3は図1の射出成形靴を成形する射出製靴
機の各モールドの分解斜視図、図4乃至図9は成形過程
を示す説明図である。
【0016】本発明の衝撃吸収材を備えた射出成形靴
は、主として踵部の衝撃吸収効果に優れた射出成形靴の
提供を目的として開発され、歩行中踵部にかかる高荷重
域をカバーする衝撃吸収材の形状に特徴を有している。
また、このような衝撃吸収材を射出成形し、確実に定位
置に配設するとともに、その後射出成形される本底と一
体化することで位置ずれを防止する点にも配慮してい
る。
【0017】すなわち、前述のように本発明者等が歩行
時等における足裏の衝撃荷重を足裏圧測定機で測定した
結果、図14に示すように、踵着地によって衝撃荷重が
高まり、最大荷重(A点)に達した後、一旦荷重が体の
緩衝機構(関節、脂肪、筋肉)で吸収分散されて弱ま
り、その後踏付部から爪先部にわたって蹴り出す際に再
度荷重が高まって(D点)、最後に荷重が抜けるまでの
約0.8秒間程度において、荷重域分布を特徴的に描く
と図13のようになった。またこの荷重の移行状態は図
12の通りとなる。
【0018】そしてこの測定結果から、当初、踵部にか
かった衝撃荷重は、100%荷重に達するまで、足長中
心線pに対して外甲ライン寄りに偏って前方に延びるこ
とが判った。
【0019】そして、特に歩行中において足に負担のか
かる荷重は、踵着地から全荷重(100%)に達するま
での衝撃荷重であり、この間の衝撃荷重を吸収分散すれ
ば、足に対する負担の軽減に効果がある。因みに、全荷
重以降の荷重は衝撃力としてよりも次の一歩への推進力
としての作用面が強く、衝撃吸収のみならず歩き易さに
も留意する必要がある。
【0020】そこで、本発明の射出成形靴1は、図1、
図2に示すように、胛被3と一体に成形する靴底2とし
て、衝撃荷重のかかる踵部周辺に衝撃吸収材2aを射出
成形し、その後射出成形した本底2bと一体化するとと
もに、靴底2の接地面側には、接地材2cを射出成形
し、本底2bと一体化している。
【0021】すなわち、着地時に踵部にかかる衝撃荷重
を衝撃吸収材2aによって積極的に吸収するとともに衝
撃緩和を図り、アナトミー設計構造を助長し歩き易く且
つ疲れにくくしている。因みに、図1の図番4は中底で
ある。
【0022】ここで衝撃吸収材2aは、例えば衝撃吸収
効果の高いエラストマー成分を含む熱可塑性樹脂組成物
を射出成形し、また衝撃吸収材2aの平面形状は、荷重
測定結果による接地から全荷重(100%)までの荷重
域をカバーし得る形状とされ、図2(A)に示すよう
に、先端側が外甲ラインO寄りに偏位して先細りとなる
歪曲楕円形状としている。
【0023】すなわち、この歪曲楕円形状の基端側は、
内踵Gから足長中心線pに沿って足長Lの15%の位置
Qを中心とし、靴の外周から所定クリアランスcが確保
される半径で描かれる略半円弧部rを基本とし、歪曲楕
円形状の側方側は、外甲ラインOと略平行で且つ前記略
半円弧部rに対して外側の接線となる外側接線eと、内
甲ラインIと略平行で且つ前記略半円弧部Rに対して内
側の接線となる内側接線fとで囲まれる範囲であり、ま
た歪曲楕円形状の先端側は、前記外側接線eが足長Lの
50%ラインmに交差する点xと、内側接線fが足長L
の25〜30%(実施形態では27%ライン)nに交差
する点yとを結ぶ線gを越えない範囲に設定されてい
る。すなわち、r、e、f、gで囲まれる範囲内に衝撃
吸収材2aを配置している。
【0024】そして実施形態では所定のクリアランスc
を約8mm程度とし、基端側の半円弧部rは、厳密には位
置Qを中心とする正確な半円弧でなく、外周ラインから
約8mm程度のクリアランスcが得られるラインに沿わせ
るようにしている。このため、例えば図2(B)に示す
ように、足長Lの短い靴の場合、略半円弧部rは正確な
半円弧(破線)の内側に入り込み、図2(C)に示すよ
うに、足長Lの長い靴の場合、略半円弧部rは正確な半
円弧(破線)の外側にはみ出す。また、歪曲楕円形状の
先端部は、実施形態では内踵Gから足長Lの40%附近
にしている。
【0025】また、この衝撃吸収材2aの厚みは、基端
側から27%ラインnまでの厚みを8m/m前後程度と
し、27%ラインnより前方は、先端に向けて徐々に厚
みを薄くし、また、側方、後方の周縁部にはアールを形
成している。
【0026】以上のような射出成形靴1の靴底2は、図
3に示すような射出製靴機成形型10で成形される。す
なわち、この射出製靴機成形型10は、ラストモールド
11と、左右に分割可能な左右一対のサイドモールド1
2、12と、上・下ダミーモールド13、14と、ボト
ムモールド15を備えており、上・下ダミーモールド1
3、14は断熱材16を介して一体化されている。
【0027】そして、図4の各モールドの組合わせ状況
の説明図に示すように、ラストモールド11に胛被3
(図1)を吊り込み、このラストモールド11をの
ようにサイドモールド12、12と組合わせた後、の
ように上・下ダミーモールド13、14と組合わせ、更
にのようにボトムモールド15と組合わせることで全
てのモールドを組合わせる。
【0028】この状態で、当初、ラストモールド11と
上ダミーモールド13間に溶融樹脂を射出して衝撃吸収
材2aを歪曲楕円形状に成形すると同時に、下ダミーモ
ールド14とボトムモールド15間に溶融樹脂を射出し
て接地材2cを成形する。そして衝撃吸収材2aと接地
材2cが成形されると、図4ののようにボトムモー
ルド15を分離させて上・下ダミーモールド13、14
を抜き出し、その後、のように再度ボトムモールド1
5を組み直して本底材料を射出し、本底2bを成形する
ようにしている。
【0029】すなわち、ラストモールド11の底面に
は、足裏形状を模したアナトミー形状が形成されるとと
もに、上ダミーモールド13の上面には、図3に示すよ
うに、ラストモールド11の下面と接合した際に、衝撃
吸収材2a充填空間を画成するためのキャビティ部Ca
が形成され、また、上ダミーモールド13の片側端面に
は、このキャビティ部Caに向けて溶融樹脂を注入する
ための注入孔13mが設けられている。
【0030】また、下ダミーモールド14の下面には、
接地材2c存在部以外の靴底底面形状を成形するための
形状部が形成されるとともに、ボトムモールド15の上
面には、下ダミーモールド14の下面と接合した際、接
地材2c充填空間を画成するためのキャビティ部Ccが
形成され、またボトムモールド15の片側端面には、こ
のキャビティ部Ccに向けて溶融樹脂を注入するための
注入孔15mと、後述する本底2b成形用のキャビティ
Cbに向けて溶融樹脂を注入するための注入孔15nが
設けられている。
【0031】このような射出製靴機成形型において、図
5に示すようにラストモールド11とサイドモールド1
2、12と上・下ダミーモールド13、14とボトムモ
ールド15を組合わせると、図6の断面図に示すよう
に、ラストモールド11と上ダミーモールド13の間に
衝撃吸収材2a充填空間部(キャビティ部Ca)が形成
され、同時に下ダミーモールド14とボトムモールド1
5の間に接地材2c充填空間部(キャビティ部Cc)が
形成される。
【0032】そして上ダミーモールド13の注入孔13
mから、衝撃吸収用の溶融樹脂を注入し、衝撃吸収材2
aを所定形状に成形するとともに、ボトムモールド15
の注入孔15mから接地材2c用の溶融樹脂を注入し、
所定形状の接地材2cを成形する。
【0033】衝撃吸収材2aと接地材2cが成形される
と、モールドの組み直しが行われ、上・下ダミーモール
ド13、14を抜き出した状態で組み直される。この
間、衝撃吸収材2aはラストモールド11の底面に貼り
付いた状態で残置し、接地材2cはボトムモールド15
のキャビティ部Cc内に残置している。
【0034】そしてこの組み直した状態の断面図は図7
の通りであり、ラストモールド11とボトムモールド1
5の間に本底2b成形用のキャビティ部Cbが形成され
るとともに、このキャビティ部Cbの上部の所定箇所に
は、射出成形された衝撃吸収材2aがセットされた状態
となり、またキャビティ部Cbの下部の所定箇所には、
射出成形された接地材2cがセットされた状態になる。
【0035】ここで、本底成形用のキャビティ部Cb内
に開口する溶融樹脂の充填孔kは、前後方向の略中央部
の下方としている。このため、ボトムモールド15の注
入孔15nから注入した溶融樹脂は、注入孔15nから
充填孔kを通してキャビティ部Cb内に充填され、この
時、キャビティ部Cb内の樹脂流れは、図8に示すよう
な流れとなる。
【0036】すなわち、充填孔kから前方の樹脂経路に
は、樹脂流れの障害となるものがなく円滑に充填される
が、充填孔kから後方の樹脂経路には、衝撃吸収材2a
が存在し、円滑な流れを阻害する傾向にある。
【0037】ところが、衝撃吸収材2aの形状は、図8
(A)に示すように、厚み方向において先端側の厚みが
減少しており、また図8(B)に示すように、平面形状
において先端側が先細りであり且つ衝撃吸収材2aの周
縁部がアールであるため、樹脂は円滑に流動して周囲か
ら後方にまわり込み、充填不足等の不具合がない。
【0038】そして、このようにしてキャビティ部Cb
内に充填された樹脂は本底2bとなり、図9に示すよう
に、衝撃吸収材2aと本底2bと接地材2cが一体化し
た靴底2が成形される。この際、ラストモールド11の
底面のアナトミー形状が正確に衝撃吸収材2aの表面
(接足面)に転写され、足裏のフィット性を向上させる
ことが出来るとともに、衝撃吸収材2aと本底2bが一
体化されているため、衝撃吸収材2aが剥がれて位置ず
れが生じるような不具合がなく、履き心地を良好に保つ
ことが出来る。
【0039】以上のように成形した射出成形靴1につい
て衝撃吸収性を測定した結果は次の通りであった。
【0040】まず、一般的にランニング時における靴と
地面の衝撃荷重は、体重の約3倍であり、地面に衝突す
る直前の垂直方向の衝突速度は約1m/sにも達するとい
われている。そこで、この条件を模擬するため、踵の面
積に近い直径約40mm、質量13kgの落下治具(ロード
セル)を、高さ5cmの位置から踵部に自由落下させ、そ
の時に発生する最大荷重(kN)を測定した。
【0041】この結果は、図10の通りであり、衝撃吸
収材2aのない靴(従来品)の最大荷重曲線a(実線)
に対して本発明の靴の最大荷重曲線A(破線)は、最大
荷重が低く、また最大荷重に達するまでの時間が長くな
っており、この結果から本発明の靴は、衝撃に対して踵
部が柔らかく包み込まれるよう保護されることが判る。
尚、図10の横軸は時間(msec)で、縦軸が最大荷重
(kN)であり、最大荷重値(kN)が小さい程、衝撃吸収
性に優れている。
【0042】また、図11は、踵部の足裏圧を靴内足圧
測定機(F−SCAN)で測定した結果図であり、
(A)が本発明に係る靴、(B)が従来品であるが、従
来品の場合は高荷重域(ハッチング部)が広いのに対し
て、本発明品は、荷重が広範囲に吸収分散され、高荷重
域(ハッチング部)が狭くなっていることが判る。
【0043】更に、実履きによる足入れ官能試験及び2
ヵ月の試験履きを行った結果は、次の表1(足入れ官能
試験)、表2(試験履き結果)の通りであった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】この結果、足入れ官能試験及び試験履き結
果のいずれも、本発明にかかる靴の場合は、衝撃吸収効
果が優れており、足になじんで歩き易く、長時間履いて
いても疲れにくいことが確認された。
【0047】尚、本発明は以上のような実施形態に限定
されるものではない。本発明の技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、本発
明の技術的範囲に包含される。
【0048】以上のように本発明の射出成形靴は、踵部
附近の衝撃吸収材の平面形状を所定の歪曲楕円形状と
し、衝撃荷重がかかる箇所を完全にカバーするようにし
たため、歩行時の特に衝撃力の高い衝撃荷重を効果的に
吸収分散出来る。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形靴の断面図
【図2】衝撃吸収材の平面形状を示す説明図で、(A)
(B)(C)はそれぞれ足長の異なる靴の場合の説明図
【図3】図1の射出成形靴を成形する射出製靴機の各モ
ールドの分解斜視図
【図4】靴底成形時の各モールドの組合わせ過程の説明
【図5】衝撃吸収材と接地材を射出成形するための各モ
ールドの組合わせ状態を示す斜視図
【図6】図5の状態の縦断面図
【図7】本底を射出成形するための各モールドの組合わ
せ状態を示す縦断面図
【図8】本底を射出成形する時の樹脂流れの説明図で、
(A)は側面視図、(B)は平面視図
【図9】射出された本底によって衝撃吸収材と接地材と
本底が一体となった靴底が成形された状態を示す説明図
【図10】衝撃吸収試験の結果図であり、Aが本発明に
係る靴の最大荷重曲線、aが従来品の最大荷重曲線を示
し、横軸は時間(msec)、縦軸は最大荷重(kN)
【図11】踵部の靴内足圧測定結果を示し、(A)は本
発明に係る靴、(B)は従来品
【図12】歩行時の荷重の移行状態の説明図
【図13】歩行時の荷重域の推移図
【図14】歩行時に足にかかる荷重の説明図で実線は一
方側の足、破線は他方側の足
【図15】全荷重に達するまでの荷重域の測定結果図
【符号の説明】 1…射出成形靴、2…靴底、2a…衝撃吸収材、2b…
本底、G…内踵、L…足長、O…外甲ライン、c…クリ
アランス、r…略半円弧部、e…外側接線、f…内側接
線、m…足長の50%ライン、n…足長の27%ライ
ン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−111801(JP,A) 特開 平7−24937(JP,A) 特開 昭51−38350(JP,A) 特許2557792(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 13/00 - 13/42 B29D 31/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本底の少なくとも踵部附近に衝撃吸収材
    が一体成形された射出成形靴であって、前記踵部附近の
    衝撃吸収材の平面形状、基端側が略半円弧部で、先端
    側が靴の外甲ライン寄りに偏って先細りとなる歪曲楕円
    形状にされるとともに、基端側の略半円弧部は、内踵か
    ら足長の15%の位置が中心点となって、靴の外周ライ
    ンから所定のクリアランスが得られる半径で描かれる略
    半円弧が概ねの基本となり、また、側方は、前記略半円
    弧部の外側接線が靴の外甲ラインに添って略平行に延出
    する線と、前記略半円弧部の内側接線が靴の内甲ライン
    に添って略平行に延出する線と、前記外側接線が足長の
    50%ラインに交差する点と前記内側接線が足長の25
    〜30%ラインに交差する点とを結ぶ線が概ねの基本と
    なり、先端の先細り部は、足長の40%附近で両方の側
    方線を曲線で結ぶ線が概ねの基本とされることを特徴と
    する衝撃吸収材を備えた射出成形靴。
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