JP3075230U - 便座シート収納キャビネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】便座シート収納キャビネットのデザイン性の向
上及び小型、省スペース化を図り、加えて便座シートの
円滑な繰り出しを可能にする。 【解決手段】上記課題を解決するために本考案の便座シ
ート収納キャビネット１は使用の都度、便座５の上に載
置し使用後はそのまま廃棄する、いわゆる使い捨てタイ
プの便座用シート３を収納するキャビネットにおいて、
前記キャビネットは円弧状に湾曲したフロントパネル１
３と、このフロントパネル１３の奥部側に一定の間隔を
隔てて位置し、同じく円弧状に湾曲したリアパネル１５
とを備える構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は例えば公衆トイレとか新幹線等の旅客車両用のトイレ等において使用 されている、いわゆる使い捨てタイプの便座シートを束として収納できるキャビ ネットに係り、特に収納された便座シートの円滑な繰り出しと小型、省スペース 化を図った便座シート収納キャビネットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から公衆トイレや新幹線等の旅客車両用のトイレ等において設けられる不 特定多数の人が頻繁に利用する便器に対しては、衛生上の観点から利用者がボッ クス状のキャビネットに予め収納されている便座シートを取り出し、これを便座 の上に載置し、使用後はそのまま水洗トイレに流すといった、いわゆる使い捨て タイプの便座シートが用いられている。 しかしながら、便座シートが収納されているキャビネットは比較的大型で場所 をとり、公衆トイレや旅客車両用トイレのように限られた空間において使用する には不向きであった。またキャビネットの形状は主に角箱上であり、デザイン面 での斬新さやスマート感にも欠けるし、キャビネットに収納される便座シートも 単に平置き状態に載置されているだけでそれ以上の工夫は試みられていなかった 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような従来の技術及び従来の技術が抱える問題の存在を充分に考 慮してなされたものであって、便座シート収納キャビネットの形状ないしは構造 を根本から見直し、デザインを一新することで便座シート収納キャビネットの小 型、省スペース化を図り、加えて便座シートの円滑な繰り出しを可能にする新規 かつ有用な便座シート収納キャビネットを提供することを課題とするものである 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために請求項１記載の考案は、使用の都度、便座の上に載 置し使用後はそのまま廃棄する、いわゆる使い捨てタイプの便座用シートを収納 するキャビネットにおいて、前記キャビネットは円弧状に湾曲したフロントパネ ルと、このフロントパネルの奥部側に一定の間隔を隔てて位置し、同じく円弧状 に湾曲したリアパネルとを備えることを特徴として成る。

【０００５】 請求項２記載の考案は、請求項１に記載した便座シート収納キャビネットにお いて、前記フロントパネルの上部にはシート取出口と、このシート取出口を選択 的に開放ないしは閉鎖する回動自在のウイングカバーが設けられていることを特 徴として成る。

【０００６】 請求項３記載の考案は、請求項１または２に記載した便座シート収納キャビネ ットにおいて、前記フロントパネルの中央上部には収納される便座シートの端部 に形成される係止穴に貫通し便座シートを保持する係止フックが設けられている ことを特徴として成る。

【０００７】 請求項４記載の考案は、請求項１〜３のいずれかに記載した便座シート収納キ ャビネットにおいて、前記フロントパネルないしはリアパネルのいずれか一方、 または双方には収納された便座シートを押圧保持する押圧機構が設けられている こを特徴として成る。

【０００８】 請求項５記載の考案は、請求項１〜４のいずれかに記載した便座シート収納キ ャビネットにおいて、前記リアパネルの背面には芳香、消臭ないしは除菌効果を 有する機能性収容物を収容する収容スペースが設けられていることを特徴として 成る。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の便座シート収納キャビネットについて図１〜４に示す実施の形 態を例にとって具体的に説明する。尚、以下の説明では、最初に本考案の適用対 象である便座シートの構成について説明し、次いで本考案の便座シート収納キャ ビネットの構造及び操作手順について説明した後、最後に部分的構成を異にする 本考案の他の実施の形態に言及する。

【００１０】 本考案の便座シート収納キャビネット１の適用対象である便座シート３はＯ型 、Ｕ型等種々存在する便座５の形状に合わせて裁断されるシート本体７を備える 。このシート本体７の材料としては紙、不織布等適宜の材料が適用できるが使用 後の廃棄の便を考え、水溶性で環境汚染等の心配のいらない材料を使用する。こ のようなシート本体７単体から成る便座シート３に対しても本考案の便座シート 収納キャビネット１は使用できるが、好ましくは以下述べるような粘着作用を有 する便座シート３を使用する。シート本体７における便座側接着面には図５に示 すように一例として２ヶ所に粘着部９を設ける。また便器用上蓋側にくる使用面 には粘着部９に対応する位置に剥離部１１を設ける。

【００１１】 剥離部１１は便座シート収納キャビネット１内に収納される積層状態の便座シ ート３同士の接着を防止するために粘着部９を保護し、これを覆い隠す目的で設 けられるものである。従って剥離部１１の作用面は粘着部９の作用面よりも幾分 大きめに設定されることが好ましく、本実施の形態では一例として剥離部１１の 作用面を１０×２０ｍｍ、粘着部９の作用面を５×１０ｍｍの矩形状に設定した 。

【００１２】 本考案の便座シート収納キャビネット１はこのような便座シート３を効率的にス マートに収納できるように、以下述べるような構成をとる。 図１〜４に示すように先ず前面には平板を円弧状に湾曲させたような形状のフロ ントパネル１３を有する。そしてこのフロントパネル１３の奥部側には一定の間 隔を隔てて同様に平板を円弧状に湾曲させたような形状を有するリアパネル１５ を有する。このフロントパネル１３とリアパネル１５とによって挟まれた空間が 便座シート３の収納空間１７となる。

【００１３】 フロントパネル１３及びリアパネル１５の左右両端面は前面側をフロントパネ ル１３の湾曲円弧形状に合わせて曲線状に形成し、一方、背面側は直線状に形成 した略半円板形状の側板１９によって閉塞されている。またリアパネル１５の背 面には矩形平板状の取付基板２１が設けられている。この取付基板２１によって 上記フロントパネル１３、リアパネル１５及び左右の側板１９が支持され、便座 シート収納キャビネット１全体として「蒲鉾」状に外観が形成されている。これ ら各部材はプラスチック製材料による射出成形や金属製薄板による打ち抜き、曲 げ加工等の成形手法により成形される。

【００１４】 フロントパネル１３の上部には幅方向に延びる長尺略矩形状のシート取出口２ ３が開口されており、更にその上方奥部寄りにはシート取出口２３を選択的に開 放ないしは閉鎖状態に切り替える湾曲円弧状のウイングカバー２５が取付基板２ １の上部に設けられている取付ヒンジ部２７を介して回動自在に支持されている 。ウイングカバー２５は左右に一枚ずつ計二枚設けられており、これら二枚のウ イングカバー２５の回動基端側の左右両端面には回動軸部２９が突出している。 この回動軸部２９と嵌合する軸受穴部３１が上記取付ヒンジ部２７に各一個、計 四個設けられている。

【００１５】 フロントパネル１３の中央上部には取付基板２１から前方に「茸」状に延びる 係止フック３３が設けられている。係止フック３３は長尺のピン状部材であり、 便座シート３の端部に形成される係止穴３５に貫通し、便座シート３を保持する 作用をする。 またフロントパネル１３の上部において開口しているシート取出口２３の下方 縁は幾分前面側に湾曲したカール部３７となっている。このカール部３７は収納 された便座シート３を引き出す際、シート取出口２３の下方縁に引っ掛からない ようにその繰り出しを円滑にする目的で設けられるものである。

【００１６】 このような便座シート収納キャビネット１に便座シート３を収納するにあたっ ては、例えば１００枚単位で粘着部９と剥離部１１とが接触するように積層した 束を作っておき、二枚のウイングカバー２５を上方に回動させて起立状態にし、 開放されたシート取出口２３から所定量の便座シート３の束を挿入し、フロント パネル１３及びリアパネル１５の収納空間１７側の湾曲した壁面に沿わせるよう にして下方に滑らせながら収納する。一方、便座シート３の上部は上端に形成さ れている係止穴３５を係止フック３３に引っ掛けることにより保持させる。そし て再びウイングカバー２５を下方に下げ、シート取出口２３を閉鎖状態とすれば 便座シート３の収納は完了する。

【００１７】 また収納した便座シート３を引き出す場合には最前面に位置する便座シート３ の係止穴３５付近の端部を掴んで上方に引き出す。このとき前面から二枚目の便 座シート３の粘着部９は最前面に位置していた便座シート３の剥離部１１によっ て覆われていたから最前面の便座シート３を引き出す際、前面から二枚目の便座 シート３がいっしょに引き出されてしまうということは起こらない。以下、二枚 目、三枚目の便座シート３を引き出す場合も同様の操作手順による。

【００１８】 以上、本考案の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施 の形態に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計の 変更などがあっても本考案に含まれる。 例えば上記実施の形態にあっては、便座シート収納キャビネット１を横置き状態 に配置し、上方から便座シート３を引き出すという構成を採ったが、便座シート 収納キャビネット１を縦置き状態に配置し、側方から便座シート３を引き出すと いう構成を採用することも可能である。 また便座シート収納キャビネット１の形状を円筒状や中空円筒状にすることも可 能であるし、側板１９やウイングカバー２５を排除し、側部ないしは上部を常時 開放状態とした形状とすることも可能である。

【００１９】 更にウイングカバー２５の幅寸法を長くして、一枚のウイングカバー２５によ ってシート取出口２３を覆うように構成することも可能であるし、比較的軟質の フィルム状の材料によってウイングカバー２５を形成し、回動軸部２９による回 動動作ではなく、撓み変形によりシート取出口２３の開放と閉鎖とを切り替える ようにすることも可能である。 この他、図６に示すように一例としてウレタン系のクッション素材から成る押 圧パッド３９を収納空間１７内に設けておき、収納状態の便座シート３を押圧保 持する押圧機構として作用させ、便座シート３の下方への滑りを防止した構成と することも可能である。

【００２０】 またリアパネル１５と取付基板２１とによって区画されたスペースの有効利用 を図る目的で図７に示すようにこのスペースを芳香、消臭ないしは除菌効果を有 する機能性収容物４１の収容スペース４３として使用することも可能である。 この他、図８に示すように便座シート３の下端（係止穴３５の形成されていな い側の端部）側を掴んで便座シート３を引き出すように便座シート３の収納空間 １７ないしは係止フック３３による係止位置を変更した構成とすることも可能で ある。

【００２１】 更に図９に示すようにフロントパネル１３の下端部に回動軸４５を設け、この 回動軸４５を回動中心としてフロントパネル１３を上下に回動し得る構成とする ことも可能である。このように構成した場合には収納空間１７内で便座シート３ が詰まってしまったような場合でも簡単に便座シート３を取り除くことができる し、このフロントパネル１３により最前面の便座シート３を軽く押圧することに よりフロントパネル１３の内面に便座シート３の粘着部９が付着し、フロントパ ネル１３の拡開動作に伴って最前面の便座シート３が他の便座シート３と分離さ れ取り出されるという使用態様も可能となる。 また図９では回動軸４５にねじりコイルバネ４７を装着しており、このねじり コイルバネ４７の付勢力によってフロントパネル１３の上方への回動動作を軽く したり、収納された便座シート３を押圧保持する押圧機構として使用することも 可能となる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は以上のような構成を有することによって成るものであり、このような 構成を有することによって以下のような効果を発揮し得る。 即ち、円弧状に湾曲したフロントパネル１３及びリアパネル１５を採用したこと により便座シート収納キャビネット１の小型、省スペース化が図れ、デザインも 従来のものから一新し、スマートなデザインとなり、便座シート３の引き出しも 極めて円滑に行えるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態に係る便座シート収納キャ
ビネットの設置状態を示す斜視図である。

【図２】本考案の実施の形態に係る便座シート収納キャ
ビネットを示す斜視図である。

【図３】本考案の実施の形態に係る便座シート収納キャ
ビネットを示す分解斜視図である。

【図４】本考案の実施の形態に係る便座シート収納キャ
ビネットを示す中央縦断側面図である。

【図５】本考案の便座シート収納キャビネットに使用で
きる便座シートの一例を示す平面図並びに底面図であ
る。

【図６】本考案の他の実施の形態に係る便座シート収納
キャビネットを示す縦断側面図である。

【図７】本考案の更に他の実施の形態に係る便座シート
収納キャビネットを示す縦断側面図である。

【図８】本考案の更に他の実施の形態に係る便座シート
収納キャビネットを示す縦断側面図である。

【図９】本考案の更に他の実施の形態に係る便座シート
収納キャビネットを示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 便座シート収納キャビネット ３ 便座シート ５ 便座 ７ シート本体 ９ 粘着部 １１ 剥離部 １３ フロントパネル １５ リアパネル １７ 収納空間 １９ 側版 ２１ 取付基板 ２３ シート取出口 ２５ ウイングカバー ２７ 取付ヒンジ部 ２９ 回動軸部 ３１ 軸受穴部 ３３ 係止フック ３５ 係止穴 ３７ カール部 ３９ 押圧パッド ４１ 機能性収容物 ４３ 収容スペース ４５ 回動軸 ４７ ねじりコイルバネ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】使用の都度、便座の上に載置し使用後はそ
   のまま廃棄する、いわゆる使い捨てタイプの便座用シー
   トを収納するキャビネットにおいて、前記キャビネット
   は円弧状に湾曲したフロントパネルと、このフロントパ
   ネルの奥部側に一定の間隔を隔てて位置し、同じく円弧
   状に湾曲したリアパネルとを備えることを特徴とする便
   座シート収納キャビネット。
2. 【請求項２】請求項１に記載した便座シート収納キャビ
   ネットにおいて、前記フロントパネルの上部にはシート
   取出口と、このシート取出口を選択的に開放ないしは閉
   鎖する回動自在のウイングカバーが設けられていること
   を特徴とする便座シート収納キャビネット。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載した便座シート収
   納キャビネットにおいて、前記フロントパネルの中央上
   部には収納される便座シートの端部に形成される係止穴
   に貫通し便座シートを保持する係止フックが設けられて
   いることを特徴とする便座シート収納キャビネット。
4. 【請求項４】請求項１〜３のいずれかに記載した便座シ
   ート収納キャビネットにおいて、前記フロントパネルな
   いしはリアパネルのいずれか一方、または双方には収納
   された便座シートを押圧保持する押圧機構が設けられて
   いることを特徴とする便座シート収納キャビネット。
5. 【請求項５】請求項１〜４のいずれかに記載した便座シ
   ート収納キャビネットにおいて、前記リアパネルの背面
   には芳香、消臭ないしは除菌効果を有する機能性収容物
   を収容する収容スペースが設けられていることを特徴と
   する便座シート収納キャビネット。